経済産業省
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第2部 平成26年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策
第3章 ものづくり基盤産業の育成に関する事項
第2節 中小企業の育成

1.取引の適正化

(1)下請取引の適正化

①下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)の厳格な運用

下請取引の公正化、下請事業者の利益保護のため、公正取引委員会と中小企業庁が密接な協力関係のもと、下請代金法を執行した。また、2013年度においても、公正取引委員会及び中小企業庁が親事業者等に対して書面調査等を実施した。また、下請代金法違反事実に関する情報提供・申告等を行うための専用フォーム「中小企業取引相談目安箱」により、下請代金法違反に関する情報収集を行い、下請代金法の厳格な運用に努めた。

②特別事情聴取等の実施

11月に実施した「下請取引適正化推進月間」において、「過去に同様の改善指導を2回以上受けている親事業者」等を対象に、特別事情聴取等を実施し、下請代金法の厳格な運用を図った。

③下請取引の適正化に関する要請

年末の金融繁忙期に向けた下請事業者の資金繰り確保の観点から、親事業者約20万社及び関係事業者団体約640団体に対し、経済産業大臣、公正取引委員会委員長の連名で、下請代金法の遵守など下請取引の適正化に関する要請文を発出し、周知徹底を図った。

④下請代金法講習会等の実施(5億72百万円の内数)

下請代金法の違反行為を未然に防止するため、親事業者の調達担当者等を対象とした講習会を151回開催した。また、広く下請代金法等の遵守を呼びかけるシンポジウム等を開催した。

⑤下請ガイドライン(5億72百万円の内数)

親事業者と下請事業者間の望ましい取引関係を構築するためのガイドライン「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」について、2014年度は、自動車産業など14業種において、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保に向けた改訂等を実施し、16業種のガイドラインの説明会を233回開催した。

⑥下請かけこみ寺(5億83百万円の内数)

全国48か所に設置した「下請かけこみ寺」において、中小企業の取引に関する相談対応、裁判外紛争解決手続(ADR)を実施した(相談件数5,473件)。

2.下請中小企業対策

(1)下請中小企業の自立化支援

下請中小企業振興法の改正(平成25年9月20日施行)を行い、下請中小企業が連携して自立的に取引先を開拓する計画「特定下請連携事業計画」を創設し、事業計画の認定を受けた者に対し、予算、融資等を活用した支援を実施した。

①政府系金融機関による融資

上記法律に基づく計画の認定を受け、当該事業を行う中小企業に対し、(株)日本政策金融公庫による低利融資を行った。

②中小企業信用保険法の特例

上記法律に基づく計画の認定を受け、当該事業を行う際の資金供給を円滑化するために、中小企業信用保険法に規定する普通保険、無担保保険及び特別小口保険等の特例による支援を行った。

③下請中小企業自立化支援事業(自立化補助金)

上記法律の認定を受けた計画の下で、連携グループがメンバー相互の経営資源を活用して行う自立化に向けた取組に対し、共同受注用のシステム構築、設備導入、展示会出展等に必要な経費の一部を補助した。

④下請中小企業自立化支援事業(新分野進出補助金)

親事業者の生産拠点が閉鎖(予定も含む)された地域における下請中小企業等が行う、新分野への進出等による取引先の多様化のための設備導入・展示会出展等に必要な経費を一部補助した。

(2)下請中小企業振興法に基づく、振興基準の周知

①下請取引改善講習会における周知

下請中小企業振興法に基づく下請事業者及び親事業者がよるべき一般的基準(以下「振興基準」という)等について、周知を図った。

(3)取引あっせん、商談会による販路開拓支援

①取引あっせん事業

新たな取引先を開拓したい下請中小企業に対して、自社の希望する業種、設備、技術等の条件に合った受発注情報を紹介し、きめ細かな取引のあっせんを行った。

②ビジネス・マッチング・ステーション(49百万円の内数)

下請中小企業の販路開拓を支援するために、インターネットを活用した「ビジネス・マッチング・ステーション(BMS)(http://biz-match-station.zenkyo.or.jp/)」により、受発注情報等の提供を行った(登録企業数は26,172社)。

③広域商談会開催事業(49百万円の内数)

大企業の大規模な事業再構築の実施、倒産、天災等により影響を被る下請中小企業等を対象に、広域的に行う新たな販路開拓を支援するため、広域商談会を8会場で開催した。

3.中小企業の経営の革新及び創業促進

(1)経営革新の促進

経済的環境の変化に即応して中小企業が行う新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動を行うことにより、経営の相当程度の向上を図る経営革新を支援するため、以下のような支援措置を行った。

