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「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました

2022年3月1日

「安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。現在開会中である、第208回通常国会に提出される予定です。

1.本法律案の趣旨

第6次エネルギー基本計画(2021年10月閣議決定)を踏まえ、「2050年カーボンニュートラル」や2030年度の野心的な温室効果ガス削減目標の実現に向け、日本のエネルギー需給構造の転換を後押しすると同時に、安定的なエネルギー供給を確保するための制度整備が必要です。このため、省エネ法のエネルギーの定義の見直しや、非化石エネルギーへの転換を促進するための措置の新設、脱炭素燃料や技術への支援強化、電源休廃止時の事後届出制から事前届出制への変更や大型蓄電池の発電事業への位置付け等の措置を講じます。

2.本法律案の概要

(1)エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)

  1. エネルギーの使用の合理化(エネルギー消費原単位の改善等)の対象に、非化石エネルギーを追加します。

  2. 工場等で使用するエネルギーについて、化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換(非化石エネルギーの使用割合の向上)を求めます。具体的には、特定事業者等に対して、非化石エネルギーへの転換に関する中長期的な計画の作成等を求めます。

  3. 再エネ出力制御時への電気需要のシフトや、需給逼迫時の需要減少を促すため、現行の「電気の需要の平準化」を「電気の需要の最適化」に見直し、電気を使用する事業者に対する指針の整備等を行います。また、電気事業者に対し、電気の需要の最適化に資するための措置に関する計画(電気の需要の最適化に資する取組を促すための電気料金の整備等に関する計画)の作成等を求めます。

  4. これらを踏まえて、法律名を「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に改正します。

(2)エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(高度化法)

  1. 位置づけが不明瞭であった水素・アンモニアを非化石エネルギー源として位置付け、それら脱炭素燃料の利用を促進します。

  2. 火力発電であってもCCSを備えたもの(CCS付き火力)を法律上に位置付け、その利用を促進します。

  3. これらを踏まえて、法律名を「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」に改正します。

(3)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(JOGMEC法)

  1. 洋上風力発電のための地質構造調査等を追加します。

  2. 海外の大規模地熱発電等の探査事業(経済産業大臣の認可が必要)に対する出資業務を追加します。

  3. 水素・アンモニア等の製造・貯蔵等に対する出資業務等を追加します。

  4. CCS事業及びそのための地層探査に対する出資業務等を追加します。

  5. 国内におけるレアメタル等の選鉱・製錬に対する出資業務等を追加します。

  6. (1)、(2)、(4)及び(5)の改正に伴う規定の整備を行います。

  7. これらを踏まえて、法律名を「独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構法」に改正するとともに、機構の名称を「独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構」に改称します。

(4)鉱業法

  1. 鉱業権の対象となる鉱物に希土類金属鉱(レアアース)を追加します。

(5)電気事業法

  1. 発電所の休廃止について、「事後届出制」から「事前届出制」に改めます。

  2. 広域的運営推進機関から供給計画に付して経済産業大臣に送付する意見に供給能力の確保のために必要な措置に関するものを追加し、経済産業大臣が電気事業者に供給計画の変更勧告を行うにあたり、当該意見を踏まえることとします。

  3. 「大型蓄電池」を電気事業法上の「発電事業」に位置付けるとともに、系統への接続環境を整備します。

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