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「我が国企業による海外M&A研究会報告書」及び「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」概要

本件の概要

経済産業省は、昨年8月より開催した「我が国企業による海外M&A研究会」等における議論の成果として、(1)日本企業が今後、海外M&Aを有効に活用していく上で留意すべきポイントと参考事例をまとめた報告書及び(2)特に経営者目線で重要なポイントを事例とともにまとめた「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」をとりまとめました。

1.背景・目的とこれまでの経緯

近年、海外M&Aは、激しいグローバル競争の中で、日本企業がスピード感を持った成長を実現していくうえで重要かつ有効なツールとなっています。また、これまで国内を主たる事業基盤としてきた企業も含め、海外M&Aの裾野が一層拡大しています。他方で、海外M&Aに関しては、国内のM&Aや現地法人設立による海外進出と比較しても、制度・言語・文化面の違いをはじめとして難度が高い側面があり、期待された成果を十分挙げられていない事例も少なくありません。
そこで、経済産業省は、昨年8月より、海外M&Aに関し豊富な経験と知見を有する専門家を集めた「我が国企業による海外M&A研究会」を開催し、日本企業が抱える課題やその克服のための取組について、海外M&Aに積極的に取り組む企業へのヒアリングや専門家を交えた議論、公開シンポジウムを通じて検討してきました。

2.「報告書」と「9つの行動」のポイント

今般、その成果物として、日本企業が今後、海外M&Aを有効に活用していく上で留意すべきポイントと参考事例をまとめた(1)「我が国企業による海外M&A研究会報告書」をとりまとめました。
さらに、研究会等において、海外M&Aに取り組む上では経営者の果たすべき役割やコミットメントが重要であるとの指摘が多くなされたことを踏まえ、今後の海外M&Aの取組に役立てていただけるよう、特に経営者目線からみて特に重要なポイントについて事例とともに、(2)「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」として、簡潔で読みやすい形でとりまとめました。海外M&Aの裾野が一層拡大している中、今後、「報告書」や「9つの行動」の浸透を目指します。

「報告書」と「9つの行動」の主なポイントは以下の通りです。

(1)報告書のポイント

海外M&Aを企業の成長に有効活用するためには、経営トップがプロセス全体に主体的にコミットして、リーダーシップを発揮した上で、個別案件の実行力のみならず、戦略ストーリーの構想力、基盤としてのグローバル経営力を併せ持つことが重要である。

  1. 「海外M&Aの実行力」
    海外M&Aを効果的に活用していく上では、デュー・デリジェンスやバリュエーション、契約交渉といったM&Aのディール実行に関わる専門的な知見やスキル、買収契約成立後の統合プロセス(PMI)といった「海外M&Aの実行力」が重要であり、海外M&Aを実行する企業自身が十分なM&Aリテラシーを身につけ、外部アドバイザーに過度に依存することなく、主体的にM&Aプロセスを実行できる能力を向上させていくことがまずは重要である。
  2. 「M&A戦略ストーリーの構想力」と「グローバル経営力の強化」
    一方で、海外M&Aを自社の成長に有効活用している企業は、M&Aの実行力にとどまらず、海外M&Aの実行の前と後の「平時」の段階から、将来の海外M&Aを見据え、海外M&Aを日常事として地道な取組みを行っている。
    「前」の段階では、中長期の時間軸で自社の「目指すべき姿」をまずはっきりさせたうえで、そこから逆算して、成長戦略・ストーリーに基づいて主体的・戦略的に海外M&Aの検討・準備を行うことに十分な時間や人材等のリソースを投入している。(「M&A戦略ストーリーの構想力」)
    「後」の段階では、海外企業の優れた部分を積極的に取り入れたうえで、自社グループをグローバル規模での成長が可能な経営体制へ変革させていくことが重要である。(「グローバル経営力の強化」)

(2)「9つの行動」のポイント

海外M&Aにおいては、経営トップが果たすべき役割が極めて大きい。海外M&Aを自社の成長に活用している企業の多くは、経営トップ自らが海外M&Aの本質を理解し、先手を打った主体的リーダーシップを発揮するとともに、プロセス全体を通して腰を据えてコミットしていく覚悟を持って取り組んでいる。そこで、報告書の内容から、特に経営トップ等が留意すべき点を抽出し事例とともに以下の9つの行動にとりまとめた。

  1. 行動1:「目指すべき姿」と実現ストーリーの明確化
  2. 行動2:「成長戦略・ストーリー」の共有・浸透
  3. 行動3:入念な準備に「時間をかける」
  4. 行動4:買収ありきでない成長のための判断軸
  5. 行動5:統合に向け買収成立から直ちに行動に着手
  6. 行動6:買収先の「見える化」の徹底(「任せて任さず」)
  7. 行動7:自社の強み・哲学を伝える努力
  8. 行動8:海外M&Aによる自己変革とグローバル経営力
  9. 行動9:過去の経験の蓄積により「海外M&A巧者」へ

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お問合せ先

貿易経済協力局 投資促進課

電話:03-3501-1662(直通)

FAX:03-3501-2082

最終更新日:2022年4月13日