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ブラジルとの特許審査ハイウェイが全技術分野で利用可能になります
2019年11月25日
これまで、日本国特許庁とブラジル産業財産庁との間で実施している特許審査ハイウェイは対象となる技術分野が制限されていましたが、2019年12月1日より、制限が撤廃され、全ての技術分野で特許審査ハイウェイを利用できるようになります。
1.背景
南米最大の経済規模及び人口を誇るブラジルは、近年著しい経済発展を遂げており、自動車産業など製造業を中心として多くの企業が進出しています。一方、ブラジルでは、特許審査における遅延が大きな問題となっており、ブラジル産業財産庁(INPI)が最初に審査結果を出すまで出願から平均で10年弱を要しています。
このような状況を踏まえ、日本国特許庁(JPO)は、INPIとの間で、2017年4月1日からIT分野及び自動車関連技術を中心とした機械分野において、特許審査ハイウェイ(PPH)※1の試行を開始しました。
そして2019年4月1日には、高分子化学等の技術分野にまでPPHの対象を拡大しました※2が、医薬分野を含む約半数の出願が依然としてPPHの対象外であり、技術分野の制限の撤廃が望まれていました。
※1 第一庁(出願人が最先に特許出願をした庁)で特許可能と判断された出願について、出願人の申請により、当該庁とこの取組を実施している第二庁において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組み。
※2 参考:ブラジルとの特許審査ハイウェイの対象が拡がります(2019年1月16日プレスリリース)
2.日ブラジル間のPPH(2019年12月1日以降)
JPOとINPIは、2019年12月1日から、技術分野の制限を撤廃したPPHの試行を2年間実施します。
2019年12月1日以降の日ブラジル間PPHの特徴は以下のとおりです。
-
PPH申請の対象となる技術分野
JPO及びINPIにおいて、PPH申請に関する技術分野の制限はありません。 -
PPH試行期間
2019年12月1日より2年間です。 -
申請件数の上限
INPIは、年間400件を上限にPPH申請を受け付けます。当該件数は、INPIとPPHを締結する全ての庁との間のPPHプログラムに基づくPPH申請の総件数となります。 -
一出願人あたりのPPH申請可能件数
INPIが第二庁として受け付けるPPH申請は、従前と同様に、一出願人あたり1か月に1件までとなります。一方、JPOが第二庁として受け付けるPPH申請には、一出願人あたりの申請件数に制限はありません。
3.ブラジルとの特許審査ハイウェイによるメリット
INPIにPPH申請を行った出願は、INPIにおいて優先的に早期審査がなされます。審査遅延が問題となっているブラジルでは、出願人はPPHを利用することで、ブラジルにおいて早期に特許権を取得することが可能となります※3。
※3 INPIのウェブサイトによれば、PPHの申請がなされた出願については、1年以内に審査の最終処分が発出されています。
担当
特許庁 審査第一部 調整課 審査企画室長 嶋田
担当者:大瀨
電話:03-3581-1101(内線 3103)
03-3580-5898(直通)
03-3580-8122(FAX)
特許庁 総務部 国際協力課長 根本
担当者:渡部
電話:03-3581-1101(内線 2571)
03-3503-4698(直通)
03-3581-0762(FAX)