経済産業省
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産業競争力部会(第1回)‐議事要旨

日時:6月1日(水曜日)18時15分~20時15分

議事概要

冒頭、海江田経済産業大臣より挨拶

<海江田大臣>

  • 昨年6月に本部会で産業構造ビジョン2010が取りまとめられた。税制改正、産業再生の促進、インフラ輸出等新成長戦略に取り入れられて大変有意義。
  • 3月大震災が発生。これは”停滞の中の危機”であり、大変な状況。現在原子力発電所の炉の安定などに注力。電力の安定供給など対応してきたい。
  • 震災前から存在している課題も忘れてはならない。
  • エネルギー制約、サプライチェーン問題等成長の障害となる問題も発生。日本経済の成長のために既存の戦略を緩めるわけにはいかない。ただ再開するのではなく、新しい動きが必要。具現化するために、官民の叡智を集めて我が国産業の競争力を強化する新たな戦略を作り上げたい。
  • 経済政策に加え、事業家の立場からエネルギー政策についても引き続き活発な意見を求める。取りまとめた意見を新成長戦略実現会議などで活用していく。

事務局より配付資料に沿って説明。委員から概ね以下のような意見があった。

(産業構造ビジョン2010、新成長戦略について)

  • 「産業構造ビジョン2010」は日本に対する健全な危機意識が述べられていると感じる反面、本当に実行されるか懸念している。
  • 昨年策定した新成長戦略自体は非常に良くできており、再検討をする必要はない。実行が最も重要。危機的な状況は、構造的な課題を解決するチャンス。
  • 去年取りまとめた「産業構造ビジョン2010」を実現する事が重要。この半年は何をやっていたのかという思いが強い。
  • 震災後もやるべきことは不変。むしろエッジを立てて進める必要。
  • 昨年「産業構造ビジョン2010」で決めた事は是非やってほしい。
  • 前年より続く競争力の為の政策が今回の震災で頓挫してしまわないか心配。政策が具体的にならないと人も企業も国を離れてしまう。国としてしっかりとした方向性を示すべき。
  • 成長戦略に対する熱気が1年前より下がっている。経済の底上げをしていくことが重要。
  • 新成長戦略の枠組みについては、震災前後で大きな変化はなく、ぜひ進めていくべき。戦略の大きな柱であった「海外インフラで稼ぐ」という戦略について、特に、「原子力」は時間をかけて検討せざるを得ないが、鉄道などは引き続き推進すべき。M9.0の中で1件の事故もなく運行し停止できたという実績は世界に誇るべきことであり、震災影響を個々に見ていくと、成長戦略を寧ろプラスに転じていける要素もたくさんある。
  • 強い鉄道網など、震災下で日本の強みがより確認された。ターゲットを絞って外に出て行く事もできる。
  • 日本企業は小さな日本市場のみを見るでは無く、アジア市場という巨大マーケットの中で競争していかねばならず、業界内食い合う構造を改善する必要がある。
  • 昨年競争力部会を立ち上げた際には「技術で勝る日本がなぜ事業で負けるのか、産業で負けるのか」という問いかけが原点。
  • 世界がプロイノベーション(創新)に変わったのに、日本は未だにプロインプルーブメント(改善)で行くのか?競争力モデル自体の変化の必要。産業政策上のモデルを変えるべき。企業においては事業戦略、ビジネスモデル、製品サービスアーチテクチャ、知財マネジメント、標準化戦略等がモデル刷新になっているのか?それを支援するための新成長戦略。
  • 法人税5%の減税は日本の競争力の増強のために必要。
  • 新成長戦略が昨年6月18日に発表された後、非常に大きな反響があった。九州でも九州の成長戦略を策定。

(イノベーション、これからの成長の指針について)

