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梶山経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2021年4月13日(火曜日)
9時33分~9時52分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

ALPS処理水

初めに、私から1点申し上げます。
本日、総理出席の下で開催されました廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議におきまして、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針を決定いたしました。これについて、私から一言申し上げます。
3月で福島第一原発事故から10年が経過しましたが、福島の復興はいまだ道半ばであり、引き続き政府の最重要課題であります。

復興を成し遂げるには、廃炉を進め、周辺地域のリスク低減を図ることは不可欠であります。その一環であるALPS処理水の処分も避けては通れない課題だと認識をしております。
本件は、風評の懸念を伴うため、長年にわたる懸案事項となっていましたけれども、復興を更に進めるためには、前に進めなければならないと考えております。

こうした認識の下、本日、ALPS処理水について、安全性を厳格に確保し、第三者の目も入れつつ、透明性高く監視することを前提に海洋放出する方針を決定いたしました。

福島を始め被災地の皆様が風評への御懸念を持たれていることは強く認識をしており、こうした中での決定は、政府として極めて重要な決断であり、さらに、極めて重い責任を伴う決断であると考えています。

本日の会議では、菅総理からも、御懸念を示されている方々に安心していただけるように、政府一丸となってあらゆる対策を徹底的に行い、最後まで責任を全うしなければならないと指示を受けております。

10年前の震災の当時、私の地元茨城でも、農林水産業を中心に様々な実害、そして風評被害が発生しました。このため、私としても、その厳しさや対応の難しさというものを実体験として認識をしております。これを乗り越えるための努力も重ねてまいりました。

本件についても、これまでの経験を活かして、これまで懸命に復興に取り組まれてきた皆様の努力を決して無駄にせずに、復興の歩みを更に前に進めるという強い決意を持って、私自身が先頭に立つ覚悟で対応してまいりたいと考えております。

今回取りまとめた基本方針の内容や閣僚会議での議論等の詳細については、後ほど事務方がブリーフィングをする予定であります。

また、本日この後、私自身が福島に伺い、内堀知事、太田県議会議長、伊澤双葉町長、吉田大熊町長、野﨑福島県漁連会長と面談をして、基本方針について御説明をさせていただく予定であります。

私からは以上です。

質疑応答

ALPS処理水

Q:改めての部分もございますが、今回の決断について、どのような決断だったか、大臣の思いをお聞かせいただきたいのと、今後取り組む上で注意すべきこと、懸念されている点などあればお聞かせください。

A:これまでも繰り返し申し上げてきたとおり、ALPS処理水の処分は、福島第一原発の敷地が逼迫する中で、もはや先送りにできない課題であると認識をしておりました。風評被害に対する懸念が強い中で、極めて重い責任を伴う決断でありましたけれども、安全性の確実な担保と万全なモニタリングの体制の整備、漁業者などの御懸念の把握等、徹底した風評対策という2点を確保できていると判断をし、関係閣僚会議において最終的な政府の方針の決定に至ったものであります。

4月7日、総理と私が全漁連の幹部の方々と面談した際には、全漁連の皆さんは反対であるとの立場は変わらないということ、そして、その上で安全性についての科学的根拠に基づく情報発信や徹底的な風評対策を行うこと等を強く求める等の要望をいただいたところであります。

政府としては、全漁連からいただいた御意見をしっかりと受け止めて、漁業者の皆様の御懸念を払拭するべく取り組むことが大変重要なことであると考えております。

これに対して、今後、実際の放出まで2年間を掛けて安全性について科学的根拠に基づく情報発信など徹底的な広報活動を行うことや、風評を未然に防ぐための販路開拓の支援、万一風評被害が生じた場合の丁寧な賠償を行うこと、規制基準の遵守はもちろんのこと、国際機関や地元自治体など第三者の目による監視を入れながら処分の実施状況を透明性高く発信をしていくこと、関係省庁と連携し、水揚げを増やすための設備・装置の導入支援や、流通のボトルネック解消のための仲買・加工業者による設備導入支援、販路開拓支援など、漁業の継続に向けた総合的な支援を行うこと、海洋放出後もトリチウムの半減効果を最大限活用し、周辺環境の安全性がこれまでと変わらないようにすること等に取り組んでまいりたいと計画をしているところであります。

こうした取組について、要請をいただいた全漁連の皆様にもしっかりと説明をしてまいりたいと思っております。

Q:これまで梶山大臣は、処理水の処分方針の決定の時期について、適切な時期に判断したいとおっしゃっていました。県漁連の方では試験操業が終わって本格操業に向けて移行中だと思いますけれども、今回の時期は適切だとお考えでしょうか。

