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第12回日米欧中韓五庁長官会合が開催されました

2019年6月17日

日米欧中韓の特許庁(五庁)は、6月13日、大韓民国インチョンにおいて、第12回五庁長官会合を開催しました。
今回の会合の主な成果は以下のとおりです。

  • AI関連発明の審査基準等について議論するタスクフォースを設立
  • 制度運用調和の5年間の成果を確認し、新プロジェクトに取り組むことに合意
  • 特許審査ハイウェイ(PPH)の効果に関する指標の定義に合意
  • 審査関連情報へのユーザーアクセス向上を図るパイロットプログラムの実施に合意

1. 概要

日米欧中韓の特許庁(五庁)への特許出願(268万件(2017年))は、世界の特許出願件数(317万件(同年))の約85%を占めています。

この五庁は、2007 年より長官会合を継続して開催し、審査結果の相互利用、手続きの簡素化、審査の質の向上等の課題について、3つの作業部会(WG1: 分類関連、WG2: 情報関連、WG3:審査関連)、専門家会合(PHEP: 制度運用調和)等で検討を行ってきました。

五庁長官会合にあわせて五庁長官・ユーザー会合も開催し、五庁間の協力を世界中の特許ポートフォリオをより良く、早く、安く構築したいというユーザーニーズに沿ったものとするため、ユーザーと具体的な課題について意見交換を行っています。

2. 長官会合の結果

(1) AI関連発明の審査基準等について議論するタスクフォースの設立

AIに代表される新技術が急速に発展し、関連する特許出願が増加する中、五庁は新技術への対応について議論を重ねています。今回の会合では、AI関連発明の審査基準を含め、新技術に関する特許制度について議論を行うタスクフォースの設立に合意しました。今後は、新技術に関する特許制度の課題を、作業部会の枠を超えて本タスクフォースで横断的に議論していきます。

(2)制度運用調和の5年間の成果確認と、新プロジェクトに向けた取組

五庁は、各庁で制度が異なることによるユーザーの負担を軽減するために、3つの制度運用調和プロジェクト(*1)に5年間取り組んできました。今回の会合では、これまで取り組んできた3つのプロジェクトを完了すること、及び新たなプロジェクトを今秋までに選定することに合意しました。

*1ユーザーの要望を踏まえた3つのプロジェクトの成果
「発明の単一性」:PCT出願において発明の単一性の有無を判断する際の共通手順を策定
「先行技術の引用」:出願人が第一庁の審査で引用された文献を第二庁に提出する際に、ワンポータルドシエを通じて知財庁が審査情報を取得することで、出願人の負担を軽減するスキームを策定
「記載要件」:仮想事例を用いた、請求項及び明細書の記載要件に関する五庁・ユーザーの事例研究成果を作成
各プロジェクトの成果は、近日中に五庁ウェブサイトに掲載される予定。

(3)特許審査ハイウェイ(PPH)(*2)の効果を評価するための指標の定義

五庁間のPPHをさらに有意義なものとするために、結果をどのように評価するかについて議論してきました。今回の会合で、PPHによる審査のスピードや特許査定率を評価する指標の定義に合意しました。
今後は、この定義に従って各庁の統計情報を交換し、PPHの効果を評価するとともに、改善点について検討を進めます。

*2同じ発明を複数の庁に出願している際に、ある庁で特許可能と判断された発明について、他庁において簡易な手続きで早期審査が受けられるようにする枠組み。

(4)審査関連情報へのユーザーのアクセス向上を図る取組

五庁は、ユーザーに審査関連情報をより一層活用していただくことを目指して、ワンポータルドシエ(*3)のサービス向上に取り組んできました。今回の会合で、日本国特許庁がワンポータルドシエのAPI(*4)を公開するパイロットプログラムを進めることに合意しました。APIによりユーザーはより自由に審査関連情報にアクセスできるようになり、特許情報の管理や分析が容易になります。また、審査関連情報を利用した新たなサービスの創出も期待できます。

*3各国特許庁のシステムを連携することによって、同じ発明を各庁に出願した際の審査情報をオンラインで一覧できるようにしたもの。

*4 Application Programming Interfaceの略。ワンポータルドシエの機能やデータを、他のプログラムから利用できるようにしたもの。ユーザーが自ら開発したプログラムを通じて審査関連情報に直接アクセスすることができる。

3. 五庁長官・ユーザー会合の結果(概要)

AIを含む新技術に関連した五庁の協力や、五庁とユーザーとの連携の在り方について、ユーザーと具体的な課題について意見交換を行いました。

※参加者
日本国特許庁(JPO):宗像長官 他
米国特許商標庁(USPTO):イアンク長官 他
欧州特許庁(EPO):カンピーノス長官 他
中国国家知識産権局(CNIPA):申局長 他
韓国特許庁(KIPO):パク庁長 他
(オブザーバー)世界知的所有権機関(WIPO):ガリ事務局長 他

五庁長官の集合写真
(左から、申局長、イアンク長官、パク庁長、宗像長官、カンピーノス長官、サンデージWIPO事務局次長)

担当

特許庁総務部国際政策課長 北村
担当者:曽我、佐々木
電話:03-3581-1101(内線2568)
03-3580-9827(直通)
03-3581-0762(FAX)