経済産業省
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産業競争力部会(第3回)-議事要旨

日時:4月5日18:00~20:15

議事概要

冒頭、直嶋大臣よりご挨拶。

  • 初回に、日本の産業構造は自動車やエレクトロニクス産業に極度に依存した状態になっていることについて申し上げた。前回は、インフラ産業の海外展開、次世代の環境・エネルギー産業について御議論を頂いた。今回は、これらに並んで、非常に重要である、アニメ、ファッション、観光、食等、日本の感性・文化・信頼性を活かした「文化産業」や医療・介護・子育て等、少子高齢化社会の問題解決に向けた「社会課題解決型産業」についてご議論を頂きたい。将来に向けて、バランスのとれた産業構造にしていくことに当たって、思い切って産業構造を転換していくことが不可避と考えている。
  • いずれの分野も、これまで、産業あるいは産業政策という目線で議論をしてこなかった分野である。
  • アニメ、ファッションなど文化産業について、日本は世界に誇る競争力を持っている。世界中で、クールジャパンブームが巻き起こっているように、日本には、世界中が注目するカルチャーが存在している。しかし、日本はこの分野で、海外でまったく稼げていない。
  • 医療・介護・子育て等についても、国内に膨大なニーズにあるにもかかわらず、産業として十分に育てていない。高度な医療技術を持っているが、海外への展開や、日本への顧客の呼び込みはできていない。
  • 両方とも、日本の将来の成長を考える上で、潜在力と将来性は十分に備わっている。しかし、事業の面では成功を収めていない。
  • その原因は、一体どこにあるのか。この両分野をリーディングインダストリーに育てていくためには、何をすべきか。今日は、しっかりと御議論を頂きたい。難しい問題ではあるが、皆様から忌憚のない御意見をお願いしたい。

委員からのご意見

将来ビジョンについて

  • 日本の電機・電子業界は、韓国メーカー(サムソン、LG)と比較して、よく成長性や収益性が劣ると言われている。決断力の早さ、新興国に対する手の打ち方、ブランド訴求力などの点において、大いに見習うべきである。我々の力が劣っていると強く自覚している。
  • しかし、反面、我々の事業が韓国と同じ条件であれば、収益力は相当改善されることも事実である。法人税、投資や研究開発に対する優遇税制、将来を睨んだEPA/FTA交渉など、韓国に優位性があると感じる。企業は国際競争をしているので、国際競争上の条件・環境をできる限り合わせるということを是非、政府に御願いしたい。
  • グリーンイノベーション、ライフイノベーション関連産業を、会社の今後の成長産業と考えている。特に、グリーンイノベーションについては、エネルギーを創る、蓄える、省エネ機器を使うということと同時に、エネルギーを効率的に使用・管理するホームエネルギーマネジメントの実現を目指している。生活スタイルや外部条件(例:日照条件)に合わせて、個々の製品のカタログ値以上の省エネを実現していきたい。家庭におけるエネルギーマネジメントを我々はマイクログリッドと呼び、これを外部に広げればコミュニティグリッドになるのではないかと考えている。このように、大きなスマートグリッド構想を支える事業構想を持っている。
  • いずれにしても、こういう分野は大きな制度設計が必要なので、引き続き政府のリーダーシップを御願いしたい。

全体の議論について

  • 文化産業も医療産業も、規模が小さく、家業にとどまっている。例えば、温泉は各都道府県に点在し、長期に滞在したい魅力のあるリゾートがほとんどない。海外の成功しているリゾートを見ると、雇用が進んでいるし、品質やサービスが良い。医療についても、個人の経験やノウハウでやっているので、知識や経験のシェアができていない。個々の技術はあるが、トータルヘルスケアの面から見ると、決して品質が高いとは言い難い。
  • 支援すべき中小企業と集約すべき中小企業を見極めた上で、税や規制を見直し、資本や人材の集積を進めていくことが非常大事である。これがなくては、GDPの70%を占めるサービス産業が低い生産性のままになってしまう。
  • 鳩山政権では、豊かさを測る指数として、GDPのみでなく、幸福度の導入を試みている。医療技術や文化力を指数化して、幸福度のような形で導入すべき。民間でも、必ずしも収益のパラメーターだけでなく、省エネに関連する部材の開発、植物工場の展開などのような、将来のサスビナリティに寄与するもの、あるいはヘルスケアや快適度などを指数化して、人々はそれを評価し、企業もその方向に向かっていくことが今後必要と考える。国も是非このような取り組みをやっていただきたい。

