経済産業省
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第1部 ものづくり基盤技術の現状と課題
第2章 良質な雇用を支えるものづくり人材の確保と育成
第2節 良質な雇用を支えるものづくり人材を育成するための取組

前節にあるとおり、良質な雇用の場であるものづくり産業を維持発展させていくためには、ものづくり人材の育成・能力開発を行い、ものづくり人材を熟練技能者として企業を支える存在に育成していくことが必要である。

良質な雇用を支えるものづくり人材の育成のため、現在取り組んでいる主な施策は以下のとおりである。

1.より効果的なものづくり訓練に向けて

国、都道府県等は、職業能力開発促進法に基づき、労働者が段階的かつ体系的に職業に必要な技能及びこれに関する知識を習得するため、公共職業能力開発施設を設置し、①離職者訓練、②在職者訓練、③学卒者訓練を実施している注6

①離職者訓練(施設内訓練・委託訓練)…離職者を対象に、職業に必要な技能及び知識を習得させることによって再就職を容易にするための職業訓練

②在職者訓練…在職中の労働者を対象に、技術革新や産業構造の変化等に対応する高度な技能及び知識を習得させるための職業訓練

③学卒者訓練…高等学校卒業者等を対象に、職業に必要な技能及び知識を比較的長期間かけて習得させるための職業訓練

特に電機、機械等のものづくり分野に係る職業訓練については、訓練ニーズが高い一方、訓練を実施している民間教育訓練機関がほとんど存在しないため、離職者訓練の施設内訓練、在職者訓練及び学卒者訓練は、ものづくり分野を中心に訓練を実施している。

国による職業訓練は、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)の職業能力開発促進センター(以下「ポリテクセンター」という。)及び職業能力開発大学校・短期大学校(以下「ポリテクカレッジ」という。)が、都道府県による職業訓練は、各都道府県の職業能力開発校がそれぞれ主となって、産業界や地域のニーズを踏まえた職業訓練を実施しており注7注8、特に機構においては、最近のものづくりの現場における製品の品質や機器の高度化、新技術、納期の短縮等に加え、設備や品質の不具合、トラブルの発生、効率的な生産ラインの構築等に対応できる能力を身につけることのできる職業訓練の実施、訓練分野の効果的な見直しを行っている。

(1)訓練ニーズを踏まえたものづくり訓練の実施

①産業界のニーズを踏まえた効果的な職業訓練の実施

2014年8月に、より産業界のニーズを踏まえた職業訓練を行うため、日本機械工業連合会(以下「日機連」という。)と機構との間で人材育成分野における協力に係る連携協定を締結した。この協定の締結により、ポリテクセンター等と日機連の会員事業主団体等との間での職業訓練等を通じた一層の連携協力を促進し、ものづくり産業の人材育成の強化を図ることとしている。

また、政府が2015年1月にとりまとめた「ロボット新戦略」では、少子高齢化、生産年齢人口の減少が進展する中、ロボット技術は、製造業の生産現場等の幅広い分野で、人手不足の解消や生産性の向上等の社会課題を解決する可能性を有しており、厚生労働省は、経済産業省と連携してロボット産業におけるシステムインテグレータ等の人材技術・技能向上のため、在職者向け公共職業訓練等の活用を検討することとしている。

注6 このほか、離職者向けの訓練として、主に雇用保険を受給できない方を対象とした求職者支援制度を実施している。訓練科目はサービス分野が中心となっている。

注7 2013年度においては、離職者訓練は、約14万人(国:約3万人、都道府県:約11万人)(うち施設内訓練は、約4万人(国:約3万人、都道府県:約1万人))、在職者訓練は、約10万人(国:約5万人、都道府県:約5万人)、学卒者訓練は、約2万人(国:約6千人、都道府県:約13千人)が受講した。

注8 国においては、高度で専門的かつ応用的な訓練、都道府県においては、基礎的な訓練や地域産業の人材ニーズに対応した訓練を実施することで、適切に役割分担を図っている。

コラム:(一社)日本機械工業連合会と(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構との連携
協定の具体的内容

地域のニーズ等を踏まえ、職業訓練の実施を通じてものづくり分野の人材育成に取り組んでいる独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(機構)理事長とものづくり産業の各種団体を組織する一般社団法人日本機械工業連合会(日機連)会長が、国の基幹産業であるものづくり産業の基盤技術を支える人材育成について、積極的な取組を進めるため、厚生労働大臣及び経済産業大臣政務官立ち会いのもと、2014年8月に連携協定を締結した。

協定締結後は、以下のような双方が抱える諸課題への対応や事業展開について連携・協力を行っている。

 ①機構が作成している業種別の人材育成プラン(職業能力開発体系)の整備についての日機連会員団体の協力

 ②日機連が会員団体(企業)を対象に行う機械安全のためのカリキュラムの検討に機構の専門家が参画

 ③日機連が抱える人材育成上の課題への対応として機構の在職者訓練のカリキュラム提供

さらに今後は、機構の各地域のポリテクセンターやポリテクカレッジが日機連の会員団体や企業と連携し、職業能力開発体系の整備や在職者訓練の実施を行うなど、全国的な取組が予定されている。

写真:連携協定締結風景

図表:ロボット新戦略(抄)

〇第2部 アクションプラン-五カ年計画

第1章 分野横断的事項

 第5節 人材育成

  (2)今後の取組

(略)ロボットメーカーだけでなく、ロボットユーザーも対象とした在職者向け公共職業訓練の活用や、検定・資格制度の活用等により、現場でロボットに関する技術・原理・操作方法等が分かる人材の育成策について検討を進める必要がある。(略)

   (対応施策)

   ◇ 在職者向け公共職業訓練の活用

- SIer等の人材の技術・技能の向上のため、在職者向けの公共職業訓練の活用について、経済産業省と厚生労働省が連携して検討を行う。

②地域のニーズを踏まえた各地域での効果的な職業訓練の実施

ポリテクセンター・ポリテクカレッジによる職業訓練は、職業能力開発総合大学校を中心に、全国レベルで訓練水準の維持・向上を図るとともに、各地域の訓練ニーズに応じた訓練となるよう、各ポリテクセンター・ポリテクカレッジごとに訓練内容をアレンジして実施している。また、在職者訓練については、あらかじめ訓練コースが設定されているレディメイド型訓練に加え、各企業の訓練ニーズに即して設定するオーダーメイド型の訓練も実施している。

さらに、2014年度から、地域ニーズを踏まえ、不安定就労の若者等の安定的な就職の実現等を進めるため、企業・業界団体、民間教育訓練機関、行政機関が協働して、より就職可能性を高めるための離職者向け職業訓練コース(1年以内の短期プログラム)の開発・検証を実施している。具体的には、10地域で新たな訓練コースの開発に向けて検討を行い、2014年12月から開発した訓練コースを順次、検証実施している。例えば、北海道では、建設分野における型枠、施工技術等の内容を含む4か月の職業訓練カリキュラムを開発し、2015年2月から検証実施しているところである。

