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梶山経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2021年6月15日(火曜日)
10時45分~11時04分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

東芝調査報告書

Q:よろしくお願いします。2点ありますが、1点ずつよろしくお願いします。
 1点目です。東芝の件なんですが、東芝は監査委員長や副社長ら4人の退任について発表した上で、昨日、永山取締役会議長が会見を開きまして、アクティビストに対する経産省とのやり取りについて、コンプライアンスですとかコーポレート・ガバナンス上問題があるとして謝罪しました。これについて、経産省としての受け止めや、東芝と一体となったことが指摘されている経産省側の関係者への聞き取りを行うか、若しくはその処分についての考え方、大臣の見解を伺えますでしょうか。
 
A:東芝はALPSの開発・製造を含めた福島第一原発の廃炉事業に取り組んでおります。さらにまた、量子暗号やレーダー等の安全保障に関する技術開発を担っている日本のトップメーカーでもあります。さらに、高い世界シェアを誇る半導体子会社の株式を今なお40%以上保有をしている企業であります。
 また、過去には多くの事業を安定的に継続するために政府支援を実施をしてきておりますけれども、経済産業省としては、東芝は日本にとって重要な企業であると認識をしております。
 これまで東芝は、一部の株主から、社外取締役を追加せよ、利益を株主に還元せよといった様々な要求を受け入れてきました。一昨年以降は、経営陣の大幅な入替えや営業利益の全額配当といった形で要求が相次いでいるところであります。
 先ほど申し上げましたような国の安全保障にも関わる重要技術を保有する企業にとって、経営環境の不安定化を原因とする事業や技術投資の停滞が起こることは、一時たりともあってはならないと考えております。
 経済産業省としてはコーポレート・ガバナンスは重要と認識しており、一般論として、個別企業に今回のような対応を行うことはありません。ただし、国の安全の確保は、経済活動の大前提となるものであります。このため、国の安全の確保やそれに欠かせない事業や技術の発達という大前提が損なわれるおそれがある場合には、当然にそれに関係する個別企業への対応を行うこともあるということであります。
 経済産業省の対応としてはこうした背景の下に行われたものであり、かつ東芝が担っている重要な事業、技術の安定的な発達を図ろうとしているものであって、経産省の政策として当然のことを行っているまでであります。
 また、今後の経産省の対応ということになりますかね。今申し上げましたとおり、経産省としてはコーポレート・ガバナンスは重要と認識をしております。国の安全確保は経済活動の大前提、このため、国の安全確保やそれに欠かせない事業や技術の発達という大前提が損なわれるおそれがある場合には、当然にそれに関係する個別企業への対応を行ってまいることもあるということなんですね。
 経済産業省としての対応はこうした背景の下に行われたものであり、東芝が担っている重要な事業、技術の安定的な発達を図ろうとするものであって、当然のことであるということを申し述べたわけですが、その上で、今回の調査報告書は株主総会の公正性を取り扱った東芝のガバナンスに関する報告書であること、報告書の内容には、事実関係に疑問を持たざるを得ない箇所もあること等も踏まえて、まずは今後の東芝の動きを注視してまいりたいと思っております。
 他方、国の安全の確保や、それに欠かせない事業や技術の発達などが損なわれるようなことがあってはならないということで、こうした観点から、今後の東芝の対応も注視しつつ、政府として必要な取組は検討してまいりたいと思っております。
 あとは職員の件。報告書では、経済産業省の職員の行動が書かれている部分もありますけれども、事実関係に疑問を持たざるを得ない箇所もあります。こうした状況の中で、経済産業省としては、職員の一つ一つの行動が守秘義務違反に当たるか否か確認する必要はないと考えております。 

石炭火力発電

Q:ありがとうございます。
 2点目です。先日行われたG7サミットの首脳宣言で、石炭火力については、排出削減の対策は講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援を年内に終了するとしました。これについての受け止めと今後の対応についてお願いします。
 
