経済産業省
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平成22年 年頭所感 ~経済産業大臣 直嶋 正行~

平成22年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。 昨年夏の総選挙により政権交代が実現しました。鳩山総理の下で内閣一丸となって、国民の皆様から寄せられた信頼と期待にお応えするため、お約束した政策を一つ一つ着実に、そしてスピード感を持って実行すべく、全力を尽くしてまいります。本年も皆様の一層の御支援と御協力を御願い申し上げます。

我が国経済については、一部の経済指標に持ち直しの動きはあるものの、その水準は低く、雇用情勢や中小企業の業況などには、依然厳しいものがあります。また、デフレや為替変動など、景気の下振れも懸念される状況にあります。
 このため、昨年(平成21年)12月8日には、雇用・環境・景気を柱とした「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を取りまとめました。新卒者の就職支援の強化や中小企業の資金繰り対策の拡充、エコポイント制度とエコカー購入補助金制度の延長・拡充など、実効性のある対策に重点的に取り組むこととし、国費7.2兆円、事業規模24.4兆円の対策となっています。当面の難局を乗り越えるため、第二次補正予算を編成し、これらの政策を速やかに実行してまいります。

こうした短期的な景気対策とともに、新たな成長戦略を確立し、我が国が中長期的に安定した経済成長を実現することが重要です。
 国内では少子高齢化が進展する一方で、国際的にはアジア諸国の急速な発展、地球温暖化問題、資源確保競争等、国内外の環境は大きく変化しております。今こそ、将来に向かって国内外で新しい需要を創出し、新しい雇用を確保していくための道筋をしっかりと示していかなければなりません。
 こうした問題意識から、経済産業大臣就任以来、新たな成長戦略の策定に向けて集中的に検討を進め、昨年末には政府全体として成長戦略の「骨格」をとりまとめました。
 今後は、2020年を見据え、成長するアジアの活力を取り込み、地球温暖化対策をチャンスと捉える発想で、国民が暮らしの豊かさを実感することができる社会の実現のため、具体的な取組を進めていくことが何よりも重要なことだと考えています。直ちに着手できる施策については、22年度予算にも反映させ、また、必要な立法措置を講じていくこととしております。
 中小企業は、我が国雇用の約7割を支えており、その活性化は政府の最重要課題です。現在の厳しい状況に対応し、資金繰り対策や下請取引の適正化などに万全の構えで取り組んでまいります。また、厳しい環境下にあっても、積極果敢に前進を図る中小企業に対しては、販路拡大や新分野への挑戦を支援します。

資源エネルギー政策については、その安定供給を確保するとともに、地球温暖化対策と「コインの裏表の関係」としてのエネルギー政策を確立することに取り組みます。
 このため、資源国との関係強化や国際的なエネルギー協力など資源エネルギー外交を強力に推進するとともに、国内においては、太陽光発電の買取制度の拡大やスマートグリッドの実証など、新エネルギーの導入促進に全力で取り組んでまいります。
 また、エネルギーの安定供給と低炭素社会の実現を両立させるため、安全の確保を大前提として、国民の皆様の御理解と御信頼を得ながら、原子力発電及び核燃料サイクルを引き続き着実に推進してまいります。

地球温暖化対策について、我が国は、温室効果ガスを1990年比で2020年までに25%削減という高い目標を掲げて、国際的な温暖化対策の議論をリードしてきました。重要なことは、その前提条件である「全ての主要国の参加による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意」を実現することです。今般のコペンハーゲン合意はその大きな基礎となるものであり、今後、我が国の掲げる前提条件を満たすような、新たな一つの国際的な枠組み作りに全力で取り組んでまいります。
 また、「環境と経済の両立」に向けて、イノベーションを推進することが不可欠です。二酸化炭素の回収・貯留技術(CCS)など革新的な技術の創出・普及を早期に実現すべく、研究開発の前倒しや、グリーン特許など知財保護の強化を図ります。また、我が国の環境エネルギー技術を世界に展開することにより、世界全体での排出量削減と我が国産業の国際競争力の向上につなげてまいります。

通商政策については、「東アジア共同体」の構築に向けた取組を進めてまいります。本年は、我が国がAPECの議長を務めます。APEC全体としての成長戦略の策定、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)構想の実現に向けた道筋の検討など、アジア太平洋地域の成長と統合に向けた新たな取組を主導してまいります。
 また、保護主義の動きを抑止し、自由貿易を推進することは、我が国経済にとって極めて重要であり、WTOやEPAに積極的に取り組んでまいります。特に、ドーハラウンドについては、本年中の妥結に向け、各国との交渉を加速してまいります。

これらの施策を着実に実行し、我が国経済・産業の成長と発展のため、そして国民の皆様が将来に希望を持てる社会を築くため、本年も全力を尽くしてまいります。皆様の御多幸と御健康をお祈り申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

平成22年 元旦
経済産業大臣 直嶋 正行


 
最終更新日:2010年1月4日
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