文化産業について

  • 日本には、世界は欲しがる特別なカルチャーが存在しているにも関わらず、海外で稼げていないのが現状である。その根本的な原因は、企業のリテラシー不足にあるのではないかと考える。例えば、知財リテラシー、ITリテラシー、マーケティングリテラシー、ブランディングリテラシーの不足がある。
  • 日本の海外進出に向けて、(1)海外展開人材育成(専門的なセミナーの実施)、(2)複数ブランドでの共同出店支援、(3)海外向けマーケティング・ブランディングの支援(XOJapan情報サイト、イベントの開催)、(4)海外進出のためのインフラ整備(多言語対応のウェブでの販路整備、海外出店への出店サポート)が必要である。
  • ファッションは、ライフスタイルと密接な関係を持っている。ファッションを振興することで、様々な産業に波及する形で、幅広い産業振興に繋がっていく。例えば、韓国のイーランドという会社は、アイドルグループ「神話」をアイコンに、ファッション、音楽、映画、家電などの業界を攻めにいった。
  • 韓国は、国をあげて国際ブランドの育成を図ってきた。それにより、イーランドという会社は、中国で急成長し、2009年には、売上が2000億を突破している(元々は200億ぐらいの売上しかなかった)。
  • 文化を育む地域に深いつながりのある産業である。有田焼や伊万里焼は17世紀に出島を通して、中東や欧州に輸出した。伝統を活かして、有田焼の万年筆を商品化して、洞爺湖サミットで、首脳陣に贈呈するほど、海外で注目されている。
  • 九州は、地理的に韓国と非常に近いので、平成20年には、熊本城が築城400年ということもあって、数多くの観光客が訪れた。歴史や文化は、外国人観光客を引き続ける力があるということについて、国際観光振興機構の調査でもわかった。今日の議論の中でも言及されたが、地域プロデューサーの育成が非常に大事である。
  • 日本の音楽ビジネス等の文化産業を推し進めるに当たって、著作権や知財に関するアジア広域の安定したインフラ、プラットフォームを作っていく必要がある。日本は、アジア共同プロジェクトで、アジア総合計画にいろいろと提案をしているが、文化ソフト関連のプロジェクトは一切ない。
  • 文化産業について、同質文化圏と異質文化圏を考える必要がある。食文化については、アジアと同質文化圏であるが、工業化社会については欧米諸国と同質文化圏である。まったく同質ではダメなので、少し異質でエキゾチックな性質を持つことは魅力があるので、その点について忘れてはいけない。
  • 文化産業は製造業と同じ部分がある。プラットフォームの形成が大事。アップルやインテルは、プラットフォームの形成をしっかりやったことが世界市場の席巻に繋がっている。文化産業と製造業のプラットフォームは全く同じではないが、共通な基盤を誰と組んで作るかという意味では共通である。また、内は独自(インテグラル)、外は標準化(モジュラー)というオープン・クローズ戦略が大事であることも同じである。日本は、独自の文化をもっている。ただし、問題なのは、国際的なインターフェスが共通化していないことだ。例えば、成田や羽田のような国際空港が観光の観点から見ると国際標準に至っていないし、海外のクレジットカードはJRで使用できない。
