2022年2月8日(火曜日)
8時58分~9時08分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
鉄鋼・アルミ追加関税
おはようございます。今日、私から3点ございます。まず本日、米国政府は、日本から輸入する鉄鋼製品に関する米国通商拡大法第232条関税の部分的撤廃及び派生製品に関する同関税の完全な撤廃を発表しました。
今朝ほど私の談話も発表しましたが、日本としては、これまでも鉄鋼・アルミニウムへの同関税についてWTOルールに整合的な形での完全解決を求めてきたところです。今般の米国の対応は、そうした解決に向けた一歩であると考えますが、引き続き完全解決を強く求めていきたいと思います。
同時に、鉄鋼・アルミニウムグローバルアレンジメントについての議論の開始を含む共同声明を発表しました。米国、更にはEUなど志を同じくする国・地域とともに市場歪曲的措置や脱炭素化に対処し、基幹産業である鉄鋼及びアルミニウム産業の持続的発展に向けて世界をリードしていきたいと考えています。
詳細につきましては、後ほど事務方から説明をさせます。
原油価格高騰
2点目ですが、本日の閣僚懇におきまして、原油価格高騰対策に関する総理指示がございました。具体的には、岸田総理より、ウクライナなどの国際情勢の緊迫化による原油価格上昇を踏まえ、政府として国民生活や経済活動への影響を最小化すべく先手先手で機動的に対応していくため、まず、政府で行っている原油価格高騰対策への対応の効果についての検証、また、国内、海外を見据えた更なる対応策の検討の2点について、官房長官の下で関係閣僚が連携して対応するよう指示がございました。
経済産業省としては、岸田総理からの指示を踏まえ激変緩和事業等の効果検証を行うとともに、原油価格の高騰がどの程度長期化するのかも見極めながら、国民生活や経済活動への影響を最小化するという観点から、何が効果的な対策か不断の検討をしてまいります。
新型コロナウィルスワクチン
3点目です。ワクチン接種のペースアップに向けた取組の強化です。
昨日、岸田総理から、私を含めた関係閣僚に対して、2月のできるだけ早期に1日100万回までペースアップすることを目指して取組を強化するよう指示がございました。私に対しましては、職域接種に関して、所管業界の企業に積極的に働き掛けをするよう指示がございました。
感染力の強いオミクロン株の対応に当たり、ワクチンの3回目の接種は発症予防、重症化予防の要です。企業の皆様におかれましても御協力をよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
質疑応答
鉄鋼・アルミ追加関税/原油価格高騰
Q: よろしくお願いします。
2点ございます。
一つ目が、鉄鋼とアルミニウムの関税の件ですけれども、完全解決に向けて引き続き取り組んでいかれるということですけれども、完全解決の実現に向けた今後の取組をどのように進めていきたいのかということを教えていただきたいです。あともう一点、ガソリンの補助金なんですけれども、先ほど総理からの指示もあったということですけれども、補助金の上限の引上げや、その減税といったような対策というものが今後検討されていくという理解でいいのでしょうか、この辺りのお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
A: 先ほども申し上げましたけど、今般の協議の中で、WTOルールに整合的な形での完全解決を求めてまいりましたが、今般、この段階においては例えばアルミの非課税枠は措置されなかったという状況もございます。
ただし、232条関連の整理について見れば、2020年の鉄鋼の対米輸出が72万トンに対して、アルミは2万トンに過ぎず、かつ製品別除外制度が継続されるため、日本企業においてはこうした制度を活用しながら、無税での輸出ビジネスのチャンスを追求していただくことが可能な状況になりました。
いずれにしても、今回の措置は解決の第一歩でありますので、引き続きWTOルールに整合的な形で完全撤廃、これを引き続き粘り強く働き掛けをしてまいりたいなと思っています。
ガソリンですけれど、本事業は1月27日から支給を開始したばかりでありまして、これをまずは着実に執行してまいりたいと思います。現時点で5円の上限を引き上げるということは考えておりません。
