貿易手続デジタル化とは
世界全体の貿易取引が拡大する中、貿易手続は未だに紙書類・手作業が中心であり、一般的な貿易取引において平均して36種類の書類と240部のコピーを複数の事業者間で取り交わす必要があると言われています。
加えて昨今では新型コロナウイルスのパンデミック、ロシア・ウクライナ戦争、中東情勢の悪化等による世界的な国際物流の混乱が発生したことから、アナログな貿易手続がもたらすサプライチェーン耐性の脆弱性がこれまで以上に顕在化しています。
貿易プラットフォームの活用等を通じ、貿易手続をデジタル化し貿易データを活用することで、以下の効果が見込まれます。
コスト削減・業務効率化
・大量の紙書類の作成・管理にかかる時間短縮、コスト削減。
※過去の実証調査において、貿易プラットフォームの導入により貿易手続にかかる業務時間が 44%短縮できるという効果が示されています。
・貿易プラットフォーム上での輸出入業務の定型化による業務の属人化の防止。
サプライチェーン最適化
・輸送や通関手続のリードタイムの分析、輸送貨物の到着日の精緻な予測等による輸送ルートの最適化、現地在庫の過不足のリスク低減。
・サプライチェーン上のチョークポイントの可視化、地政学的リスクに備えた代替の仕入先や輸送ルートの検討・確保の迅速化。
貿易手続デジタル化の施策
1貿易プラットフォームの
国内外の接続先拡大
検討会を開催し、貿易に携わる事業者と政府機関の間で貿易DXの意義や推進する上での課題を議論。
補助金事業による貿易プラットフォームとユーザー間、貿易プラットフォーム間の相互接続に必要なシステム構築費用の一部補助。
2国際標準に準拠した
貿易分野データ連携の推進
国際標準機関(国連CEFACT)に対し、日本企業からのデータ項目追加要望を反映するよう働きかけ。
国際標準を踏まえた日本企業向けガイドラインの策定・普及推進。
3貿易相手国と日本との
間での連携の推進
ASEANをはじめとした各国と貿易手続デジタル化の重要性を確認し、貿易PF間連携や貿易データ連携を推進。
ASEANにおける貿易手続デジタル化に向けたロードマップの策定。
新着情報
- 2025年03月31日 その他
- 本ページを公開しました。
検討会
貿易プラットフォームの利活用推進に向けた検討会
荷主企業、貿易PF提供事業者、国の3者で貿易手続のデジタル化や、貿易PFの活用に向けた取組状況や抱えている課題等について議論を行うため、2023年11月に検討会を立ち上げました。検討会での議論を通じて企業から挙げられた課題や国に対する要望を踏まえ「中間報告書」を取りまとめた他、関係省庁と連携して「貿易手続デジタル化に向けたアクションプラン」を策定し、2024年6月に発表しました。以降、策定したアクションプランにもとづき、未だに紙で扱われている貿易文書・手続のデジタル化や、貿易PFの導入支援・促進等に取り組んでいます。
- 貿易プラットフォームの利活用推進に向けた検討会(審議会・研究会ページ)
第1回(2023年11月20日)
第2回(2023年12月14日)
第3回(2024年3月22日)
第4回(2024年6月25日)
第5回(2025年2月26日)
貿易プラットフォームの利活用推進に向けた物流事業者との意見交換会
貿易実務に携わる物流事業者と荷主双方に裨益する形で貿易プラットフォームの利活用を推進することを目的として、物流事業者の立場から見た貿易プラットフォームの利活用や貿易手続のデジタル化の課題等について議論を行うため、経済産業省と国土交通省共同で開催しました。
調査
報告書
- 令和4年度補正現地社会課題対応型インフラ・システム海外展開支援事業(米国・タイ王国・貿易プラットフォーム海外展開調査事業)(2024年2月29日)
- 令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(貿易分野デジタル化連携ツールの検討等)(2023年3月31日)
概要版(日本語)|概要版(英語)
|詳細版
- 令和4年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(ベトナム・カンボジア・インドネシア国・貿易プラットフォーム海外展開調査事業)(2023年2月28日)
- 令和3年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(貿易分野デジタル化の在り方等に係る調査)(2022年2月28日)
概要版(日本語)|概要版(英語)
|詳細版
- 令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(日本の貿易円滑化強化策(FTA活用含む)にかかる国際経済調査事業)(2021年3月29日)
- 令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(貿易手続データの金融・保険分野等への利活用に関する調査)(2020年3月19日)
国際関係
日ASEAN
2023年12月16日に開催した「日ASEAN経済共創フォーラム」にて、AMEICC(日アセアン経済産業協力委員会)事務局より、日ASEANの貿易デジタル化の推進に向けた取組のロードマップを発表しました。
貿易データの国際標準(国連CEFACT)活動
貿易分野データの国際標準機関(国連CEFACT)に対する要望や貿易実務の実情に即した国際標準の普及、貿易分野データ連携を実現するための仕組みの検討・具体化を支援しています。
補助金
貿易PF活用補助金(貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金)
貿易プラットフォーム(PF)の利用拡大による貿易円滑化と貿易コストの削減を目指し、貿易PFと利用企業の社内システムとの連携構築や貿易PF間の連携構築に係る費用等を補助します。
令和7年度も本事業を実施予定です(※内容が変更となる可能性有)。
- 補助対象事業(予定)
【類型1】貿易PFサービスを利用しようとする日本国の法人が、当該貿易PFと自社のシステムの接続を図るもの。
【類型2】日本国の法人が、貿易PFサービスを活用し、貿易手続デジタル化・貿易コスト削減の効果を検証するもの。
【類型3】貿易PFサービスを提供する日本国の法人が、貿易その他のPFと接続することで、貿易PFの利便性向上を図るもの。
- 補助対象事業者(予定)
【類型1】貿易PFサービスを利用しようとする日本国の法人
【類型2】貿易PFサービスを利用しようとする日本国の法人
【類型3】貿易PFサービスを提供する日本国の法人
- 補助率(予定)
大企業1/2、中小企業2/3
- 補助上限額(予定)
【類型1】補助上限額2,000万円
【類型2】補助上限額1,000万円
【類型3】補助上限額5,000万円
- 補助対象経費(予定)
人件費、旅費、補助員人件費、委託・外注費、サービス利用経費(類型2のみ)
- 公募期間(予定)
第1次公募:5月中旬~6月中旬
第2次公募:6月下旬~7月下旬
第3次公募:7月下旬~8月下旬
- (ご参考)【tradigi portal】令和6年度事業 貿易プラットフォーム活用補助金(運営:JASTPRO)
- 令和6年度貿易プラットフォーム活用による貿易手続デジタル化推進事業費補助金における圧縮記帳等の考え方について
イベント
- 準備中
お問合せ先
経済産業省 通商政策局 貿易振興課
E-MAIL:bzl-tradepf-digital.boushinka”AT”meti.go.jp
※メール送信の際は、上記アドレス”AT”の部分を@に置き換えてください。
お問合せは必ずE-MAILでお願いします。
最終更新日:2025年4月4日