A:日本政府は従来から一貫して、途上国の固有の事情を踏まえて、脱炭素社会に向けた現実的な移行を包括的に支援していく方針を示してまいりました。今回のG7サミットでもこのような考え方を発信し、今回の首脳声明にも反映されたと承知をしております。
 今までは、先進国だけでやっていこうと、そして支援はしないようにしようということでしたが、しっかり途上国も巻き込んだ上で先進国の支援もしていこうというような形での声明になっているということであります。
 その上で、今回の声明で足並みをそろえての排出削減対策のない石炭火力発電所の支援の本年中の終了にコミットすることで、世界の実効的な脱炭素化をリードしていくというG7首脳の決意を示したものであると評価をしております。
 重要なことは、途上国の実効的な脱炭素化を促していくイノベーションで貢献することであり、再生可能エネルギー、水素、アンモニア、カーボンリサイクルといったあらゆるイノベーションでCO排出削減に貢献していくという基本方針に変わりはないということであります。
 引き続き全ての国が一足飛びにネットゼロで達成できるとは限らない中で、相手国の実情に応じた対応をしていくことを通じて、世界の実効的な脱炭素化に積極的に貢献をしてまいりたいと思っております。
 アジアの途上国も、日本の昭和40年代、50年代のような大きな成長がこれから控えているという状況にあります。そういった中で電力の安定供給、それが安価であることというのが条件になってくると思いますし、そういったものを満たすためのG7の支援というものはしっかりG7各国で認識をして共有をしていくということが重要なことであると考えています。

半導体

Q:台湾のTSMCの熊本での工場建設について、実現した場合、期待されることは何でしょうか。また実現した場合には、現状の半導体不足の解消につながると考えられますでしょうか。
 
A:報道については承知していますけど、個別企業の件であり、コメントは差し控えたいと思います。まだそういった事実があるということではありません。
 一般論として、日本のサプライチェーンの強靱化や産業競争力の強化のために、国内の先端半導体の製造基盤を持つことは重要であると考えております。
 コロナ禍でのサプライチェーンの脆弱性が露見をした後に、半導体に関しては、研究開発能力、次世代のことも含めて、それと国内製造基盤の強化ということを常々私どもも申し上げてきたところであります。
 このような観点も含めて、半導体産業の新たな政策の方向性を示すために、6月4日に「半導体・デジタル産業戦略」を公表したところであります。本戦略を踏まえて、先端半導体の国内製造基盤の確保など半導体の確実な供給体制の構築を図っていきたいということであります。

東芝調査報告書

Q:冒頭の東芝の件なんですけれども、東芝の対応を待ちたいということことではあったんですけれども、報告書の中で東芝に対する報告徴求、あとエフィッシモへの報告徴求、それとエフィッシモが3Dの提案に賛同していいかどうかと尋ねられたときに、それは駄目だというか、ちょっと困ったというようなことが、安保政策課からあったということが書かれたんですけれども、その3点がこれ、外為法を発動していると思うんですけれども、この点については事実関係伺えないでしょうか。
 
A:この報告書については前にも申し上げたとおり、報告書全体を通して見た場合に、個別にはどのような根拠に基づいて断定をしているのか、必ずしも明確ではないということであります。ですから、これらの一つ一つに答えることは差し控えたいと思っております。
 ただ、先ほども申しましたように重要な事業、重要な事実というものを持っているということでありますから、国としてはしっかりと対応していかなくちゃならないと思っております。
 まず、外為法で外国投資家が一定以上の比率の株式を取得する際などには事前届出書の提出を求めております。これ、改正した後は1%ですけれども、改正前は10%ということでありました。
 東芝に関しましても、昨年の株主総会の前後だけでなくて、一部の株主が10%以上の株式を保有するとして届出を出した2017年以来、それに記載された内容に沿って外国投資家が行動しているか、継続的に注視をしてきている、関心を持って見てきているところであります。仮に将来の事業売却などによって国の安全を損なうおそれがある場合には、躊躇なく外為法に基づく措置を講じていく必要があると思っております。
 今回の事案の展開も注視しつつ、国にとって重要な事業や技術開発を担っている企業の経営環境が不安定になると判断される場合には、一定の抑止を可能とする方法がないか、政府部内で検討していくこととしたいと考えております。
 
