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適正な象牙取引の推進に関する官民協議会(第4回)-議事要旨

日時:平成29年3月28日(火曜日)15時00分~16時30分 
場所:経済産業省別館1階108会議室

出席者

政府関係

  • 環境省自然環境局野生生物課(共同事務局)
  • 経済産業省製造産業局生活製品課(共同事務局)
  • 経済産業省貿易経済協力局野生動植物貿易審査室
  • 警察庁生活安全局生活経済対策管理官
  • 外務省国際協力局地球環境課
  • 財務省関税局業務課 

民間関係

  • 日本象牙美術工芸組合連合会(共同事務局)
  • ヤフー株式会社(共同事務局)
  • 公益社団法人全日本印章業協会
  • 株式会社ディー・エヌ・エー
  • 全国印判用品商工連合会
  • 全国質屋組合連合会
  • 東京都古物商防犯協力会連合会
  • トラフィック
  • 楽天株式会社

有識者

  • 岩手県立大学 金子与止男教授

オブザーバー

  • 全国邦楽器商工業組合連合会

議題

  1. 協議会参加機関の追加について
  2. 「種の保存法」改正案について
  3. 前回協議会以降の取組の進展について
  4. その他

議事概要

1.協議会参加機関の追加について

事務局から、環境省及び経済産業省は、警察庁の協力も得つつ、古物業界及び質屋業界に対する象牙及び象牙製品の法制度の周知に取り組んできた旨を説明した後、本協議会へ参加意向を表明していた全国質屋組合連合会及び東京都古物商防犯協力会連合会の新規参加が諮られ、全会一致で了承された。また、団体の内部手続が未了のため正式参加はできなかったものの、全国邦楽器商工業組合連合会の本会合へのオブザーバー参加が了承された。

2.「種の保存法」改正案について

環境省から、本年2月28日に閣議決定された同法改正案のうち、象牙関連部分につき、改正理由や改正内容等が説明された。
改正理由としては、未届の事業者や届出事業者による違反事例等が確認されているが、現在の制度では、事業者が法令に違反する行為を行った場合でも、罰則に従って罰金を支払う等すれば事業を継続することができるため、その対策が必要なこと、また、昨年9月から10月にかけて開催されたワシントン条約第17回締約国会議(CITES・COP17)では、アフリカゾウの密猟とその象牙の違法取引を抑制するため、「密猟や違法取引に寄与している市場の閉鎖」を勧告する決議が採択され、国内市場の適正管理を継続するためにも、より厳正な対応が必要となったことがあげられた。
改正案の具体的な内容としては、以下が説明された。
ア)象牙製品等の製造販売事業について、現行の届出制を登録制に変更。登録申請には審査があること、5年毎の更新制とすること、法令違反により登録が取り消された場合は、その後5年間再登録不可となること。
イ)事業者が所有する全形牙の登録の義務化。
ウ)象牙のカットピース等の管理票作成を義務化。
エ)象牙製品等の広告・販売時の登録番号等の表示の義務化。
オ)事業者登録簿の公開。
カ)罰則の強化(懲役刑の新設、罰金の引き上げ)。
なお、今国会で可決されれば、1年ほどおいて施行することになる旨の説明がなされた。
その他、参加者からの質問に答える形で、環境省から、適正に入手された象牙から製造された製品であるという認定を示す標章(認定シール)については現行のまま変更ないこと、ネット・オークションへの象牙製品の出品については、個人による1回限りの販売であれば、事業性がなく規制の対象外だが、個人であっても反復してそのような行為を行う場合は、事業とみなされる場合もあり、その場合は事業者としての規制がかかることになる等が説明された。

3.前回協議会以降の取組の進展について

各機関から以下の報告があった。
  • 日本象牙美術工芸組合連合会
    本年1月27日、東京で組合員のみならず、非組合員等も対象とした製造業者向けの制度講習会を開催し、国内取引の管理制度の周知に加え、台帳記載につきケーススタディ等を行った。組合員・非組合員合わせて41事業者等から54名が参加した。
  • 全国印判用品商工連合会
    種の保存法に基づく届出事業者である会員58事業者に対して、標章(認定シール)の利用徹底や台帳記載の徹底を通知した。
  • 公益社団法人全日本印章業協会
    全国の理事及び都道府県代表者を集めた会議(本年2月)において、台帳記載の徹底を伝え、これまで外国人顧客用に和英2か国語で表記していた象牙製品の海外持ち出し規制に係る「注意」を、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語にも翻訳して各会員に配付した。
  • ヤフー株式会社
    国内の流通対策のみならず、アフリカゾウの保全のためには、アフリカの原産国での密猟対策も必要であるとの認識の下、UNDPの協力でナミビアでの密猟を取り締まるレンジャーのパトロール支援として500万円を寄付した。
  • 経済産業省
    本年3月17日、種の保存法の規定に違反して、取引記録を書類に一切記載していなかった象牙製品製造事業者に対し、環境省とともに同法の規定に基づく行政処分(改善措置等の指示)を行った。
  • 環境省
    昨年11月14日、経済産業省との連名で、警察庁に対し、全国の県警並びに古物商及び質屋業界への象牙国内取引制度の周知につき協力を依頼した。
  • 警察庁
    平成28年における種の保存法違反(象牙関係)の検挙件数は6件。昨年11月に環境省の立入検査を端緒に立件された静岡県の事案では、無登録牙5本の譲受けで2法人ほかを検挙した(ただし、密輸とは無関係)。

4.その他

トラフィックから、最近の野生生物犯罪と他国の国内の象牙市場における指針等国際的な動向についての情報提供及び本協議会での検討課題につき提案があり、参加者で意見を交換した。
この中で、各国及び地域ごとに設けられた規制内容の説明として「禁止」や「ほぼ禁止」という表現が用いられているが、それらにはそれぞれ多くの例外がある旨が指摘された。そのことからも、各国の国内取引規制の状況に注目する必要があり、また、国内象牙市場の管理をこれまで以上にしっかりすべきであると指摘され、参加者から、本協議会の参加機関がそれぞれ推進しているこれらの取組をどのように国際社会に対して発信していくのか、戦略的に広報を展開することが必要であるとの問題意識が提起され、別の参加者からも賛同の意見があった。また、国内における適正な取引の推進に係る取組みの進捗状況等に関する定期的な情報発信の必要性が指摘されたことを受け、戦略的な広報のあり方等について検討していくことが重要との認識が共有された。

関連リンク

お問合せ先

製造産業局 生活製品課

最終更新日:2017年5月1日
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