  • 日本人はリスク、リスクというが、何もしないリスクをどう考えるのか。例えばロシアやブラジルに市場進出する場合に、これらのカントリーリスクが高いと指摘する人がいるが、日本のカントリーリスクがそれらの国より小さいと言える証拠はない。今はリスクヘッジをした上で、リスクをとっていかなければならない時期。
  • 原発に関しても日本は技術では勝っていたが、事業で負けた状態。原発の技術は高いが、管理マネジメントで負けた。技術を使うという局所最適はできるが、それをマネジメントして上手く運用するという全体最適ができない。産業界全体で言える。
  • システムから材料まで、トータルパッケージのテクノロジーを開発することが必要。日本は材料技術は強いがシステム化すると勝てない。
  • 原発事故の現場で日本の技術が活躍できていない事に忸怩たる思い。震災から約1ヶ月後に日本のロボット技術関係の学術団体が共同声明を提出。日本には技術があるのに、なぜ事業で勝てないかという事の根底に同じ問題がある。原発事故はあってはならないという考えから、実用化の研究が進んでいない。実用化が進んでいないから、いざという時に対応が遅い。または対応の必要性が認知されていない。
  • 震災以降の遅れを取り戻すべく各産業とキャッチアップしていかないと、「停滞の中の危機」ではなく、「衰退の中の危機」になってしまう。
  • アメリカはITと金融。イギリスは金融で生き返ったが、日本は何で生き返るのか?技術蓄積を生かした省エネ・環境ビジネスとアジア経済の真ん中に行く事が必要。
  • かつてナショナルプロジェクトとして太陽光利用等の研究開発を行っていたが、これからはもっと大きな枠で、新エネルギー開発や、スマグリなどの社会システムの構築に加え、材料を含めた大枠のグリーンイノベーションを進めていくべき。短期的な原子力発電に拘泥せず、50年、100年続く仕掛けをつくって、日本全体として、ソーシャルソリューションとして勝っていくことが必要。
  • 東北地方をエコシティ、スマートシティとエコ特区を組み合わせたものが良い。それに加え農業特区も考える意味がある。東北地方を若い世代に魅力のある場所にしてくことが重要。
  • 植物工場は良い事例なので是非とも農工連携で進めるべき。この分野でどこを国際標準化すると良いか、適切な戦略をとれば農業における1次、2次、3次産業の組み合わさる好例となる。
  • 日本型マスキー法により、日本の技術は発展。制約がイノベーションを起こす。単なる補助金よりも、徹底的なインセンティブか、商売ができなくなる程の厳しい目標設定が必要。電力供給問題にしても徹底的に競わせる事で省エネが進む。
  • 産業政策における基本モデルは国際的に通用するのかを調べたことがある。従来モノであった競争が、ハードウエアにソフトウェアが重なり、さらにサービスと共に全体システムとしてのビジネスモデルを形成している。日本はモノのハードウェアの部分のみで競争に負けている。
  • 産業構造も、モノとエネルギーと情報が三位一体になっている。それぞれで競争しようとしても勝てない。
  • 一つの例として秋葉原では、技術、テクノロジー、コンテンツが一体化。日本は工芸国家として成り立つ要素があるが、それをうまく進められていない。

(社会構造の問題について)

  • 日本が抱える構造的な問題(例えばTPPと農業問題)について、地震を言い訳にしてはいけない。
  • 税や社会保障の会議にも出席しているが、議論が分配やみんなで我慢といった方向に行くが、経済が成長することと、次の世代が伸びることが、土台として最も大切。
  • 国民がある程度危機感を持っている間に税や規制問題という問題を一挙に仕上げてもらいたい。
  • 民主党政権下で、税と社会保障の一体改革などの検討が進んでおり、成長戦略の検証は時機を得ている。税と社会保障の一体改革は増えないパイをどう配分するかという問題であり、経済が成長しない限りは社会保障費の増加を負担しきれない。日本をいかに成長させるかという事を真っ先に、または同時並行的に考えないと説得力に乏しい。
  • 日本国内における投下労働力減少により人口ボーナスから人口オーナスに入っていたり、対内直接投資(FDI: Foreign Direct Investment)がOECD中で最低レベルにあるといった様々な問題に取り組む必要があるが、その解決に時間がかかる。

(エネルギー政策について)