  • 能登の加賀屋旅館さんには、台湾からチャーター機で年間2万人の観光客が来ている。それが台湾の人々のステータスシンボルになっている。ローコストキャリアどころか、フリーフライトで観光客にどんどん来てもらい、お金を使ってもらえば経済全体の乗数効果を上げていくことができる。
  • 秋葉原の町は、コンテンツとテクノロジーの融合したサービスビジネスによって構成されている。サービスにとって大事なのは、ハイカルチャーとサブカルチャーの融合である。イギリスにおいて、ハイカルチャーの国際振興をブリティッシュ・カウンシルをずっとやってきた蓄積があり、それにサブカルチャーの政策を得たことで両輪が回っていると見るべき。これがないと、メインストリームにならない。
  • 日本のクリエイターを海外に出して育てることは非常に重要。一方で、海外のクリエイターに魅力のある日本を作っていくこともこれまた重要と考える。例えば、第一次大戦後のパリや第二次世界大戦後のニューヨークが、世界の才能を集結させることで、文化の繁栄を謳歌した。しかし、日本の秋葉原に海外のクリエイターを呼ぼうとしても、泊まるホテルでさえ充実していない。海外の知を取り込み、日本が世界のカルチャーのハブにならないと、文化産業の推進は難しいと考える。
  • 文化の発信には、コンベンションセンターの役割が非常に大事。しかし、国際フォーラムも、ビックサイトにもホテルが接続されていない。国際イベントを開催するのに大きな欠点である。医学会をよく横浜のパシフィコで開催するが、4つのホテルが連結して、雨に濡れずに移動できるのが最大の理由である。成田からの時間も東京とあまり変わらない。
  • ジャパンファッションブランドはたくさんあるが、商標(マーク)が見えないものが多い、資生堂やナイキのように、商標をとって、ライセンス料で稼ぐことも可能になる。
  • 欧米やアジアにおいて、資生堂ブランドは、非常に人気が高い。これはなぜなのか。教えていただきたい。
    • →主な理由は二つ。一つは、ブランド力は文化力という信念に基づいた情報発信。二つは、製品の品質の高さと安心さである。後者については、日本皮膚科学会とハーバード医科学会で共同研究を長らく続けてきたことが、欧米に浸透したことに繋がっている。
  • 文化産業全般について言えることだが、家業から産業への転換が大事。そのためには、ビジネスモデルの転換と標準を含む知財マネジメントが不可欠。また、技術で勝てるのに事業で負けるということは文化産業でも言える。日本はスタンドアローンは得意だが、他のレイヤー、特にサービスレイヤーと連携して、合わせ技で価値を創造することが非常に苦手。これについて、政府がリードして、省庁間や部局間の垣根を取り払って、一体となった政策を打ち出していくべき。
  • 電子書籍は、これから全世界で普及していく。文化産業を推し進める上で、日本の書籍を翻訳し、電子書籍で読めるようにし、普及させていくことが重要。また、文化産業を支えるインフラとして、日本研究は非常に重要である。最近、日本研究者はどんどん少なくなっている。長期的な視点に立って、外国人の日本研究者を優遇する制度を設けて、日本の文化を広めて行かないと、文化産業の振興はない。