加えて、全国的な雇用情勢の改善や労働需要の高まりなどに伴い、一層の人手不足が懸念されるところであり、地方創生の観点からも、それぞれの地域の特性を踏まえた人材の確保・育成対策の強化を図ることが必要になっている。このため、2015年度から、人手不足分野を抱えている地域において、従来の公的職業訓練の枠組みでは対応できない、地域の創意工夫をいかした人材育成の取組を支援するため、「地域創生人材育成事業」を創設した。この事業は、都道府県から提案を受けた事業計画の中から効果が高いと見込まれる取組を企画競争で選定し、年間3億円を上限に最大3年間、新たな人材育成プログラムの開発を都道府県に委託して行うものである。2015年度は、2015年4月17日現在9道府県において採択され、地域の実情に応じた事業が実施される予定である。

また、各都道府県においては、都道府県労働局の参集の下、労使団体、機構、都道府県、民間教育訓練関係団体等により構成される地域訓練協議会を開催し、求職者支援訓練に係る職業訓練実施計画を策定しているところ、さらに地域全体の人づくりの視点で効果的な職業訓練を推進するため、2014年度から、都道府県と都道府県労働局が職業訓練も含めた包括的な協定を締結することや地域訓練協議会を活用すること等により、上記の関係者のニーズを踏まえた公共職業訓練と求職者支援訓練の一体的な計画の策定を推進することとしている。

コラム:航空機製造技能者の育成

中部地域は、航空機部品の生産において全国の約5割を占める日本最大の航空宇宙産業の集積地であり、特に愛知県は国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定され、同地域に立地する機体メーカーが機体構造部品の35%を分担製造する次世代中型ジェット機の生産や、日本初の国産ジェット旅客機の開発が進められているところである。

航空機部品製造には、その性格上極めて高度な信頼性と厳格な品質保証が求められており、製造技能者の養成・確保が喫緊の課題とされている。

このような状況を受け、ポリテクセンター中部では、愛知県、愛知労働局、中部経済産業局、(一社)中部航空宇宙産業技術センター、(一社)愛知県専修学校各種学校連合会等の関係機関と協働でコンソーシアムを組織して、航空機製造技能者を養成するための訓練カリキュラムを開発し、愛知県内の民間教育訓練機関等に委託して訓練を実施している。

この訓練は、航空機製造に関する基礎知識と、航空機の機体の構造組立全般に関する基礎的技能、航空機産業に従事する組織人に求められるマナー等の社会人基礎力等を幅広く学ぶことを特色としており、中部地域の産業界や行政機関からは、航空機製造技能者の養成に特化したこれまでにない訓練として期待されている。

写真:開発されたカリキュラムに基づく訓練コースのチラシ

(2)ものづくりの現場に求められる能力を身につけることのできる職業訓練の実施

国は、全国ネットワークによるスケールメリットをいかしたカリキュラム作成や、職業訓練指導員養成により、全国規模でものづくり現場の動きを踏まえた訓練水準の維持・向上を図り、企業において真に必要とされる職業訓練を実施している。

カリキュラムの作成については、成長が見込まれる環境・エネルギー分野における訓練カリキュラム開発を行っており、例えば、木造住宅や電気設備に関する知識、電気工事に関する技能を有し、創エネ、省エネ設備の施工等の技能・技術を習得する「スマートエコシステム科」のカリキュラムを開発し、それに基づいた職業訓練をポリテクカレッジ等で実施している。

指導員の養成については、職業能力開発総合大学校において指導員の技能向上を図る指導員技能向上訓練(スキルアップ訓練)を実施している。この訓練の目的は、全国のポリテクセンターやポリテクカレッジ、都道府県の職業能力開発校の訓練指導員を対象に、専門分野における先端的な技術・技能や民間教育訓練機関への援助のノウハウの習得等を可能とすることである。本訓練は、2012年度から段階的に対象人員を拡大するとともに、全国8ブロックに出向いてスキルアップ訓練を実施する出前型訓練も実施している。また、2014年度からは、指導員候補として採用された者及び指導員になろうとする者であって、一般工科系大学の卒業者や民間企業等の技能技術経験を有する者等、即戦力となり得る多様な経歴の人材に対して、それぞれが有する知識、技能、経験に応じて指導員として不足する能力を付与することにより、指導員の質の確保を図り、短期間で指導員を育成する新たな指導員養成訓練(ハイレベル訓練)も実施している。これらにより、全国どの地域でも専門分野における先端的な技術・技能等を身につけた職業訓練指導員による職業訓練を受けることができる体制となっている。

さらに、地域のものづくり企業における生産現場のリーダーを育成するため、ポリテクカレッジにおいて、事業主が雇用する従業員を推薦する入校試験制度を設け、ポリテクカレッジの高度なものづくり人材を育成する教育訓練により、中小企業等の人材育成の支援を行う「事業主推薦制度」を実施している。

コラム:ポリテクカレッジを活用した現場リーダーの育成

富山市に本社を置く総合機械メーカーの(株)不二越は、「企業は人なり」との企業理念の下、社員の個別育成計画を作成し、多様な人材育成プログラムを提供している。2014年度からは、入社して4~5年目の若手社員数名を選抜し、北陸能力開発大学校(ポリテクカレッジ)の生産機械システム技術科(応用課程)に2年間国内留学させている。

ポリテクカレッジでは、異なる専門分野の学生がグループで課題を解決していくことを通じて、生産現場に密着した製品の企画開発から製作までのプロセスを体験し、将来現場のリーダーとなるような人材を育成している。ポリテクカレッジの学生にとっても、製造現場で就業経験のある社員とともに課題に取り組むことで、コスト意識なども身につき、双方にとってメリットのある取組だ。

(株)不二越の戸田人事部人材教育部長は、「ポリテクカレッジで、理論と実践を身につけることが社員の刺激になっているので、今後も毎年数名ずつ送り出したい。将来リーダー的な存在として会社で活躍してくれることを期待している。」と話している。

写真:(株)不二越における作業風景

(3)産業界や地域の訓練ニーズを踏まえた訓練分野の効果的な見直し

機構の職業能力開発総合大学校において、企業の人材ニーズを把握するための調査を実施しており、それを踏まえ、ポリテクセンターやポリテクカレッジの訓練カリキュラムの見直しを行っている。また、技術革新等に対応した職業訓練を実施するため、PDCAサイクルにより、訓練コースの見直しを実施している。例えば、2014年度の離職者訓練コースの設定に当たり、機構の2013年度の訓練コースのうち44.4%の訓練カリキュラムの見直しを実施している。具体的には、近年の環境配慮のニーズ等に応えるため、「工場管理技術科」のカリキュラム内容に、工場設備の効率的な稼働による省エネルギー化やエネルギーマネジメントに関する技能・知識を習得する訓練内容を盛り込む変更を実施した。

2.民間で実施する職業訓練の向上に向けて

(1)民間企業自らが実施する職業訓練

厚生労働省「能力開発基本調査」(2014年度)によると、人材育成に関して問題点があると回答した事業所は、全体の約8割(75.9%)となっており、製造業では、全体よりも高い78.6%となっている。人材育成に関する問題点としては、「指導する人材が不足している」、「人材育成を行う時間がない」等に加え、「育成を行うための金銭的余裕がない」が挙げられている。また、企業規模、事業所規模が小さいほど、人材育成に関する問題点として「育成を行うための金銭的余裕がない」とする事業所が多くなっている。