  • 今回の震災で最も変化しなければならないのはエネルギー政策。
  • 部分的な解決のためのアイディアは捨て去るべき。エネルギー政策は網羅的で骨太な真正面からの政策が必要。
  • エネルギーは少しでも足らなければブラックアウトをしてしまう。質が良く量の多い安定的なエネルギーを安いコストで提供しないと企業の海外移転は進む。
  • 企業の海外移転を心配している。震災前から相当程度進んでいたが、エネルギー政策如何によってはさらに加速する可能性がある。
  • 新興国はエネルギー効率が悪い。そのため世界のエネルギー需要は相当程度タイトになっていくことが予想される。
  • 震災後の復興の牽引はまず、経済の活性化。そのためには電力の安定供給が必要。拙速な脱原発ではダメ。原発の安全性を高めていく事が必要。
  • 今すぐ原発に取って代わるものはない。そのため、原発の安全基準を早期に策定する必要がある。IAEAとの連携も重要。
  • 安全と地域住民の理解という前提に原子力を推進していたが、前提が変わってしまった。
  • 現在稼働中の原発は19基だが、2,3ヶ月の間に全てが定期点検期間に入る。今の状況を考えると、一旦停止した原発を再稼稼働することは非常に難しい。来年以降電力の供給をどのように担保していくのか、政府には説明責任がある。産業界が独自で自家発電施設(ガスタービン等)を用意するにしても、政策の方向性を早く示さないと対応できない(発電施設の建設等に1年以上の時間がかかる。)。
  • エネルギー政策でどこに力を入れるかという問題に対して、イノベーションの有無の立場から、伸びしろがある分野に注力すべき。再生エネルギー、新しい革新的なエネルギーを積極的に進めていくべき。
  • バイオマスや新エネルギーなど地産地消のエネルギー活用に取り組んでいる。
  • エネルギー政策を考える上で重要な要素は2つある。1つ目は、短期・中期・長期というタイムスパンに分けて政策を整理していくこと。2つ目は、エネルギー政策を閉じられた議論とせず、どのように国民のコンセンサスを作っていくのかという観点を踏まえる必要がある。

(エネルギー政策と産業振興政策)

  • 従来、エネルギー政策を考える際には、供給サイドや需要サイドといった部分に焦点が行きがちであったが、エネルギー政策は、ある意味では、雇用創出、技術開発、輸出振興、税収といった観点で、日本の産業政策とコ・リレートしている。エネルギー政策については、産業振興政策とのバランスで考える必要がある。
  • 原子力を推進していくかどうかは、国民コンセンサス的に非常に難しい議論。しかしながら、大きな方向感を早期に決定しなければ、前に進めないことも事実。経済活動への悪影響を最小化するという観点では、既存原発の活用は当然とし、原発の新設については、2020年までは着工済みの3基だけという「共存」シナリオが有力ではないか。不足分は、LNG火力と再生可能エネルギーで賄うことになる。
  • 日本における再生可能エネルギーへの取り組みは、殆ど注力されてこなかった風力発電に比して、太陽光発電は、国が相当程度注力してきた。現時点における太陽光発電のコストは高いが、将来、技術革新が起きて発電コストが風力発電に比して非常に安くなるポテンシャルがある。こうした日本のエネルギー政策は、原子力発電が完全に安全だという前提の下に、より先を見据えて太陽光発電を推進してきたということがいえる。ところが、こうした考えは、結果としては必ずしも正しくなかった。
  • こうした前提に立ち、不足するエネルギーを補う方法について考えたい。現行エネルギー基本計画に対し、不足分の全てをLNG火力で賄うと想定したケースとその半分を風力発電で賄うと想定したケースでコスト比較すると、全てLNGとした場合の方がコスト上昇分が半分程度と低い。但し、コストのほとんどは輸入されたLNGの購入費用であり、産業連関的には国内GDPにプラス寄与しない。他方、風力発電についてはコストは高いが、日本経済の活性化や産業構造連関を考えると、長期の経済波及効果は大きい。10年間の累積で考えると、不足分の半分を風力発電で賄った場合、13兆円のGDPの浮揚効果がある。
  • また、世界の風力発電市場の動向を見た場合、国としての風力発電への注力度合いは、風車メーカーの世界シェアに直結している。日本の場合、軸受メーカーの例では世界シェアの5割を占め、パーツでは強みを発揮している。
  • 仮に、東北地方で風力発電を推進した場合、製造、建設、オペレーションを合わせ、100万Kw当たり1万人超の雇用創出効果が見込まれる。風力の弱点は立地だが、今回の震災により、今の東北地方沿岸部などはその条件を満たしているのではないか。そこに部品製造から風車組立までの工場、風力発電所を集積させることで、一つの産業クラスターができる。
  • こうしたプランを実現するためには、幾つか条件がある。1つ目は、長期目標が必要。日本のエネルギー政策において風力発電が相応の位置づけとなる必要がある。次に、財政の問題があり、できるだけ、民間の資金を使うべき。民間資金を活用するという意味では、スキームは既に存在するため、全量買取制度、優先接続権の確立、税制度、さらには、規制緩和(建築基準法、環境アセスメントなど)などの政策パッケージにより、後押しする必要がある。特区制度も一考の余地があろう。
  • 最後に、エネルギー政策は、需要サイド・供給サイドといった論点だけでなく、産業クラスターや産業連関の中で考えていくべきであるという点を強調したい。