A:ALPS処理水の処分は敷地が逼迫する中で、もはや先送りのできない課題であるという状況がございました。政府において安全性の確実な担保と万全のモニタリング体制の整備、漁業者などの御懸念の把握と徹底した風評対策という2点を確保できていると判断をし、関係閣僚会議において最終的な基本方針の決定に至ったものであります。決定のタイミングは適切であったと考えております。

それぞれの事情があります、先ほどおっしゃったような試験操業から本格操業へという状況もおありになるでしょう、そういったものも十分御意見として伺っておりまして、皆さんの御懸念の内容、具体的なポイントというものも私どもは聴いているところでありますけれども、敷地の逼迫とその放出した際の今度は対策ということも含めて、適切な時期であったと思っております。

Q:2015年にサブドレンの放出の議論の際に、関係者の理解なくいかなる処分も行わないという約束をしておりますけれども、その約束についてどういうふうにお考えになるかということと、今後その関係者の理解を得られるかどうかの判断というのは、誰がどういう形でするんでしょうか。

A:私どもの方でしっかりと説明をしていくということになりますが、地元を始めとした方々の御理解を得られるように努力をし続けていくことが大切なことだと思っております。

私自身、野﨑福島県漁連会長を始め、全漁連の幹部の方々からも、先ほど申しましたように反対の立場は変わらないという意思表示もされております。その上で、科学的根拠に基づく情報発信や、徹底的な風評対策を行うことを強く求めるという要望もいただいております。

今回の方針決定後も、実際の放出が始まるまでには設備の工事や規制の対応に約2年程度時間が必要になることから、放出までの期間を最大限活用して御懸念を払拭して理解を深めていただくべく努力をしていくということであります。

Q:理解が得られたかどうかという判断は誰がやって、どういう手続とかという……

A:それは今からその理解を求める努力をしていくという中で、先のことについてはまだ仮定の話ということで、今申し上げることはできないと思いますけれども、最大限の努力をしていくということを御理解いただきたいと思います。

Q:2点ありまして、1点目は全漁連から先ほど遺憾であり、到底容認できないという抗議声明が出ているんですが、どういった御理解をされているかという点。

2点目が、処分方法についてなんですけれども、これまでもトリチウムを放出する実験などが行われてきていますけれども、こうした技術が今後進歩した場合には、今後、再検討という余地はあるんでしょうか。

A:まず、その2点目の方から。いろんなところでそういう話を委員会の中でもされております。そして、トリチウムの除去試験というものが実験室レベルで行われていることは承知をしておりますけれども、今の段階ではそれを大量に処理できる状況にはないということは、国際機関も含めての皆さんの認識は一致をしているところであります。

ただ、技術というのは短時間で進歩する場合もありますし、ブレイクスルーする場合もあるという中で、もしこれが実用化されるんであれば、それはまた取り入れていくということ、これは柔軟に対応してまいりたいと思っております。

Q:全漁連から先ほど改めて、正式決定を受けて、極めて遺憾である。到底容認できないという抗議声明が出ていますが、これに関してどう理解を得ていくのか。

A:これは先週の面談のときもそういうお話をされました。その前提で、また今日も福島県漁連に今日の決定について説明に行く予定でありますし、全漁連の会長にも連絡を取って、またこちらの思いというもの、こちらのまた今後の努力というものを説明してまいりたいと思っております。

Q:すみません。フリーランスのキムラと申します。お願いします。
先ほど理解を得られるかどうかについて、努力を続けるというお話があったんですが、理解が得られない場合は出さないというふうに考えていいのかどうかというのは、どういうふうに理解すればいいんでしょうか。

実は、東電はこの件に関して質問はしているんですが、回答をしたことがないんですが、大臣はどのようにお考えですか。

A:私どもはその後またその許認可関係、設備の整備など、2年間の時間があるという中で理解をいただく努力をしていく、それに尽きるということであります。

Q:もし理解を得られなかったら。

A:もしというのは、2年後まではさっきの話は私どもはなかなかやっぱり見通すことができないということで、まずは今の私で考えられることは最大限の努力をしていく、そして御理解をいただくということでのお話をしていくということであります。

Q:1点だけ。理解を得られない場合に出さないということは、そうすると明言はできないという。

A:現実の一つの状況として、敷地が逼迫しているということがある。一方では、もっと敷地があるんじゃないか、タンクを作ったらいいんじゃないかというお話がありますけれども、一方でもう一つ進んでいるのは廃炉の作業であります。

