経済産業省
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世耕経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成29年12月22日(金)
10時57分~11時21分
於:記者会見室
 

冒頭発言

【地域未来投資促進法】

初めに、私から2点申し上げます。
まず、1点目ですが、地域未来投資促進法に基づきまして、21道府県及び関係市町村から新たに提出されました74の基本計画に本日付で同意いたしました。国が同意した計画は、合計で45道府県、144計画となります。
また、地域未来投資促進法を活用して、全国で幅広く地域経済牽引事業が実施されるよう、本日この事業の担い手候補となる地域の中核企業であります地域未来牽引企業2,148社を公表いたします。ものづくりから農林水産、観光、スポーツ、ヘルスケアなど、地域の特性を踏まえた幅広い分野の企業を選定いたしました。
選定企業に対しては、経済産業省としてその取組を強力に支援をしてまいります。
各経済産業局に選定企業をワンストップで支援する体制を整備し、関係省庁や商工会議所、地域の金融機関などの支援機関と協力して支援してまいります。補助制度や政策金融機関による融資制度など、地域未来投資促進法に基づく新たな措置も活用して、集中的に支援を実施いたします。また、関係者による協働の契機として、地域未来牽引企業サミットを開催したいと思っております。

【製造業の品質保証体制の強化】

2点目ですけれども、製造業の品質保証体制の強化に向けて、経済産業省としての対応策を発表いたします。
昨今の製造業の製品検査データの書きかえ不正事案は、現時点で具体的な安全性に関する問題が出てきているとは認識しておりませんけれども、いまだ全ての検証結果が出ておりません。安全は全てに優先する事項でありまして、まずは引き続き当事者が安全性の検証を速やかに完了することを求めていきたいと思います。
それを前提として、その上で今回の一連の事案は各社の品質保証体制にかかわる問題でありまして、企業の競争力に直結する経営問題であります。さらには、サプライチェーンの広がり、つながりなどを考慮すれば、日本の産業界全体の競争力にも影響を及ぼしかねないわけであります。産業界には、今回の一連の事案をこういった事実を再認識する契機と捉えて、今後の具体的なアクションに結びつけていただきたいと思います。
昨日、経団連が会員企業向けの説明会を開催して、改めて不正事案の点検、不正防止策の実施の徹底を呼びかけました。その際、複数の業界団体が品質に関するガイドラインの策定を検討している旨、表明したことは、まさにそうした動きとして歓迎、評価したいと思います。
経済産業省としては、こうした産業界の取組を多面的に後押しするために、所要の措置を講ずることといたします。
まず、コネクテッド・インダストリーズを推進しているわけでありますが、その中で品質データなどをサプライチェーンにおける協調領域になり得るものと位置づけて、データ共有などの取組をうそのつけない仕組み、トレーサビリティの確保などの先進事例の共有、予算措置、税制措置、契約ガイドラインの改訂によって、推進をしてまいります。
また、今回の事案が子会社などで起こっているということも踏まえまして、子会社を含めたグループガバナンスの実効性向上に向けた検討を進めるとともに、次期通常国会に向けて、JISの対象への経営管理などの追加、そして法人への罰則強化などを盛り込んだJIS法の改正を検討してまいりたいと思います。
詳細は後ほど事務方から説明をさせます。
私のほうからは以上です。

質疑応答

【平成30年度予算】

Q:先ほど閣議決定されました来年度予算について、大臣の思い入れ、工夫点など、ございましたら教えてください。

A:先ほどの閣議で来年度の当初予算及び29年度の補正予算が閣議決定されました。予算における経済産業省としての主要な柱は三つであります。
まず、一つ目はコネクテッド・インダストリーズの実現に向けて、企業間のデータ連携ですとか、標準化獲得、そして次世代技術への研究開発、こういったものを加速してまいりたいと思います。
次に、事業承継を加速するため、10年間限定で事業承継税制を抜本的に拡充するとともに、事業引継ぎ支援センターの体制強化を図ります。
加えて、補正予算案において、いわゆるものづくり補助金1,000億円、IT補助金500億円を計上いたしまして、中小企業・小規模事業者の抜本的な生産性向上を図っていきたいと考えています。
また、エネルギー政策に関しては、福島の復興をしっかりと進めるために、再エネ導入のための送配電網整備ですとか、あるいは再エネから水素をつくるための実証事業を大幅に拡充して、政策を推し進めてまいりたいと思います。
政策パッケージで掲げた生産性革命を実現するために、予算や税を含めたあらゆる施策を総動員していきたいと考えております。

