排出者向け
小売業者向け
「特定家庭用機器の小売販売を業として行う者」であり、具体的には、現在、継続反復して家電4品目の小売販売を行っている者を指します。小売販売には、一般消費者だけではなく事業者への販売も含まれますが、卸販売(販売業者への販売)は含まれません。
家電量販店、地域電機店、ホームセンター等店頭で家電4品目を販売している者に加え、インターネットやカタログによる通信販売を行っている者も小売業者に該当します。また新品に限らず、中古品の小売販売を行う古物営業や質屋営業も含まれます。
さらに、以下に該当する者などについても、継続反復して家電4品目の小売販売を行っているため、小売業者に該当します。
・引っ越し業者であるが、消費者の要求に応じて家電4品目を仕入れて販売している者
・ハウスメーカーであるが、家電4品目付きの住宅を販売している者
・設備・内装の工事業者であるが、消費者の要求に応じて家電4品目(特にエアコン)の小売販売も行っている者
・法人専門で家電4品目の小売販売を行っている者。
・賃貸管理会社であるが、所有者(排出者)に対して、家電4品目を設置・交換を含め製品販売等に伴う主な業務の接点となっている者
なお、管理会社が製品代金(及び製品代金の一部)を家電4品目の取付等を委託する工事業者や販売会社等へ一時的に立て替えて支払い、同額をオーナーに請求している場合であっても、当該委託をした管理会社が所有者(排出者)に対して、家電4品目を設置・交換含め製品販売等に伴う主な業務の接点となっている場合、小売業者に該当します。
小売業者には、大きく分けて4つの義務が課されています。
①排出者からの引取義務(Q4参照)
②製造業者等への引渡義務(Q5参照)
③収集運搬料金の公表義務及び収集運搬料金・リサイクル料金の応答義務(Q6参照)
④家電リサイクル券の交付・管理・保存等義務(Q7参照)
小売業者は、「自らが過去に販売した家電4品目の引き取りを求められたとき」又は「買換えの際に同種の廃家電4品目の引き取りを求められたとき」は、引き取りを行う義務があります。引き取りの際は、排出者が廃家電を排出する場所(消費者の家庭など)において引き取らなければなりません。なお、引取義務のない廃家電4品目を引き取ることも可能です。
小売業者には、排出者から家電4品目を引き取ったときは、製造業者等へ引き渡しを行う義務があります。具体的には、家電4品目を製造業者等が設置する「指定引取場所」に持ち込んでください。指定取引場所は以下で検索することができます。
参考:家電製品協会 家電リサイクル券センター「指定引取場所一覧」
https://www.e-map.ne.jp/p/rkcsymap/
また、引き取った家電4品目は全てを製造業者等に引き渡す必要があります。つまり部品の一部を抜き取ったり、産業廃棄物として処理するといったことは引渡義務違反になります。
小売業者には、収集運搬料金をあらかじめ決めておき、販売チャネルに応じて分かりやすく公表する義務があります。
具体的には、①HP等のインターネット上で料金を掲示する、②品目別に店舗の見やすい場所へ料金表を掲示する、③排出者に提示できるような料金表をレジに備える、④店舗を有さないカタログ販売などについては、HPのほかカタログにも併記する等の方法で公表します。
また、収集運搬料金やリサイクル料金について問われた場合には、応答する義務があります。具体的には、①料金を記載したリーフレットを配布する、②電話やメールで該当料金について回答するといった方法で対応します。
料金の公表は可能な限りインターネット上で行ってください。
小売業者には、排出者から家電4品目を引き取ったときは、家電リサイクル券に必要事項を記入し、写し(排出者控)を排出者に交付する義務があります。交付するタイミングは排出者から家電4品目を引き取る時です。
また指定引取場所に家電4品目を引き渡した際、家電リサイクル券の回付片を受け取り、3年間保存する義務があります。保存している回付片については、排出者から閲覧の申出があったときには拒むことはできません。
他の事業者に委託して収集運搬を実施することも可能です。その際委託先の事業者は、廃棄物処理法上の一般廃棄物又は産業廃棄物のどちらかの収集運搬業の許可を持っている必要があります。なお、小売業者自ら収集運搬を行う場合は、廃棄物処理法上の廃棄物収集運搬業の許可は不要です。
委託契約の締結は書面により行い、再委託禁止条項を盛り込んでください。
また、委託する収集運搬許可業者について、以下の内容を確認してください。
・廃棄物処理法上の一般廃棄物又は産業廃棄物いずれかの収集運搬業の許可を有していること
・積込み地と積卸し地(指定引取場所の所在地を含む)で家電4品目を取り扱うことができる内容の許可を有していること
・廃棄物収集運搬業の許可の有効期限が切れていないこと
