経済産業省
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国内投資促進円卓会議(第1回)‐議事要旨

日時:平成22年9月28日(火)17:00~18:00
場所:官邸4階大会議室

出席者

資料3のとおり

議事概要

1.総理挨拶

  • 8月の終わりに「日本国内投資促進プログラム」の策定を指示した。この円卓会議は、重要なプログラムを取りまとめる役割を担っていただきたい。新成長戦略実現会議をスタートしたが、円卓会議はその重要な柱。内閣としては、大畠大臣に担当してもらう。
  • 今、日本国内への投資を根本から建て直す必要がある。日本を巡る企業の立地環境は大きく変化し、最近の円高などの要因も含め、このまま放置すると工場や本社の海外流出が加速される恐れがある。日本の雇用、経済を守るためには、国内の投資促進に官民を挙げて取り組む必要がある。
  • 「企業が国を選ぶ時代」にあって、日本を魅力的な投資先として再生させなければならない。日本企業、さらには海外企業が、日本国内に投資しやすいような環境づくりに全力を尽くしたい。このために、法人実効税率の引下げについても、23年度税制改正作業の中で検討することにしている。また、経済対策を切れ目なく実行するため、間近に迫った臨時国会において補正予算の編成も進めることにしている。さらに、EPAも他国に比べてかなり遅れており、これも力を尽くして進めていきたい。
  • 本日は企業の皆様にもお願いをしたい。日本企業は、これまで財務体質の健全化に努力し、その結果、従来に比べると相当の現預金を確保している。データで見ても、かなりそういう企業が多い。そうした企業には、ぜひ将来を見据え、日本国内への工場立地など積極的な投資をお願いしたい。もちろん、政府に対して要望があれば、この円卓会議で指摘してもらいたい。官民一体となって実現するのがこの会議の趣旨。官民を挙げて雇用創出効果の大きい具体的な国内立地促進策を練っていただきたい。

