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ふれあいニュースレター

(政府原子力被災者生活支援チームからのお知らせ)
第10号
平成24年2月1日

○今週の「ほっと・ニュース」

「事故との戦いが終わったわけではない。これから本格的に力こぶを入れていかなければならない。特に「除染」「賠償」「住民の健康」の3本柱を中心に、国として徹底的に取組を強化したい。」
(野田内閣総理大臣(1月8日 総理就任以来3度目の福島訪問での佐藤知事との会談にて)

○ニュース

・一時立入りの3巡目が始まります!!(1月29日から)

1月29日から、一時立入りの3巡目が始まりました。3巡目からは、引っ越し業者の帯同が可能になるなど、より柔軟な対応を行っています。

2巡目からの主な変更のポイントは以下のとおりです。

1)一時立入りの南側の中継基地が「広野町中央体育館」から「道の駅ならは」に変更になりました(北側の中継基地はこれまでどおり「馬事公苑」です)。
2)「道の駅ならは」では、スペースの問題などから、受付を「ドライブスルー方式」で行うこととし、原則、車から降りることなく「本人確認」、「必要機材の手渡し」を行うことで、スムーズに立入りを行えるよう工夫しています。
3)事前に登録していただければ、引っ越し業者等の同行が可能となりました(同行可能な車両は2トントラック1台となっています)。
4)墓参り等自宅以外への立ち寄りも事前登録していただければ可能となっています。

なお、冬期の実施となるため、降雪や路面凍結等天候に不安がある場合には無理せずに立入りをキャンセルし、後日の立入り日を調整してください。中継基地ごとに一日に最大で350台程度の実施を予定しておりますので、キャンセルの場合でも次回の立入りが大きく遅れるようなことはありません。

詳しくは各市町村のホームページ、お問い合わせ窓口まで。


・復旧・復興支援制度データベースの検索サイトを開設しました(1月17日)

政府は、東日本大震災の復旧・復興に向けた国や自治体の各種支援制度を簡単に検索できるサービスを開始しました。このサイトでは、「個人向け」、「事業者向け」の別に、地域や条件にあった制度の検索が可能となっており、1月20日現在、366件の支援策が掲載されています。
例えば、「個人向け支援制度」では、「給付・還付」、「貸付(融資)」といった具体的な支援策の種類や、「住宅のこと」、「仕事のこと」、「医療・福祉のこと」、「子育て・教育のこと」といった分野から支援策を検索し、制度内容、対象者、お問い合わせ窓口などを調べることができるようになっていますので、ぜひご活用ください。

詳しくは、「復旧・復興支援制度情報」のホームページをご覧ください。

○特集「健康」

先日実施したふれあいニュースレター「読者アンケート」には、「健康」に関するご意見が多数寄せられました。そこで今回は、皆さまの「健康」に焦点をあてて、現在の取組状況をお知らせします。

【福島県の「県民健康管理調査」について】
福島県では、原子力災害による放射線の影響を踏まえ、将来にわたる県民の皆さまの健康管理を目的とした「県民健康管理調査」を実施しています。
この「県民健康管理調査」は、大きく分けて「基本調査」と「詳細調査」からなり、この「詳細調査」では、1)甲状腺検査、2)健康診査、3)こころの健康度・生活習慣調査、4)妊産婦に関する調査、の4つの調査を実施しています。

この「県民健康管理調査」以外にも、ホールボディカウンターによる内部被ばくの検査や個人線量計の貸与等を実施しています。また、各種調査・測定の結果については、データベースを構築して、今後の皆さまの健康管理に役立てることとしています。
各種調査の概要と進捗状況は、次のとおりです。

1.県民健康管理調査(基本調査)
県民の皆さま一人一人の3月11日以降の行動記録を基に、外部被ばく線量を推計し、将来にわたる県民の健康の維持、増進につなげていくことを目的に実施しています。

・対象者:平成23年3月11日時点での県内居住者
・方法:問診票により実施
・内容:3月11日以降、「いつ」「どこに」「どのくらい居たか」「どのように移動したか」など、皆さまの行動記録に基づいて推計します。
【基本調査回答状況】平成23年12月21日現在
調査対象者数 2、057,053人
回答者数   411,499人(回答率 20.0%)

回答いただいた方には、外部被ばく線量推計結果を順次送付してまいります。
まだ、ご提出がお済みでない方がいらっしゃいましたら、行動記録をご記入いただき、問診票の提出にご協力ください。
今後の長期にわたる各種検査の「お知らせ」を確実にお届けするためには、住所(居所)の確認が必要になりますが、基本調査はそのためにも重要となります。