(スマートグリッドについて)

  • スマートグリッドはエネルギーと情報とモノとが一緒になる。資源エネルギー庁だけの仕事ではない。全省あるいは省を跨いだ仕事。スマートグリッドについては、素材、部材、完成品、システム、オペレーション、サービスさらにスマートシティをそれぞれどうするのかという様々議論すべき段階がある。エネルギー・電力産業の問題だと考えていては世界で勝てない。競争力は総合力である。

(サプライチェーンについて)

  • サプライチェーンの分断について。標準(品)化圧力とライセンス圧力の両方がかかっている。海外への拠点分散時は技術流出を加速させる一方で、日本が従来行ってきた「独自技術・独自生産・独自供給」という競争力モデルを崩壊させる。
  • 震災が起きて、日本経済が停滞している時に、世界経済は待っていてくれない。中小企業、メーカーで海外に移転は進めているが、サプライチェーンの崩壊等により海外メーカーは少しずつ代替品を出してきている。
  • サプライチェーンの問題は個別企業で解決可能。日本ブランドへの信頼性に対する影響の問題も時間の問題となる。
  • 当社は鹿島事業所で被災。プラントが緊急シャットダウンした影響で、ガスや液体がプラント内へ固着するなどし、高温蒸気で洗浄しなければならなかったが、コンビナート施設の港湾の復旧・復興等もあり、5月20日プラントの一つが、6月末にもう一つが動き、7月から通常操業を行う予定。
  • プラントの法的な定期点検の時期を経済産業省や県の配慮のお陰で2ヶ月程度ずらしたおかげで、サプライチェーンに大きな影響を与えずに済みそう。また、当社へのサプライヤーである光重合材開始材を製造する企業が被災したが経済産業省が特措法で対応してくれたおかげで、サプライチェーンに大きな影響を与えずに済んだ。
  • 石油化学製品は日本が高齢化する中で国内需要が縮小している。原発停止によるエネルギーコストの上昇が、元々存在する資源面のハンデに更に上乗せする形になっているが、まずは石化事業も復旧を優先している。

(グローバル競争について)

  • 地震の前の状態に日本が戻ることによって、世界経済の中での日本の万全な地位が保証されるわけではない。震災でより国力が弱まり、一方停滞している間に世界の国々は成長のために様々な施策を着実に実行しており、むしろ日本とのギャップは拡大している。
  • グローバル競争は待ったなし。その意味では現在は既に実行する段階。
  • 真っ先に取り組むべきなのは、政官民が一体となって成長の著しい新興国に進出し、成長のパイを取ってくることである。(世界の経済成長の6割は新興国が創出している。)震災前は社会インフラ需要を取りに行くという話題があったが、現在はうやむやになっている。
  • 産業立地の話もある中で、経済合理性のある選択として日本を選べるような環境を作りが必要。震災をバネに変えていくべき事がある。
  • 環境分野は、中国・アジアで非常に大きな市場がある。今は今後成長してく市場に展開していくタイミングにあると思う。
  • 繊維産業は95%輸入(90%分は中国)。中国で人件費が上昇。昨年から今年は正に日本に生産を戻すチャンスであったが、今回の震災・福島原発事故後、その動きは無くなってしまった。
  • 日本には技術があり、キャッシュもある。だが世界で商売できていない。例えば、以前はスリランカで走る車の9割は日本車だった。最近の新車登録はインド車と韓国車に置き換わってきている。
  • スリランカで発展をしようとしている地域に日本人はいないが、韓国人はいる。新興国において、震災前から日本は人という観点では既に負けている。
  • 震災以降の遅れを取り戻すべく各産業をキャッチアップしていかないと、「停滞の中の危機」ではなく、「衰退の中の危機」になってしまう。
  • 税制面では、シンガポールなどは法人税を下げるだけではなく、より戦略的にヘッドクオーターを呼び込むような形になっている。日本もエッジの立った、これまでの議論と同じ方向の戦略の中でもさらにはっきりした戦略が必要。

