SHIFT(x)の実証期間終了にあたって
大企業等に勤める人材の(x)をスタートアップエコシステムにSHIFTしていく経済産業省事業”SHIFT(x)”は、プロボノ、副業、転職等の多様な働き方でスタートアップへの挑戦をコーディネートするモデル事業7件を採択( プレスリリースはこちら )、約8ヶ月間の実証期間を通じて、全体で1,000件近くの大企業等人材へスタートアップ紹介・応募などが行われました。
SHIFT(x)の事務局であるJISSUIは、本実証事業に伴走しながら抽出した課題とその成果を「スタートアップエコシステムの創出にむけた大企業人材の流動促進に関する調査報告書」として取り纏め、後日、公開いたします(なお、本調査業務の一部を株式会社野村総合研究所に委託して実施しております)。
SUMMARY
「人材・スタートアップ・ビジネスモデル」3つの視点で課題やニーズを整理
実証事業を進めていく中で、大企業等に所属する人材がスタートアップへの挑戦を決意するには想定よりハードルが高く、そこには環境変化への意識だけでなく、”スタートアップだからこそ得られる欲求”を明確にすることが必要であることが分かりました。逆に、それを明確にできてさえいれば、スタートアップへの転職で後悔している人は少なく、近年の資金調達環境の改善により年収ギャップも過去と比較して埋まってきていることが判明しました( 関連する定量アンケートはこちら )。


本調査報告書では、上記のような認識を踏まえて、実証事業において生まれた事例等を分析し、
①(特に大企業に在籍する)人材
②(特にテック系のCxO人材を必要としている)スタートアップ
③(人材紹介事業者やVC等のステークホルダーが関わる)ビジネスモデル
それぞれの視点おいて、課題やニーズを整理しました。詳細は、後日公開予定の調査報告書をご参照ください。



スタートアップエコシステムの構築に向けて
調査報告書の中でも言及していますが、大企業人材のスタートアップへの流動に関する議論を突き詰めると、「いかにスタートアップの成長に寄与するか」という視点を持って各ステークホルダーが取り組めるかが重要 という結論に至ります。
人材にとって短期的な”転職検討”では、キャリアに対するマインドを変えていく時間と情報が足りません。
短期的な人材流動を促す”人材紹介”モデルに偏り過ぎず、プロボノや副業・兼業などといった形でスタートアップに触れる機会を増やしていくこと。そして、”自分の本質的欲求が実現できる環境がスタートアップである”と気付くきっかけを増やしていくことが、スタートアップエコシステムの構築につながっていくのだとSHIFT(x)の活動を経て感じました。
ぜひ、ご一読いただければと幸いです。