
高齢者の生活機能の変化への配慮
経済産業省では、令和元年度に、高齢者の生活機能の変化に配慮した製品開発を進める上で必要となる検討事項を取りまとめております。(参考:高齢者の生活機能変化に配慮した安全に関するユニバーサルデザインの実現に向けて)
生活空間に置かれ、高齢者が触れる可能性がある製品に関しては、製品の安全性の観点でユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、生活機能の変化があっても安全に使用できる製品の開発が求められます。
本報告書に示す検討項目の一つには、「皮膚の知覚機能の低下等により温度や刺激への反応が鈍化していることを想定した製品であること」が示されており、以下に示す企業の取組は、当該検討項目に合致した優れた取組の一例と考えられます。
PSアワード受賞企業紹介:株式会社近澤製紙所(第15回技術総括・保安審議官賞)
優れたリスクアセスメント、徹底した製造ラインのチェックやコロナ禍おける積極的な情報発信についての取組が評価され、第15回PSアワードにおいて技術総括・保安審議官賞を受賞した、大人用紙おむつ等の製造・販売事業者である「株式会社近澤製紙所」の製品安全に係る取組をご紹介します。1.現場でのモニタリングを通じたリスクの洗い出しと安全性の確認
体格や年齢などが幅広い一方、筋力や認知機能の低下といった問題を有している場合が多いというユーザー特性を踏まえ、以下のような取組を行っている。
これらの取組により、履く際にバランスを崩して転倒や、肌との相性による炎症等の発生といった製品による危害防止を図っている。 |
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2.徹底した製造ラインのチェックとトレーサビリティの確保
これらの徹底した製造ラインのチェックにより、異物混入や製造不良を防ぎ、製品安全を担保している。 また、ロット番号を刻印することにより、【いつ、どの原料、資料を使って、どのラインで、どの作業班によってつくられたか】まで追跡可能とし、不具合品の特定と原因究明につなげている。 |
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3.コロナ禍に対応したオンラインでの積極的な情報発信
紙おむつは人の肌に触れる製品であり、使用方法を誤ると、褥瘡(床ずれ)や肌荒れなどの皮膚障害や転倒などにもつながる可能性があるため、使用者や介助者へ正しい使用方法をしっかりと伝えることが重要である。 他方でコロナ禍により対面でのコミュニケーションが困難になったことを踏まえ、当該企業においては、専用のスタジオを整備し、オンラインによる質の高い情報提供に取り組んでいる。 具体的には、対面と同じレベルで情報が提供できるように、
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最終更新日:2022年5月20日