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【60秒解説】 鉄より強い? 木の繊維!

奈良の法隆寺にある五重塔。世界最古の木造建築として、今もなお私たちに立派な姿を見せています。この丈夫さは、木材を構成するセルロースという繊維に由来しているのです。
- 10億分の1メートルの繊維
- 木材からセルロースの繊維だけを抽出できれば、さまざまな応用ができるのでは、と期待されています。セルロースの繊維は、髪の毛のおよそ100分の1の太さ。直径が数ナノメートル(10億分の1メートル)なので、「セルロースナノファイバー(CNF)」と呼ばれています。
- 炭素繊維よりも安く
- 似たようなものに、炭素繊維(カーボンファイバー)があります。航空機の部品や、身近なところではゴルフクラブにも使われてもいますよね。日本が世界をリードしている素材としても有名です。しかし、この炭素繊維は、軽くて強いのですが、まだまだ高価です。日本に豊富にある木材から、安くCNFを作ることができれば、日本発のすばらしい素材となるでしょう。
- 透明で、熱でも伸びない
- CNFは、鋼鉄の5倍の強度という利点だけでなく、炭素繊維にはない特徴があります。例えば、太さがナノレベルなので、プラスチックに混ぜても透明のままです。また、熱を加えても伸び縮みしないので、自動車部品などにも使えると期待されています。
- 目指せ1兆円市場!
- 技術開発が進み、製造コストが下がれば、CNF関連国内市場は1兆円にもなると見込まれています。経済産業省では、研究開発や産学官のネットワーク作りを積極的に支援していきます。
最終更新日:2017年5月29日