高齢者関連製品のリスクアセスメントについて

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高齢者関連製品のリスクアセスメントについて

高齢者が被害に遭う製品事故を減少させる取組の一つとして、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)において、高齢者関連製品のリスクアセスメントを実施しております。このページでは、取組の詳細について、ご紹介させていただきます。
なお、本ページの内容については、経済産業省発行の「リスクアセスメントハンドブック」の内容に沿って作成しております。

リスクアセスメントとは

リスクアセスメントとは、製品を企画・設計する段階でそれらが製品として使用される状況を想定することで発生が予想される危険源や危険な状態を特定しその影響の重大さを評価し、それに応じた対策を事前に設計に盛り込むことで、製品の安全性を高めるものであり、ポイントは、以下の 5 つです。
 
(1) 使用条件及び合理的に予見可能な誤使用の明確化
(2) 危険源・危険状態の特定
(3) リスクの見積
(4) リスクの評価
(5) リスクの低減

リスクアセスメントの意義

リスクアセスメントは、大手企業や準大手企業に求められる取組ではありません。製造物責任による損害賠償金の負担や製品回収費用の負担に対する財務的な体力の観点からは、事業規模の小さい中堅企業や中小企業こそ、相応のリスクアセスメントを実施し、適切な対策によりリスクを低減することが重要です。また、適切にリスクアセスメントを実施し、リスク低減に有効な対策を起案して実現すれば、より安全な製品を市場に供給することが期待できます。 (リスクアセスメント・ハンドブックより抜粋)

リスクアセスメント手法の概要

本ページで用いるリスクアセスメントの手法については、下記資料にまとめております。 rmap  一例として、右の図に示す「R-Map(リスクマップ)」と呼ばれる、リスクアセスメント手法をご紹介します。
 6×5のマトリックスの縦軸が事故の発生頻度を表し、横軸が発生する危害の程度を表しています。
 赤いゾーンにプロットされれば、危害が深刻な事故の発生頻度が高く、リスクが大きい状態を表します。
 
 事故のリスクを評価することによって、スリーステップメソッドを用いたリスクの低減策について、R-Map上で把握することが可能になります。




 

New!個別製品のリスクアセスメント報告書

NITEで行った高齢者向け製品のリスクアセスメントの結果について下記にまとめております。
なお、NITEのHPにても同様の内容を公表しております。
 

手すり(令和4年6月)

はしご・脚立(令和4年8月)

介護ベッド(令和4年12月)

車椅子(令和5年1月)


今後も随時個別製品のリスクアセスメントを実施し、報告書について公開予定です。
 

リスクアセスメントをより深く知りたい方へ

NITE講座

NITEでは毎年「NITE講座」を開講しています。
NITE講座では、製品事故の現状と製品安全対策について、分析考察しながら今後の事故防止方策や政策のあり方について論じております。
その科目の一つにリスクアセスメント講座があり、製品事故に関するリスクアセスメントについても見識を深めることが可能です。

詳細については下記リンクを御覧ください。
 

リスクアセスメント・ハンドブック

経済産業省では、消費生活用製品を対象として、できるだけ安全性の確保された製品を設計開発し、市場へ供給していくために、大企業から中小企業まで広く参考になるリスクアセスメントの考え方と実践方法の基本を紹介することを目的とした手引き書を作成し、公開しております。
 

最終更新日:2023年1月30日