1.概要

日本は、これまで一貫してメコン川流域のメコン地域諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)を重視し、積極的に関係強化に取り組んでいます。
このメコン地域諸国の多くは伝統的な親日国で、豊富な天然資源・労働力を有する地域として、日本企業の関心が高い地域です。さらに中間層の成長に伴う内需の拡大を背景に、経済構造や発展段階において多様性の求められるメコン諸国は、有望な経済可能性を有しています。この潜在力を着実に経済発展へと昇華させるためには、地域が一体となった各産業の高度化や域内及び国内での格差是正に向けた取組が求められます。

経済産業省は、この地域の重要性を踏まえ、2009年以降、メコン諸国との間で「日メコン経済産業協力イニシアティブ(MJ-CI:Mekong-Japan Economic and Industrial Cooperation Initiative)」を推進し、2015年には、「メコン産業開発ビジョン(Mekong Industrial Development Vision)」を策定しました。

2019年には、ハードインフラ整備などこれまでの日メコン協力の成果も踏まえ、残された課題及び外部環境の変化へ対応するため、「メコン産業開発ビジョン2.0(Mekong Industrial Development Vision2.0)」にビジョンをアップグレードしました。今後ビジョンの実現に向け、具体的な協力を着実に実施していきます。


2.日メコン経済大臣会合

2009年、日メコン首脳会合、外相会合とともに経済大臣会合が設置されました。それ以降、毎年、経済大臣会合が開催されており、その成果は、日メコン外相会合の成果とともに、日メコン首脳会合に報告されています。

日メコン経済大臣会合プロセスは、特にメコン地域で活動を行う産業界からの詳細かつ具体的なニーズをもとに焦点を絞って議論を行っている点が特徴です。毎年、日メコン双方の産業界・政府代表者が集う「日メコン経済産業政府対話」を開催しており、官民を交えて、日メコン経済産業協力のあり方について議論を実施しています。2011年に策定した「MJ-CI行動計画」や2019年の「日メコン産業開発ビジョン2.0」も、「産業界からの提言」をベースとして策定しているなど、官民一体となったメコン地域の開発を進めています。

日メコン首脳会合、外相会合については、以下外務省HPをご参照下さい。

 

第12回日メコン経済大臣会合(2020年8月)

8月27日にオンライン形式で開催された第12回日メコン経済大臣会合において、新型コロナウイルス感染症の流行が引き起こした経済社会の混乱に関わらず、「メコン産業開発ビジョン2.0」実現の必要性を再確認し、ビジョンの確実な実行のため、メコン各国、日本及び開発パートナーから提出された具体的な協力事業を包括的にまとめた「ワークプログラム」(2020年~2023年)を策定しました。

 

第11回日メコン経済大臣会合(2019年9月)

9月10日にタイ・バンコクで開催された第11回日メコン経済大臣会合において、メコン地域が経済統合の深化やデジタル経済化の進展といった周辺環境の変化に対応しつつ、更に魅力を高めることを後押しする観点から、コネクティビティ、デジタルイノベーション、SDGsを3つの柱とする「メコン産業開発ビジョン2.0(Mekong Industrial Development Vision 2.0)」(2019年~2023年)を採択しました。

 

第10回日メコン経済大臣会合(2018年8月)

8月30日にシンガポールで開催された第10回日メコン経済大臣会合において、メコン地域のさらなる産業発展のためには、特に、デジタル経済や社会課題といった周辺環境の変化に対応するため、従来の「産業の連結性」、「ハードの連結性」、「ソフトの連結性」の3つの柱からなる「メコン産業開発ビジョン」の改定が必要であるという認識を共有。翌年の第11回日メコン経済大臣会合において「メコン産業開発ビジョン2.0」へアップグレードすることに合意しました。

 

第9回日メコン経済大臣会合(2017年9月)

