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VOC対策>実践編>4.いろいろな対策の考え方

いろいろな対策の考え方

VOC 対策には、大別して、工程内対策(インプラント対策)と、除去設備の設置(エンドオブパイプ対策)の 2 つがあります。除去設備は、大変除去効果の高い方法で、一般に 90 ~ 100%の除去率が得られますが、一方で比較的大きな設備投資や運転経費(ランニングコスト)を必要とします。したがって、対策を考える順序は、工程内対策でできる工夫をまず先に、次に低 VOC 製品への代替、最後に排出口末端での除去設備の順になるのが一般的です。
ただし、これらのコストや導入容易性は一概には言えず、お金を掛けずに簡単にできる場合も、そうでない場合もあります。
(1)VOC の排出量を少なくする作業・工程・設備・管理を工夫する
現行で取り扱っている VOC 製品はそのままに、自社事業所の現行の工程において、簡単にできることを検討してみましょう。
(2)VOC 製品を代替する
より VOC 成分の少ない塗料・接着剤・印刷インキ等に切り替える方法のことです。
(3)除去設備を設置する
工程から排出されてしまう VOC が、排気口から大気中へ放散されないよう、工程の末端(=エンドオブパイプ)に除去設備を設置する方法です。代表的なものとしては、活性炭吸着装置や、燃焼設備等があります。

優先順位をつけましょう

VOC の排出削減を図るための主な対策を考える優先順位は、①まず、工程内でできる軽微な対策、② VOC 製品の代 替、③除去設備の設置、が一般的と考えられます。

今まで完全に開放状態であったものを、少しでも蒸発を防ぐために蓋等の設置を考える。

これは、多くの改善事例があります。今までそのような見方がなかったために放置されていることが多いですが、風呂蓋で水蒸気の蒸発を防ぐという日常の家庭生活の姿を考えれば理解できるでしょう。
この方法は、簡単で大きな効果が期待できるため検討に値します。ただし、注意すべきは、引火性・可燃性の高い場合は、この措置により保安対策上、「気層部が危険な爆発範囲に入る」という思わぬ事態にもなりかねないので、十分な保安安全面の検討と対策が必要となります。
一方蓋をすると設備管理面で無理があるので、蓋をすることができないことがあります。この場合は何を考えるべきかとなると、「要は蒸発する面積を減らしさえすればよい」のであって、そのやり方はいろいろ考えられます。1つには、樹脂製でできたボールを液面上に浮かせて蒸発面積を減らす。2 つ目は、可動式の樹脂製のフィルム等で囲う・覆う等の措置です。
このうち、後者の対応事例は「電子・電気部品製造業における洗浄施設」に対して、その設備の周りにフィルムシートをめぐらせ、その部分の排ガスを局所排気して除去設備に導く等の事例がその好例です。

排出源の数をできる限り減らす。統合できるものは統合する。

この場合には、まず排出箇所が少なければよいわけであって、「排ガスラインの整理・統合対策」が効果的です。例えば、ガス排出口を1カ所にまとめるといった対策です。この対策を行うと、1本ごとの場合では排ガス流量の変動が大きかったものが均一化され、連続排出にかなり近くなるという副次的効果が出て、連続処理または回収につながるということがあります。

施設構造・管理等を改善する。

施設構造及び管理等の改善には大きく分けて、施設/工程プロセスなどの密閉化、および工程プロセス/装置の改善による VOC 排出量の低減または回収の 2 種類があります。なお、密閉された場所においては、換気や排気対策が必要であり、そこでは後段階として VOC 処理装置が導入される場合もあります。塗装・接着ブースの設置や乾燥炉におけるエアーシールの設置が考えられます。

究極的には VOC を使用しない他の製品に変更できないか考える。

低 VOC 塗料、低 VOC インキ、低 VOC 接着剤への代替が考えられます。
この事例は、正確には「工程内対策」の範疇には入らないのかもしれません。しかしながら、この対策は「究極のVOC 対策」です。それは、使用しなければ排出はないからです。
例えば、昨今の「電機・電子部品製造業」における「塩素系有機化合物の使用全廃」の動きからもわかるように、あまり大きな設備でない場合は、対象物質の設備内保有量自体がそう多くはないので、この選択が最終的に全体の環境汚染防止につながることは間違いありません。
この事例は、投資もまったくなく、しかもコスト面でも大きな変化がないとする例もあるので、どのような事例として応用されたかを調査・検討することをお薦めします。

除去設備による対策

VOC の処理方法は様々な方法がありますが、炭化水素対策等で古くから汎用的に利用されている主要な技術としては、吸着法、酸化分解処理法 ( 燃焼法 ) 及び冷却凝縮法の 3 つです。
各技術の詳細については、多くの既発表文献および関連ホームページ内での案内があることから、そちらを参照してください。

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