医療・介護について

  • 高齢化社会において、高齢者を一括りにするのではなく、元気で、裕福で、都市に居る高齢者と移動が困難な僻地にいるような高齢者とでは、分けて考える必要がある。前者については、今の生活の質を高めたい傾向があり、旅行、食、娯楽に対するニーズがある。こういったニーズを喚起するようなサービスの提供が必要である。
  • 一方で、僻地にいる買い物難民のような高齢者については、買い物支援や便利屋のような日常の生活支援サービスに対する需要がある。事業者が連携して、このようなニッチなニーズを取りにいくことが重要である。
  • 介護用ロボティックベッドを開発している。ベッドであり、簡単な操作で車イスにもなる。このような製品を実用化しようとすると、安全等に関する実証実験が重要になってくるが、規制などにより現場で障がいを持たれた方にご協力をいただき検証することが困難であるため、障がいを持たれた方を開発技術者として雇用して、安全性の実験をすすめている現状もある。問題はいろいろあるが、是非、特区を設けるなどして、スピーディに進められる環境整備を御願いしたい。
  • 我々は、工場で商品を製造するときに、材料をピッキングするシステムを持っている。これを転用して病院の薬や注射液の払い出しを行う「注射薬払出ロボット」を開発している。導入して使っていただくと好評であるが、補助金なしでは、一気の普及拡大が難しい。日本企業が持つロボット技術は、安全・安心の面で多いにサポートできるので、補助金や特区を早く設けて、国内需要を拡大して、やがて輸出産業に育てていくことが重要。
  • 健康機器について、インテルはもう既に国際標準を抑えた。カテーテルや内視鏡などの医療機器についても、日本は早く手を打たないと、海外に取られてしまう危機感がある。
  • 医療について、DDS(ドラッグデリバリーシステム)が進展すると「薬、機器、サービス」が三位一体化していく。カテーテルや内視鏡について、メディカルスクールを設立して、海外の有能人材を日本で育て、ユーザー経験を蓄積することで、デファクトを作ってしまう政策支援があるのではないか。
  • 内閣府規制改革会議の医療タスクフォースの主査である松井社長(松井証券)が、去年の日経新聞の領空侵犯で、厚労省は分割でなく、解体し、医療産業は経済産業省に移管するべきだと言っていた。
  • 病床規制の撤廃、海外日本専用施設について意見を申し上げる。まず、病床規制の撤廃についてだが、これについて、規制制度分科会でまったく取り上げられていない。政治主導で、これを議論していかないと、公的保険診療分野が改善されないし、これに関連する周りの産業も育たない。外資系研究所の流出、国内医薬品メーカーの海外バイオベンチャーの買収、こういった問題は、公的保険診療部分が真直されないからである。
  • 次に、海外日本専用施設だが、北京に日本の援助で作った日中友好病院はあるが、厚労省は作るだけ作って、援助は打ち切られ、医療機器も古くなり、役割を果たせなくなっている。援助を続けながら、日本の最新鋭の技術を持ち込んで、アンテナショップを張って、質の高い診療をPRし、ここを拠点に日本の医療技術を発信していく必要がある。そうしなければ、医療ツーリズムが進まない。
  • 電子カルテの利用率が非常に低い。政府主導で、データセンターを作って、電子カルテの標準化を図る必要がある。そうでないと、普及しない。
  • 医療機器の認証時間はかかりすぎる。EUとのFTA交渉では問題になっている。
  • 日本の医薬品市場の25%を占めている上位4社は、その収益の50%は海外で稼いでいるのが現状である。
  • これまでの薬価制度では、特許期間中であるにもかかわらず、二年ごとに薬価が引き下げられていた。業界から、特許期間中における薬価の循環的引き下げをやめて、その代わりに、特許切れのブランドジェネリックの薬価に関しては、大幅に引き下げても良いという提案した結果、今年の4月1日より試験的に実施することに至った。外資系製薬企業の日本における研究機関の閉鎖が続いたが、プロイノベーションがすこし進んだことで、回帰の兆しが見え始めている。更に、これを進めていくためには、研究開発の環境整備を早急に進める必要がある。国際競争の時代の中で、国を挙げての支援が必要。また、FDAが承認する薬の半分以上は、バイオベンチャーから生み出されたものであり、バイオベンチャーの担う役割は非常に大きい。しかし、日本ではバイオベンチャーがまったく育っていない。原因としては、ベンチャーキャピタルの中に経営指導のできる人材の不足、リスクマネー不足、上場基準の厳しさなどがある。また、個人がバイオベンチャーに投資するエンジェル税制の活用は非常に少なく、日本の風土にあった形で考えると、企業のエンジェル税制の創設を是非考えるべき。さらには、日本には、バイオクラスターが十分に形成されていないのが現状である。シンガポールのバイオポリスでは、ラボと実験に必要な動物をすべて国が用意している。研究者の採用についても国が援助を行っている。
  • 日本の製薬会社が外国のバイオベンチャーを買収する動きが最近目立つが、好んで海外に投資をしているわけではなく、日本に魅力のあるバイオベンチャーがないことに原因がある。国際競争を睨んだ政策を早急に打ち出していかないと、日本の製薬産業は次第に弱っていくことになる。