このため、職業訓練等を段階的かつ体系的に実施する事業主に対して助成する「キャリア形成促進助成金」を設け、企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進を図っている。2015年4月からは製造業等が実施する大臣の認定を受けた一定のOJT付き訓練を行う事業主及び事業主団体等に対して助成を行うものづくり人材育成訓練のコースを設けるとともに、熟練技能を承継するための訓練や若年人材を育成するための訓練に対する助成対象の拡充を行った。

コラム:三位一体教育で若手技術者の育成を目指す

シグマ㈱が目指している24時間無人稼働ラインには電気制御とロボット制御が出来るシステムエンジニアの育成が欠かせない状況である。特に、人の代わりに作業をするロボットの制御技術者の育成が必要となっている。

シグマでは、「本人・上司・会社」の力を一つにして三位一体教育を進めており、その中で、入社1年~2年目の新人技術者には、年2回の先輩面談を実施している。

新人技術者の不安や悩みを少しでも解消できるよう、先輩は話しやすさを考慮して他部署の年の近い入社3年~5年の若手技術者に担当させている。

また、これからは、新人技術者の育成を担当する若手技術者の教育にも力を入れることが必要となっている。

そこで、若手技術者にも十分な教育を行うために活用したのが「キャリア形成促進助成金」の「若年人材育成コース」。

若手プログラム技術者育成フローチャートを作成し、ロボット技術に必要な電気・電子・プログラム技術を学習しながら実践と改善を繰り返し、改善がうまくいけば現場に投入することで、教育と実践を組み合せた若手技術者の育成に取り組んでいる。

写真:作成したプログラムを実行しながら、ロボットの動作確認をする若手技術者

また、「能力開発基本調査」によると、正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所の割合は62.2%、正社員以外に対して計画的なOJTを実施した事業所の割合は31.1%と、正社員に比べ、正社員以外の者に対するOJTの実施割合が低くなっている。このため、非正規雇用の労働者に対してキャリアアップの取組を行う事業主に対して助成する「キャリアアップ助成金」を設け、非正規雇用の労働者の企業内のキャリアアップを促進している。具体的には、非正規雇用の労働者に対し、職業訓練、有期実習型訓練などを行った事業主に対し助成を行う人材育成コースを設け、企業内での人材育成を支援している。

(2)事業主団体等が実施する認定職業訓練

事業主や事業主団体等の行う職業訓練のうち、教科、訓練期間、設備等について厚生労働省令で定める基準に適合して行われているものは、申請により訓練基準に適合している旨の都道府県知事の認定を受けることができる。この認定を受けた職業訓練を認定職業訓練という。

認定を受けることの主なメリットとして、中小企業事業主等が認定職業訓練を行う場合、国や都道府県が定める補助要件を満たせば、国及び都道府県からその訓練経費等の一部につき補助金を受けることができる。また、認定職業訓練の修了者は、技能検定を受検する場合又は職業訓練指導員の免許を取得する場合に、有利に取り扱われる。

認定職業訓練の2013年度の訓練生数は約23万人となっており、金属・機械加工関係等のものづくり分野でも認定職業訓練は多く実施されている。

コラム:認定職業訓練校における建築板金技能者の育成

東京都板金高等職業訓練校は、優れた建築板金技能者を育てることを目的に設立された。当訓練校は、60年以上の長い歴史を誇り、これまで1,500人以上の卒業生を輩出している伝統ある職業訓練校である。

建築板金は、屋根、雨樋、厨房用金物や工芸品、寺社仏閣の飾り金物といった製品の製作、設置など活躍の場は様々である。当訓練校では、「実学一体訓練」という基本方針に基づき、まずは基本となる技能と知識を習得することにより、板金の形状の複雑化や主原料の多様化という板金を取り巻く大きな環境変化にも対応できる技能者の育成を目指して、職業訓練を行っている。

写真:集合実技作業風景

(3)訓練の質の向上に向けて

2014年度は、公共職業訓練と求職者支援訓練のうち、約8割を民間教育訓練機関が担っており、民間教育訓練機関の訓練の質の向上は喫緊の課題である。厚生労働省では、2011年12月に「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン」を策定し、訓練の質の向上のため、同ガイドラインの普及・定着に向けて、全国で民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン研修を実施している。ものづくり訓練を実施している民間教育訓練機関は少ないものの、企業内での訓練や、認定職業訓練でも同ガイドラインが活用されることが望まれる。

3.社会的に通用する能力評価制度の構築

働く者の能力開発や評価をより的確に行っていくためには、企業が求める職務や人材像を能力要件として具体的に示すとともに、労働者も企業が示す能力要件に照らして不足している職業能力の開発・向上を図ることができるような、双方をつなぐ「共通言語」が求められている。

(1)技能検定制度

技能検定は、労働者が有する技能を一定の基準に基づき検定し公証する制度であり、ものづくり労働者を始めとする労働者の技能習得意欲を増進させるとともに、労働者の社会的地位の向上に重要な役割を果たしている。

技能検定は、厚生労働大臣が、政令で定める職種ごとに、厚生労働省令で定める等級に区分して実技試験及び学科試験により行っており、合格者は「技能士」と称することができる。

技能検定の職種は、2015年4月1日現在、128職種であり、製造業における中心的な検定職種(機械保全職種、電子機器組立て職種等)については、特に工業高校生の受検が過去5年間で急増している。2013年4月1日からは、エントリーレベルの3級の受検資格を緩和したところであり、今後とも、技能検定の受検勧奨等を通じた普及拡大を図っていくことにより技能習得に取り組む若年者が増えることが期待されている。

本制度は1959年度から実施され、2013年度には全国で約72万人の受検申請があり、約28万人が合格している。技能検定制度開始からの累計では、延べ約547万人が技能士となっている。

なお、2015年度において、産業活動の高度化や労働市場ニーズに即応した技能検定のアップデート、活用促進の総合的取組を推進する「技能検定集中強化プロジェクト」を実施することとしている。

また、2014年8月から、今後需要の増加が見込まれる航空機関連の人材(製造技術者等)の育成等に関して、航空会社等民間の組織から構成される「航空機整備士・製造技術者養成連絡協議会」が開催されており、厚生労働省も関係省庁として航空機製造技術者の育成における技能の評価・認定方法等の分野で連携協力をしている。

コラム:技能検定は道を切り拓くスタート地点

大田区にある日進精機(株)は、1957年創業以来、経験と実績、情熱を重ねて磨き上げてきた技術を駆使し、超精密金型の製造に注力。高い精度を追求するとともに、他では真似できないハイテク加工の金型を造ることが強みの一つで、国内外から高い評価を得ている。中でも自動車のリアランプや自転車、道路の反射鏡などに使用されているリフレクターを製作する金型では、独立系金属メーカーとしては世界でも数社しかない技術を有するトップメーカーとなっている。

