内閣官房
内閣総理補佐官付(国際人権問題担当補佐官秘書官)/門 寛子(2004年入省)

官邸で、「火中の栗」を拾い続ける。

通商戦略室長(兼ビジネス人権室長)として、企業活動における人権尊重というグローバルな課題に取り組んでいた最中のことでした。日本初の国際人権担当補佐官として任命された中谷元議員(元防衛大臣)から、秘書官として突如指名されました。中谷議員が会長を務めていた超党派議連の会議における私の立ち回りをよく覚えていたことからでした。萩生田大臣からも、ビジネスと人権関連政策を、政権全体で進めていく役割ということで、温かく送り出していただきました。   日本では初めての国際人権問題担当の総理補佐官ですが、多岐にわたる人権問題のうち、特に関係省庁との調整が必要な事案と、対外的な発信・働きかけを担っています。これまで、人権デューディリジェンスの企業向けガイドラインの策定や、ウクライナからの難民の受入・支援の拡 充、技能実習生の待遇改善など、人権を切り口に複数省庁にまたがるイシューについて、迅速かつ効果的な政策を実施しています。また、ジュネーブにおける国連人権理事会への出席、ポーランドにおけるウクライナ避難民の視察、日米首脳会談を前にした米国訪問等を実施しました。

私自身が官邸にいて、心がけていることは、対話を諦めないこと。そして分断を防ぎ、問題の解決を目指すことです。問題の提起や議論は他の職業でも可能ですが、問題解決のための政策作りと執行は行政官にしかできません。その強みを自覚し、人権という、時に個人の思想信条によって対立が厳しくなる、時に企業の競争力や日本の安全保障にも関連し得る複雑な問題について、「火中の栗」を拾い続けていきたいと思っています。

最終更新日:2023年9月1日