2.議事

  1. 会議の運営について
    • 会議の運営は、資料2「国内投資促進円卓会議運営要領(案)」のとおりとなった。
  2. 国内投資を巡る現状と課題及び論点について
    • 田嶋要経済産業大臣政務官より、資料4「国内投資を巡る現状と課題」に沿って説明。
  3. 自由討議
    • 米倉日本経済団体連合会会長
      • 今回、総理のリーダーシップにより、国内投資促進プログラムの策定とそのための円卓会議の設置が決定されたことは、経済界としても心強い。
      • 企業の国内投資に対するインセンティブの低下や、最近の円高傾向は、工場などの海外流出を加速しかねない。このような状況を打開するため、国内投資促進プログラムを早期に策定し実行して行くことが不可欠。経団連でもプログラムの早期実行を求める緊急提言を取りまとめているところであり、次回以降の会合で説明したい。
      • 国内の生産活動や設備投資を増加させるためには、税や社会保険など法人に対する実質的な負担の軽減や、為替の安定、主要な国・地域との経済連携協定の締結を通じた「立地の魅力を高める施策」が必要。
      • さらに、研究開発の促進や環境技術を活かした産業の振興など、我が国の強みをさらに高める施策を実施し、高付加価値で競争力のある産業を国内に留めるべき。経団連でも、先端技術を用いた「未来都市モデルプロジェクト」を進めているところ。
      • 政府における環境税や排出量取引をめぐる議論は、事業コストを一層高めるなどの理由から経営マインドを悪化させるもの。環境税を農林予算に使うという議論があると聞いており、非常に心配している。日本の産業界は、世界最高の低炭素技術を今後も自ら維持・向上させていく。税や規制強化ではなく、産業界を信頼してほしい。
      • 現在、対中関係でレアアースの問題が大きくなっているため、代替技術の開発支援など、政府としてきちんと対応してほしい。
    • 岡村日本商工会議所会頭
      • 中小企業や地域を巡る情勢は厳しく、新成長戦略を迅速に実行することが重要。国内企業が引き続き国内に留まることができ、また外国企業には日本に投資してみようと思わせるような、思い切った措置を講じるべき。
      • 円高の影響を感じる中小企業が増加しており、足下の円高対策に万全を期してほしい。90円台まで戻すことが必要。日本銀行も、地域経済や中小企業の状況を十分に認識し、量的緩和も含め、スピード感を持って対策を講じてほしい。
      • 法人税の引下げは、中小軽減税率も含めて、実現していただきたい。財源対策として、租特の縮減の話もあるが、成長を妨げないようにしてほしい。
      • ものづくりは、我が国の基盤産業。技術革新や新製品開発の支援を通じて、我が国の基盤を支える中小企業の支援を強化してほしい。
      • レアアースの問題も非常に大きく、政府として対策を講じてほしい。
      • 海外からの投資を呼び込むためにも、産業基盤や都市インフラの整備は重要。補正予算においても、前倒しで対応をお願いしたい。観光振興による地域活性化も重要。
      • 国際化を推進するため、EPAの推進や中小企業の海外展開支援が重要。また、対内投資を呼び込むため、ビジネス関連手続のワンストップサービス化、外国人の生活環境の整備、さらには日本人の海外展開のワンストップ化を推進すべき。
      • 官民が目指すべき方向性を共有し、迅速に行動していくことが大事。
    • 逢見日本労働組合総連合会副事務局長
      • 日本市場の先行き不透明感や足下の急速な円高などによって国内工場が海外に流出しつつある状況にあり、早急に国内産業の空洞化対策を講じる必要がある。
      • 今般の経済対策に、低炭素立地支援の推進が盛りこまれたことを高く評価しており、早急に実行されることを期待する。実施にあたっては、労働法制の遵守状況や社会保険の全面適用を条件とするなど、質の高い雇用の創造につながる制度となるよう工夫してほしい。
      • 今後の国内投資を考える上で「環境と成長の両立」という観点は非常に重要。過度の環境規制によって「カーボン・リーケージ」を誘発し、雇用の喪失を招くことのないよう留意すべき。このため、税制、全量買取、排出量取引という負担の全体像を示すべき。
      • 日本とアジア諸国との間で関税格差等により競争条件に格差がある状態は改善すべきであり、EPAの推進を支持。ただし、EPAの推進にあたっては、ILOの中核的労働基準の尊重を前提とし、参加国の雇用に配慮した、ディーセントワークの実現に結びつくような協定と配慮すべき。
      • 法人実効税率の引き下げの必要性について一定の理解をするが、その前提として、租税特別措置の見直しを含めた課税ベースの拡大も含めた議論が必要。
      • 先日の新成長戦略実現会議において、菅総理より、雇用の増加に応じて企業の税負担を軽減する措置を講ずるとの指示がなされたが、雇用の創出支援として大きな方向性は理解する。一方、雇用創出のためには、税制・補助金・規制改革など様々な政策手段を組み合わせることが重要であり、税制のみならず様々な可能性を検討すべき。
      • 今後、国際競争力を強化するため、海外の優秀な人材を我が国に引き込むことが重要。一方、日本では外国人材を安価な労働力として活用する傾向があり、労働市場に様々な問題を引き起こしている。教育や社会保障など、高度人材の受け入れ環境整備が不可欠。
