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梶山経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2021年7月16日(金曜日)
12時03分~12時21分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

最低賃金

Q:1件あります。

14日の中央最低賃金審議会で最低賃金の引上げ幅について、今回28円を目安とすることを決めました。政府は早期に最低賃金を1,000円に引き上げる方針を示している一方、コロナ禍で経営基盤が悪化している中小企業や小規模事業者にはさらなる負担も想定されています。今回の件について、経済産業省としての受け止めを聞かせてください。

A:今年度の最低賃金の引上げにつきましては、14日の厚生労働省の審議会において議論がなされました。全国加重平均で28円の引上げということでありまして、引上げ率に換算しますと3.1%という目安額が示されたと承知しております。

新型コロナウイルスの影響により、多くの中小企業・小規模事業者が厳しい経営環境に直面する中、今後重要なことは、各企業が賃上げしやすい環境をつくっていくことだと考えております。

経済産業省としては、事業再構築補助金や生産性革命推進事業などにより、中小企業の生産性向上を後押しすることで、中小企業が賃上げしやすい環境を整えてまいりたいと考えております。

また、生み出した付加価値が着実に中小企業に残るように、これも継続して取り組んでいることでありますけれども、下請取引におけるしわ寄せ防止など、大企業との取引環境の改善にも更にまた力を入れて取り組んでいかなければならないと考えています。

このため、価格交渉促進月間(※)を設定をし、下請けGメンによる調査を徹底することで、労務費の上昇分の価格転嫁協議の促進を図ってまいりたいと考えております。併せて関係省庁の協力の下で、官公庁と民間企業との契約において、最低賃金引上げ分の確実な転嫁なども進める方針であります。これらの取組により最低賃金を引き上げることができるような環境整備をしっかりと進めてまいりたいと思っております。

ただ、団体から反対の文書のコメントの発表があったことも承知をしておりますので、しっかりと経済団体との連携も含めて、政策に反映をさせていきたい、また政府全体として取り組んでいきたいと考えております。

EU気候変動対策

Q:欧州委員会が14日、再生可能エネルギーの割合を30年に60%に引き上げると、あとガソリン車の事実上販売禁止にするという施策を打ち出しました。産業界への影響ですとか大臣の受け止めをお聞かせください。

A:欧州委員会が温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた政策パッケージを提案をし、その中に2035年にハイブリッド車を含むガソリン車の販売を実質的に禁止する案も位置付けられていると承知をしております。立法化に向けた議論はこれからということで、提案があったということであります。今の段階でコメントすることは差し控えたいと思っております。

日系自動車メーカーにとって、欧州は年間販売台数の約1割を占める市場でありまして、議論の動向について高い関心を持って注視をしてまいりたいと思っております。

また、経済産業省としてはカーボンニュートラルの実現に向け、まずはグリーン成長戦略で掲げた施策を着実に進めることが重要であると考えております。

具体的には電源の脱炭素化と併せて電動車の普及促進、蓄電池の開発、製造立地の推進、充電・水素インフラの整備、中小企業を始めとしたサプライヤーの事業構造転換の支援など、包括的な措置をしっかりと進めてまいりたいと思っておりますし、自動車メーカーとはこれまでも対話の窓口をしっかりと開いて情報交換等をしておりますので、これらについても欧州委員会での議論の成り行きというものを見ながら、私どももやっぱりルールづくりに参画をしていくわけでありますから、しっかりと主張すべきは主張してまいりたいと思っております。

電力会社カルテル

Q:九州電力、関西電力、中国電力の各社が特別高圧、高圧電力の契約に関して、カルテルの疑いで公正取引委員会の立入検査をそれぞれ発表しました。電力自由化を進める中で、業界の不透明な体質を示す事案とも考えられるのですけれども、大臣の受け止めをお願いします。

A:前回の記者会見のときにちょうど第一報が入ってきたのだと思います。

カルテル行為は電力自由化の大前提であります公正な競争を阻害するものであり、また消費者の利益を損ねるものであるために、仮に事実であれば大きな問題であると考えております。当省としましても、今回の調査の対象となっている事業者に対して、公正取引委員会の調査に協力するよう指導をしたところであります。

今後公正取引委員会において事実関係が明らかにされ、仮にカルテルなどの問題となる行為があった場合には、電気事業を所管する当省としても厳正に対処をしてまいりたいと考えております。

