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【60秒解説】 日本周辺に眠る「燃える氷」

写真:燃えるメタンハイドレート

日本の海底下に眠っている「燃える氷」メタンハイドレート。今年度の調査では、海底下でメタンハイドレートがどのような状態で存在しているのかを確かめました。

メタンハイドレートとは

水深500~1000mの深海で、メタンガスが、低温・高圧の海底下で氷のように固まったものです。これまでの調査で、太平洋側には日本が消費する天然ガスの10年分以上が存在すると推定されています。一方で、日本海側のメタンハイドレートの状態はほとんど分かっていませんでした。

表層型と砂層型

メタンハイドレートには、海底の表面付近に存在する「表層型」と、海底の下の地層中に存在する「砂層型」の2種類があります。今回調査したのは、日本海に多く見られる表層型。メタンハイドレートがあると推定される高まりや窪みなどの特徴的な地形の中での状況を確かめました。

資源化の目途は

主に太平洋に分布する砂層型では、3年前の平成25年3月に実験的な採取に成功しましたが、砂が機械に詰まってしまうトラブルもあり、まだ安定して長期間採取できていません。一方で、日本海に分布する表層型メタンハイドレートは、十分な資源量が存在しているのか、まだわかっていません。


(海洋産出試験における燃焼処理の様子)

技術的課題を乗り越えて

いまは世界の原油価格は非常に低い水準にあります。こうした石油やLNG(液化天然ガス)とは異なり、メタンハイドレートは経済的な採取方法が確立できていないため、いますぐに国産エネルギーとして活用できるわけではありません。とはいえ、技術の進捗は時に思いもよらない変化をもたらします。いまは6%しかない日本のエネルギー自給率を高めるためにも、商業生産に向けて取り組んでいきます。

最終更新日:2016年2月16日
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