9月10日にフィリピン・マニラで開催された第9回日メコン経済大臣会合において、「PDCAメカニズム」を用いて「メコン産業開発ビジョン」の進捗状況を確認し、また、官民一体となり進むべき今後の日メコンの方向性として、「つながる産業」「つながる物流」「つながる人材」の三本柱からなる「つながるメコン産業開発」のコンセプトを歓迎しました。

 

第8回日メコン経済大臣会合(2016年8月)

8月6日にラオス・ビエンチャンで開催された第8回日メコン経済大臣会合において、今後の日メコン経済協力の軸となる「メコン産業開発ビジョン」を着実に進めるため、日メコン各国や関係機関の中小企業支援や人材育成、ソフト・ハードインフラ開発などの具体的な協力事業を包括的にまとめた「ワークプログラム」を採択しました。

 

第7回日メコン経済大臣会合(2015年8月)

8月24日にマレーシア・クアラルンプールで開催された第7回日メコン経済大臣会合において、「メコン開発ロードマップ」の進捗の最終報告を行いました。また2015年以降を見据えた、メコン地域のバリューチェーン発展のビジョンである「メコン産業開発ビジョン(Mekong Industrial Development Vision)」(2016年~2020年)を採択しました。

 

第6回日メコン経済大臣会合(2014年8月)

8月27日にミャンマー・ネピドーで開催された第6回日メコン経済大臣会合において、「メコン開発ロードマップ」の進捗報告を行うと共に、ロードマップの改訂を行いました。また2013年に策定を提案した「メコン産業開発ビジョン」について、その骨子および基本的な考え方を合意しました。

 

第5回日メコン経済大臣会合(2013年8月)

8月20日にブルネイで開催された第5回日メコン経済大臣会合において、「メコン開発ロードマップ」の進捗報告を行いました。また、2015年以降のメコン地域における中長期的なバリューチェーンの発展を示すビジョンを策定することが提案され、各国から歓迎されました。

 

第4回日メコン経済大臣会合(2012年8月)

8月30日にカンボジア・シェムリアップで開催された第4回日メコン経済大臣会合において、2015年のASEAN共同体構築を支援する観点から、この3年間で優先的に取り組む案件について、①ダウェー開発などハードインフラ整備、②貿易円滑化、③サービス産業など個別産業協力の強化を柱とし、産業界の声を踏まえて選定。さらに各案件について、実施主体やスケジュール等を明確化した「メコン開発ロードマップ」に合意。メコン各国の大臣より、メコン地域の連結性強化の観点から、ダウェー開発を含めた取組を加速化していくべきとの発言。今後、本ロードマップを着実に実施するため、進捗状況について来年の日メコン首脳会合に報告予定。

 

第3回日メコン経済大臣会合(2011年8月)

「MJ-CI行動計画:プログレスレポート」に基づき、「MJ-CI行動計画」の進捗状況を議論し、12年以降に向けた重点的な取組として、域内の連結性を高めるようなインフラ開発(ダウェイ港開発や電力の相互融通制度等)や、貿易円滑化に向けた取り組みの加速化・中小企業金融等ソフト面の協力が必要であることを確認。

 

第2回日メコン経済大臣会合(2010年8月)

「産業界からの提言書」を受けて、4分野((1)ハード・インフラ整備、(2)貿易円滑化、(3)中小企業振興、(4)サービス・新産業分野)に関する実施方針を示した「MJ-CI行動計画」((1)PDF:行動計画本文)を策定・合意。

 

第1回日メコン経済大臣会合(2009年10月)

(1)ハード・インフラ整備、(2)貿易円滑化、(3)中小企業振興、(4)サービス・新産業分野の強化を柱とする「日メコン経済産業協力イニシアティブ」(MJ-CI)を提案し、合意。

 

3.日メコンの取組

(1) メコン開発ロードマップ(2012-15)

2012年に行われた「第3回日メコン経済大臣会合」において、メコン開発の進捗状況を議論し、12年以降に向けた重点的な取組を確認しました。各分野における主なポイントは以下のとおりです。