Q:今の東芝の質問に追加するんですけれども、基本に現在出ている報告書を読んだ上で、問題がないというふうに経産省としては考えているということでよろしいでしょうか。
 
A:これについてはまだ、先ほど申しましたように、個別にはどのような根拠に基づいて断定しているのか、必ずしも経産省の部分、明らかじゃないということで、これにコメントすることは控えさせていただきたいと思います。
 
Q:断定しない部分含めるとどうですか。
 
A:事実関係にあるものはあるでしょう、多分。経産省の関係ということじゃなくて、全体のもので。ただ、推論なんですよね。あくまでもあと経産省も対応したものもありますけれども、そういったものについてもあまり明確に書かれていないということも含めて、これはあくまでも社内の調査の報告書であるという位置づけで見ております。
 
Q:関連してになるんですけれども、東芝の関連で、東芝側も一部問題があったということで、幹部の処分などもしています。事実関係に疑問を持たざるを得ないとおっしゃる限りは、どういう点が違うということを指摘した方がいいのではないかとも思うんですけれども、この辺りはいかが。
 
A:こちらから指摘する必要はないと思っております。私どもは今言ったように、必ずしも明確じゃないという点があるということ、そして私どもは経産省としての役割を果たしていくという中での職員の行動であったと考えておりますので、そういった点については特に指摘をする必要もないと思っております。
 
Q:ありがとうございます。先ほどの件と絡むんですけれども、コーポレート・ガバナンスの観点から見た場合に、先ほど大臣、考え方おっしゃいましたけれども、結果として東芝自身のコーポレート・ガバナンスについては不全だったというような、東芝側からの説明です。
 経済産業省の職員が職責を全うしたことによって、コーポレート・ガバナンスが、対象企業が不全になってしまうということに関しては、特に問題はないんでしょうか。
 
A:経済産業省の職員がどういう行動をしたというときに?
 
Q:ここに書かれているような、逐一連絡を取り、若しくは株主に対して圧力をかけるような行為に加担したという。
 
A:そこのところの、ここの関係について、必ずしも明確ではないんですね、論拠が。推認するような形で書かれているものもあるということですから、全体として私どもはこれが全て事実であるとは思っておりません。社内の報告文書だと思っております。
 経済産業省の職員に関しては、先ほど申しましたような理由の中で経済産業省としての取組としては、その取組に沿った活動をしている、行動を起こしているものだと考えております。
 
Q:前回の記者会見のときに東芝の対応が待って経産省としての対応を検討したいというお話でしたけれども、今のお話ですと、特段もう経産省としての対応というのは独自調査含めて考えていらっしゃらないということなんでしょうか。
 
A:まあそういうことですね。東芝さんもまた第三者の目を入れた調査を更に進めると、この報告書に関しての、多分事案について、いろいろやっていくと思いますけれども、推論で断定されたものに関しては、私どもはやはりこれは明確なものじゃないという認識でおりますので、これに対して一つ一つコメントをする予定はありませんということです。調査もする予定もないということであります。
 
Q:東芝側の第三者を入れた追加の調査の後も踏まえての対応の予定はないという。
 
A:まあ、どういう指摘をされるかによると思いますね、これは。私どもに関して、例えば先ほどあったようなコーポレート・ガバナンスが行使できなかったと、正常に行使できなかったというのは経済産業省のせいだというんであれば、それはそれなりの反論が必要になると思いますけれども、これに関してもまだ推論の域を出ないということでありますし、この職員の行動についても向こうが一方的に報告書に書いているものであります。一部には事実もあるかと思いますけれども、ただ、経済産業省としては重要技術を持つ企業であるとか、重要事業を行う企業に対してはしっかり経済安全保障、また国の安全保障という面からも見ていかなければならないと思っておりますし、そういった中で、例えば資本が毀損をされるとか、利益を全て還元せよとかいうような形に対してはどう対応するかというのは今後考えていかなければならないと思っています。
 
Q:今の質問に関連しまして、調査の予定はないということなんですけれども、調査報告書の中ではメールのやり取りを証拠として挙げられています。こういったことは経産省側の職員のメールも恐らくは経産省側のサーバに残っているわけであって、それを調査すればできると思うんですが、結構国家公務員法違反ではないかとか、かなり疑いの目を向けられています。そうした経産省側の残っている証拠を確認して、濡れ衣であると言うのであれば、それを晴らすということもできるのではないでしょうか。調査をする必要はないんでしょうか。
 