保育・子育てについて

  • 待機児童の増大やニーズにあった保育サービスが提供されてない。海外にでるだけでなく、国内で需要がまだまだ膨らむ分野として保育があるのではないかと考えている。しかし、民間による参入は積極的には進んでいない。それは、株式会社による保育分野への参入に対して、「子どもを儲けに使う」という批判があり、精神的な部分で非常にネガティブな意見があることが一因である。
  • 官民が一緒にやるということは、民が出来ることは民に活躍してもらって、民では採算が取れないところについては、官が補完するというのは本来の姿である。しかし、保育の場合日中で、時間が短くて、定型的な部分を公が担っていて、夜間や休日営業、採算が取りにくい部分を民間が担っている状況になっている。国の支援を受けた認可保育園は、サービスの質が比較的に良くて、安い。一方で、民間の認可外保育園は、質に見劣りがあって、かつ料金が高い。市場原理ではありえない、利用者からみて理解しにくいダブルスタンダードになっている。よって、認可保育園を利用しやすいのは、比較的に労働環境に恵まれたフルタイムの方であり、夜間勤務や休日休めない人にとっては、非常に利用しづらい。
  • 現状を打破するために、民間やNPOの参入が重要になってくるが、このダブルスタンダードがあるが故に、非常に進出しづらい。同じ認可保育園でも、企業の保育園は、施設の整備補助が出ないままに、公の場合と同様な質を求められる。株式会社の保育園は、参入するとき、通常の株式会社の会計基準が適用されず、社会法人の会計基準が適用される。株式会社でも、配当は禁止される。また、独自のアイディアでサービス業務を追加しようとしても、自治体の指導によって、サービスを止められる現状がある。民間の保育所にとって、参入する魅力が非常に少ない。また、保育所は人件費や施設費が非常にかかる事業なので、補助の少ない中で事業をやろうとすれば、若い保育士を採用して、人件費を抑えるしかない。しかし、それでは悪い評判を受け、自治体は、株式会社の参入に対してよりネガティブになるという悪循環に陥る。
  • これまで、認可保育所ではやっていないサービスの分野に、数多くの認可外保育所事業者があった。しかし、認可外保育所が利用者にとって割高という状況が続いているので、認可外保育所の近くに認可保育所が出来ると、子どもは一気に流れてしまう。経営の先行きが非常に不安定で、不透明なため、参入意欲が減っている。
  • 民間に活躍してもらうためには、福祉という概念に加えて産業という視点を加えることが不可欠。例えば、施設に対する補助のイコールフッティング、実態に沿わない会計基準の見直し、補助金の使用制限の緩和、参入の入り口での制限ではなく、運用の監督面で質をしっかり維持するような制度にする必要がある。
  • 民間の参入を促進していく方向性で、規制を見直していく必要がある。しかし、一気に市場原理にすべて任せるということではない。やはり、保育は福祉という側面があるし、施設数が足りない中では混乱も心配される。段階を踏んでやっていく必要がある。現状の良い面は引き続き尊重しつつ、障害になる部分を取り除いていくことが大事。
  • 年末に、子ども手当の財源との関連で、保育を完全に自治体に任せる案は出たが、自治体によっては、子育てに関心の薄いところもあるので、後回しにされる危険性をはらんでいる。自治体にすべて任せるのではなく、段階を踏んで、実態にあったやり方で実施する必要がある。
  • 価格設定についてだが、公定価格だけでなく、サービスに合わせて自由に価格を設定できるようにする方向が望ましい。公定価格の上乗せの追加のサービスについて、価格を設定するところから始めるのはどうか。幼稚園については、サービスについて価格を設定できるので、幼保一元化の上でも避けて通れない問題。
  • 活力のある産業競争力を命題にするならば、やはり安心が重要。将来、負担になる子ども手当よりも保育サービスの充実化を先にしてほしい。保育の事業化を促進するには、国の支援、自治体の支援、事業者間の共同連携が重要になってくる。