2.県民健康管理調査(詳細調査)
1)甲状腺検査
子どもたちの健康を長期的に見守ることを目的に実施しています。
■「先行調査」
・対象者:平成23年3月11日時点で概ね18歳以下の全県民 約36万人
・内容:甲状腺超音波検査
・実施時期:平成23年10月から平成26年3月までを目途に実施
■「本格調査」
・対象者:「先行調査」の対象者に加え、平成24年4月1日までに生まれた方を追加
・内容:甲状腺超音波検査
・実施時期:平成26年度以降の予定
対象者が20歳になるまでは2年ごと、それ以降は5年ごとに継続して実施します。
■県外での検査実施について
現在、平成24年度の早い段階で全都道府県に1か所以上の医療機関を指定することを予定しています。詳細が決まり次第、お知らせいたします。

■検査結果
後日、本人(保護者)あてに検査結果を通知します。
【検査実施状況】平成23年12月9日現在
福島県が検査を実施した11,534人の状況は、二次検査を要するケースは極めて少なく、概ね「安心な結果」との評価が示されました。

2)健康診査
県民の健康状態を把握して長期的に見守っていくとともに、生活習慣病の予防や早期発見、早期治療につなげることを目的に実施しています。

・対象者:「避難区域等の住民」及び「基本調査」の結果必要と認められた方
<避難区域等>
田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村及び伊達市の一部(特定避難勧奨地点関係地区)
・内容:既存の特定健診を活用して実施
(白血球分画などの検査項目を上乗せして実施)

・実施時期:
【県内】
15歳以下:平成24 年1 月〜2 月末の間に、指定小児科医がいる医療機関で実施します。
16歳以上:(1)町村が実施する総合検診(特定健康診査・健康診査)と合同で実施しています。
(2)(1)の対象者以外の方については、平成24年1月〜3月の間に、保健センター等で実施します。

【県外】
15歳以下:平成23 年度内実施に向け調整しています。
16歳以上:(1)町村が実施する総合検診(特定健康診査・健康診査)と合同で実施しています。
(2)(1)の対象者以外の方については、平成23 年度内実施に向け調整しています
※「避難区域以外の住民」についても、既存健診の対象外の県民への新たな健診機会を付与することで平成24年度から実施予定です。

■検査結果
後日、本人(保護者)あてに検査結果を通知します。

3)こころの健康度・生活習慣調査
震災や原子力発電所事故で心的外傷を負ったり、不安や不自由な生活を余儀なくされるなど、困難な状況にある方々のこころやからだの健康度(問題)を正しく把握して、適切なケアを図ることを目的として実施します。
■対象者:避難区域等の住民 約20万人
■方法:調査票により実施
■内容:現在のこころと身体の健康状態、生活習慣(食生活、睡眠、喫煙、飲酒、運転)、最近半年くらいの行動などについて調査します。
■実施時期:平成24年1月中旬から、順次調査票を発送しています。

■調査後のケア体制
調査票の回答内容を評価・分析した上で、こころとからだのケアが必要と判断された場合、連絡をさせていただき、臨床心理士や保健師等による「こころの健康支援チーム」が相談に応じます。

4)妊産婦に関する調査
妊産婦の方の健康状態やこころの健康度を把握し、不安の軽減や必要なケアの提供を図ることを目的に実施します。
■対象者:
(1)平成22年8月1日から平成23年7月31日までに、県内各市町村において母子健康手帳を交付された方
(2)県外市区町村から母子健康手帳を交付された方のうち、県内に転入または滞在して3月11日以降に県内で妊婦健診を受診したり、分娩をした方
■方法:調査票により実施
■内容:震災後の妊婦健康診査の受診状況、妊娠経過中の健康状態、妊産婦のこころの健康度などについて調査します。
■実施時期:平成24年1月中旬から、順次調査票を発送しています。
■調査後のケア体制
調査票の回答内容を評価・分析した上で、ケアが必要と判断された場合は連絡いたします。また、助産師等による電話相談窓口を設置し、健康管理や育児相談をはじめとした心配事の相談に応じる予定です。

「県民健康管理調査」に関する問い合わせ先
・福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センター
県民健康管理調査事務局
024−549−5130(9:00〜17:00 土日祝日を除く)

