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第四次産業革命に向けた横断的制度研究会報告書を取りまとめました

本件の概要

経済産業省は、「日本再興戦略2016」や「新産業構造ビジョン中間整理」で示された第四次産業革命に対応するため、「競争政策」、「データ利活用・保護」、「知的財産」という3つの業界横断的な制度の在り方等について、平成28年1月から7月まで7回にわたり「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会」(座長 大橋 弘 東京大学大学院教授)で検討を行い、報告書を取りまとめました。
 

1.背景

デジタル・ネットワーク技術の発展により、人工知能(AI)による創作物やセンサー等から集積されるデータベースなど、新たな情報材が次々と生み出され、新たな付加価値の源泉が「データ」にシフトするなか、データの利活用に向けて、知的財産制度での対応が重要となってきています。
 
一方、デジタル市場においては、データとの接点やその利活用を巡り、競争が激化しつつあるなか、GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)のようなプラットフォーマーがデジタル市場で急成長を遂げており、その競争優位が固定され、支配的地位となってきている可能性が懸念されています。
 
こうした状況を受けて、経済産業省では、平成28年1月に「第四次産業革命に向けた横断的制度研究会」を立ち上げ、第四次産業革命に対応する「競争政策」、「データ利活用・保護」、「知的財産」という3つの業界横断的な制度の在り方等について、検討を進めてまいりました。
 

2.報告書の概要

上記の現状と課題を整理し、今後の対応をまとめた報告書を別紙のとおり、とりまとめました。本報告書の概要は以下のとおりです。
 

(1)第四次産業革命に対応した競争政策

競争政策については、まずGAFAのようなプラットフォーマーの特性を分析した上で、公正取引委員会と共同で行った「オンライン関連事業に関する共同ヒアリング調査」等によって判明したスマートフォンアプリ等のコンテンツを含む電子商取引等の実態を紹介しています。
 
具体的には、プラットフォーマーが自ら決済手段を提供して手数料を得る一方でその他の決済手段を制限していることや、複数のアプリ間で使える仮想通貨(共通通貨)を禁止していること、他者に契約内容を知らせることを禁じる契約(秘密保持契約)が締結されていることなど、8つの具体的な取引実態が明らかとなりました。
 
こうした実態を踏まえ、研究会の議論において、この8つの実態のうち、決済手段の拘束や共通通貨の禁止については、独占禁止法に違反する可能性や競争環境に悪影響を与える可能性が指摘されています。また、秘密保持契約があることにより、任意の調査で得られる情報には限界が生じているとの指摘もされています。
 
そこで、当面の取組として、①適切に状況を注視していくこと、②公正取引委員会が独占禁止法に違反する事実を認めた場合には、厳正・的確な法執行を行うとしていることを示しています。
 
このように、プラットフォーマーによる取引について既存の法令の枠内で取り組む一方で、第四次産業革命の下では、既存の独占禁止法等の法令や、競争法理論では対応できない状況が生じ得ることを踏まえ、産業振興の観点から独占禁止法にとらわれない新たな制度の導入等について、今後広く検討することとしています。
 

(2)データ利活用・保護と知的財産

データ利活用・保護と知的財産については、データが付加価値の源泉となるなか、データ流通を促進するためのデータ流通市場作りを進めるとともに、データが競合他社に渡ってしまうことを過度に恐れるのではなく、各事業主体が協調領域と競争領域を整理して、協調領域での企業間のデータの共有・共同利用を進めていくための相場観の醸成が大事です。
 
また、データ流通の円滑に進めるためには、データ利活用とプライバシー保護とのバランスや権利権限関係の整理が大事であり、その前提として、どこにどのようなデータがあり、どういった契約で取り扱われているかといった実態の把握が必要です。
 
こうした新たな情報財の利活用の促進と知的財産の保護について、適切なバランスの取れた柔軟な知的財産制度を構築することが必要です。特に、第四次産業革命という観点からは、日本企業間の連携をどのように進め、そこからどのようにイノベーションを創出するかが極めて重要となっています。
 
 
AIやIoTが実装される第四次産業革命の広がる社会においては、企業間で情報や関連技術を互いに共有することで、新たなビジネスの創出や競争力の強化が図られます。そのため、知的財産の協調利用を促進するとともに、産業財産権システムやデータベース等に関する知的財産保護の在り方の検討を行います。加えて、データの収集・分析や関連技術の研究開発のための投資インセンティブを確保するには、フリーライドを防止するなど適切な権利保護を行う必要があります。
 

3.今後の方向性

今後は研究会で得られた成果を踏まえ、個別のテーマごとに有識者や産業界等と更に意見交換を進め、政策の具体化に向けて検討を進めてまいります。
 

担当

経済産業政策局 産業組織課

公表日

平成28年9月15日(木)

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