OECD(経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関です。OECDは国際マクロ経済動向、貿易、開発援助といった分野に加え、最近では持続可能な開発、ガバナンスといった新たな分野についても加盟国間の分析・検討を行っています。
- 1. OECDの正式名称・設立経緯
- 2. OECD加盟国
- 3. OECDの目的・活動
- 4. OECDの組織等
- 5. OECD閣僚理事会(Meeting of the Council at Ministerial Level:MCM)
- 関連リンク
1. OECDの正式名称・設立経緯
OECDは「Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構」の略で、本部はフランスのパリに置かれています。
第二次大戦後、米国のマーシャル国務長官は経済的に混乱状態にあった欧州各国を救済すべきとの提案を行い、「マーシャルプラン」を発表しましたが、これを契機として、1948年4月、欧州16か国でOEEC(欧州経済協力機構)が発足しました。これがOECDの前身にあたります。その後、欧州経済の復興に伴い1961年9月、OEEC加盟国に米国及びカナダが加わり新たにOECD(経済協力開発機構)が発足しました。我が国は1964年にOECD加盟国となりました。
2. OECD加盟国
現在、OECDの加盟国は以下の38か国となっています。
EU加盟国(22か国)
ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、エストニア、スロベニア、ラトビア、リトアニア
その他(16か国)
日本、イギリス、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、ノルウェー、アイスランド、トルコ、韓国、チリ、イスラエル、コロンビア、コスタリカ
3. OECDの目的・活動
OECDの目的
OECDは、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援(これを「OECDの三大目的」といいます)に貢献することを目的としています。
閣僚理事会
OECDの最高機関であり、全ての加盟国が参加する閣僚理事会は年1回開催されています。同閣僚理事会には、G7参加国すべてが含まれていること、さらには時期的にもサミット1か月前に開催されることから、閣僚理事会における経済成長、多角的貿易等に関する議論はサミットにおける同分野の議論の方向性に大きな影響を与えています。したがって対外経済交渉の観点からも、OECD閣僚会議はサミットの前哨戦として重要な会議と言えます。これまで我が国からは、経済産業大臣が外務大臣及び経済財政担当大臣とともに同閣僚会議に出席しています。
4. OECDの組織等
事務総長
現在の事務総長はマティアス・コーマン(ベルギー生まれ、国籍は豪州)です。15年間事務総長を務めたアンヘル・グリア(メキシコ出身)から引継ぎ、2021年6月1日にOECD事務総長に就任しました(任期5年)。
OECDの活動機関
OECDの意志決定機関として理事会があり、閣僚レベルが参加する閣僚理事会(年一回開催)と常任代表による通常理事会(頻繁に開催)が開かれています。また、主要な問題に関する検討を行う場として新執行委員会(年2回開催)があります。 こうしたOECD全体の活動について検討する機関に加え、OECDの三大目的に添う形で経済政策委員会、貿易委員会、開発援助委員会があり、全体で約40の委員会が多岐に亘る分野において活動しています。なお、エネルギー問題を検討する付属機関として、IEA(国際エネルギー機関:International Energy Agency)があります。
5. OECD閣僚理事会(Meeting of the Council at Ministerial Level:MCM)
各年の結果概要
お問合せ先
通商政策局 国際経済部
電話:03-3501-5923(直通)
最終更新日:2025年1月20日