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中国による日本製ステンレス製品に対するアンチ・ダンピング措置についてWTOパネル設置要請を行いました
2021年8月19日
同時発表:外務省
本日、我が国は、世界貿易機関(WTO)に対し、中国によるステンレス製品に対するアンチ・ダンピング措置について、パネル(第1審)設置要請を行いました。
中国は、2019年(令和元年)7月、日本、韓国、インドネシア及びEUから輸入されるステンレス製品のダンピングによって中国の国内産業が損害を受けているとし、アンチ・ダンピング(AD)税(以下、「本AD措置」。)の賦課を開始しました(5年間予定)。
我が国は、本AD措置は、中国の調査当局の認定や調査手続に瑕疵があり、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)及びアンチ・ダンピング協定(1994年の関税及び貿易に関する一般協定第6条の実施に関する協定)に違反する可能性があると考えています。
我が国としては、本件がWTOのルールに従って適切に解決されるよう、今後の手続を進めていく予定です。
(参考1)WTO協定に基づくパネル設置要請
- 政府間の協議によって問題解決に至らない場合、パネル(第1審)という準司法的な第三者機関が、WTO加盟国の要請により、問題となっている措置のWTO協定整合性について審理・判断し、違反が認められる場合にはその是正を勧告します。パネルに不服のある当事国は、上級委員会(第2審)に上訴することができます。
- WTO協定は、問題となっている措置についてパネルに付託するのに先立ち、当事者国で協議を行うよう義務付けていますが、二国間協議要請から60日を経過しても紛争が解決されない場合、申立国は、紛争解決機関(DSB)にパネル設置を要請することができます。
- 我が国は、本AD措置について、本年6月11日にWTO協定に基づく日中二国間協議を要請し、7月19日、二国間協議を実施しましたが、紛争の解決に至りませんでした。
(参考2)ステンレス製品とは(対象製品)
本AD措置では、ステンレス鋼鋼片(スラブ)、ステンレス鋼熱間圧延鋼板(カットシート及び厚板)及びステンレス鋼熱間圧延コイルが対象製品となっています。ステンレス鋼鋼片は、精錬された溶鋼を鋳造して得られる半製品です。ステンレス鋼熱間圧延鋼板は、船舶・橋梁など建材部材や産業用機械に利用されています。ステンレス鋼熱間圧延コイルは、自動車部品、家庭用電化製品用冷延鋼帯の原材料等に利用されています。
(参考3)アンチ・ダンピング措置とは
ある商品の輸出向け販売価格が国内向け販売価格よりも安く、その輸出によって輸入国内における競合する産業が損害を被っていることが正式な調査により明らかになった場合に、その商品に対して国内向け販売価格と輸出向け販売価格の差を上限とする関税を賦課することをいいます。
(参考4)本件対象製品の対中国輸出額について
我が国から中国へのステンレス製品の輸出額は、年間約700億円、うち対象製品の輸出額は約92億円です(いずれも2019年)。(参考5)本件に係る過去のニュースリリース
中国による日本製ステンレス製品に対するアンチ・ダンピング措置についてWTO協定に基づく協議を要請しました(2021年6月11日掲載)担当
WTO紛争処理全般について
通商政策局 通商機構部
国際経済紛争対策室長 福山
担当者:池田、西村、長田電話:03-3501-1511(内線3056)
03-3580-6596(直通)
03-3501-5983(FAX)ステンレス産業について
製造産業政策局 金属課長 松野
担当者:小野電話:03-3501-1511(内線3661)
03-3501-1926(直通)
03-3501-0195(FAX)
日中経済関係について
通商政策局 北東アジア課長 大川
担当者:宮里、斧電話:03-3501-1511(内線3016)
03-3501-0531(直通)
03-3501-6024(FAX)