廃炉の作業で様々なこれまでの資材等が、線量、放射性物質を帯びたその資材等の置場というものが必要になってまいります。そういった中で場所が限定をされているという中、そして要望に対しまして我々もできる限りこれは応えられるような体制作りというものをしてきたつもりでおりますので、そういう前提でこの2年間努力をしていくということで御理解をいただきたいと思います。先方にもそういうお話をさせていただきます。

Q:総理は先ほど、処分の開始時期について2年後をめどとおっしゃっていました。タンクの逼迫状況なんですけれども、22年の秋頃に逼迫すると、満水になるということで、時間軸の整合性についての御認識を伺いたいと思います。

A:満水時期の見通しは、2020年の汚染水発生量が昨年2月の時点で想定量より少なかったため、後ろ倒しをされているということであります。昨年2月の想定というのは、小委員会の報告書の中に、例えば昨年2月の時点で翌々年の8月頃に満水になるのではないかということが書かれているということであります。そういった中で、例えば1か月ごとの降雨量によっても状況が変わってきますし、ある数値の想定の上でそういうことをしているわけで、想定よりも少なければ、それが先に延びるということでありますので、現状はそういう形で延び延びになってきたところでありますけれども、これは2年間の中でまた精査をしながらしっかり対応していくということで、タンクが不足するというような事態が起きないように考えてまいりたいと思っております。

Q:漁業者の反対の立場は変わらない、小委員会の報告の中のパブコメでも反対の意見がかなり多い中での今回の決断に至ったわけです。この決断のプロセスについては適正だったとお考えでしょうか。

A:適正であったと思っております。小委員会においても、これをずっとため置くということについても検討しましたけれども、やはり処分方法について、五つについて小委員会で議論をしていただいたということなんです。いずれは処分をしなくちゃならない、その方法についてどうするかということについて、小委員会では海洋放出と水蒸気放出という二つの方法が現実的だと、そして、世界を見渡した場合には水蒸気放出の実績がある、日本においては海洋放出の実績があるということで、健全な原子力施設からの放出ということでありますけれども、世界の基準も決められているという中でこういったものが選択をされたということでありまして、それらについてもやはり多くの方々の意見を聞いたということで、6年間小委員会の議論もしてまいりました。そういった中に農林水産事業者の方々の御意見も伺いました。また、昨年2月に報告書が発表になって以来、農林水産業の方、また商工業者の方、様々な方の御意見も伺いましたし、パブリックコメントも4,000件ほど頂戴をしたという中で、時間の制約も含めて私どもは適切であったと思っております。

Q:福一原発事故前の10倍量のトリチウム水が約40年間にわたって海洋放出され続ければ、国内外からの強い批判、反対の声が上がるのは避けられないと思います。原子力市民委員会は以前より汚染水は海洋放出すべきではなく、堅牢な大型タンクによる陸上保管の継続ほか、モルタル固化による処分を選択すべきであると提言し、先日も海洋放出を中止するよう緊急提言を行いましたが、政府は今までノーアンサーを決め込んでいます。自公政権に幾ら提言しても聞く耳を持たないことに絶望した国民の中には、トリチウム水の海洋放出という暴挙を止めさせるには、近日に予定されている北海道と長野の補選、広島の再選挙、そして来るべき衆院選で梶山大臣も含め海洋放出を決定した全ての自公議員、そしてそれと足並みをそろえる一部の野党議員を落選させるしかない。そして、その上でモルタル固化の代替案を採用すると約束する野党に政権交代させるしかないと腹をくくる人たちが数多く出てくるのではないかと思います。

こうしたことを覚悟の上で海洋放出を実行されるのか、ファイナルアンサーということでよろしいでしょうか。お答えをお願いします。

A:選挙のことについてはコメントは差し控えさせていただきます。

ただ、先ほども申しましたように、これは大変重い責任を伴う決断だということで、私自身はそう考えております。また、モルタルの固化というものが本当に正しいのかどうなのかということもあろうかと思いますし、トリチウムの水蒸気放出、熱を持ちますから、水蒸気放出という形につながってきます。そういったときに、大気中にそれが拡散されたときにどうモニターをするのか、モニタリングをするのかという方法についても確実なものがないということであります。モニタリングの仕方も含めて海洋放出というものが今の時点では適切だという判断に至っておりまして、ほかのものが適切なものがあれば、それはそれで考えていくということ、柔軟な考えはこれからも今後の技術開発も含めて持っていきますけれども、今、あなたがおっしゃったモルタル固化というのは水蒸気放出、熱を持った上で水蒸気放出が伴うということで、余り適切ではないという表現がされている。それをどう技術的に裏付けしていくかということが求められるのではないかなと思っています。

以上

最終更新日:2021年4月13日