(FTA、EPA、TPPについて)

  • 地震と問題意識関係ない。経済産業省はイニシアティブを握ってやるべき。FTAやTPPもどんどんやらないと、現状から悪くなる一方。百の議論より一つの行動を。
  • 状況の似た韓国と比較してもEPA、FTA締結への取り組みが遅れているが、取り残された状況で誰が責任を取ってくれるのか?自動車、電機等、関税に強い影響を受ける業界は海外に生産拠点を移さざるを得ない。
  • EUは原発事故後、日本へのEPAでの態度が良い方向に急変しているように思う。通商面での政策についても同じ、少しでも日本の抱えるハンデを減らす方向に頑張って欲しい。
  • TPPの方向性を早く出す事も要求されている。アメリカ経済のトップはEPA、FTAに日本が遅れている事を懸念しており、企業も同様の懸念を持っている。
  • 経済連携協定、TPPについては是非進めて欲しい。

(情報発信・マーケティングについて)

  • 昨年の産業競争力部会では、日本のマーケティング力の弱さが指摘された。これは、1つは情報発信力の弱さの問題であり、結果として風説の流布等の影響がある。海外からは、国として正しい情報を世界に発信できないために、必要以上の悲観論で日本が見られており、成長戦略を推進する上でも大きなマイナス影響がある。民間レベルでも努力は行うが、政府レベルでも、今何が起こっていて、どこまで進んでいるのか、3ヶ月先、6ヶ月先にはどうなるのか等の見通しについて、鳥瞰的な観点を加えたマクロ的な情報発信を積極的に行うべき。
  • 震災から1週間の間は日本を賞賛する海外の声が多かった。しかし2ヶ月後になると、情報発信の不透明さが指摘される。的確に、早く、海外に広く情報を発信する必要がある。
  • 国際大学は外国人が9割。震災直後は毎日CNNやBBCでジャパンメルトダウン。ジャパンクライシスと放送しているのを見てパニックを起こしていた。海外にいる親もそれを見て帰省を促していたケースが多かった。
  • 日本は情報戦略があまりにも弱い。各国の大使がキー局で説明をする等が必要。人を呼びたいなら情報戦略の強化を行う必要がある。
  • 公的な情報発信など、旧来の情報発信に力を入れる事も必要だが、パーソナルメディアとSNS(ソーシャルネットワークサービス)で世界が動き始めている事を意識すべき。
  • 外国との玄関口である成田空港が暗いせいで、日本の印象が悪い。インバウンドを本当に呼び込みたいのであれば空港と観光地ぐらい日本のソフトパワーであるアニメや、キャラクターを置くなどして等明るくすべき。
  • 最近急成長している海外の事例としてシンガポールはF1を開催したり、F1をやったそのコックピットでファッションイベントを開催したりした。アメリカではリーマンショック後ファッションナイトアウトというイベントを開催し、消費を刺激している。
  • 日本の流通やアパレルは横並び。政府も横並び。政府にはもっと効率的なアドバイスや指導をして欲しい。

(人材)

  • 若い世代がボランティアで非常に活躍。若い力を使って次の時代の新しい日本の復興計画につながる。特に農業、水産業などについても若い世代の力を使うべき。この機会に次の時代の日本を作り上げて欲しいという海外の声が多い。
  • 海外展開がキーワードとなる。日本の若者をクールジャパンの伝道師として海外へ送り出すべき。
  • 震災が起こって、外国人はだいぶ帰国してしまった。やはり日本が本来持っている人材(次世代・女性等)も大切にする必要があると改めて感じた。
  • 去年の議論にもあったように子供をしっかり教育して伸ばす事が重要。少子化が進むなら移民という議論が一部にはあるが、それだけでは解決しない。日本にもともといる人材を最大限活用するという事を国、経済界も教育分野も人は真剣に考えないと競争力がなくなってしまう。