3.ホールボディカウンター(内部被ばく)検査
福島県では、内部被ばく線量を調べるために、ホールボディカウンター(人間の体内に摂取され沈着した放射性物質の量を体外から測定する装置)による検査を行っています。
この検査は、昨年6月から放射線医学総合研究所等の施設で検査を実施してきましたが、昨年12月からは、福島県のホールボディカウンター車(移動式)を用いての巡回訪問検査も開始しています。現在は、県北地方及び県中地方の小・中学校等を訪問して検査を行  っており、今後は、検査対象の地域を順次拡大していく予定です。
なお、ホールボディカウンター検査については、12月31日現在、11,816人を測定した結果、概ね一生涯の線量である預託実効線量(※注)については、最大3mSvという結果であり、健康に影響を及ぼすようなケースは確認されませんでした。
※注 預託実効線量:成人では50年間、子供では70歳までに体内から受けると思われる
内部被ばく量

4.個人線量計の貸与等
福島県では、県民の放射線量測定への関心の高まりから、市町村が中学生以下の子どもや妊婦を対象に個人線量計等を貸与する費用などを補助しています。これにより、住民の皆さま自らが放射線量を確認し、積極的な健康管理につなげていくことを目指しています。

○原子力損害賠償支援機構からのお知らせ

東京電力に対する損害賠償の請求・申立てに関して、電話による無料の情報提供、対面相談などを行っています。また、福島県内及び山形県、新潟県では無料個別相談会を開催いたします。

1)無料の情報提供、対面相談など
電話番号:0120−013−814(フリーダイヤル)
受付時間:毎日10時〜17時(土日祝日を含みます)
行政書士が応対しています。なお、月・水の午前中は、弁護士との電話相談・対面相談も可能です。

2)無料個別相談会
1.郡山駅近くの福島事務所にお越しいただける方
【福島県】いずれの日も原則10時〜18時
・郡山市:毎週 月、水、金、土、日及び3月20日(火・祝)
原子力損害賠償支援機構 福島事務所 
郡山市駅前一丁目15番6号  明治安田生命郡山ビル1階

2.福島県、山形県、新潟県での無料個別相談会にお越しいただける方
【福島県】いずれの日も原則10時〜18時
・福島市:2月、3月 毎週火、土
福島県労働福祉会館 4階  福島市宮町3番14号
・会津若松市:【2月】9日(木)、11日(土・祝)、23日(木)、25日(土)
【3月】8日(木)、10日(土)、22日(木)、24日(土)
会津労働福祉会館 2階 会津若松市西栄町7番9号
・いわき市:
(1)2月、3月 毎週火、木3月20日(火・祝)を除く)
いわき市労働福祉会館 2階  いわき市平字堂ノ前22
(2)【2月】5日(日)、12日(日)、26日(日)
【3月】4日(日)、11日(日)、25日(日)
いわき市文化センター 2階  いわき市平字堂根町1−4
(3)【2月】19日(日)
【3月】18日(日)、20日(火・祝)
いわき市社会福祉センター 5階  いわき市平字菱川町1−3

【山形県】
・米沢市:2月17日(金)、18日(土) 10時〜12時、13時〜16時
米沢市置賜総合文化センター 301会議室  米沢市金池3−1−14
※無料の託児室をご用意しております(要予約)
・山形市:2月24日(金)、25日(土) 11時〜12時、13時〜17時
山形市総合スポーツセンター 第2会議室  山形市落合町1番地
※無料の託児室をご用意しております(要予約)

【新潟県】
・新潟市:2月10日(金)、12日(日) 10時〜12時、13時〜16時
新潟市東区プラザ 2階  新潟市東区下木戸1−4−1
※無料の託児室をご用意しております(要予約)
・新発田市:2月10日(金)、12日(日) 13時〜16時
東日本大震災避難者相談所  新発田市諏訪町1−3−28

※事前予約制です。
(予約受付・お問い合わせ先)原子力損害賠償支援機構 福島事務所
電話番号:0120−330−540(フリーダイヤル)

○読者コーナー<ご意見・ご質問・近況報告など>
暦の上では「立春」も間近ですが、厳しい寒さが続いています。皆さま、風邪など引いていませんか?ふれあいニュースレター事務局では、引き続き、皆さまのご質問や近況、紙面へのご意見などを募集していますので、お気軽にお寄せください。

○「ふれあいニュースレター」バックナンバーのご案内
過去の「ふれあいニュースレター」につきましては、以下のアドレスよりご覧いただくことが可能です。ぜひご覧ください。
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html

○「守ります!福島〜政府原子力被災者生活支援チームQ&A〜」(ラジオ番組)
福島県の皆様からの疑問・質問への回答や生活支援情報をラジオで放送中。

放送内容はホームページをご覧下さい。
ラジオ福島(http://www.earth0311.jp/) ふくしまFM(http://fukushima-nuclear.info/


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発行 政府原子力被災者生活支援チーム