【製造業の品質保証体制の強化】

Q:先ほどの製造業の品質保証に関連して、昨日神戸製鋼が最終的な報告の越年と、あと役員の方が不正を認識していたということを発表したと思いますが、それに対する大臣の受け止めは何かありますか。

A:神戸製鋼の外部調査委員会は、年内の完了を目途に調査を進めていたわけでありますけれども、昨日神戸製鋼とこの委員会の間で、調査の完了時期を来年2月末ごろとすることで合意したという発表があったと聞いております。
経済産業省としては、外部調査委員会の調査が早期に完了することは期待しておりますけれども、この外部調査委員会がみずからの検証作業の適切性を確保するために、一定の時間をかける必要があると判断したことについては、尊重すべきだと考えています。あわせて、神戸製鋼所の執行役員3名について、不適切行為の認識があったことから、事業部門長付に担当部門を変更すると発表されたと承知をしております。
今後、外部調査委員会において、事実関係の全体像が究明されることになると考えておりますが、神戸製鋼においては、引き続き外部調査委員会の調査に全面的に協力するとともに、安全検証の完了に全力を挙げていただいて、社会からの信頼回復に努めることを求めたいと思います。

【NUMOの説明会】

Q:先日、核のごみの処分についての説明会で、委託を受けた業者ではなく、NUMOの職員が電力子会社の社員に一般参加者として参加を働きかけたのではないかという疑いの情報提供があったと、その辺について外部の調査チームが調べるという意向を示しています。NUMOの職員となると、また事態は違ってくると思いますけれども、それについて受け止めをお願いします。

A:NUMOは科学的特性マップに関する意見交換会に対して、学生に対する謝金提供、これの調査を委託して、外部の人たちに調査をしてもらっていたわけでございますが、電力関係者の参加に関しても、問題があるのではないかという外部からの指摘もあったため、電力関係者の参加の実態などについても、この調査チームで調査をすることになりましたと聞いております。
国民の皆さんとの対話活動を信頼性のある形で進めていけるよう、こういった点も含めて、しっかりとした調査をお願いしたいと思っています。

【大飯原発】

Q:報道によると、先ほど関西電力が取締役会を開いて、大飯原発1、2号機の廃炉について決定したと報じられています。それについての大臣の受け止めと、こういうふうにかなり年数がたった原発がどんどん廃炉していくと、2030年に20%から22%という比率にも影響にも及ぶのではないかという考え方もありますが、いかがでしょうか。

A:まず、今日関西電力が取締役会を開催して、大飯発電所1、2号機について、安全性を最優先に検討した結果、廃炉する方針を決定したと聞いております。
関西電力においては、関係法令に基づいて、安全を最優先に円滑に廃炉のプロセスを進めていただきたいと思っております。
今後のエネルギーミックスなどへの影響といったところでありますけれども、原発ごとに出力規模ですとか、実際の稼働率も異なりますので、今この2基の廃炉をもって、確定的なことを申し上げることはできないわけでありますけれども、一定の仮定のもとに計算をすれば、2030年度に原発比率20%を達成するためには、30基程度が必要という計算になるわけでありまして、原子力規制委員会の審査を経て、安全最優先で安全が確認できた原発の再稼動や稼働率の向上、あるいは一部の炉のこれも安全が最優先ということになりますが、運転期間延長などの対応によって、達成可能だと考えておりまして、今回の廃炉決定をもって、エネルギーミックスの達成が直ちに困難になるというわけではないと思っております。

【汚染水対策】

Q:原発関連ですが、汚染水対策についてお伺いします。
先日、15日なのですけれども、機会がございまして、久しぶりに福島第一原発を見学することができました。二、三年前に行ったときに比べると、大変タンクが多くなっておりまして、その後、タンクの方と懇談したのですけれども、結局、規制庁も言っていますけれども、トリチウムは除去できないので、どんどんタンクにたまってしまうと、最終的には海に希釈して捨てるしかないのではないかというような方向は、何となく出ているのですが、これについてこれまで東電が最終的な責任を持つのだと言っておりましたが、世耕大臣が国としてもこの問題については、責任を持つというようなことを言ってくださったということで、大変心強いということを言っていました。
実際には非常に難しい問題だと思うのですが、その後進展、その他見通しはどのようになっているか、改めてお伺いいたします。