①政府系金融機関による融資

中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認を受け、経営革新のための事業を行う個別の中小企業者、組合及び任意グループに対し、低利による融資を行った。

②中小企業信用保険法の特例

中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認を受け、当該事業を行う際の資金供給を円滑化するために、中小企業信用保険法に規定する普通保険、無担保保険及び特別小口保険等の特例による支援を行った。

(2)創業・ベンチャーの促進

①創業促進補助金

新たに起業・創業や第二創業を行う女性や若者等に対して事業計画を募集し、計画の実施に要する費用の一部を助成することで、2014年度においては、2,363件の地域需要を興すビジネス等の支援を決定した。

②新創業融資制度(財政投融資)

新たに事業を開始する者や事業を開始して間もない者に対し、無担保・無保証人で(株)日本政策金融公庫が融資を行う制度である。

③創業者向け保証

民間金融機関による創業者への融資を後押しするため、これから創業する方、創業5年未満の方等を対象に創業関連保証制度等を実施した。

④中小企業支援担当者向け研修((独)中小企業基盤整備機構交付金の内数)

中小企業大学校において、創業の意志を持つ者を支援するため、地方自治体の職員、商工会・商工会議所の経営指導員、中小企業診断士等の支援者を対象に、創業者のビジネスプランを評価するための着眼点及び考え方並びに創業・ベンチャー企業に対する支援施策及び支援のポイント等を内容とした「能力強化研修」、「小規模企業支援能力向上研修」及び「新規事業・新規創業支援の進め方研修」を実施した。

⑤ファンド出資事業((独)中小企業基盤整備機構「健康・医療事業分野投資促進出資事業」10億円及び自己資金)

民間の投資会社が運営する投資ファンドについて、中小機構が出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、民間資金の呼び水としてファンドの組成を促進し、創業又は成長初期の段階にあるベンチャー企業(中小企業)や新事業展開等により成長を目指す中小企業への投資機会の拡大を図る事業である。起業支援ファンドについては、累積ファンド組成数90件、累積投資額1,121億円、累積投資先企業数2,327社に至った(2014年3月末実績)。また、中小企業成長支援ファンドについては、累積ファンド組成数65件、累積投資額1,090億円、累積投資先企業数644社に至った(2014年3月末実績)。また、「健康・医療事業分野投資促進出資事業」を活用し、2015年1月に中小企業成長支援ファンドを1件組成した。

⑥ベンチャープラザ((独)中小企業基盤整備機構交付金の内数)

中小・ベンチャー企業が、資金を得るためにベンチャーキャピタルや投資家等へ自社のビジネスプランを発表等する機会を設けるとともに、プレゼンテーションを行った企業と投資家等の商談の場を提供した。

⑦新事業創出のための目利き・支援人材育成等事業(2013年度補正:7億30百万円)

ベンチャーファンド、金融機関、税理士・会計士等の官民の起業支援人材の連携を強化し、成長可能性の高いビジネスアイデアやシーズに対する徹底したハンズオン支援を行うことを通じ、優秀な企業支援人材の育成、成功事例やノウハウの共有・周知を行うことにより、成長する創業、ベンチャーの創出を促進するための措置を講じた。

⑧先端課題に対応したベンチャー事業化支援等事業(2014年度補正:11億60百万円)

成長力のある起業家に対して、ベンチャーキャピタル(VC)や起業経験者等が経営支援を実施することにより、新事業の創出を図る。

また、これらの起業家や支援人材、大企業等によるネットワークの形成等を図り、新事業創出ノウハウの普及等による人材育成や事業連携等を促進し、新事業創出のための環境整備を図る。

⑨エンジェル税制

創業間もない中小企業への個人投資家(エンジェル)による資金供給を促進するため、一定の要件を満たす中小企業に対して、個人投資家が投資を行った時点と、当該株式を譲渡した時点において所得税の優遇を受けることができる制度である。1997年の制度創設から、2015年2月末までに、423社に対し、約117.7億円の投資が行われた。

⑩企業のベンチャー投資促進税制

企業が、産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けたベンチャーファンドを通じてベンチャー企業に出資した場合に、その出資額の8割を限度として損失準備金を積み立て、損金算入することができる制度である。

⑪女性、若者/シニア起業家支援資金(財政投融資)

多様な事業者による新規事業の創出・育成を支援するため、女性や30歳未満の若者、55歳以上の高齢者のうち、開業して概ね7年以内の者を対象に、(株)日本政策金融公庫(中小企業事業・国民生活事業)による優遇金利を適用する融資制度である。1999年の制度創設から、2014年12月末までに、124,721件、6,443億円の融資を実施している。

