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萩生田経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2022年5月10日(火曜日)
8時41分~8時56分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

ウクライナ情勢

Q: 昨日、総理が、ロシア産の石油の原則禁輸の方針をG7で表明されたということで、ロシア産の石油の禁輸に関してどう実現されていくお考えか伺いたいと思います。
総理のお話では、サハリンの権益維持をするということだったと思いますが、輸入をゼロにすることはできるのでしょうか。

A: 石油のほぼ全てを輸入に頼っている我が国としては大変厳しい決断でありましたが、G7の結束が何より重要なときということもあり、今回のG7首脳声明も踏まえ、ロシア産石油の原則禁輸という措置を取ることにしました。
一方で、今すぐにロシア産石油を禁輸できるわけではなく、一定の時間軸の中で秩序立った形で代替エネルギーを確保しながら、ロシアのエネルギーへの依存状態から徐々に脱却していくことをコミットしています。今後、石油輸入削減・停止の具体的な方法や時期などは、実態を踏まえながら検討してまいりたいと思います。
とりわけ我が国が有する権益からの石油輸入については、エネルギーの長期かつ安価な安定供給に貢献していることなどを踏まえ、国民生活や事業活動への悪影響を最小化する方法で、時間を掛けてフェーズアウトのステップを検討してまいりたいというふうに思っております。

エネルギー安全保障

Q: 経済安全保障に関連してという形になるんですが、従来の先端技術の流出防止に加えて、今もあったエネルギーの確保についても非常に注目が高まっているかと思います。国産エネルギーが少ない日本としてその取り得る手段をどのようにお考えなのか。
あと、最近、海外で原発の再稼働を目指す動きであるとか、岸田首相も変わらないとは言っていますが、原発の再稼働に比較的前向きな発言を繰り返しているように見受けられるんですが、大臣は、その原発再稼働の加速というのもこの状況下で取り得る手段の一つとしてお考えでしょうか、伺えればと思います。

A: エネルギーは、全ての社会経済活動を支える土台であり、我が国は今後、ロシアによるウクライナ侵略へ対応しつつ、エネルギー安全保障を確保することを大前提に、脱炭素への取組も同時に進める必要があります。
そのため、積極的な資源外交を通じた資源の調達先の多角化を進め、徹底した省エネ、再エネの最大限導入、安全最優先の原発再稼働を通じたエネルギー自給率の向上を加速させてまいりたいと思います。
御指摘の原子力は、実用段階にある脱炭素のベースロード電源であることを踏まえれば、重要な電源として活用していくことが必要だと思っておりまして、日本としてはあらゆる選択肢を追求するとの方針に基づいて、引き続きエネルギー安全保障を確保してまいりたいと思います。
既にエネルギー基本計画でお示しのとおり、独立した調査機関が認めた安全性の高いものについては、地元の理解を頂いて再稼働を進めていくという、こういう方針に変わりありません。

ウクライナ情勢

Q: 石油の禁輸の関連でお願いいたします。
サハリン1について、権益を維持する方針に変わりはないということですけれども、日本が今後輸入を止めたとしても、経産省や日本企業が出資するSODECO(サハリン石油ガス開発)は、現地で採掘される原油の販売というものを続けざるを得ないと思います。
経産省としては、今後サハリン1から出てくる原油を、今後どのように売りさばこうとしていくお考えかお聞かせください。

A: 今回、大変厳しい判断でありましたが、G7の結束が重要ということがあって、G7の首脳声明も踏まえ、ロシア産石油の原則禁輸という措置を取ることにしました。
先程申し上げましたが、一方で、今すぐ禁輸ができるわけではありませんので、一定の時間軸の中で秩序立った形で代替供給を確保しながら、ロシアのエネルギーへの依存状態から徐々にフェーズアウトしていくことを目指していきたいと思います。
石油の販売先は、これまで同様、日本に加え韓国など近隣諸国が想定されますけど、これは企業側の経常の利益を害するおそれがあるため、今の段階で詳細なお答えは差し控えたいと思います。