A:多核種除去設備、いわゆるALPS等で浄化処理をして、敷地内のタンクに貯蔵されている水については、その長期的な取り扱いの決定に向けて、技術的な見地だけではなくて、風評被害など、社会的な観点も含めた総合的な議論が必要だと思っています。このため、国の小委員会において、風評被害に関する専門家や福島県などの地元の御意見を丁寧に伺っているという段階であります。
まずは、風評被害やリスクコミュニケーションの問題なども含めて、国の小委員会において議論を尽くすことが重要でありまして、地元の方々や専門家の御意見を丁寧に伺いながら、しっかりと検討を進めていきたいと思います。
また、タンクについては、汚染水発生量を抑制する対策を今講じていて、効果が出ていると思っております。その上で、2020年までに約137万トンの容量を確保する予定であるなど、必要な容量を計画的に確保することにしておりまして、当面の間、容量に支障は生じないと認識をしています。
これはタンクだけではなくて、引き続き凍土壁やサブドレインの強化といった予防的、かつ重層的な対策によって、汚染水の発生量そのものを抑制しながら、計画的に必要なタンク容量の確保を進めるよう、東京電力を指導してまいりたいと思っています。

【商工中金】

Q:商工中金について、ここまで有識者の検討会が5回議論が終わったと思うのですけれども、いろいろな論点が出てきて議論されていまして、危機対応融資のあり方ですとか、何となく収れんしつつあるような部分もある一方で、完全民営化というような話も出ている中、その点については結構議論に幅があるような印象も受けるのですけれども、ここまでの議論を振り返って、大臣として今後の改革の方向性、どのように受け止めていらっしゃいますか。

A:私もこの検討会の議事録などは全部つぶさに読ませていただいております。大変活発で、非常に見識にあふれた御意見をたくさんいただいていると思っています。
かなり議論が活発で、かつ幅広くなっておりますので、なかなか今、収束点が難しいという事務方からの報告も受けていますが、ともかく引き続きゼロベースでの議論をしっかりとしていただいて、その結果を踏まえて、商工中金の改革に反映していきたいと思います。
できるだけ早く商工中金の改革を動かしたいという思いがありますので、できれば年内をめどにまとめていただきたいという考えもありますが、一方でスケジュールありきで拙速な議論になってはいけませんので、有識者の皆さんにまずしっかりと御議論をいただいて、納得のいけるタイミングが出てくれば、そこで一つの取りまとめという形にしていきたい。スケジュールありきではなくて内容重視で、しかし一方で商工中金の改革を早く動かしたいという思いの中で、適切な時期に報告をいただいて、経済産業省としての判断をしていきたいと思っております。

【40年ルール】

Q:先ほどのエネルギー政策に関して2点お伺いしたいのですけれども、当初40年のルールを決められたことで、当初原則だと理解しているのですが、今のままでいくと、運転延長がどんどん申請されて、当然のようになっているように感じまして、骨抜きになっているのではないかという指摘もあります。
あと老朽化した原発が多いことに対する地元の不安もあると聞いていまして、その辺について大臣はどうお考えか、お聞きしたいと思います。

A:運転延長については、これは経済産業省の判断というよりは、これはあくまでも規制庁が新規制基準にのっとって、そしてまた運転延長というものを認めるかどうかという判断をこれは安全最優先の観点から、されるかどうかということにかかっている、それに尽きると思っております。

Q:もう1点、最近、原発がなかなか業界的には動かすのがしんどいということで、国による支援を求める声が高まっているのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

A:基本的には、原発を再稼動させるのか、廃炉をするのかということは、一義的にはまず事業者が事業者として意思決定をして、その上で申請を行って、そして規制委員会の新規制基準に従った判断にのっとって、作業が進んでいくと、そのことに尽きるのだろうと思っています。

【電源立地地域対策交付金】

Q:また同じく原発についてなのですけれども、電源立地地域対策交付金で、昨年、経済産業省のほうで規定の改定がありまして、再稼動について、規制委員会の審査を終えてから、9カ月たっても原発が再稼動しない場合、立地自治体の交付金を大幅に減らすという規定改定がありまして、まさに今柏崎刈羽は新規制基準の適合性審査の合格が出そうな状況で、まだ工事計画ですとか、保安規定の審査が残されていますけれども、新潟県が独自で行っている検証作業というのが長引いたら、当然交付金が減らされるという可能性があります。
地元からは、期限を切って、原発再稼動を迫るような姿勢には反発が上がっていまして、従来どおりの交付の仕組みに戻してほしいというような声があると思いますけれども、国としては再稼動に向けて、地元に理解を求めるというのが重要だとおっしゃっておりますけれども、こういう状態について御所見があれば。