⑫フロンティアメイカーズ育成事業

世界市場に直接勝負するものづくりベンチャーを「フロンティアメイカーズ」と名付け、将来「フロンティアメイカーズ」になりえる人材を海外の新しいものづくりの拠点に派遣し、現地で各プロジェクトを実施し、その過程や課題を報告してもらうべく公募を実施。公募の結果、10名(9件のプロジェクト)の採択を行った。

また、成果報告会を東京、大阪、福岡、仙台の4地域にて実施。派遣者の海外での活動報告や派遣者を支援するプロジェクトマネージャーを交えたトークセッションを行い、起業を目指す方や起業家を支援する方(投資家や中小企業等)等を始め、成果の共有を広く行った。

(3)新事業促進支援事業

中小企業による新事業活動の促進を図るため、「新事業活動促進法」、「地域産業資源活用促進法」、「農商工等連携促進法」に基づき、中小企業者が行う新商品、新サービスの開発や、それらの販路開拓の取組に対し、予算、融資等を活用した支援を実施した。

①中小企業・小規模事業者連携促進支援事業(10億76百万円)、地域産業資源活用支援事業(14億60百万円の内数)

上記各法律に基づく計画の認定を受けた中小企業者が、当該計画に従って行う試作品開発や販路開拓等に要する経費の一部を補助した。

②政府系金融機関による融資

事業計画の認定を受け、当該事業を行う中小企業に対し、(株)日本政策金融公庫による低利融資を行った。

③中小企業信用保険法の特例

事業計画の認定を受け、当該事業を行う際の資金供給を円滑化するために、中小企業信用保険法に規定する普通保険、無担保保険及び特別小口保険等の特例による支援を行った。

(4)中小企業の海外展開支援

国内での需要減少や国際競争の激化による産業構造の変化等に直面するなか、中小企業が成長するためには、アジア等の新興国をはじめとする成長著しい海外市場で新たな需要を獲得することが喫緊の課題となっているため、中小企業の本格的な海外展開に向け、資金面を含め総合的な支援策を講じていくこととした。

①中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業(22億85百万円)

中小企業の海外展開を支援するため、(独)日本貿易振興機構および(独)中小企業基盤整備機構が連携し、海外展開戦略策定支援を実施するとともに、国内外展示会への出展支援、海外バイヤーを招へいした商談会の開催等を実施した。

②JAPANブランド育成支援事業(14億60百万円の内数)

複数の中小企業が連携し、自らが持つ素材や技術等の強み等を踏まえた戦略を策定し、当該戦略に基づいて行う商品の開発や海外展示会への出展等に必要な取組に要する経費の一部を補助した。

③パッケージ型海外展開支援事業

中小企業者に対し、(独)中小企業基盤整備機構が専門家を派遣して海外向け販路の構築を支援するとともに、それに伴うホームページの外国語化、代金決済システム構築の経費の一部を補助。併せて、物流企業とのマッチングを実施し、海外販路構築をパッケージ化して支援した。

④政府系金融機関による融資(海外展開資金)

中小企業者の海外展開に必要な資金繰りを支援するため、(株)日本政策金融公庫による低利融資を行った。

⑤若手人材の海外インターンシップ派遣(19億58百万円の内数)

急拡大する新興国市場に対応できるグローバル人材を育成し、中小企業の国際展開、インフラビジネスの獲得等を促進するため、日本の若手人材を新興国の政府系機関、民間企業等に派遣する国際即戦力育成インターンシップ事業を実施した。2014年度は(一財)海外産業人材育成協会と(独)日本貿易振興機構の共同での実施により、191名の若手人材を17か国に派遣した。

4.中小企業のものづくり基盤技術強化

(1)戦略的基盤技術高度化支援事業(再掲 第2部第1章第1節1.(4)②参照)

(2)人材対策事業(人材対策基金282億円の内数)

中小企業・小規模事業者の優秀な人材の確保を支援するため、①新卒者及び2010年3月以降に大学等を卒業した未就職者等に対して中小企業・小規模事業者が実施する職場実習の支援、②育児等で一度、退職し再就職を希望する女性等(新戦力)に対して中小企業・小規模事業者が実施する職場実習の支援、③中小企業・小規模事業者を支援する機関と大学等が連携し、経営者による出前講座を行うなど、中小企業・小規模事業者と学生の日常的に顔が見える関係構築から両者のマッチング、新卒者等の採用・定着までの一貫した支援を実施した。また、高度専門的な人材を必要としている中小企業・小規模事業者に対して、実務経験豊富なシニア人材の確保・定着を支援するほか、正規社員を希望する非正規雇用者、若年離職者、就職を希望する主婦層等の確保・定着の支援を実施した。

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