1.ハード・インフラ開発

■東西経済回廊・南部経済回廊の開発が、バンコクとハノイ・ホーチミンを結ぶ生産・物流ネットワークの構築にとって重要であり、関連の取組を優先的に実施する。
■ダウェイ港開発やヴンアン港の開発のようなメコン地域で重要な事業への高い優先順位を付与する。
■環境に優しいメコン地域の適切なエネルギーミックス及び効果的なエネルギー相互供給を探求する。
■タイやベトナムにおける具体的なPPPプロジェクトの実施、及びPPPプロジェクトの成功事例をその他メコン地域へ紹介・普及する。

 

2.貿易円滑化/物流

■メコン地域では貿易円滑化に関する様々なプロジェクトやイニシアティブが実施されているが、産業界からハード・インフラとソフトインフラの均衡の取れた開発が必要であり、貿易円滑化に関するプロジェクト実施を加速する。

 

3.中小企業、裾野産業、起業の強化

■近年のCLM諸国における日本の製造業の積極的な投資により、これらの国における中小企業・裾野産業振興への必要性が高まっている。人材育成、金融、技術等に関連した日本の中小企業政策をこれらの国々に普及していくことが求められる。

 

4.サービス産業・新産業分野の強化

■現状のニーズに基づき支援されている産業に加え、潜在的優位性のある産業や、新たな潮流に沿った産業の振興が図られるべき。また、成功事例をメコン地域で共有することが必要である。

 

 

(2) メコン産業開発ビジョン(2016-2020)

2015年に行われた「第7回日メコン経済大臣会合」において、2016年から2020年の5年間のメコン地域の産業発展の道筋とそれを実現化するための政策の方向性を提言した「メコン産業開発ビジョン」が採択されました。

経済産業省は、今後、本ビジョンに基づいた、具体的な協力案件を通して、メコン地域の今後の発展に協力してまいります。その実現のために、克服すべき課題と政策の方向性を以下のとおり示しました。

 

1. 近隣国とのパートナーリング

貿易構造、海外直接投資、ビジネス間連携の強化

2. 高度な産業構造への足がかりの構築

R&D、中小企業競争力の強化

3. 地域のバリューチェーンを支えるインフラ・リソースの強化

域内連結性、エネルギー・環境対応、人材開発の強化
  •  

     

    (3)メコン産業開発ビジョン(2019-2023)

    2018年8月の日メコン経済大臣会合にて産業構造の高度化(デジタル化・サービス業の発展)、社会課題への対応(都市化、環境・エネルギー)、地域経済統合の深化(RCEPなどメガFTA等の地政学的枠組み)等、メコン地域を取巻く環境変化に対応するため、「メコン産業開発ビジョン2.0」の前倒しでの改訂を提案し、関係経済大臣からの合意を得て、2019年の日メコン経済大臣会合において採択された。


    本ビジョンは、これまでの進捗とASEANにおけるデジタルエコノミーの進展や経済成長の重要要素としての持続可能性といった外部環境の変化を踏まえ、コネクティビティ、デジタルイノベーション、SDGsの3つの柱から構成されている。また、メコン5カ国の協力枠組みとしてACMECS(Ayeyawady-Chao Phraya- Mekong Ecoonomic Cooperation Strategy)との連携も図っていく。


    1. コネクティビティ(産業、ハード、ソフト)

    オペレーショナルエクセレンスの推進、ビジネス間連携と投資促進、貿易インフラ・手続きの最適化、グローバル・域内ルールの導入、競争力のある中小企業育成

    2. デジタルイノベーション

    既存産業の高度化、域内イノベーションの活用

    3. SDGs(包摂性、持続可能性)

    グリーンエコノミーの推進、持続可能な社会の構築

     

     

    4.参考

     

    関連リンク

    お問合せ先

    通商政策局 アジア大洋州課
    電話 03-3501-1953

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    電話 03-3501-0531

     

    最終更新日:2020年9月4日