経産省としては、冒頭申し上げた岸田総理からの指示も踏まえ、激変緩和事業等の効果検証を行うとともに、原油価格の高騰がどの程度長期化するのかも見極めながら、国民生活や経済活動への影響を最小化するという観点から、何が効果的な対策か不断の検討をしてまいりたいと思います。
自動車産業政策
Q:自動車のことについてちょっとお伺いしたいと思います。
これは前梶山大臣にも伺ったことなんですけれども、2035年をめどとしたゼロエミッション化ですね、自動車の。これ、結構なことなんですが、FCV、EV、あとはトヨタなどが着手している水素エンジン車、いずれにしましても国民生活においてはやっぱり値段ですね、車の。それがいまだにFCVは、それからEVも到底一般庶民には手が届かないと。
水素エンジンも、やはり水素インフラですね。FCV等のようにまだまだ整っていない。水素価格だってまだ高い。
それで、第4の道としてちょっと希望を見いだしているのが、水素混焼エンジンというのが市川勝先生、触媒学会の会長なんですけどもね、10年以上前からもう技術的な実証をされているんで、トヨタさんだけに研究を任さないで、国としてもやはり産総研などの研究機関を巻き込む、あるいは事業化してそういった水素、アンモニアのような燃料を既存のガソリンエンジン車に使用可能にして、徐々に水素、アンモニアを高めていくと、そういった研究も国主導でやればですね、早期に超低価格の軽自動車が開発されるんじゃないかと私は思うんですけどもね、梶山大臣も前梶山大臣も水素エンジンも大いに結構だと、選択肢の一つとして進めたいということを申しておりましたので、大臣も水素エンジン並びに混焼、次世代エンジンについてどのようなお考えかお願いいたします。
A: 自動車のカーボンニュートラルに向けて現時点で完全な技術は存在しないため、電気自動車、燃料電池自動車や燃料の脱炭酸化など多様な技術の選択肢を追求することが重要だと思っております。政府としては2035年までにハイブリッド車も含め電動車100%という目標に向け、様々な課題を解決すべく包括的な措置を講じていきます。この電動車100%というのはヨーロッパが言っている電気自動車100%じゃなくて、今、エンジニアリングニュースさんがおっしゃったように、ハイブリッドもあれば水素もあれば、それからアンモニア混焼などによる新しい、言うならば燃料の脱炭酸化による今のガソリン形態の車を上手に使っていくというよう・なことも当然含んでおります。
依然として車両価格の高い電気自動車や燃料電池自動車について、インフラ整備とともにその普及を加速化していく必要があることから、今般の補正予算及び当初予算において購入支援やインフラ整備の補助事業として総額605億円を織り込んだところでございます。また、技術面の課題については2兆円のグリーンイノベーション基金を活用しつつ、例えば航続距離などの課題を解決するためにエネルギー密度の高い高性能な蓄電池の技術開発を行うとともに、液化水素運搬船を活用した水素の供給コスト低減に資する技術開発や実証など、また御指摘のあった新しい燃料を混焼させるというこういう仕組みも含めて、確かに経産省関連の団体でも技術研究は続けております。これは別にメーカー任せじゃなくてメーカーと一緒になって技術革新をしていきたいと思いますし、これは日本はイノベーションでこの局面を越えていくということを私、国会でも申し上げてありますので、せっかく日本がつくった例えばハイブリッドなどはヨーロッパなどでも非常に利用者が多いんですね。ですから、これを更にCO2を出さない精度を上げていくということも含めて、国も一緒になってこの研究はしていきたいと思います。
自動車は国民にとって必要不可欠な移動手段であり、引き続きあらゆる技術の可能性を追求しながら包括的な措置を講じてまいりたいと思います。
ウクライナ情勢
Q: お願いします。ウクライナ情勢が緊迫しているわけですけど、ロシアが実際に侵攻に踏み切った場合に、政府として、経産省としてというより政府中心になると思うんですけれども、何らかの制裁を検討しているということであれば、現状お考え等あれば。
A: ウクライナ情勢について、米国を含むG7を始めとする関係国と連携しつつ、適切に対応していく考えでありますが、現時点で検討や調整の内容について事柄の性質上、公にしていくというものではないと思いますので、しっかり幅広に前広にどういう事態になってもしっかり国民生活を守れるように検討はしています。
以上
最終更新日:2022年3月7日