A:何が国家公務員法違反なのか、守秘義務と言われるけれども、ということなんですね。国家公務員法の守秘義務違反というのは国の事業の遂行に、公の事業の遂行に支障を来す場合ということになります。経済産業省は先ほど申しましたように、経済安全保障、国家の安全保障という点で企業の行動に対して関心を持つこともあるということでありまして、特に外国の資本が株主となったときには、そういったものを外為法の中で以前は10%、今は1%でも、やはりしっかり見ていこうという中での話であります。これは多分再現をして、フォレンジックという形で再現をしてそういう形になっているんでしょうけれども、一字一句そういうことなのかどうなのか、そしてあと経産省の職員が本当にそういう形で言っているのか、ほかにはこの記録だけで、例えば直接のやり取りであるとか、電話のやり取りであるとか、そういったものがあったのかなかったのかも含めて全体像をつかまないと、これだけを取って国家公務員法の守秘義務違反だということは言えないと思いますし、私どもの価値観としては、公務員の守秘義務違反というのは国の公の事業に支障があったかどうかということだと思いますので、それだけでは判断はできないと思っております。
 
Q:今、一連の御説明をお聞きしたんですけれども、今、報告書が出た問題であって、海外からの投資を拡大しようとする方向性ですとか、コーポレート・ガバナンスを推進しようとする海外からの目というのもあると思うんですけど、このまま何も反論しないままですと、そういったものに影響するんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどうかということ。
もう一点、個別事案で恐縮なんですけど、課長がエフィッシモから入手したレターに関する情報を東芝に漏えいしたという話もあります。それについても御見解をお願いします。
 
A:海外からの投資の促進をしようという中で、こういったことがどう捉えられるのかということですよね。コーポレート・ガバナンスというのは非常に大切だし、その行動も守っていただくということは重要だと思います。ですから東芝さんの中で、例えば東芝さんであれば東芝さんの中でコーポレート・ガバナンスしっかりとできているのかどうなのかということも重要だと思っておりますけれども、国の安全保障に関しては、どの国においても、やはり企業の法律を越えてもやはり関心を持たざるを得ない部分もあると思っております。企業を運営するに当たっての法律を越えても、関心を持たざるを得ない部分があると思います。それだけ重要な事業を東芝がやっているということでありますから、先ほど申しましたように、外為法の改正前の10%の時点から私どもは関心を持って注意を払ってきているということであります。そういったことの比較の問題であると思っております。
 もう一点なんでしたっけ。
 
Q:エフィッシモの情報漏えいしたということです。
 
A:これは厳密に言うと、誰も知り得ない秘密を公務員の立場を利用して得たものを公にしたとかということで、それに関して公の事業が影響を受けたということに関してどうなのかという問われ方だと思いますけれども、本当に公知の事実じゃなかったものなのかどうなのかということもあると思いますし、その職員が行った行動については国の事業というものを妨げるような形であったのかどうなのかという視点もあろうかと思いますけれども、私は現時点ではそれはなかったものだと思っております。経産省としてなかったものだと思っております。
 
Q:話題変わりまして、石炭火力発電輸出支援終了についてなんですけども、これは発電効率の高いものも輸出支援をやめなければならないという御見解でしょうか。
 
A:これはこれから検討していくことになると思いますけれども、言葉どおり取ればそういうことになるでしょうと。ただ、日本の考え方は先ほども申しましたように、先進国だけがそういう形を取っても、途上国どうするんですかと。例えばアジアもあるしアフリカもある。その国の事情によって資源の様相も違うということでありますから、安くて安定供給できるものをどうやっていくかということは成長途上の国が考えるわけですけれども、それを越えて別なものにしろという場合にはやはり先進国の関与が必要ですねということをずっと担当大臣の会合でもG7でも申し上げてきたということですから、それらが取り入れられたということで、途上国をしっかりと支えていこうという考え方が入ってきているということで、今回そういうもので了解をしたと承知をしております。まだ総理とその後会話をしておりませんので、よく確認をしてからまた記者会見のときにでもお話をさせていただければと思います。


以上

最終更新日:2021年6月28日