Q: この禁輸の影響は、産業面への影響についてどのようにお考えでしょうか。元売でしたり商社でしたり、軒並み最高益が見込まれているわけですけれども、そういった産業面への影響についてお聞かせください。

A: これは当然、経済界に与える影響というものは決して小さなものではないというふうに思っています。
禁輸を目指すという大きな方針は、多分多くの国民は理解いただくと思うんですが、それに伴う様々なマイナス要素については、まだ実態としてよく分かっていない部分があるわけです。
昨日もぶら下がりでお話ししましたけれども、これ、各国がロシアからの禁輸を決めれば、その代替を争奪をしなきゃならない。産油国に対しては増産のお願いしていますけど、前からお話ししているように、産油国にしては、じゃあ増産した分を継続的に買い続けてくれるんですかということを問われているわけです。
少なくとも日本は、CO2を削減するという技術的なことで、石油も一定量は使い続けることを前提にカーボンニュートラルを目指していますから、うちは使いますと言っていますけれど、ヨーロッパなどがこの事態に応じて突然禁輸を強化した場合に、その代替を産油国に増やしてくれといって、一時的に買うかもしれないけれど、いつの日かまた要らないと言われれば、これは産油国も困るわけでありまして、その辺も含めてやっぱり経済に対して、あるいは市場に対して物すごく影響があることは否めないと思います。
私は今、足元では大きな方向で禁輸を決めたということまで国民の皆さんにお示ししていまして、多分国民世論としてはロシアとの今後の付き合いを考えたら、これはやむを得ない判断だなというところまでは皆さん理解いただくと思うんですけど、その結果としてエネルギー価格が高騰するということがついてくるということをどこかできちんと説明していかないと、なかなか日本の政策を御理解いただけないんじゃないかと思っています。勇ましいこと言う人、たくさんいますけど、日本の国民の暮らしも守っていかなきゃならないし、日本経済も守っていかなきゃならないんで、ここは国際社会との約束事、それから国内の国民生活や経済を守るということ、こういった難しい方程式をエネ庁の皆さんと日々検討しているところでございまして、最終的にロシアに対してプレッシャーにならないんだったら、これは意味がないと思います。先程お話のあったサハリンについても、うちが撤退を早々にすれば、第三国に権益が移動する。あるいはロシア産の原油を禁輸っていうんだけど、オイルロンダリングされたときに第三国を経由して市場に出てきたものがロシアのものかどうかというのを判断するのは物すごく難しい問題もあると思うんです。
ですから、ここはG7の目指すべき方向は否定を私もしませんけれど、現実問題どういう課題が残るのかということは各国ともしっかりアンテナを高く上げて、いろんなシミュレーションしていかないと、結果として今我々がやっていることがロシアに対して大きなプラスになって、何のための制裁だったのかということになってはならないと思いますので、そこは日本としては冷静な対応を続けていきたいなと思っています。企業の皆さんにできるだけ影響を最小限に抑えることができるような努力は同時にしていきたいと思っています。

Q:よろしくお願いします。
G7協調に関連してお伺いします。G7が協調しているロシア産エネルギー、石油供給の依存度の低減に努める中で、エネルギー安定供給確保に向けた米国の産油・産ガス国としての位置づけと原油、LNG増産への期待についてお伺いできますでしょうか。

A: G7においても各国それぞれの事情に配慮して持続可能な代替供給を確保するための時間を提供しながら、ロシアのエネルギーへの依存状態をフェーズアウトすることとしておりますので、各国において依存度低減に向けた検討が進んでいくと思います。
米国についてはエネルギーの主要な消費国であると同時に生産国でもあり、エネルギー安定供給確保に欠かすことができない国であると考えています。特にLNGについては米国では比較的短期間で増産ができる既存プロジェクトの拡張計画などもありまして、日本企業も関心を持っています。日本も公的金融での支援を通して、米国のプロジェクトの立ち上げに貢献をしていきながら、日米で世界の安定供給に向けたLNG協力を進めたいと思います。私は先日、米国を訪問しまして、グランホルム長官ともこの件をお話ししてきました。用意ドンで、ロシアからの石油買うのやめよう、石炭やめよう、LNGも考えようということになったときに、その代替策を見つけないで一斉に皆さんがそういう行動を取れば、これは世界経済エネルギー含めた大混乱が起こると思いますので、米国の果たす役割って大きいというふうに思います。産油国であり、産ガス国であるわけですから、米国はこのG7の議論をリードしたのと同じように、自らの国の増産体制というのをしっかり作るべきだと。日本政府はそれに対して、上流投資も含めて協力をしていくということを申し上げてきたところでございまして、ここは米国の対応というのを注目したいと思っています。