A:基本的には、交付金がどうこうというよりは、再稼動については、あくまでもこれは規制委員会の判断に基づくものだと思っております。その上で地元の御理解をいただくことも、非常に重要だと、そういう考え方にのっとって、地元にも対応してまいりたいと思っております。

【大飯原発】

Q:大飯原発に関連してなのですけれども、今回の廃炉の判断の背景には、安全対策費用の増大とか、あるいは電力需要が伸びないという経済的な背景が大きかったと思うですが、原発の経済性について、改めて問われていると思うのですけれども、そのあたりはどうお考えですか。

A:今回の大飯1、2号機については、極めて特殊な構造の原発であったということで、関西電力においては、再稼動に向けた対策がかなり複雑化するということから、安全性を最優先に検討した結果、廃炉を決定したと承知をしております。
ですので、今回の廃炉決定をもって、そもそも原発のコストが高いということで、電力事業者が判断をしているということには、ならないのではないかと思っています。

Q:同じく大飯原発の廃炉の関係なのですけれども、原発の選別をしていくのは必要だと、必要なのも、動かせるもの、廃炉にするもので選別が進んでいくのはいいのだけれども、地元では選別だけではなくて、今後やめるだけではなくて、新設なり、増設なり、建てかえなりということも考えていかないと、ミックスとは別に、技術の継承だったり、地域の経済だったりということを考えると、そうした新設、増設、リプレースも必要だという声も根強いのですけれども、こういうことに対しては、どう今後応えていくお考えですか。

A:これは、今エネルギー基本計画に関して検討をいただいているところでもありますので、そういったところの御議論も踏まえながら考えいきたいと思っています。
ただ、先ほども申し上げましたように、今のところ新増設、リプレースなどをしなくても、エネルギーミックスは達成できるというふうには考えておりますけれども、いずれにしても安全最優先で取り組みながら、エネルギー基本計画、あるいは2050年も踏まえた議論などもしていただきながら、考えていきたいと思っています。

【経済産業省参与】

Q:先日経済産業省の参与を辞任された齋藤ウィリアム浩幸氏について伺いたいのですけれども、ちょうど1年前に委嘱されていますけれども、UCLA医学部卒業であったりとか、国会事故調の最高技術責任者ということで、経歴が本当に正しいのかどうか、疑わしいという指摘もありますけれども、参与として具体的に何をされていたのか、セキュリティ対策では何をしていたのかといったことを伺えますでしょうか。

A:齋藤ウィリアム浩幸氏は、いわゆるダボス会議、ワールド・エコノミック・フォーラムなどで、国際的に活躍をしておられる方でありまして、その知見ですとか、あるいは人脈に期待をして、参与に任命したところであります。著書も複数あったりとか、あるいはワールド・エコノミック・フォーラムのヤンググローバルリーダー、日本でもそうそうたる皆さんが任命されていますけれども、それに選定をされている方であるということで、知見に期待をして、参与に任命をいたしました。これまでサイバーセキュリティ関係の国際会議の企画などに際して、海外有識者の人選ですとか、招待状の発出などに御尽力をいただいてきたところであります。
先日、一身上の都合ということで、辞職の申し出がありましたが、我々としても仕事には一区切りがついておりますので、それを受理したところであります。
どういう仕事をやっていただいたかといいますと、先ほども申し上げましたように、国際会議への対応ですとか、あるいは独法のIPAの産業サイバーセキュリティセンター設立に当たっての海外有識者の招聘などについて、月1回程度のペースで御助言をいただいていたところであります。
経歴に関しては、経済産業省として御提出いただいた経歴の中には、別に何か虚偽に当たるようなことはなかったと認識をしております。

Q:機密性の高い情報とかには触れ得たのでしょうか。

A:全くそれはありません。何か特定の技術に期待をして、参与をやっていただいたというよりは、国際的な人脈とか知見、あるいは海外の事例に精通をしておられる。その観点から、アドバイスをいただくという立場でありましたので、何か特定の機密とか、技術情報に接するということは、全くありませんでした。

以上

最終更新日:2017年12月25日
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