産業廃棄物収集運搬業者の情報については、許可証による確認のほか、許可の有無や有効期限については、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団の行政情報検索システムから確認できます。許可の内容については、都道府県等のHPや問い合わせなどによっても確認できます。
参考:公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団 産業廃棄物処理業許可行政情報検索システム
https://www2.sanpainet.or.jp/sanpai/
一般廃棄物収集運搬業の許可は各市町村へ確認してください。
なお、委託先の事業者が家電4品目を製造業者等以外に引き渡した場合であっても、義務主体である小売業者の引渡義務違反になりますので、委託先の引き渡し状況等については適切に管理してください。
小売業者は、引取義務がない家電4品目も引き取ることができます。ただし、引取義務がない家電4品目であっても、引き取った場合には、「製造業者等への引渡義務」が発生します。
買換えで販売した台数よりも多くの同種の家電の引き取りを求められたときは、その全てについて引取義務が生じます。収集運搬料金及びリサイクル料金については、引き取る台数分を請求することができます。
消費者がテレビを購入し、冷蔵庫を排出する場合、テレビを販売した小売業者に冷蔵庫の引取義務は生じません。販売した製品と同種の家電に限って引取義務が生じます。同種とは、同一の目的をもって代替的に需要されるもの(製品)を指します。例えば、液晶式テレビを購入し、引取対象がブラウン管式テレビの場合は引取義務が生じます。また、洗濯機と衣類乾燥機は販売や排出に当たって一つのカテゴリーとして認識されているため、衣類乾燥機を購入し、引取対象が洗濯機の場合も引取義務が生じます。冷蔵庫と冷凍庫も同様の関係です。
正当な理由がある場合を除き、小売業者には、過去に自ら小売販売した家電4品目が廃棄物になったものと、新たに小売販売をするものと引き替えに引き取りを求められた同種の家電4品目の引取義務があります。
「正当な理由」とは、
・天災等の事由により引取りを行うことができない場合
・排出者が料金の支払いを拒否した場合
・排出者が冷蔵庫や洗濯機内の生ゴミ、缶・ビン、衣類等の異物除去を行わない場合
等が挙げられます。また、小売業者とは「現在、継続反復して特定家庭用機器の小売販売を行っている者」を指すため、廃業後は引取義務が生じません。
家電リサイクル法において、製造業者等がフロンの回収・処理を行いますので、小売業者が家庭用エアコン引き取り時に、フロンを回収する義務はありません。ただし、家庭用エアコンには、室内外ユニットや接続配管の中に相当量の冷媒フロンが封入されてますので、取り外し時に室外機に冷媒を回収するポンプダウン作業が必要です。
なお、業務用エアコンについては、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)に基づき、使用者(廃棄等実施者)にフロン回収の義務があります。
家庭用エアコンには、室内外ユニットや接続配管の中に相当量の冷媒フロンが封入されています。そのまま配管を外してしまうと、冷媒フロンが大気中に放出され、オゾン層破壊や地球温暖化の原因になります。フロン放出防止のため、室内外ユニットの取り外し前に冷媒フロンをエアコン本体に回収することをポンプダウンといいます。家庭用エアコンの回収時には、ポンプダウン作業を実施してください。
主にインターネット販売事業者向けに、小売業者と収集運搬許可業者のマッチングサービス「料金管理統括業者回収方式」(通称「イエロー券」)の運用を2021年9月に開始しております。この方式では、小売業者は家電リサイクル券センターから認定を受けた管理統括業者と契約し、管理統括事業者が家電4品目の回収に係る事務を代行することとなります。
インターネット販売事業者にとって、利便性の高い運用となっておりますので、家電4品目の回収体制構築のため、本運用の活用を推奨します。
参考:家電製品協会 料金管理統括事業者回収方式について
https://www.rkc.aeha.or.jp/seller/managerial_collection_method.html
なお、インターネット販売事業者に限らず、全ての小売業者でご活用頂けます。
家電リサイクル券を用いてリサイクル料金の収受を行います。
主な家電リサイクル券には、小売業者等が発券する「料金販売店回収方式」(通称「グリーン券」)と、排出者が郵便局でリサイクル料金を支払う「料金郵便局振込方式」(通称「郵便局券」)があります。
グリーン券は排出者が小売業者に家電4品目を引き渡す際に、小売業者経由でリサイクル料金の支払いを行うことができる点で利便性が高く、小売業者が家電リサイクル券センターに加入することで発券可能となります。一方、郵便局券を使う場合は、排出者に郵便局で家電リサイクル料金の振込手続をしてもらい、適切に処理された郵便局券を持参していただくようお願いする必要があります。
