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韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置が撤廃されました

ーWTO紛争解決手続ー

2020年8月19日

韓国産業資源部は、8月19日午前0時をもって、日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置を撤廃しました。
我が国の申立てに基づき、同措置はWTOで審理され、WTOアンチダンピング協定に整合しない措置であるとして、WTO紛争解決機関から韓国に対し是正が勧告されていました。

1.概要

令和元年9月10日、WTO上級委員会は、我が国の申立てに基づき、日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置(以下、「本アンチダンピング措置」といいます。)につき、「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定(アンチダンピング協定)」に整合しないと判断し、韓国に対し措置の是正を勧告しました。韓国は本年5月30日までに是正措置をとる旨、日本と合意しました。

韓国政府は、本年5月29日、対外的に以下の発表を行いました。

本アンチダンピング措置は、上記発表の通り、本日正式に撤廃されました。

2.日本政府の受け止め

我が国は、これまでも韓国に対し、WTO協定に整合しない本アンチダンピング措置を速やかに撤廃することを繰り返し求めてきました。今回措置が撤廃されたことは、我が国が申し立てたWTO紛争解決手続の成果です。

アンチダンピング措置の期間は、原則として発動から5年間ですが、措置延長調査を行うことにより、それ以上に延長される余地もあります。そのような中、韓国政府の5月29日の発表に沿った今回の措置の撤廃は、問題となった措置を延長しない方針を早々に決定・公表した上で実際に措置が撤廃されたものであり、WTO紛争解決手続を通じ問題措置の早期解消につながった例として評価できます。

なお、韓国が本来の是正期限である5月30日を超えて課税を継続したことについては、WTOの是正勧告に沿った誠実な履行とは言えず、遺憾です。しかし、措置が8月で終了する旨が発表されたこと、及び、WTO紛争解決手続を通じて是正内容の適否を確認する手続には通常1~2年かかること等を考慮し、韓国の対応を注視してまいりました。また、本年6月15日には、日本側の関税譲許その他の義務の停止(韓国製品に対する関税引き上げ等。WTO協定上のいわゆる対抗措置)の権利を保全する手続(韓国との間で合意文を締結しWTOに通報)をとり、措置の早期撤廃を促していました。

3.今後の予定

韓国政府が措置を撤廃したことを踏まえ、対抗措置等、WTO上の更なる法的手続の実施は見合わせる方針です。

我が国は、今後も、WTO紛争解決手続を通じ、新興国等に多く見られる保護主義的な貿易救済措置の濫用はWTO協定上容認されないことを明確にし、かかる措置の是正・撤廃を目指していきます。

4.参考

1. 空気圧伝送用バルブとは

圧縮空気を利用して空圧シリンダーなどを伸縮・旋回等させるために、圧縮空気の流れ具合を制御する部品(バルブ)を指します。半導体、自動車製造工場などの組立装置や搬送装置などに用いられる部品です。

2.アンチダンピング課税とは

ある商品の輸出向け販売価格が国内向け販売価格よりも安く、その輸出によって輸入国内における競合する産業が損害を被っていることが正式な調査により明らかになった場合に、その商品に対して国内向け販売価格と輸出向け販売価格の差を上限とする関税を賦課することをいいます。

3.本アンチダンピング措置について

平成27年8月、韓国は日本製空気圧伝送用バルブの輸入に対し、アンチダンピング課税として11.66%~22.77%の追加関税の賦課を開始しました(期間は5年間)。空気圧伝送用バルブの我が国から韓国への輸出額は、年間約56億円であり、うち本件措置対象製品の輸出額は約37億円です(令和元年)。

4.アンチダンピング措置の延長とは

アンチダンピング措置は、発動から5年以内に終了するのが原則ですが、措置延長調査を行い、アンチダンピング措置を終了するとダンピング及び損害が存続し又は再発するおそれがあると認定する場合は、措置を延長することができます。

現在韓国が日本製品に対し課税中のアンチダンピング措置5件のうち、4件は期間が延長されて課税が続いています。

5.本件に係る過去のニュースリリース

1. 韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置についてWTO協定に基づく協議を要請しました。

2.韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置についてWTOパネル審理を要請しました

3. 韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置についてWTO協定に基づくパネルが設置されました

4.韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置がWTO協定違反と判断されました~WTO紛争処理小委員会報告書が公表されました

5.韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置について、日本がWTO上級委員会に上訴しました

6.韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置がWTO協定違反と判断され、是正が勧告されました
-WTO上級委員会報告書の発出-

担当

WTO紛争処理について

通商政策局 通商機構部
国際経済紛争対策室長 福山
担当者:郷原、西村

電話:03-3501-1511(内線3056~60)
03-3580-6596(直通)
03-3501-1450(FAX)

空気圧バルブ産業について

製造産業局 産業機械課長 玉井
担当者:安田、夏見

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日韓経済関係について

通商政策局 韓国室長 出雲

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