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第27回アジア輸出管理セミナーが開催されました

2020年2月19日

2020年2月12日及び13日の2日間、東京都内でアジア輸出管理セミナーが開催されました(主催:一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)、共催:経済産業省及び外務省)。27回目の開催となった本セミナーには、33の国・地域と国際機関等から約230名が参加しました。

1.本セミナーの背景及び概要

アジア輸出管理セミナーは、アジア各国・地域の輸出管理担当者を対象として、1993年から毎年東京で開催しています。
我が国は、大量破壊兵器等の不拡散及び通常兵器の過剰な蓄積の防止を図る観点から、近年グローバルサプライチェーンの主要な部分を担いつつあるアジア諸国・地域において不拡散体制を強化することが重要と考えています。
本セミナーは、安全保障輸出管理に関する国際的な取組や各国の取組状況、輸出管理を巡る新たな課題などについて活発な意見交換を行うことで、アジア各国・地域における輸出管理体制の構築・強化に向けた共通認識を醸成することを目的としています。
今回のセミナーでは、グローバルサプライチェーンの中で重要な役割を担っているアジア地域において、大量破壊兵器や通常兵器の開発・製造に使用可能な重要技術の調達活動が多様化、巧妙化する中で、国際機関における活動の状況や各国の輸出管理の取組やベストプラクティスの共有を図ることで、輸出管理の実効性の向上の必要性についての共通理解を深めました。

2.セミナー開催概要

(1)参加者

アジア各国、米国や欧州などの33の国・地域や国連等の国際機関、民間企業等から約230名がセミナーに参加しました。

(2)セミナーの主な内容

開会挨拶

牧原経済産業副大臣から開会の挨拶として、グローバルサプライチェーンの中で重要な役割を担っているアジア地域において、先端技術が軍事利用される懸念が高まっている点を指摘し、多様化、巧妙化する機微技術の調達活動に対応し、国際的な責務を果たすためには、アジア各国が機微技術を適切に管理し、輸出管理の実効性を高めていくことが重要であるとのメッセージを述べました。
また、我が国の対応として、中小企業・ベンチャー企業の輸出管理意識の向上及び輸出管理体制構築の支援、無形技術移転にかかる大学・研究機関向けの機微技術管理のガイダンスやヒヤリハット事例集の公表、体内直接投資の適切な管理のための外為法改正について紹介しました。

パネルディスカッション:グローバルサプライチェーンと輸出管理

グローバルサプライチェーンにおけるアジアの重要性が進展する中で、新興技術の軍事転用や多様化・巧妙化する機微技術の調達活動に適切に対処していくため、輸出管理を始め、どのような対応が必要か議論を行いました。
これらの安全保障をめぐる環境変化に対応するためには、輸出管理における法令の整備、実効性のある審査や執行管理といった輸出管理の制度整備・強化が重要であり、アジア各国と協調しながら、輸出管理の制度構築や人材育成などの協力を進めていくことが必要であることや、新たな懸念となる新興技術に対応するために、国境を越えた国際協力が必要であること、無形技術移転に対応するため、政府と産業界との緊密なコミュニケーションが必要である事などが指摘されました。
また、中小企業やベンチャー企業、学術機関との協力関係の構築、関係省庁間の連携強化の必要性なども指摘され、活発な意見交換が行われました。

安全保障確保に向けた国際的な取組

大量破壊兵器や拡散防止に向けた取組に関し、国連安保理1540委員会専門家グループ、国連北朝鮮制裁委員会専門家パネル、化学兵器禁止機関(OPCW)、弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)から各機関の取組について紹介されました。
国際枠組みにおける各国の履行状況等について紹介があったほか、加盟国が更に強化を行うにあたってのこれら機関の支援策等の取組が参加者に共有されました。
また、国際輸出管理レジーム(オーストラリア・グループ(AG)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、原子力供給国グループ(NSG)、ワッセナー・アレンジメント(WA))から、技術の進展を踏まえた最新の取組について紹介がありました。
アジア諸国において、国連安保理決議等の遵守や国際輸出管理レジームのガイドラインを遵守することで、懸念国への拡散を防止することが重要である点について、再認識する機会となりました。

アジアにおける輸出管理制度の進展

タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、バングラデシュ、パキスタンから、各国の輸出管理制度や取組についての報告があり、アジア各国における輸出管理制度の現状や整備状況を知る機会となりました。
また、アジアにおける輸出管理の新たな取組として、無形技術移転への対応や産業界・学術界へのアウトリーチ活動についても紹介され、最新の情報を参加者間で共有する機会となりました。

参加国の制度動向及び執行実務

ドイツ、ロシア、日本、韓国、アラブ首長国連邦、米国、英国、フランスから近年の輸出管理制度の動向や課題、それに対する取組について紹介がありました。
各国における産業界・学術界との連携や支援策、無形技術移転管理の取組、審査手続、積み替え貿易への対応、新興技術に対するキャッチオール制度の適用、新興技術への対応などについて情報提供がありました。
参加者が共通して直面するこれらの課題の解決に向けた方策に対する認識が向上する良い機会となりました。

分科会

分科会(参加者を複数のグループに分け、双方向での討論を行う少人数のセッション)では、政策担当者及び審査担当者に分かれて参加者間による活発な意見交換が行われました。
政策分科会では、無形技術移転を適切に管理するための課題解決に関し、参加者間で活発な議論が行われました。
審査分科会では、輸出許可に係る審査について、具体的な事例に基づいた議論が行われ、参加者間で審査実務にかかる経験やノウハウの共有が図られました。

企業における輸出管理の取組

グローバルに活動する民間企業(JTEKT(日本)、ロールス・ロイス(英国))から、各企業における輸出管理や技術管理の取組についての紹介がなされ、企業の輸出管理に対する取組について、参加国の理解が深まりました。
また、企業における輸出管理内部規定の運用や各国の輸出規制への対応など、企業が輸出管理を行う上での課題についても情報共有がなされました。

(3)今回の成果

アジア各国・地域や欧米各国など33か国・地域と国際機関や民間企業等から、総勢約230名の輸出管理に関わる実務者が参加し、輸出管理に係る課題やそれに対する各国の取組や効果的な輸出管理の実施方法等について、活発な意見交換が行われました。
また、これらの意見交換をとおして、アジア各国・地域をはじめとした参加者間のネットワーク強化につながりました。
今後も本セミナーを含めアジア各国・地域に対するアウトリーチ活動を実施し、輸出管理制度の構築や実効性の向上を支援する取組を継続していきます。

3.参加国・地域・機関

(1)アジア(17か国・地域)

バングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、パキスタン、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾、香港

(2)アジア以外(16か国・地域)

カナダ、欧州連合、フランス、ドイツ、イタリア、カザフスタン、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ロシア、スイス、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、英国、米国

(3)国際機関等

国連安保理1540委員会、国連安保理北朝鮮制裁委員会、化学兵器禁止機関(OPCW)、弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)、国際輸出管理レジーム(オーストラリア・グループ(AG)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、原子力供給国グループ(NSG)、ワッセナー・アレンジメント(WA))、ASEAN事務局等

※我が国の安全保障貿易管理制度については、以下のウェブサイトで確認できます。

担当

貿易経済協力局 貿易管理部 安全保障貿易国際室長 小池
担当者:佐藤

電話:03-3501-1511(内線3271~4)
03-3501-2800(直通)
03-3501-0996(FAX)