家電リサイクル券センター(RKC)は、リサイクル料金等の収受機能及び管理票の管理機能を併せ持った家電リサイクル券システムを構築・運営し、家電リサイクル法の業務を効率的に支援している団体です。
家電リサイクルセンターへの加入は必須ではありませんが、加入すると小売業者が廃家電4品目を引き取る際、小売業者経由でリサイクル料金の収受ができる「料金販売店回収方式」(通称「グリーン券」)による家電リサイクル券を発券できますので、入会をお勧めします。入会費・年会費は発生しません。
主にインターネット販売事業者向けに、小売業者と収集運搬許可業者のマッチングサービス「料金管理統括業者回収方式」(通称「イエロー券」)の運用を2021年9月に開始しております。この方式では、小売業者は家電リサイクル券センターから認定を受けた管理統括業者と契約し、管理統括事業者が家電4品目の回収に係る事務を代行することとなります。インターネット販売事業者にとって、利便性の高い運用となっておりますので、活用を推奨します。
参考:家電製品協会 料金管理統括事業者回収方式について
https://www.rkc.aeha.or.jp/seller/managerial_collection_method.html
なお、インターネット販売事業者に限らず、全ての小売業者でご活用頂けます。
製品リユースとして中古販売を行うつもりで使用済みの家電4品目を買い取った後、売れ残りや故障等により中古販売できなかった製品については、指定引取場所に持ち込みリサイクルする必要があります。この場合、排出者は当該小売業者となり、収集運搬料金及びリサイクル料金は当該小売業者の負担となります。
なお、引取・引渡義務の適正実施を担保するためにも、小売業者においてはリサイクルされるべき製品とリユース品として扱うことが適当な製品の仕分け基準を作成した上で、これを適切に運用してください。
仕分け基準を作成する際の参考資料である「リユース・リサイクルの仕分け基準作成のためのガイドライン」では、リユース対象製品を製造後7年以内の製品とすることや、小売業者自身でリユース販売を行う場合には通電検査を実施することを推奨しています。
参考:リユース・リサイクルの仕分け基準作成のためのガイドライン
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/conf/attach/rep_200809.pdf
リサイクル料金等を徴収した場合は、必ず製造業者等に引き渡さなければなりません。
収集運搬料金・リサイクル料金を徴収しながら製品リユースを行った場合は、民法上の債務不履行または不当利得に該当するとともに、詐欺罪に該当する可能性があります。リユース品として引きとったものの、故障等で再販できなかった製品については、小売業者が排出者としてリサイクル料金及び収集運搬料金を負担したうえで、指定引取場所に持ち込み、リサイクルしてください。
なお、引取・引渡義務の適正実施を担保するためにも、小売業者においてはリサイクルされるべき製品とリユース品として扱うことが適当な製品の仕分け基準を作成した上で、これを適切に運用してください。
仕分け基準を作成する際の参考資料である「リユース・リサイクルの仕分け基準作成のためのガイドライン」では、リユース対象製品を製造後7年以内の製品とすることや、小売業者自身でリユース販売を行う場合には通電検査を実施することを推奨しています。
参考:リユース・リサイクルの仕分け基準作成のためのガイドライン
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/conf/attach/rep_200809.pdf
小売業者は、引き取った家電4品目を製造業者等へ引き渡す義務があります。製造業者等に引き渡せない場合、受け取ったリサイクル料金を排出者に返金してください。併せて、お近くの警察に盗難届を提出して下さい。
なお盗難であっても引渡義務違反に該当しますので、盗難に遭わないよう、適切な管理を徹底してください。
建築物解体の際に残された廃家電4品目は残置物になります。残置物については、所有者に処理責任があります。建築物解体時の残置物として廃家電4品目がある場合には、所有者等に家電リサイクル法等に則した廃棄を依頼してください。
家電リサイクル法では、小売業者の委託を受けて廃家電4品目を収集・運搬する場合、産業廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物収集運搬業のどちらかについて許可を受けていれば、一般廃棄物、産業廃棄物どちらに該当する廃家電4品目についても、収集運搬ができる特例を設けています。