2021年11月12日(金曜日)
9時51分~10時00分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
再任所感
おはようございます。冒頭私から1件です。
岸田総理から経済産業大臣、産業競争力担当大臣、ロシア経済分野協力担当大臣、原子力経済被害担当大臣、内閣府特命大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)を拝命をいたしました。
総理からは福島第一の廃炉・汚染水・処理水対策や福島再生、また新型コロナの影響による厳しい経済事情に対し、財政の積極的活用をはじめ政策の総動員、新しい資本主義の実現、自由で公正な経済圏の拡大、ルールに基づく多角的貿易体制のさらなる強化、エネルギー安定供給、2050年カーボンニュートラルの実現、クリーンエネルギー投資の支援、そして原油価格高騰に対し必要な対応の機動的な実施などについて指示がありました。
経済産業大臣として、総理からの指示に基づき職責をしっかり果たしてまいりたいと思いますので、改めてよろしくお願い申し上げます。
以上です。
質疑応答
COP26
Q: よろしくお願いします。COP26について2点お伺いします。
1点目が閉幕が近づいている中、日本としてどのような合意・成果を期待するのかというのが1点です。
2点目は、自動車やエネルギーなどの目標で有志国連合が形成されました。ただ、日本だけでなく米中も入らないなど、広がりを欠くということで、野心的な目標を掲げるグループとの隔たりが生じてしまっているのではいなかという見方もありますけれども、大臣の見解を伺えますでしょうか。
A: まず、COP26は世界にとって喫緊の課題である気候変動問題について、各国の連携を通じて前進を図る上で重要な機会だと認識しております。我が国は2050年カーボンニュートラルや2030年度46%削減を目指すなど、高い野心を掲げております。
他方パリ協定の目標達成には、日本だけでなく世界全体で脱炭素化を進めていくことが必要です。そのため、我が国が表明した5年間で100億ドルの国際的な支援という新たなコミットメントやアジアを中心とした脱炭素社会の構築に向けた我が国の役割については、多くの参加国から高い評価と歓迎の意が示され、存在感を示すことができたのではないかと認識しております。
我が国としても、関係各国と対話を重ねながら議論にしっかり貢献していくことで、COP26の成果が世界全体で実効的な気候変動対策につながることを期待をしております。
自動車についてお尋ねがありました。COP26では、議長国・英国などのリーダーシップの下、自動車やエネルギー分野で様々な有志連合がつくられていると承知しております。一つ一つのイニシアティブについてコメントすることは差し控えますが、エネルギーを巡る状況は各国で千差万別であり、各国もそれぞれの事情を踏まえて対応しているものと考えています。脱炭素社会の実現に向けては様々な道筋があると思っていまして、特定の手法に限定するのではなく、各国の事情を踏まえた包括的な脱炭素化の方策をと採ることが世界全体の実効的な気候変動対策には重要であると考えております。
我が国としても、2050年カーボンニュートラルや2030年度46%削減を目指すという野心的な目標のみならず、5年間で今申し上げた100億ドルの国際的な支援という新しいコミットメントやアジアを中心とした脱炭素社会の構築を通じて、世界全体での実効的な気候変動対策に貢献していく考えでありまして、アプローチの違いを今回イギリス側が提案しましたけれども、我々は目指すべき頂点は一緒なので、登り方の違いだと思っていますので、それをもって分断というようなことにはならないと思っています。
日本は日本としての事情を世界にきちんと世界に説明しながら、例えばオーストラリアのように同じような島国で同じような環境にある国々もあるわけですから、またハイブリッド技術については、日本は世界の先頭を走ってきたわけですから、そういった意味では様々なツールを総動員して、目標達成に向けてともに努力するという点では同じではないかなというふうに思っています。
原油価格高騰
Q: よろしくお願いします。今日の朝方、原油高騰の対策を協議する閣僚会議が開かれました。また、改めて開いた狙いと、またガソリン等値上がりが続いていますけれども、その中で追加の対策など、もし具体策があればお伺いしたいと思います。
A: 国内の石油製品価格が引き続き上昇しており、国民生活や経済活動への影響が懸念されるため、第2回目となる関係閣僚会合が開催されました。
関係閣僚等からは、農業や漁業における燃料費補塡制度の着実な実施ですとか、トラック・運送業における燃料サーチャージ制の徹底、産油国への働きかけなどの取組をしっかりと行っていく旨発言がございました。官房長官からは、国民生活や経済活動に支障が生じることがないように、新たな経済対策に原油価格高騰対策を盛り込むよう指示がございました。
経済産業省としても、これまでに措置をしてきた約1,000か所の相談窓口の設置や資金繰り対策に加えて、新たな経済対策に原油高騰対策に資する施策を最大限盛り込むべく今検討を加速しているところです。
引き続き原油価格の動向や個々の産業、国民生活の影響を見極めながら関係省庁と連携を取りつつ、燃料費高騰がコロナ禍からの経済回復の重荷とならないように機動的に対応していくために、あえて申し上げますけれども、補正予算で対応したらこれは年末年始を対応できないと私は思っていますので、予備費の活用を視野に入れて提案をさせていただいているところです。
Q: 今おっしゃられた予備費の活用なのですけれども、レギュラーガソリンの平均価格が169円になるなど、生活への影響を及ぼし始めていますが、予備費を活用するということは具体的に何にどう使うのか、そのあたり決まっていたら教えてください。
A: 既に申し上げたとおり、ガソリン価格の高騰が続いておりまして、これは大変危惧をしております。
具体的にどこにどういうお金を入れるかということについては、これから最後の詰めがありますので、今日のところはコメントは控えさせていただきたいと思いますが、結果として売値価格に抑制が掛かるような仕組みができれば、まず年末に向けて国民に安心感を与えることができるのではないかと思っていまして、そういったことを考えております。
鉄鋼・アルミニウム追加関税
Q: 来週15日にアメリカの商務長官、レモンドさんが来日予定ですが、仮に萩生田大臣との会談が実現した場合に、鉄鋼、アルミニウムに対する追加関税の問題などについてどういう成果を期待しているでしょうか。あとこれまで追加関税が掛けられていたことによって、国内メーカーであるとか日本経済などにどのようなインパクト、影響があったとお考えでしょうか、お聞かせください。
A: 米国は通商拡大法232条に基づき、日本の鉄鋼・アルミ製品に対して2018年3月から追加関税を課しております。こうした中で対米輸出は、鉄鋼製品につき2017年に16.6億ドルから2020年には9.8億ドルに減少し、またアルミ製品につきましては、2017年に2.5億ドルから2020年には1.3億ドルに減少しています。
日本としては、我が国からの鉄鋼・アルミの輸入に対する追加関税措置について、累次にわたりWTO協定と整合的な形での関税撤廃を求めてきたところでありますが、仮にレモンド商務長官来日中にお会いする機会があるとすれば、この鉄鋼・アルミの輸入に対する追加関税の完全撤廃について、当然働き掛け、お願いをしていきたいと思っております。
以上
最終更新日:2021年11月24日