同社は海外進出に当たり、他社との差別化を図るため、高度な技能を必要とする製品も海外工場で生産できる人材育成に力を入れ、日本から若手技能者を現地工場へ派遣し、共に作業しながら指導、育成することを徹底してきた。その中で技能士の多くは、海外工場における人材育成の「指導者」として活躍しており、取締役相談役の加藤忠郎氏は「早ければ20代から責任ある立場として海外工場に派遣されていますから、そこでまた成長し、さらに活躍の場を広げています。」と話す。

金型業界の企業の多くが作業の分業化を進める中、同社は「技能検定を受検することは、総合的な勉強をすることができる良い機会。」と捉えている。「金型製作職種の技能検定は、試験の内容が網羅的です。専門分化している現状に合わせた内容に変えてはという声もありますが、専門分化が進んでいるからこそ、逆に、総合的な知識を問う必要があるのではないかと考えています。」と加藤氏は話す。多能工を育てる観点からも、技能検定は活用されている。

同社では、工場内の壁に技能検定合格者の名前を掲示している。「頑張って仕事に励んでいる人が国家検定に合格した。」ということを社内に広め、他の従業員を奮起させるとともに、商談や工場見学に訪れたお客様に自社の技能・技術力の高さをアピールする目的もあるという。「さらに今後は技能検定の受検に積極的に取り組んでいくことにします。」と加藤氏は話す。同社は世界に通じる技能・技術力をパワーアップし、さらなる躍進を目指している。

写真:フィリピン工場指導風景

写真:日進精機タイ工場

 

(2)職業能力評価基準

職業能力評価基準は、職業能力を客観的に評価する能力評価のいわば「ものさし」となるよう、業界団体との連携の下、詳細な企業調査による職務分析に基づき、仕事をこなすために必要な職業能力や知識に関し、担当者から組織や部門の責任者に必要とされる能力水準までレベルごとに整理し体系化したものである。

業種横断的な経理・人事等の事務系9職種のほか、電気機械器具製造業、自動車製造業、金属プレス加工業等製造業・建設業を含む業種別に策定しており、2014年度末現在、53業種が完成している。

4.若者のものづくり離れへの対応

(1)ポリテクカレッジを始めとする学卒者訓練

全国のポリテクカレッジや都道府県の職業能力開発校では、高等学校卒業者等に対し、ものづくり分野を中心とした学卒者訓練を実施している。例えば、ポリテクカレッジでは、高等学校卒業者等を対象に、機械加工や機械制御の専門的技術・技能を習得する「生産技術科」等において、高度な知識と技能・技術を兼ね備えた実践技術者を育成し、さらにその修了生等を対象とした「生産機械システム技術科」等において、製品の企画・開発や生産工程の構築・改善・運用・管理等に対応できる生産現場のリーダーを育成し、ものづくり産業を担う企業へ送り出している。

また、ポリテクカレッジでは、若年者に対する実践的な技術教育を充実させるため、工業高校等との間で、職業訓練指導員の派遣や、教育訓練の実施などの連携を行っている。

2014年度のポリテクカレッジの訓練生は約6千人、都道府県の職業能力開発校の訓練生(学卒者訓練)は約1万6千人である。

コラム:ポリテクカレッジと工業高校等との連携例

東海ポリテクカレッジ(岐阜県揖斐郡)では、若者のものづくり離れによる産業人材不足の対策として、大垣市が実施する「ものづくり名工塾事業」に協力しており、地元の高校生を対象とした「工業高校講座」に参加した11名に対し、3日間の設計・加工・成型・測定までの金型製作講座を開催した。

ポリテクカレッジ新潟(新潟県新発田市)では、地元高校からのインターンシップの受け入れ要請に応え、電子情報工学科7名、建築工学科4名、機械工学科3名の計14名を受け入れて、ポリテクカレッジの実習カリキュラムにより、生徒の進路意識の啓発を行い、勤労観・職業観を醸成した。

東北ポリテクカレッジ(宮城県栗原市)では、高校生ものづくりコンテスト上位入賞を目指し、マイコンプログラムを指導できる教員養成を行っている高等学校工業教育技術研修会(主催:宮城県教育委員会)に協力しており、宮城県内の工業科目担当教諭8名に対し、「組込み技術」をテーマとした講座を開催した。

写真:マシニングセンタ実習風景

写真:高等学校工業教育技術研修会風景

 

(2)若年者への技能継承とものづくりの魅力発信

若者のものづくり離れが見られる中、ものづくり分野において長年培われた技能の継承が重要である。

このため、2013年度から、ものづくり分野で優れた技能、豊富な経験等を有する熟練技能者を「ものづくりマイスター」として認定注9し、若年技能者等に対する実技指導を行っている(「ものづくりマイスター」制度)。実技指導は、若年技能者の人材育成を行う企業、業界団体、教育訓練機関にものづくりマイスターを派遣して実施している。この実技指導は、職種に必要な様々な技能の要素が盛り込まれた課題(技能競技大会の競技課題、技能検定の実技課題)を用いている。

また、2015年度から、各中小企業・学校等の実技指導ニーズに応じ、より広域的な活動を促すとともに、ものづくりに適性のあるフリーター等の若者向け実技指導方法等の開発・活用を進めるなど、ものづくり産業・技能の魅力発信の取組を一層強化することとしている。

注9 2014年度末現在 認定者数(累計値)5,564人

コラム:ものづくりマイスター制度の実例
【長野県岡谷市の企業における仕上げの実技指導】

実技指導の概要

1 日程 10日間

2 場所 要請企業の作業場

3 受講者 3名

4 内容 技能検定3級レベルの仕上げ(やすりがけ)基礎訓練

5 指導者 ものづくりマイスター(仕上げ)1名

企業からの声

受講者たちが実技指導の受講後に技能検定を受検したこともそうだが、キャリアのあるものづくりマイスターの、ものづくりに対する姿勢や考え方に触れられたことが大きなプラスになった。生産のいろいろな過程に自分たちがどう工夫して関わるのか、また、自分の手を実際にどのように動かすかによって、正しい寸法が出たり出なかったりすることから、人の手仕事の凄さを体感することができ、受講者たちの考え方が変わって頼もしくなったと感じている。

受講者からの声

・現場で使う機械はやすりより抵抗があるので、いかに抵抗を少なく早く加工するかを考えるようになって、作業効率が上がったと思う。

・以前は意識しなかった「精度良く」ということを考えるようになった。

・ものづくりマイスターの技能を間近に見て凄さを感じ、「職人になりたい」と目標が明確になった。職人さんから直接、丁寧に教えてもらえるめったにない機会だと思う。

ものづくりマイスターの感想

今回の訓練は「仕上げ」という限定的な作業だったが、受入先から普段の仕事につながるような指導をお願いしたい旨の要望があったため、今回の受講者が普段どういう仕事をしているのかを予め聞き取った上で指導を行った。

受講者には新しいことへのチャレンジだったが、意欲的に取り組んでいただき、右肩上がりで力が伸びていった。また、今回の実技指導を仕事に活かそうという意気込みが伝わって非常に良かったと思う。

