除雪機による死亡・重傷事故を防ごう!

~正しく、安全に使用してください~

2021年12月23日

同時発表:消費者庁、製品評価技術基盤機構(NITE)

昨冬は、豪雪や大寒波の影響などで、除雪機による死亡・重傷事故が直近の10年間で最も多く通知されました。(2020年度の死亡事故件数は7件、重傷事故件数は5件)。
今冬も、新型コロナウイルス感染症の影響で除雪作業の担い手が不足し、比較的高齢の方や作業に慣れない方が作業をする地域も多くあると見込まれます。
除雪機は、取扱上の注意を守り、安全機能の無効化は絶対にやめましょう。使用に当たっては、周囲の環境に注意し、家族や近隣で声かけをしましょう。

1.除雪機の事故発生の現状

2011年度から 2020年度までの直近10年間で除雪機による、死亡事故及びけがを負った事故は40件発生しており、被害状況をみると40件※1のうち死亡事故が25件発生しております。被害者の年齢区分としては主に豪雪地帯で、高齢者による事故が多くなっています。

(※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、NITE事故情報収集制度により収集された非重大製品事故を含みます

2.除雪機の構造と各部名称

図1:除雪機の構造(提供:NITE)

デッドマンクラッチ機構(安全機能)

使用者が操作ハンドル(クラッチレバー)から手を離すと、自動的に回転部及び走行が停止する安全機能。使用者の手を離れて作動することを防ぐもの


図2: デッドマンクラッチ機構(安全機能)(提供:NITE)
※除雪機安全協議会では、2004 年4月から協議会加盟メーカーの除雪機(歩行型)において安全機能の義務化をしています。

その他安全機能(製品によっては以下のような安全機能が備わっています)

 

緊急停止クリップ

使用者に取り付け、使用者が除雪機から離れてコードが除雪機から外れると、エンジンが停止し、回転部及び走行が停止する安全機能。使用者が転倒した際や除雪機から離れた状態で作動することを防ぐもの。

緊急停止バー

バーを押すとクラッチが切れ、機械が停止する安全機能。ハンドル付近に設置される上部緊急停止バーと、足下付近に設置される下部緊急停止バーがある。

緊急停止ボタン

ボタンを押すと機械が停止する安全機能。

※イラストは、除雪機安全協議会のチラシPDFファイルより参照。

3.除雪機による事故事例

(1)除雪機の下敷きになった事故

事故発生年月日 2019年2月(新潟県、80歳代・男性、死亡)

事故の内容

除雪機を使用中、下敷きになり、1人が死亡した。

事故の原因

使用者は転倒や離れた際に除雪機が自動で停止する緊急停止クリップを身体に取り付けておらず、その状態で除雪機を後進中に転倒したため、除雪機が使用者に乗り上げて下敷きとなったものと考えられる。なお、使用していた除雪機はデッドマンクラッチが搭載されていないものであった。

(2)後ろの壁と除雪機の間に挟まれた事故

事故発生年月日 2016年2月(岩手県、70歳代・男性、死亡)

事故の内容

除雪機と小屋の柵に挟まれ、病院に搬送後、死亡が確認された。

事故の原因

使用者が後進中に背面の鉄パイプとの間に挟まれた。その際、走行クラッチレバーの上に覆いかぶさる状態となったため、走行クラッチレバーが「入」の位置に固定され、除雪機が後進を継続したことにより、使用者を圧迫したものと考えられる。

注意するポイント


図3: 転倒事故のイメージ(提供:NITE)

(3)オーガに巻き込まれた事故

事故発生年月日 2020年2月(北海道、60歳代・女性、死亡)

事故の内容

除雪機のオーガに巻き込まれた状態で発見され、死亡が確認された。

事故の原因

除雪機のエンジンをかけた状態でデッドマンクラッチ機構のクラッチレバーをロープで固定したため、何らかの理由で使用者が前方のオーガ部に移動した際に誤ってオーガに巻き込まれ、事故に至ったものと考えられる。

注意するポイント

図4: 安全機能無効化のイメージ(提供:NITE)

安全機能を無効化することで、使用者が転倒などした際に除雪機が停止せず、除雪機にひかれたり、巻き込まれたりするおそれがあります。デッドマンクラッチを固定するなどして無効化したり、緊急停止クリップを装着しない状態で使用したりすることは非常に危険なため、絶対にしないでください。

 また、2004年4月以前に発売された古い除雪機には、デッドマンクラッチなどの安全機能が装備されていない機種があります。これらの機種についてはより一層の注意をはらって使用する必要があります。緊急停止バー、緊急停止ボタンなどの安全機能がついているものを使用するとより安全です。

(4)詰まった雪を取り除こうとしてけがを負った事故

事故発生年月日 2019年1月(新潟県、60歳代・男性、重傷)

事故の内容

除雪機の排雪口に詰まった雪を取り除こうとしたところ、右手指を負傷した。

事故の原因

使用者が除雪機の排雪口に詰まった雪を回転刃を止めないまま、付属の雪かき棒を使用せずに直接手で除去したため、排雪口内部の回転刃に触れ、事故に至ったものと考えられる。

注意するポイント


図5: 雪かき棒使用のイメージ(提供:NITE)

参考

除雪機の事故に対する注意喚起については、本日、経済産業省のほか消費者庁及び製品評価技術基盤機構(NITE)からも注意喚起を行っています。

消費者庁「除雪機による死亡・重傷事故を防ごう!」(令和3年12月23日)外部リンク
製品評価技術基盤機構(NITE)「除雪機、半数以上が死亡事故~使う際に気を付けるポイント~」(令和3年12月23日)外部リンク
除雪機安全協議会「歩行型除雪機の安全啓発チラシ」PDFファイル

担当

産業保安グループ 製品安全課
製品事故対策室長 望月
担当者:関根、門田

電話:03-3501-1511(内線 4311~3)
03-3501-1707(直通)
03-3501-2805(FAX)