今あなたがおっしゃったように、大口企業の関係でそういったものがあったということでありますので、調査の推移を見守ってまいりたいと思っております。

持続化給付金

Q:一部の報道で、持続化給付金の不正受給が1万件を超えるという報道がありました。その事実関係について教えていただけますか。

A:経済産業省としては、不正受給の疑いがある申請が1万件を超えるとの見通しを持っているという事実はございません。不正受給が行われる案件については、警察とも緊密に連携しながら厳正に対処をしてまいりたいと思っております。

警察とは緊密に連携を取り合っているということでして、情報の交換もさせていただいております。ただ、数の限定については、そういった事実は今の時点で外に出していることはありませんということです。

Q:悪質なものについては、刑事告発をされていくお考えがありますでしょうか。もしされているのでしたら、その件数も教えていただけますか。

A:従前から不正に介入した者に対しては、処罰を求める意思表示を警察にしております。どのような対応が適切かを含め、事案に応じて判断をしてまいりたいと思っております。これはまだ捜査中のものもありますし、途中でいろいろなことを出すことによってその捜査に支障があることもあるということで、飽くまでも警察と連携を取りながら、情報を共有しながら対応をしているということで御理解をいただきたいと思います。

半導体

Q:よろしくお願いいたします。

半導体受託生産の世界最大手のTSMCが昨日の決算説明会で、日本への半導体工場の建設を検討していることを明らかにしました。大臣の受け止めを教えてください。

A:報道については承知しておりますけれども、個別企業の件でありまして、コメントは差し控えたいと思っております。

一般論としてあらゆる産業に必要不可欠な産業のコメとも言われる半導体、サプライチェーン強靱化や産業競争力強化のために、国内に先端半導体の製造基盤を持つことは重要であると考えております。

経済産業省としては、先月6月4日に半導体・デジタル産業戦略を公表したところであります。半導体産業等の新たな政策の方向性をそれによって示したところでもあります。

本戦略を踏まえて、先端半導体の国内製造基盤の確保など、半導体の安定的な供給体制の構築に取り組んでまいりたいと思っております。

EU気候変動対策

Q:先ほどのEUの気候変動対策の案について、環境対策が十分でない国からの輸入品に関税を掛ける国境調整措置の導入なども盛り込まれていると思うのですけれども、そちらに対する大臣の受け止めと日本の素材業界への影響について、どのように考えられていますか。

A:14日に欧州委員会が炭素国境調整措置の制度案を公表いたしました。公表された内容は欧州委員会の案であり、今後EU内で議論がされていくものと承知をしております。その上で、現在の制度案の対象とされている鉄鋼、アルミなどの製品について、EUの輸入に占める日本のシェアはいずれも1%以下というのが現状ということであります。

他方、その影響については今後の制度設計次第とも考えられるために、産業界ともよく情報交換をし、動向を注視をしてまいりたいと思っております。

グローバルな課題である気候変動問題の解決に向けては、対話や技術協力等を通じて各国が野心的な排出削減に取り組むように促すことがパリ協定に沿った対応であると考えております。日・EUグリーンアライアンスの下に、保護主義的な措置には抑制的であるべきことやWTO協定との整合性を確保すべきことなどについては、しっかりと対話をしてまいりたいと思っております。

案は承知をした上で、業界についても先ほど調べたように、現状対象となるのは鉄鋼、アルミということでありますけれども、この成り行きというのは非常に皆さんが関心を持って見ていることですから、我々もそういった形で将来の貿易ということも含めて考えていかなくてはならないと思いますし、このことだけではなくて、これの影響ということも含めて、例えばそこで弾き出されたものがほかの国に回ってきたりとか、それがコストというか、価格を下げる要因になるということも含めて、どういった影響があるかということは、やはり複眼で見ていかなければならないなということを感じております。

持続化給付金

Q:先ほど持続化給付金の件に引き続きなのですけれども、飽くまでも不正受給の疑いでということで1万件ということでした。

改めてになるのですが、審査の厳格さを保ちながら給付のスピードを高めることの難しさ、それについて所見を伺えますでしょうか。

A:持続化給付金に関しては、去年の5月1日から申請を開始したんですね。4月の末にその財源となる補正予算が成立をした。そして、できるだけ早く多くの困っている方に給付ができるようにという中で、必要最低限の要件ということと書類ということを整えました。

そういった中でいろんな不正が出ているということなのですが、迅速にお配りするということも考えていかなくてはならないという中で、多くの方が、与党のみならず野党の方も含めて、性善説でまずは全員に配ってはどうかというようなお話もあった。それでもやはり税金の使い道でありますから、最低限の要件ということでその書類を出してもらうことにした。

