経済産業省
文字サイズ変更

第1章 世界各国と比較した我が国の生産性の状況

 我が国経済は、この20年間、年率0.8%(実質ベース)という極めて低い成長を経験してきた。少子高齢化及び人口減少を迎える中で、今後、我が国が中長期的な経済成長を実現していくためには、様々な施策の展開を通じた生産性の向上が不可欠である。

 このような観点から、本章では、代表的な生産性指標である労働生産性1及び全要素生産性2(Total Factor Productivity、以下TFP)に着目し、米国及び欧州(ドイツ、英国、フランス)との比較を中心とした国際比較を行い、世界の中での我が国の生産性の現状を把握・分析する。

 まず第1節では、我が国経済の長期停滞がどのような要素によってもたらされたのかを分析するため、成長会計3と呼ばれる手法を用いて実質GDP成長率を要因分解する。続く第2節では、平均的な国民一人当たりの豊かさの尺度として用いられる一人当たり実質GDP成長率の要因分解も試みる。これら分析により、TFP及び労働生産性上昇の停滞が我が国経済の成長押し下げの要因となったことを示す。第3節では、産業を構成する各部門の労働生産性及びTFPを算出し、日米欧との比較を中心とした国際比較を行う。第4節では、我が国の生産性を各産業の付加価値シェアと合わせて横断的に分析する。最後に、本章の分析で得られた結果を要約する。

労働生産性は、

労働生産性=生産量÷労働投入

として定義され、労働投入一単位当たりどれだけの生産物が産出されるかを表す。この指標が改善されれば、生産活動がより効率的に行われていると解釈できる(参考:RIETIホームページ、http://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2012/ans.html?page=Q1外部リンク(新しいウィンドウが開きます))。

全要素生産性(Total Factor Productivity: TFP)とは、労働だけでなく原材料や資本といった全ての生産要素を考慮した生産性指標であり、

全要素生産性(TFP)=生産量÷全生産要素投入量

として定義される。労働生産性は、生産に投入された生産要素のうち、労働のみに注目した指標となっているが、TFPは労働のみならず、原材料や資本も考慮した生産性指標なので、TFPの改善は物量投入に依存しない生産効率の改善、つまり業務効率の改善や技術革新を示す指標であると考えられる(参考:RIETIホームページ、http://www.rieti.go.jp/jp/database/JIP2012/ans.html?page=Q3外部リンク(新しいウィンドウが開きます))。

成長会計の方法については付注1を参照。なお、以下の成長会計の文脈においてはTFPの上昇率とTFPの(GDP成長率への)寄与は同じ意味で用いる。

<<前の項目に戻る | 目次 | 次の項目に進む>>

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.