

ロンドン大学キングスカレッジ、ユニバーシティカレッジ留学
大倉 優里(2016年入省)
銀行員、中小企業政策担当、そして英国での研鑽。
日本銀行員として景気動向分析に従事する中で、地方の中小・零細企業の経営者から不安や悩みを沢山聞きました。日本企業が抱える課題解決により深く関わりたいと思い、経験者採用試験(係長級(事務))を受験、経済産業省の門を叩きました。
最初は中小企業庁経営支援課に配属されました。私の問題意識や日銀時代の経験を汲んでの判断だと思います。複雑化、多様化する中小企業の経営課題をより多く解決するため、経営コンサルタントなどの専門家の方々と、支援機関同士の連携を促す仕組みを作りました。より良い未来への道筋をデザインする仕事は容易ではありませんが、やりがいがあります。
福島第一原子力発電所事故の被災者支援に取り組んだ際も、組織を越えた連携が求められました。地元自治体や他省庁など、METIとは異なる価値観を持つ利害関係者との信頼関係を構築するため、現地に足を運び、納得行くまで議論しました。政策立案力だけでなく、人間力も高められる環境だと思います。
これらの経験を踏まえ、多様な利害関係者との意思決定のあり方について国外の事例にも目を向けつつ、学術的な理解を深めたいと考え、海外留学を希望しました。現在は、インクルーシブなプロセスの下、クリーンテックや人工知能などの先端技術を生み出すイノベーション政策について研究しています。
中途採用者は未だマイノリティですが、このように成長の機会は平等に与えられます。
日々感謝しつつ、日本経済発展の一助を担えるよう、研鑽を積んでいきます。
最終更新日:2023年9月1日