写真:指導風景

写真:指導風景

 
コラム:優れた技能を確かに伝承する「厚生労働省ものづくりマイスター」のシンボルマークを決定

厚生労働省では、「厚生労働省ものづくりマイスター」(以下「ものづくりマイスター」という。)のシンボルマークを公募により決定した。

ものづくりマイスターとは、優れた技能と豊富な経験などを兼ね備えた製造・建設分野の技能者が、若者に実技指導等を通じものづくり産業や技能の魅力を発信し、ものづくり分野の人材確保・育成を推進する取組である。

シンボルマークは、ものづくりマイスターの認知度を向上させ、活動しやすい環境を作り出すとともに、ものづくりマイスターに誇りと使命感をもって活動してもらうことを目的として定めたものであり、今後は、決定したシンボルマークを、ものづくりマイスターが実技指導する際の腕章やワッペンなどに使用し、ものづくり分野の認知度向上などに役立てていくこととしている。

[決定したシンボルマーク]

■デザインの趣旨 (応募書類より抜粋)

「継承される技能」

 ものづくりマイスターの「M」の字をモチーフに、2人の技能者を表しています。

 左側は手を動かし研鑽を積んで成長している若年技能者、右側はものづくりマイスターを表しています。

(3)ものづくりの魅力発信

若年者が進んでものづくり技能者を目指すような環境を整備するために、ものづくり技能者の社会的評価の向上を図ることや、子供から大人までの国民各層において、社会経済におけるものづくり技能の重要性について広く認識する社会を形成することが重要である。

また、ものづくりは、日本ならではの伝統や文化と密接に結びついている面も大きい。このようなものづくりのブランド性を高め、技能の継承に社会的な光を当てていく観点からも、様々なものづくりの魅力発信の取組が求められている。

広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、もって技能者の地位及び技能水準の向上を図るとともに、青少年がその適性に応じて誇りと希望を持って技能労働者となってその職業に精進する気運を高めることを目的として、卓越した技能者(現代の名工)を表彰している。被表彰者は、次のすべての要件を満たす者のうちから厚生労働大臣が技能者表彰審査委員の意見を聴いて決定している。

<要件>

①きわめて優れた技能を有する者

②現に表彰に係る技能を要する職業に従事している者

③技能を通じて労働者の福祉の増進及び産業の発展に寄与した者

④他の技能者の模範と認められる者

コラム:2014年度の現代の名工の紹介
卓越した金属切削加工技能を有し、その技能と心を後進に伝える、金属機械加工の第一人者

塩﨑 秀正氏 (55 歳) フライス盤工【(株)デンソー技研センター】

塩﨑氏は、フライス盤作業に関して、図面を見て瞬時に加工工程を立案し、歪を抑え2μmの精度を実現する卓越した加工技能を有する。他職種の技能を積極的に習得し幅広い技能を身に付け、「マルティプルトランメルギヤ機構倍速装置」等の小型装置を多数開発した。技能五輪全国大会優勝の実績を持ち、指導者としても多数の優勝者を育成している。また、中央技能検定委員、国際大会役員等を歴任して技能振興、後進の育成に貢献している。

今回の受賞について、「この度、このような賞をいただくことができたのも、諸先輩方を始め会社の皆様のおかげだと心より感謝しています。今後も更なる研鑽を重ねるとともに、今まで受け継いだ技術・技能を後輩たちに伝えることが私の使命であると考えています。技術、技能には限界がありません。一人一人の個性を認め、「基本を大切に、自ら取り組むことができる創造力豊かな人材」を一人でも多く育成していきたいと思います。」と語っており、今後の一層の活躍が期待される。

写真:フライス盤でボーリング加工をする塩﨑氏

写真:マルティプルトランメルギヤ機構倍速装置

 
立体補正を長年追究することで、動きにより生じた癖に対応し、計算し尽くされた補正を施し、着心地のいい、すっきり、ほっそり見える服づくりを実現

中村 初代 氏 (64 歳) 婦人・子供服注文仕立職【Yuki Nakamura ROYAL DRESS】

中村氏は、服装解剖学を基に独自の研究による仮縫いを、『立体補正』と名づけ、体型別に膨大な事例のデータを分析整理し、体型別数値を算出することにより、癖により生じた不対称な歪にも対応し、適度な運動量を考慮した着心地のいい服づくりを実現した。また、国内外で発表した作品は数々の賞を受賞、国際高級注文洋服業者連盟主催のアジア大会では、最も名誉のある「終身成就奨」を受賞するなど、世界服装業界において高く評価されている。その他、県下のデザイン科の学生を対象にしたヤングデザインコンテストの審査・指導員として次世代育成にも寄与している。

今回の受賞について、「名誉ある賞を受賞できて大変嬉しい。今後も喜ばれる服作りに励みつつ、後進の育成に尽力していきたい。」と語っており、今後の一層の活躍が期待される。

写真:着心地を追究するために行う立体補正をする中村氏

写真:2013年韓国ソウル世界大会出品作品

 

また、子供から大人まで国民各層で技能尊重の気運を醸成し、ものづくり人材の育成の重要性が再認識されるよう、以下の大会等を開催している。

①技能五輪国際大会

青年技能者(満22歳以下)が国際的に技能を競うことにより、参加国・地域の職業訓練の振興及び技能水準の向上を図るとともに、青年技能者の国際交流と親善を目的とした大会である。1950年に第1回が開催され、現在は原則2年に1回開催されており、我が国は1962年の第11回大会から参加している。

直近では2013年7月にドイツ・ライプツィヒで第42回大会が開催された。日本選手は、40職種の競技に参加した結果、「情報ネットワーク施工」「自動車板金」「電工」「ITネットワークシステム管理」「プラスティック金型」の5職種で金メダルを獲得したほか、銀メダル4個、銅メダル3個、敢闘賞18個の成績を収めた。金メダル獲得数の国・地域別順位は、韓国(12個)、スイス(9個)、チャイニーズタイペイ(6個)に次ぐ、第4位であった。

また、次回第43回大会は2015年8月にブラジル・サンパウロでの開催を予定しており、日本からは40職種45名の派遣を予定している。

②国際アビリンピック

障害のある人々が職業技能を競い合うことにより、障害者の職業的自立の意識を喚起するとともに、事業主や社会一般の理解と認識を深め、さらに国際親善を図ることを目的として開催されている。

第1回国際アビリンピックが1981年に東京で開催されて以来、おおむね4年に1度開催されており、直近では2011年9月に韓国ソウルで第8回が開催された。

③技能五輪全国大会

国内の青年技能者が競技職種ごとに技能レベルを競うことにより、青年技能者に努力目標を与えるとともに、技能を身近に触れる機会を提供するなど、広く国民一般に対して技能の重要性、必要性をアピールし、技能尊重気運の醸成を図ることを目的として、1963年から毎年開催している。

第52回技能五輪全国大会は、2014年11月に愛知県との共催で開催し、全41職種の競技に全国から過去最多1,200人の選手が参加した。

コラム:技能五輪について(第52回技能五輪全国大会優勝者インタビュー)

自動車板金職種:清水拓摩選手(トヨタ自動車株式会社)

