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グローバルサービス創出研究会(第1回)-議事要旨

日時:平成28年10月3日(月曜日)14時00分~16時00分 
場所:経済産業省本館7階 西1右 商務情報政策局1会議室

出席者

(50音順、敬称略)
大石委員、神谷委員、北尾委員、北川委員(座長)、北野委員、清宮委員(代理:粕谷氏)、鈴木委員、張委員、野沢委員、松﨑委員(代理:大木氏)

議題

  • サービス産業のグローバル化の意義
  • サービス産業のグローバル化に向けた検討、モデル

議事概要

「我が国サービス産業の現状」について説明の後、「サービス産業のグローバル化の意義」と「サービス産業のグローバル化に向けた検討、モデル」の論点につき、自由討議を行った。委員からの主な意見は以下のとおり。

サービス産業のグローバル化の意義

  • 既存のサービス産業の国内市場は飽和してきており、競争は激化している。働き方改革への対応や人材確保の面からも、国内のみの事業展開では限界がある。グローバル化を進めなければ今後の生き残りは難しい。
  • 学術的に見ても、グローバル化への対応や支援は不可避のテーマ。国内のみで活動していても、インバウンド対応に加え、日本人の消費者や従業員の意識のグローバル化にも対応せざるをえない。
  • 日本の事業者が海外進出し、日本発のブランドが世界に広まることで、日本へ所得がもたらされる環境構築につながる。またブランド価値が高まれば、従業員の忠誠心が高まり、優秀な人材も集まりやすくなる。結果として企業の質も上がり、競争力強化にもなる。
  • 海外展開によって深められた人材教育のカリキュラムや知見は、日本の現場でも活用できる。海外ビジネスを通じて得た知見を、国内にフィードバック、ブラッシュアップすることで個社事業での学習効果やスピルオーバー効果を得ることにつながる。
  • 日本的な価値観や豊かな暮らしの在り方を共有し、理解してくれる日本シンパ・日本ファンを獲得することで、顧客の層が広がる。

サービス産業のグローバル化に向けた検討、モデル

  • グローバル市場で戦うためにはブランディング戦略が必要。日本はブランディングに対する考えや取組が欧米と比べて遅れており、自分たちの良さを自ら伝える努力が不足している。
  • 海外の消費者の評価視点を取り入れ、「役に立つ」という実感をもたらすことで地域に根付く。グローバルな視点に加え、進出先で貢献するローカルの視点も重要。現地でのレピュテーションを得るためには、事業継続のコミットメントとともに貢献度合いのアピールも必要。
  • 過去に日本国内の中国人が情報発信をしたことで、訪日客の爆買いにつながった例がある。インバウンドを増やす上では、日本にいる外国人による情報発信活用も考えられる。
  • サービスは経験しないと価値が分かりづらいため、海外の消費者が日本のサービスを経験できる機会やインセンティブを政府主導、政策で作ると良い。
  • IBMやAppleは教育機関にPCなどを提供し、学生を将来の顧客にしている。このような取り組みを国として行い、アピールしていく必要がある。

サービス産業のグローバル化に向けた課題など

  • サービス業の海外展開は、黒字化に一定年数を要する傾向にあり、投資回収に時間が掛かる。特に中小零細企業が海外展開する場合は、一定年数は継続した経済的な支援が必要。
  • 必ずしも工事や手続の期限が守られず、予定どおり事業を開始できないことが多い。またサービス自体が優れていても、それを支える人材確保が不足している。合弁相手などパートナーにイニシアチブを取られ、サービスやブランドが変質してしまうこともある。
  • これらの解決に向け、現地でのマネジメント支援が必要で、海外進出を支援するサービス事業者を育てるという視点もあり得る。一方で、日本で本部組織を支える人材も必要。
  • サービス業は製造業よりも外資規制が厳しく、かつ国によって規制が異なり、明文化されていないものもある。進出の標準化が難しく、国によって対応を変えねばならない(例:ベトナムではFC展開が困難)。規制の撤廃・緩和に向け政策対話など国レベルで取り組む必要がある。
  • 日本の思い切った開放も必要。意識の高い海外人材を受け入れるためには、労働ビザの緩和が必要。国内の教育も実践的にして、すぐに生かせるスキルを身に付けられるようにすべき。
  • 日本には外国税額控除の制度があるが、海外での売上高の割合が低いと控除しきれない。グローバル化を進める中で、適切な税制の改正が必要。
  • 日本製品の作り上げた「高品質」ブランドイメージは、サービスにも追い風。一方で、発信力で中国・韓国に劣り、近年はブランドイメージのプレゼンス自体が下がっている。ハロー効果が落ちていることには留意しなければならない。
  • 同じコンテンツでも、韓国のドラマに比べ、日本のアニメはビジネスにつながりにくい。
  • サービス産業については、海外進出による国内での生産性、雇用創出への影響や海外展開による学習効果が十分に研究、分析されていないため、今後検証が必要。
  • インバウンド好調の一因には、円安で日本旅行が相対的に安くなっていた影響がある。円高になっても来日客が減らないような工夫が必要。

以上
 

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商務情報政策局 サービス政策課

最終更新日:2016年10月24日
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