農業・食料品について

  • 農水省は、食料自給率6割を目指している。中東やウラジオストックでは、日本の食材がスーパーに並び始めている。シンガポールでも、スーパーで数多くの日本食材がおかれている。安全・安心の面で、多大な評価を受けている。この動きを加速させるために、生産法人、流通法人を農水省と一体となって、基盤をしっかり作っていく必要がある。そして、プロジェクト化していくことが重要である。
  • 農林水産イノベーションには二つある。一つ目は、従来の食品としての農林水産イノベーション。例としては、野菜工場だが、これが植物工場になり、生物工場化すると、砂漠への売り込みが可能となる。また、レゴブロック化すれば、東京のビル10万棟の屋上がすべて植物菜園化する。これを実現するには、経産省、農水省、国交省の連携が不可欠である。ここで、重要になってくるのは、安全性の評価技術と計測技術だが、技術のオープン・クローズを図ることで、計測器産業や評価ビジネスの振興ができる。二つ目は、農林水産資源の工業使用である。例えば、蚕の繊維を使って、人工血管が作るという技術を日本が確立したが、事業化を適切に加速しなければならない。経産省と農水省が一体となって、こういう技術のビジネス化支援を行っていくべき。

観光について

  • 経済産業省の視点に立った観光立国論についてだが、総合的な事業戦略をサポートしてあげるべき。具体的には、シンガポールでは、LCC(ローコストキャリア)を稼働させ始めて、ジャカルタ-シンガポール間を往復4,200円で提供している。マレーシアとの場合では、3,000円代で提供している。観光客を引き寄せることで、カジノプロジェクトが描かれている。低コストでお客を運ぶ事業モデルを国を挙げて推進している。
  • 日本についても、羽田空港の第四滑走路が秋に稼働するので、アジア都市間を、羽田からシャトル便で結び、地方空港を活性化しなくてはいけない状況の中で、LCCをどう事業化していくかが喫緊の問題である。かつて、高級ブランドのセイコーが安売り時計に対抗するために、第二ブランドのアルバを立ち上げて成功を収めた。この成功モデルを参考に、日本の航空会社とアジアのLLCでジョイントベンチャーを組んで、低サービス低コストと高サービス高コストの販売モデルをはっきりと分ける必要がある。経済産業省は、こういうキャリアモデルや事業戦略を支えるという役割を果たしていくべき。
  • 観光立国におけるLCCや宿泊施設等については国交省の成長戦略会議で検討を進めているところであり、今後も、議論を深めていきたい。

人材育成

  • 文化産業において、人材の育成が非常に重要。現在の大学教育では、クリエイティブな人材教育ができていない。芸術学部はあるが、産業人材として育てていく視点が欠けている。カリキュラムや寄付講座の開催も比較的に容易になっている今、文化産業分野で活躍している人間を活用して、次世代の人を育成できる講座を作っていく必要がある。また、大学ではなくとも、かつてのファッションインスティチュートのような人材育成機能を創設する必要がある。それは、日本人だけでなく、外国の人材も呼び込んで、クリエイティブな人材とそれをマネージする人材を育成していくことが大事である。

最後に増子副大臣、高橋政務官、近藤政務官よりご挨拶

増子副大臣
文化産業、医療介護産業を推し進めるには、各省庁と連携した上で、規制緩和をすべきところは緩和し、守るべきところは守る、そして、スピーディにやることが重要。各分野の産業化を図り、日本の成長戦略に繋げていくこと、そして、企業は儲けて、その儲けを国民の豊かさに繋げていくこと、このような仕組みを作っていきたい。コンクリートから人へ、コンクリートから命へ、鳩山政権の主要目標であるので、本日のご議論とご意見をしっかり反映していきたい。
高橋政務官
日本は、スピード感に欠けている。電子書籍について、キンドルがよく話でてくるが、つい昨日にiPadが発売された。しかし、両者は競合するどころか、もう既に連携をしていて、iPadでキンドルの本が読めるようになっている。今後、スピードをもって、政策を打ち出していかないと、すべての分野で外国に遅れを取ることになる。
近藤政務官
保育について、幼保一元化は重要だが、なかなか苦戦している状況。今後は、厚労省と連携して、環境整備等について議論を進めていく。

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最終更新日:2010年4月19日
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