「自動車板金」について

 【「自動車板金」の魅力について教えてください。】

 鉄板を手加工のみで成形し、この世で唯一の車体を造れる事。

 【「自動車板金」において、最も必要と考える技能は何ですか。】

 鉄板を思い通りに変形させる、ハンマーさばきと金敷きや木臼等の工具を使いこなす技能。

技能五輪全国大会について

 【本大会を目指すようになったきっかけは何ですか。】

 技能五輪選手だった先輩に憧れ、自分もチャレンジしてみたいと思った。

 【本大会に向け、どのような練習(訓練)をどのくらいの期間実施しましたか。】

 年間を通して、全国大会課題製作に必要とされる技能の反復訓練。

 課題が公表されてからは、弱点要素の克服訓練と全国大会を模擬したタイムトライアルの反復訓練。(全国大会3回出場)

 【本大会を目指す過程で嬉しかった、または苦労したことは何ですか。】

 (嬉しかったこと)自分の思い通りの作業で製品を形にできた時。

 (苦労したこと)頭では理解しているがなかなか形にできない期間が続いた時。

 【本大会に参加して有意義だったことは何ですか。】

 同じ目標を持つ同年代の方と技能を競えた事、絆を築けた事。

 【本大会での優勝経験を今後どのように活かしていきたいとお考えですか。】

 技能五輪で培った『心・技・体』を最大限発揮し、職場に貢献する。

 また、技能五輪を目指す後輩に自分の想い・技能を伝承していく。

技能五輪国際大会について

 【今大会優勝により、2015年8月にブラジル・サンパウロで開催される「第43回技能五輪国際大会」の日本代表選手に選抜されましたが、国際大会への意気込みについてお聞かせください。】

 日本の高度な技能を魅せつけ、大会3連覇を必ず勝ち取る!

写真:自動車板金職種の課題に取り組む清水選手

④全国障害者技能競技大会(アビリンピック)

障害のある方々が日頃職場等で培った技能を競う大会であり、障害者の職業能力の向上を図るとともに、企業や社会一般の人々に障害者に対する理解と認識を深めてもらい、その雇用の促進を図ることを目的として開催している。第35回大会は、第52回技能五輪全国大会と併せて開催され、332名の選手が参加して、「コンピュータープログラミング」、「電子機器組立」、「木工」等のものづくり技能を含む24の種目について競技が行われた。

コラム:アビリンピックについて

2014年度は、11月21日から11月23日までの3日間にわたり、愛知県において第35回全国障害者技能競技大会が開催された。

第35回大会は、第9回国際アビリンピック(2016年3月にフランスにて開催)派遣選手選考のための大会としても位置付けられており、技能競技24種目が実施され、このほかに雇用拡大が期待される「クリーニング」、「フォークリフト操作」の2職種による技能デモンストレーションが実施された。

会場では、第35回アビリンピックの開催に併せて、障害者の職業能力及び雇用に関わる展示、実演、作業体験などを行う複合的なイベントである「障害者ワークフェア2014」も同時開催され、盛大な大会となった。

写真:電子回路接続種目競技風景(第35回大会)

写真:縫製種目競技風景(第35回大会)

 

⑤技能グランプリ

特に優れた技能を有する1級技能士等が参加する技能競技大会であり、技能士の技能の一層の向上を図るとともに、その熟練した技能を広く国民に披露することにより、その地位の向上と技能の振興を図ることを目的として、1981年度から実施しており、近年は2年に1度開催している。直近では、2015年2月に千葉県を主会場として開催した。

コラム:技能グランプリについて(第28回技能グランプリ優勝者インタビュー)

表具職種:河村律子選手(株式会社静好堂中島)

「表具」について

 【「表具」の魅力について教えてください。】

 一生勉強できる終わりがないところです。「表具」と一言で言っても、襖、壁装など日常生活に密着した実用的な分野や、掛軸、額装、屏風、巻物などの美術工芸的なもの、高度な技術と豊かな経験が要求される古美術の修復まで、非常に幅が広いものです。

 ただ、技術を身につけただけでは良いものは作れないと思います。

 自己の感性、美意識、歴史の中で培われた技術、あらゆる要素を必要とする表具に、魅力を感じます。

 【「表具」において、最も必要と考える技能は何ですか。】

 表具には多くの技能が必要ですが、表具だけに言える事でなく、全てのものづくりは、人間性が必要だと思います。技術技能を養い、デザイン、材料を工夫して、いいものを作りたいのは皆同じだと思います。人の手で作ったものは、姿、仕上がりの美しさ、そういったものを超越した、観る人の心を動かすところがあります。それは、つくり手の人間性が間接的にそのものに現れる、そこに価値があるのだと思います。

技能グランプリについて

 【本大会を目指すようになったきっかけは何ですか。】

 皆がおしてくれた事と、技術を身につけたいと思った時、グランプリの課題に多くの勉強価値があると思ったからです。

 【本大会に向け、どのような練習(訓練)をどのくらいの期間実施しましたか。】

 大会出場を決めたのが二年前です。最初の一年間は部分練習、ラスト一年間は通し練習をしました。二年間、通常の仕事は仕事で一日働き、毎晩仕事が終わって、夜が練習時間でした。仕事のお休みは日曜日しかないので、日曜日は全て一日練習にあてました。

 【本大会を目指す過程で嬉しかった、または苦労したことは何ですか。】

 嬉しかった事は、技術的にできなかった事が、日々の練習で出来るようになった事、多くの方に応援してもらった事です。苦労した事は、練習すればするだけ経費がかかり、生活が苦しくなった事と、一日の仕事だけでもくたびれるところを、毎晩集中して練習するために、体力回復に苦労しました。

 【本大会に参加して有意義だったことは何ですか。】

 多くの経験、失敗が全て自分のものになった事と、たくさん方の応援、協力の中で頑張れた事、またたくさんの方と知り合いになれた事、これから一生学んでいくための基盤が出来た事です。

 【本大会での優勝経験を今後どのように活かしていきたいとお考えですか。】

 これからもっとたくさんの経験と失敗を繰り返して、成長していきたいです。一生懸命努力する、その努力を継続する、それが自分の中で財産になっていると改めて感じました。まだまだ人に教えられる立場ではないので、もっともっと勉強していきたいです。その頑張りが、後輩だったり周りの方のささやかな支えになったら、どんなに嬉しいか、とも思います。

写真:表具職種の課題に取り組む河村選手

⑥若年者ものづくり競技大会

若年者のものづくり技能に対する意識を高め、若年者を一人前の技能労働者に育成していくためには、技能習得の目標を付与するとともに、技能を競う場が求められる。このため、職業能力開発施設、認定職業訓練校、工業高校等において技能を習得中の20歳以下の者を対象に毎年「若年者ものづくり競技大会」を開催している。

さらに、2013年に創設した若年技能者人材育成支援事業において、地域における技能振興に係る取組の促進を図ることとし、都道府県単位で、地域関係者の協力を得て、各種講習会等を実施している。

コラム:若年者ものづくり競技大会(大会参加校(栃木県立県央産業技術専門校)へのインタビュー)

2014年度に第9回を迎えた本大会だが、11人の選手と全国でみても数多くの選手を参加させている栃木県立県央産業技術専門校は、大会へ向けた取組を通じて学生の技能向上や人材育成を図っている。

