

中小企業庁 事業環境部 金融課
保手濱 大二(2022年入省・一般職係長級)
※役職等はインタビュー当時
現場経験を生かし、「本当に支援が必要な人」を救う政策立案を
──保手濱さんは金融業界を経て2022年に経済産業省に入省されたそうですが、転職の経緯についてお聞かせください。
前職では地方銀行にて主に法人渉外に従事していました。融資や資金管理業務のほか、事業者の課題解決を支援する金融ソリューションを幅広く提供していました。
転機となったのは、2017年からの2年間、中小企業庁に官民交流プログラムとして出向したことです。国際協力の部署で、日本の中小企業政策を海外に広める業務や中小企業の海外展開を支援する業務などに携わりました。
その後は銀行に戻り、中小企業のお客様を中心に金融サービスを提供してきましたが、コロナ禍が長期化する中、民間金融機関ができる支援に限界を感じるようになりました。営利法人である以上、本当に支援を必要としている事業者に手を差し伸べられないことが多かったのです。
そうした中で「再び経済産業省に戻ってより多くの中小企業を支援したい。そのための政策を自ら立案したい」と強く思うようになり、入省を決めました。
──現在の業務概要と、特に印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。
希望していた金融課に配属され、中小企業金融の政策立案・執行を担当しています。携わっている政策は、コロナ禍や物価高等の影響を受けた中小企業への金融支援や経営支援を促すための制度構築や、経営改善・事業再生に加え一度起業に失敗した事業者への再チャレンジを促進するための事業環境の整備などです。
特に印象に残っているのは、昨年10月に政府が発表した「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」にも含まれている、新たな保証制度の立案です。
これは、コロナ禍等の影響から今も脱却できず苦しんでいる事業者のための新たな保証制度であり、事業者にとっては返済負担の軽減を考慮した借換需要に加え、新たな資金需要にも対応するなどのメリットがあるものです。コロナ禍で多くの事業者が利用している保証制度における融資の借換を実現するものであり、多くの反響をいただいています。
──前職の金融機関での経験は、現在の業務にどのように生きていますか。
前職では、経済産業省が施行する政策を利用する立場でした。だからこそ、どのような政策がどういった事業者に必要とされているのかを現場目線で考えられます。こうした経験が今、政策立案に直接生かせていると感じます。
また、関係者へのヒアリングにおいても銀行の現場での経験が役立っていますね。私はこの1年間、自治体や金融機関、業界団体などステークホルダーのもとに足を運んできました。金融機関で働いていたバックグラウンドをもつ自分だからこそ、効率的かつ効果的なヒアリングができると自負しています。
多彩な知見が集まる経済産業省で、知見を広げ、人間性を高める
──業務を通じて感じるやりがいや醍醐味についてお聞かせください。
自分自身が携わった政策が全国の事業者の方に届くことが、何よりのやりがいです。先ほど紹介した新たな保証制度はまだ施行されたばかりですが、今後多くの事業者の資金繰りなどに寄与できると確信しています。
また、この仕事は金融機関や業界団体などさまざまな関係者と意見交換をしながら進めるため、調整力や企画力が鍛えられます。そうした成長実感も、経済産業省で働く醍醐味ではないでしょうか。
──最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
経済産業省のミッションは「国富の拡大(未来の日本を豊かにすること)」です。幅広い政策を扱うため、各分野の専門家や出向者などさまざまなメンバーと協働します。そうした中で、私自身も視野が広がり、人間性が豊かになっていると実感しています。
特に私が所属する中小企業庁は、事業者に近い目線で政策を作る必要性から、金融機関やその他の民間企業出身者、士業の経験を持つ者など多彩なバックグラウンドを持つメンバーが集まっていて、非常に刺激的です。
未来の日本を豊かにするには、多様なスキルと経験をもつキャリア人材の力が必要です。「日本の未来のために働きたい」という熱い思いを持つ皆様と一緒に働けるのを楽しみにしています。
ビズリーチ 公募ページ「経済産業省」(2023年2月21日公開)より転載
最終更新日:2023年9月1日