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トヨタ自動車東日本株式会社の下請代金支払遅延等防止法違反について

2025年10月31日

本日、トヨタ自動車東日本株式会社より、同社において、下請法が規定する「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」及び「受領拒否の禁止」に違反する行為が認められ、公正取引委員会により勧告及び指導を受けたとの報告を受けました。
このような違反行為が行われたことは、下請事業者の信頼を損ない、かつ、取引適正化を妨げるものであり、極めて遺憾です。
これを踏まえ、経済産業省は、同社に対し、今般の事案を踏まえた今後の取引適正化の徹底等を実施するとともに、取組状況について速やかに報告するよう求めました。
また、同社の親会社であるトヨタ自動車株式会社に対し、トヨタ自動車グループにおいて下請法の規定に抵触する行為が再発することのないよう、改善措置を講じることを求めました。

1.トヨタ自動車東日本からの報告

トヨタ自動車東日本株式会社(以下「トヨタ自動車東日本」という。)から、本日付で、公正取引委員会から、以下の違反行為が行われたことが認定され、下請代金支払遅延等防止法第7条第3項の規定に基づく勧告及び指導を受けたとの報告がありました。

金型の無償保管(勧告)

下請事業者に対して、自社が製造を委託した自動車部品の製造に用いる下請事業者が所有する金型等について、令和6年4月から令和7年3月までの間、当該部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、無償で保管をさせていたことが、同法第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に該当する。

自動車部品の受領拒否(指導)、無償保管(勧告)

下請事業者に対して、納期を定めずに一括生産部品(注)の製造を委託していたところ、下請事業者から一括生産部品の製造が完了した報告を受けた後、速やかに当該部品を受領すべきところ、遅くとも令和5年8月から令和7年3月までの間、納品指示を行い下請事業者から納品されるまで受領していなかったことが、同法第4条第1項第1号(受領拒否の禁止)に該当する。また、自社のために当該部品を無償で保管させていたことが同法第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に該当する。

(注)トヨタ自動車東日本は、下請事業者とあらかじめ協議のうえ、自動車部品が製造打切りになるまでに必要と考えられる数を一括で製造させ、自社又は下請事業者が在庫を保管する制度を採用しており、この制度の対象となる自動車部品を「一括生産部品」という。

2.経済産業省からの指示

トヨタ自動車東日本からの報告を踏まえ、同社に対し、今般の事案を踏まえた今後の取引適正化に向けた取組の徹底を指示するとともに、取組の状況について速やかに報告するよう求めました。
また、親会社であるトヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ自動車」という。)が作成したマニュアルが本事案の重大な原因の一つであると認められたことから、トヨタ自動車に対して、今後、同社グループにおいて下請法に抵触する行為が再発することのないよう、速やかに改善措置を講じることを求めました。

担当