ものづくりの魅力について

 【ものづくりの魅力について教えてください。】

 自分のイメージで創造した物を、様々な方法を考え、試していくことにより、ひとつの製品として形にしていくこと。また、その形となった物がいろいろな場所で人々の生活に役立っていると実感できること。

 【ものづくりに携わるに当たって、最も必要と考えることは何ですか。】

 まず、「ものづくりを好きになる」ということからはじまり、物事を成し遂げるためのチャレンジ精神や、自らの技能に対する向上心を持ち、継続して努力を続けていくことが重要であると考えています。

若年者ものづくり競技大会について

 【本大会に学生を出場させるようになったきっかけは何ですか。】

 学生の訓練意欲の高揚と技能・技術レベルの向上を図るとともに、技能向上等の雰囲気づくりのひとつとなり、学生間で切磋琢磨することによる学生全体の技能レベルの向上を図るため出場しました。

 【本大会に向け、どのような練習(訓練)をどのくらいの期間実施しましたか。】

 参加する職種により練習内容や練習期間は異なりますが、旋盤職種であれば、過去の課題や事前に公表された課題の工程を研究しながら、約4ヶ月間授業や放課後を利用して繰り返し練習しています。

 【本大会に出場する学生をどのように選定していますか。】

 出場意欲の向上につなげるため全員が参加できる校内技能競技大会や1年次における実習の成績と、本人の全国レベルの競技大会に対する参加意欲を基準に校内で候補選手を選抜し、その中から本大会に出場する選手を選考しています。

 【本大会に参加することは、学生や学校にとってどのようなメリットがあるとお考えですか。】

 大会出場という目標に対し、学生全員が生き生きと頑張るようになるだけでなく、選手以外の学生もサポーターとして選手が活躍できるよう課題研究等に協力することにより、クラス全体の技能レベルの向上を図るとともに協調性を育むことができます。

 また、若年者ものづくり競技大会などの全国レベルの競技大会に参加することにより、指導する側の指導力向上を図ることができるとともに、本校で技能を習得したいという学生が増えていくことができるなどのメリットがあると考えています。

 【本大会への参加について、学校としての今後の課題や抱負をお聞かせください。】

 競技大会への参加を通じて得た優れた技能・技術を日常の訓練にフィードバックし、訓練科全体としてさらにレベルの向上を図るよう今後も継続して参加し、より高い目標にチャレンジしていきたいと考えています。

(4)地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳から39歳までの若者に対し、キャリア・コンサルタント等による専門的な相談、コミュニケーション訓練等によるステップアップ、協力企業への就労体験等により、就労に向けた支援を行っている。

サポステは、厚生労働省が認定した全国の若者支援の実績やノウハウのあるNPO法人、株式会社等が実施しており、2014年度は全国160か所に設置されている。

サポステでは、①一人一人に応じた専門的な相談やコミュニケーション訓練、②学校と連携した中退者支援等を行うとともに、③職場体験等により就労に向けた支援を実施している(地方自治体と協働し、若者支援のノウハウを有するNPO法人等が実施している。)。

また、一部のサポステでは、2013年度から合宿形式を含む生活面等のサポートと職場実習の訓練を集中的に実施する若年無業者等集中訓練プログラム事業を実施している。

さらに、2015年度からは、ニート支援の拠点としてハローワークとの連携を強化するとともに、これまで一部のサポステでのみ実施していた職場定着の支援を全国展開するなど、職業的自立に向けた就労支援の強化を図ることとしている。

コラム:地域若者サポートステーションにおけるものづくり体験の取組

しずおか東部若者サポートステーションでは、「ものづくり」は様々なスキルの基本と考え、職業体験に積極的に取り組んでいる。

しずおか東部若者サポートステーションの拠点ビル内には自動車関連の部品を製造している事業所が入っており、職場体験を通じてものづくりのイロハを教えて頂いている。

また、2014年度には初めての試みとしてものづくりマイスター制度を活用し「タイル張り」や「木型製作」の基本を楽しい雰囲気の中教えて頂き支援対象者に好評を博した。

日常生活では、第三次産業等とは異なり目に触れる機会が少ないものづくりを見学・経験し興味関心を抱く若者は非常に多く、2014年度は就労決定者160名中60名(38%)の若年無業者が「ものづくり」への就労に至った。

今後もものづくり体験を重要視し、若年無業者の就労支援を実施していく。

写真:職場体験風景

5.女性技能者育成の支援

製造業の女性就業者数は、1990年代半ばをピークに減少し、製造業就業者に占める女性比率は30%程度であり、全産業の女性比率に比べ10%以上低くなっている。しかしながら、労働力人口が減少する中においては、ものづくり分野における女性技能者の育成は重要な課題となっている。

(1)女性に対する製造業の魅力の発信

女性を含め広く国民一般にものづくり産業・技能の魅力を伝えるため、技能競技大会の開催等に取り組むとともに、2014年度から、公共職業訓練の受講を希望する女性を対象とした体験入学や女性訓練受講生による体験談を話してもらう機会を新たに提供しているほか、女性向けのHPを設けている。

(2)女性のものづくり分野への入職促進・定着促進

女性がものづくり分野に就職し、定着できるよう、産業デザインやITなども活用した女性向けのものづくり分野コースを開発・実施するとともに、出産等により一旦離職した女性の再就職支援として、職業訓練の受講を促進するために職業訓練受講中の託児サービスを拡充する等の女性のライフステージに対応した能力開発支援に取り組んでいる。

コラム:ものづくり分野における女性の活躍促進

製造業などのものづくり分野での女性の就業を促進するため、公共職業訓練においても女性向けの広報を強化している。例えば、2014年度から、ポリテクカレッジのホームページにものづくり関連企業で活躍しているポリテクカレッジの女性修了生や現役の女子学生などを紹介した「能開大女子(ポリジョ)の部屋」を開設した。(http://www.jeed.or.jp/js/kousotsusya/polytech_co/poly_jo/index.html)

また、ポリテクセンター福井においては、女性が受講しやすい訓練内容を検討し、企画・設計から加工、検査までものづくりの一連の流れを理解し、製造の現場をサポートできる社員を目指す「CAD・ものづくりサポート科(煌めき女性コース)」を女性専用科として2014年10月から開始した。受講生のAさんは「和気藹々とした良い雰囲気で、何でも相談しやすい環境です。CADは未経験でしたが、受講生同士で教え合ったり、訓練後に残って自習したりしながら、就職に必要な技能を習得するために訓練に励んでいます。」、受講生のBさんは「熱心に教えてくれる指導員のもとで、前向きに訓練に取り組んでいます。」と話している。

写真:CAD・ものづくりサポート科受講風景

 
コラム:ポリテクカレッジの女子学生の声

関東ポリテクカレッジ 生産技術科1年 宮田 真希さん

 【なぜこの学校を選んだのですか。】

 中学生の頃からものづくりに興味があり、高校卒業後は工学系への進学を考えていましたが、やはりものづくりに携わりたいと考え、この学校に決めました。

 【現在どのような勉強をしているのですか。】

 私が在籍する科では、CAD(Computer Aided Design)注10ソフトを使用して製図をしたり、機械を使って金属素材を加工したりしています。

 また、若年者ものづくり競技大会への出場を目指しています。

 【勉強での楽しみはなんですか。】

 例えば図面の作製ですと、どうしたらわかりやすく描けるかなどを考え、自分ではわからない部分は講師の方に教えてもらい、見やすくできた時にはやりがいとともに達成感を感じます。