(被災地について)

  • 被災をした各地で企業や組合をヒアリングを行った。沿岸地域で80万人の雇用があったが、現在は10万人の雇用が失われた。自宅待機の人の今後も考えるとさらに雇用が減る。被災地へ希望を与える事が必要。
  • 倫理的金融、被災地とのフェアトレード、責任消費などの”連帯”という経済行動やメッセージが必要。
  • 政府としては財政的支援の他に、ソフト面の支援、つまり人的・知的な支援が求められる。例えば、事業の再生などで補助金だけでなく、企業再生支援機構のようなツールを使うことが必要なのではないか。
  • 長期的な展望を示すことで被災者が次に向かって歩める。

(医療産業について)

  • 東北3県は元々医療過疎地帯。3県で人口約600万人だが、医科大学は各県に1つしかない。(通常は100万から150万に1つある。)
  • 震災により、3県で18の自治体病院が壊滅的な被害。
  • 今までの東北地方の医療政策をスクラップアンドビルドで新しい体制へ。東北大学の先生達も今こそ地域の医療の集約化が必要と言っている。メディカルコンプレックスやメディカルクラスターというものを内陸部に大きく作るという構想が必要である。
  • 厚生労働省は個々の医療機関の許認可権を持っているので、全体を考える事にふさわしくない。狭い意味の医療産業ではなく、医療・介護を含めた雇用全体を産業として考えていく必要がある。
  • 医療ツーリズムは活用されていない。医療も新興国へ出て行く事が必要。北京上海に3000ベッド級の病院を持つ医療グループが、看護師教育を国内の大学へ依頼。その大学が北京に看護学校を開設予定。
  • 中国の富裕層は日本の看護師に看て貰いたいという希望が強い。
  • 向こうで看護教育した際、日本語教育もしておけば、日本の看護師が足りなくなった時に来て貰える。日本の看護教育をしておけば国家試験に合格する事もできるだろう。

(地域・中小企業)

  • 中小企業はほとんどが地域に集積。主体性のある地域のリーダーシップが重要。中小企業の身近にいる地方自治体や関係機関が適切にサポートする仕組みが必要。
  • 産業クラスターは制度的には終了。しかし、九州では、さらにブラッシュアップをはかっている。産業クラスター制度は地域活性化に大変有効。
  • 中小企業の国際化は、新成長戦略の中で具体策がなかった。個々に対応していく事が基本であるが、地域固有のビジネスモデルを地方自治体関係機関が支えていく構造を作ることが大切。

(日本の強み)

  • 自衛隊、消防などの対応や、早期のインフラ、企業の復旧から現場力が日本に強く残っていると確信。この強みは維持する事が必要。

(日本のリーダーシップについて)

  • 震災から1ヶ月後に行った外資系企業の人々の集まりでは、「日本の現場力はすばらしい。そのすばらしい現場力が日本でリーダーシップが育まれるのをスポイルしているのではないか」というコメントが受けていた。
  • ”停滞の中の危機”を突破するのは政治のリーダーシップしかない。

(自粛について)

  • 震災後、関東のファッションビル25件を調査した。かき入れ時の午後6~8時には閉店。過度な自粛のせいで経営効率が大幅に悪化している。

(環境問題について)

  • 環境問題の話題は現在下火になっているが、中長期的に産業を考える上では非常に重要な課題。

最後に、海江田経済産業大臣より挨拶

<海江田大臣>

  • IAEAからは、以下のコメントがあった。日本側の情報提供、質問回答に対し、非常に開かれた対応。非常に困難な状況下、細部における対応は賞賛。公衆保護のための政府の対応はとても良く組織。被爆の追跡プログラムは有用。ロードマップは重要。新たな状況にあたっては修正が必要だが、国際協力も可能。
  • TPPに対する委員の皆様の問題意識を受け、頑張りたいと思っている。
  • 東北地方に風力発電を何万基設置する意見というのも、大変良いのではないかと思っている。
  • 新成長戦略は見直すものではなく、実行するものだと言う言葉を大切にしていきたい。

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最終更新日:2011年6月14日
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