IPEF

Q: アメリカとの通商の関係についてお話を伺いたいんですけれども、アメリカのエマニュエル駐日大使と冨田大使が昨夜オンライン会談をして、IPEF(インド太平洋経済枠組み)が正式に発足するというふうに冨田大使からお話をされたということで、TPPがアメリカとの間で進めてきたということもある中で、大臣はこのIPEFは今どういう段階にあるとお考えでしょうか。

A: IPEFにつきましては、昨年から米国がインド太平洋地域に関して関与していくということで提案があって、それは私は歓迎したいと思っているんですが、既存のTPPがあって、しかもこのTPPは12から11になる過程の中でアメリカが抜けた。オバマ政権の副大統領をやっていたバイデンさんが大統領になったわけですから、私はTPPに戻ってくれということも公の場でも申し上げています。
TPPに代わるのがIPEFじゃなくて、IPEFはアジア太平洋、インド太平洋の様々ないい意味でのルール作りをしていこうというので、これは単純に経済枠組みだっていうんだったら、じゃ、TPPと何が違うんだということになるし、これに関連する各国は何のメリットでそこに入ってくるのかということが不明瞭になりますので、私はアメリカはここの地域に関与してくれるということに対しては、歓迎したいと思うんですが、どういう中身をルール作りしていくところなのか、どういう話合いのプラットフォームなのか、そういうことについては、もう少し理解を深めていただく努力を米国もするべきだと思いますし、冨田さんもおっしゃっていたかもしれませんが、これ、アジアの国々がやっぱりできるだけ多く参加して初めて意味があるものだと思うんですね。少数のコミュニティーを作っても、これは何の意味もないですから、そういう意味では立ち上げありきではなくて、できるだけ多くのASEANの国々がこういった方向性を皆さんで共有して、そしてここで作るプラットフォームの中でどういう話合いができるのか、どういうふうに活用していくのかということを明確にした上で、是非スタートするべきじゃないかなと思っていますので、スタートの時期については、私は承知をまだしていませんけれども、訪米時にこのことはよく話をしてきたつもりでございますので、繰り返しになりますけれども、設置そのものは歓迎したいと思うんですが、多くの国々の参加を得てスタートしたいなと、今そういう状況です。

ウクライナ情勢

Q: 今回の原油の禁輸ですけれども、今後LNG天然ガスの禁輸につながる可能性というものについては、どのようにお考えでしょうか。

A: これはちょっと私も分からないんだけれども、ガスの方がEUは厳しいんじゃないかなと。やっぱりボリューム感が違いますし、代替国が、例えば石油は中東が増産することによって、一時的に全体の量をカバーすることは多分できると思うんですけれども、LNGガスはそういうわけにいかないので、なかなかそこまで踏み切れないんじゃないかと思うんですね。
そもそもこの制裁措置が始まったときに、エネルギー安全保障は別だということでスタートしてきたわけですけれども、かなり戦争が長期化をしたことによって、各国、ロシアに対してもっと厳しい措置が必要だという中で段階的に出てきたものだと思いますので、じゃ、LNGはどうするんだということになったときに、将来的にそれも対象にするということは否定はできないと思いますけれども、かなり制度設計は難しいと思います。
次の宿が決まらないで、今の宿をキャンセルしちゃったら、路頭に迷うことになるわけですから、それを世界中が同じことができるかどうか、よく見極める必要があるかなと思っています。

 

以上

最終更新日:2022年6月15日