 【将来や今後の目標はなんですか。】

 将来は、設計者になって社会に貢献したいと考えています。

 【高校生やこれから入学してくる学生に向けたメッセージをお願いします。】

 女子が少ないことに初めは不安がありましたが、先生も含めクラスみんなの仲がよく学生生活はとても楽しいです。

写真:若年者ものづくり競技大会への参加を目指す宮田さん

注10 コンピュータ支援設計とも呼ばれ、コンピュータを用いて設計をすること。あるいはコンピュータによる設計支援ツールのこと(CADシステム)。人の手によって行われていた設計作業をコンピュータによって支援し、効率を高めるという目的で導入される。

(3)事業主への助成措置

女性の活躍促進を図る事業主を支援するため、キャリア形成促進助成金に「育休中・復職後等能力アップコース」を設け、事業主が育児休業中や復職後等に訓練を実施する場合に助成を行っている。

2015年度からは、助成率を拡充するとともに、事業主団体等に対して経費助成を行う「団体等実施型訓練」について、事業主団体等が育児休業中や復職後等に訓練を実施する場合を盛り込み、助成率を拡充するほか、キャリアアップ助成金に育児休業中の訓練を実施する場合の助成措置を新たに盛り込んでいる。

6.キャリア形成支援

(1)キャリア・コンサルティング

高齢化の進展等に伴い、労働者の職業生涯が長期化する一方、企業経営の多様な展開や急激な技術革新等により必要な職業能力が変化し、働く者自らが職業能力設計を行う傾向がある中で、キャリア形成支援の重要性がより一層高まっている。就職・転職時や、培ってきた知識・経験を活かしてキャリアの見直しを目指すときなど、職業生涯の節目において、キャリア・コンサルティング注11を受ける環境を整備し、キャリア・コンサルティングの活用を一層進めていくことが重要である。

キャリア・コンサルタントについては、一定の要件を満たす民間機関等による養成講座や能力評価試験の下、各機関名による資格を付与してきたほか、更にレベルの高いキャリア・コンサルタントの養成を進めるため、キャリア・コンサルティングを技能検定注12の一職種として実施し、2014年度末で累計約4万8千人の有資格者のキャリア・コンサルタントが養成されている。

更なる資質の確保及び計画的な養成注13を図っていくため、2015年通常国会に提出した勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案において、キャリアコンサルタント制度を法定化し、キャリアコンサルタントを登録制とするとともに、名称独占・守秘義務等を課す改正を盛り込んでいる。

注11 個人が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう個別の希望に応じて実施される相談その他の支援

注12 3(1)参照

注13 2014年7月にキャリア・コンサルタント養成計画を策定し、有資格者のキャリア・コンサルタントの累積養成数について、2024年度末に10万人とすることを数値目標とした。

(2)ジョブ・カード制度の活用

ジョブ・カード制度は、フリーター等職業能力を高める機会に恵まれないため正社員になれない者等に対して、①一定の知識等を有する登録キャリア・コンサルタントによるジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングの実施、②企業における実習と教育訓練機関等における座学とを組み合わせた訓練を含む実践的な職業訓練(職業能力形成プログラム)の受講機会の提供、③ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングにより整理された職務経歴等のほか訓練修了後の職業能力評価の情報を取りまとめた「ジョブ・カード」の就職活動等における活用を促進することにより、求職者と求人企業とのマッチングや実践的な職業能力の習得を促進し、安定的な雇用への移行等を促進することを目的としている。

本制度の企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練には、①企業が訓練受講者と雇用契約を結んで行われる「雇用型訓練」と、②民間教育訓練機関等への委託により行われる「委託型訓練」がある。

なお、現在は、公共職業訓練や求職者支援訓練などでも、ジョブ・カードの交付は必須化されており、訓練受講者のキャリア・コンサルティングや職業能力評価等に役立てられている。

2008年の制度創設から2015年2月末現在のジョブ・カードの交付者数は約126万人であるが、職業訓練による取得が約9割を占め、その活用が一過性のものになっていること、また、個々の労働者の状況に対応したキャリアアップ、必要な分野への円滑な就職等の支援のため、職業能力の「見える化」や職業生活設計に即した自発的な職業能力開発を支援するツールが不可欠であることなどから、ジョブ・カードを、労働者等の職業生涯を通じたキャリア・プランニング及び職業能力証明のツールとして活用できるよう見直しを行うこととしている。

また、2015年通常国会に提出した勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案において、ジョブ・カードを新たに職業能力開発促進法に位置付ける内容を盛り込んでいるところであり、これらにより広く長期的・安定的な活用・普及を図っていくこととしている。

コラム:有期実習型訓練(キャリアアップ助成金)を活用した人材の育成例

東京都のジャパンフィルター株式会社は1974年に設立された会社であり、主に車輌や建設機械、電気機器などに使用される金属フィルターを製造している。

有期実習型訓練を実施した当時の従業員数は12人であり、「現場の高齢化」や「現場情報が共有出来ていない」といった課題への対応策について検討していた時期であった。こうしたとき、東京都地域ジョブ・カードセンターのジョブ・カード制度普及推進員から、ジョブ・カードを活用した有期実習型訓練を実施することによって、「キャリア・コンサルティングを受けたモチベーションが高く若い人材を確保できるので、社員の高齢化への対応策になる」、「全社員で取り組むことによって、社員間のコミュニケーションがとれるので、情報の共有化が図れるとともに、自分の持ち場以外は他人事との考え方を解消できる」といった話を聞き、有期実習型訓練に全社的に取り組むことにした。

訓練は、ジョブ・カード制度普及推進員のサポートを受けて作成した「生産業務に関わる基礎を学ばせ、正社員として即戦力となるスキルを身につけさせる」ことを目的としたカリキュラムに基づき、新規募集した2人の非正規社員を対象として4人のベテラン社員が指導する形で3ヶ月の間実施した。

有期実習型訓練の実施に当たっては、Off-JT用の教材の作成が大きな課題となった。業務のマニュアル等も存在していなかったため、Off-JTの項目ごとの工程とそれに関連する周辺の知識について全社員にヒアリングし、パソコンでまとめ上げる作業を行うなど、全社員の協力によって、一から手作りでOff-JT用教材を作成した。

訓練を実施した結果、訓練生の二人を正社員に転換することができ、平均年齢が5歳若返った。また、全社員の協力で訓練を実施したことで、情報共有の習慣が生まれ、チームワークの向上が図られた。

さらに、訓練修了時に受講者の職業能力を評価する評価シートの作成が契機となり、訓練に限らず日常的に、従業員の能力を詳細に把握・共有するためのチェックシートを作成したことで、能力の「見える化」が図られるといった効果もあった。

写真:Off-JTの実施風景

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