その書類の偽造とかということでもあるわけでありますから、これを厳格に審査をしてもなかなか調べようのないものもありますけれども、審査に時間を掛ければそういったものが明確になってくるものもあろうかと思いますけれども、まずは多くの方に給付をするということでやったということで、事後の対応として警察と連携しながら先ほどのように不正案件については厳正に対処をしていくという方向で今やり取りをしているということで御理解をいただきたいと思います。

ただ、先ほど言いました1万件という数字というのはどこからも出てないので、どこから出た数字かなということで思っております。

EU気候変動対策

Q:EUの自動車の35年との関連で質問なのですけれども、日本はグリーン成長戦略の中で、35年に新車販売を100%電動としていくものになっておりますけれども、海外の今回のEUみたいなものでその動向が変わってくることもあり得ると思います。

そうなった場合に、日本の35年目標を今後見直すということは、一般論としてはあり得るのでしょうか。

A:目標を上げていくことだけに集中するというよりも、それをいかに実現するかということが大切なことだと思っております。

今の時点でもかなり高いハードルだと思っております、46%。ただキャップではありませんよということは、その上もいくつもりの努力をしているということでありますので、ただどういった条件で各国が考えていくのかということはよく見ていかなければならないと思っておりますし、そのことが産業全体への影響というものは非常に大きくなると思いますので、ただ、私どもが言っているのは、また多くの国とやり取りしていることは、原料を変える、燃料を変えるということだけでなくて、地球温暖化ガス、そしてCOを大気中に排出しないということが大切なことであると、それについて、その手法や事実についてしっかりと最終的に認めていただくということと、例えば今から50年に向けて移行ということでトランジション、それぞれの国の移行の仕方があると思いますので、そういったものも含めて、すぐにゼロにしていくというよりも、その国によって資源の状況、経済の発展具合、またエネルギーの必要度合いというものも違いますから、それらも含めてしっかり話し合える素地をつくっていくというのが我々の考え方だということで御理解をいただきたいと思います。

EUともやり取りをしていますし、アメリカともやり取りをしている。そういった中でEU委員会の提案ということで、しっかり受け止めてまいりたいと思います。

Q:先ほどのEUの炭素国境調整措置の件でお伺いしたいと思います。

今大臣がおっしゃったとおり、保護主義的な側面もあるかと思うんですけども、国境調整数値という制度自体についての大臣のお考え、ちょっと伺えますでしょうか。

A:COを減らしていく、地球温暖化ガスを減らしていくという中での一つの手法だと思っております。ただ、国の格差がある中でそれをやってしまうと、世界の市場というものを乱してしまう可能性があるということ、あと、保護主義的な貿易の体制に陥ってしまうということ、様々な課題があると思います。

今EUもアメリカも、G7の中でも言われましたけども、WTOの機能回復をしなくちゃなりませんねと、健全な、公平な、公正なその貿易体制というものをみんなでルール化しましょうよという話がある中で、やはりそういったことも気を付けながら対応をしていくということが重要だと思っております。

先ほども申しましたけれども、そこで弾かれたものが逆にほかの市場、許容される市場に安値で入ってくるということもあるし、そのことが逆に温暖化ガスを増やす要因になることもあるということで、先進国だけでカーボンニュートラルはできるものではなくて、地球全体でやるためにはどうしたらいいのかという議論をしっかりとしていかなければならないし、我々もその中心で皆さんに、EUを始めとした皆さんに主張をしてまいりたいと思っております。

原発政策

Q:原発の運転期間についてですね、原則40年、最長60年とする現行の規定からですね、延長するという、延長を検討しているという、政府内で検討しているという報道があります。

この事実関係とですね、運転期間を延長することが必要なのかどうか、現段階で大臣の見解を伺えればと思います。

A:現在行っていますエネルギー基本計画の検討において、一部報道にあるような原子炉、例えばその法律を改正してこういうことをやるというような事実はございません。これはまだ事実誤認だと思っております。

ただ、審議会で十数回議論をしてきましたけども、そういったことも話題に上っていることも事実であります。ですから、しっかり透明性を持って議論をしていく必要はあるなと、私自身は思っております。

これはより厳格にすべきだという方向性もあるし、また、例えばその20年間の間の審査期間というものは実際に稼働をしていないからそこから差し引くべきだというような議論もあります。

そういったものが両方並行していくんではなくて、はっきり議論をして決着を付ける必要もあるなという思いがありますので、今後の課題としては私自身はそういったものがあるのかなとは思っておりますけれども、ただ、今先ほど申しましたように、政府の方針として法律を改正してどうこうという事実はございません。

(※)実際の発言は「価格交渉推進月間」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。

 

以上

最終更新日:2021年7月28日