第4章 外との繋がりによる日本経済の新たな成長に向けて

第3節 急務となる立地競争力強化策

企業が国を選ぶ時代にあって、我が国が空洞化を防ぎ持続的な経済成長を達成するために、立地競争力の強化は不可欠になる。本節では、迅速な実施が求められる施策を明らかにする。

1.企業の競争力強化のための法人税引き下げ

企業の立地選択においては、マーケットの状況などが重要な要因と考えられるが、社会保障負担や法人実効税率などの公的負担の水準も一要因と考えられる。

このうち、我が国の法人実効税率は1990年代末の税制改革で低下した後は、今般の引き下げまでおおむね横ばいで推移してきた。一方で、OECDやEUでは多くの国で課税ベースの拡大とともに法人実効税率が引き下げられてきた(第4-3-1-1図)。

第4-3-1-1図 法人実効税率の推移
第4-3-1-1図 法人実効税率の推移

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この結果として、日本の法人実効税率は各国平均と比べると相対的に高い水準となっていたことがわかる。(第4-3-1-2図)。

第4-3-1-2図 法人実効税率の国際比較
第4-3-1-2図 法人実効税率の国際比較

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(1)近年の各国の法人税を巡る動き

1. 米国

オバマ大統領は2012年2月に税制改正に関する指針を公表し、法人税率を35%から28%に引き下げるとした。また、これに伴う歳入減を補うために、優遇税制の廃止や縮小が盛り込まれる一方、製造業に対してはさらなる税制優遇措置について言及されている。

2. 英国

英国の法人税は2012年度の予算案によると、2012年4月に26%から24%に引き下げられ、その後、2014年まで毎年1%引き下げられるとされている。(2014年4月には22%になる見込み。)


主要国において法人実効税率の引き下げの動きがある中、わが国に立地する企業の国際競争力強化の観点から、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略〜「元気な日本」復活のシナリオ〜」において、法人実効税率引き下げが、「7.法人実効税率引き下げとアジア拠点化の推進等」として21の国家戦略プロジェクトに位置づけられた(第4-3-1-3表)。

第4-3-1-3表 新成長戦略〜「元気な日本」復活のシナリオ〜(2010年6月18日)
第4-3-1-3表 新成長戦略〜「元気な日本」復活のシナリオ〜(2010年6月18日)

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新成長戦略の方針の下、国内企業の国際競争力の強化と外資系企業の立地の促進、雇用と国内投資の拡大の観点から、法人実効税率の5%引き下げが盛り込まれた平成23年度税制改正法案が平成23年11月に成立し、平成24年度から法人実効税率が引き下げられることとされた(第4-3-1-4表)。なお、平成24年度から3年間は復興特別法人税として法人税に10%の付加税が課される。(第4-3-1-5図)

第4-3-1-4表 社会保障・税一体改革大綱(2012年2月17日)
第4-3-1-4表 社会保障・税一体改革大綱(2012年2月17日)

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第4-3-1-5図 法人税率(国税分)引き下げと復興特別法人税のイメージ
第4-3-1-5図 法人税率(国税分)引き下げと復興特別法人税のイメージ

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