      • ものづくりを中心とした精密な技術ときめ細かなすりあわせは日本の国際競争力の要であり、経営基盤が弱い中小のものづくり企業を守る施策が重要。先般の金型企業の合併を企業再生支援機構が支援した事例のように、技術・人材の海外流出を防止する施策も検討すべき。
      • レアアース・レアメタルの安定供給は重要であり、代替素材の研究開発等にも努力してほしい。
    • ウィッソン在日米国商工会議所会長
      • 外資系企業は平成8年から平成18年の間に日本での雇用者数を250,000人から420,000人に増加させた。今後も外資系企業が重要な役割を果たせるよう、日本政府は外資系企業を日本経済の重要なプレイヤーとして認知すべき。政府は、外国企業の審議会や研究会等への参加機会を増やすべき。
      • 会社法の見直しにあたり、取締役会の過半数を社外取締役とすることを盛り込むべき。
      • 時代遅れの規制の見直しと廃止に向け、規制の「仕分け」が必要。また、ノーアクション・レターも更に活用されるべき。
      • 日本は法人税の低い国に投資家を奪われている。 現行制度は、外国投資家にとってあまりにもコスト高であり複雑。また、投資を促進させるため、税制上有利なM&Aルールの制定や欠損金の繰越し期間の延長が必要。
      • 改革を確実に実効するためには、政府から最高水準の権限を与えられたタスクフォースの設立が不可欠。日本のGDPの80%を占めるサービス産業の更なる開放と競争力強化が必要。また、労働市場の流動化、女性の参画、移民、教育等の検討も行う必要がある。
      • 日本が2011年の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への本格的参加に向けて必要な準備を進めることをAPECにて表明することを要望する。
    • 伊藤北上市長
      • 従来は企業誘致に成功してきたと思うが、立地環境の変化に伴い新たな課題に直面。
      • 中国の誘致策は日本以上にワンストップサービス等で先進的。これからは国、県、市、企業が一体となってノンストップサービスを実現する必要。農地転用や環境規制、都市計画の用途変更手続などに関して権限を委譲すべき。また、縦割り行政は直すべき。
      • 企業誘致で最も重要なのが人材の確保。今後も人材支援や研究開発支援を継続すべき。職業訓練の施設支援は、一律にカットするのではなく、利用状況や地域の実情に合わせ、支援をしていただきたい。また、農村が優秀な人材を生み出しており、農業に対する支援を強化するべき。
      • 多くの自治体は、企業支援や誘致のために努力してきた結果、特別会計、公社や第三セクターの状況が厳しく、減損会計のため、一般会計からの手当てが必要になっている状況。国内企業に海外との競争力を持たせ、企業の海外流出を防ぐためにも、自治体が講ずる地域企業支援内容の充実にご支援いただきたい。
      • インフラ整備についても遅れている部分が多く、工業団地等の開発支援が必要。
    • 長谷川日本製薬工業協会会長
      • ライフサイエンス分野におけるバイオベンチャーの育成が重要。医薬品の創出をリードする米国では、毎年承認される新薬の半分以上がベンチャーから生み出される。他方、日本にはバイオベンチャーが少なく、有望なベンチャー企業の買収は米欧で行わざるを得ない。バイオベンチャーが生まれやすくなれば、国内に投資が回る。バイオクラスターの建設や、目利きと経営指導もできるベンチャーキャピタルの育成が必要。また、既存のエンジェル税制は使い勝手が悪く額も小さいため、企業にもエンジェル税制を認めるべき。
      • 製薬企業は、潤沢な研究開発投資が生命線。諸外国は、我が国に比べ法人税率が低い上に、研究開発支援税制も充実している。研究開発促進税制の維持・強化こそ製薬産業の競争力維持に必要。
    • 武井日本農業法人協会副会長
      • これまで農業はFTAによる関税引下げに反対してきたが、これからは農業もコスト削減を進め、海外に輸出できる競争力をつけていく必要がある。
      • 農家への太陽光エネルギー発電設備の設置を支援すれば、農家のコスト削減とCO2排出量削減を同時に達成することができるため、政府として支援を検討すべき。
  4. 大畠経済産業大臣締めくくり挨拶
    • 本日の会議では、現状を放置した場合の危機感、官民一体となって投資拡大に取り組むことの必要性が共有できた。
    • 民の側から、一歩前に出て投資拡大に取り組む姿勢が示された。「守り」の経営から将来の成長の源となる投資へと「攻め」の姿勢に転じていただくことを期待したい。
    • また、法人税減税やEPAの推進、研究開発支援、中小企業対策、レアアース対策など、政府への切実な要望もお伺いした。この点は、円卓会議において検討を深めていくとともに、新成長戦略実現会議に私からきちんと伝えていきたい。
    • 次回会合では、各産業界、労働界より、それぞれが投資拡大に向けて何ができるかという点についての考え方と、本日お示しした5項目の論点に沿って、政府が行うべき方策について本音のご意見をお伺いしたい。

問い合わせ

経済産業省経済産業政策局
産業構造課
電話:03-3501-1626

 
 
最終更新日:2010年10月8日
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