2022年5月24日(火曜日)
9時8分~9時17分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
特になし。
質疑応答
IPEF
Q:よろしくお願いします。
昨日の日米の首脳会談に絡み二つ、幹事社からお聞かせください。
まず、米国政府は、インド太平洋地域の新たな経済枠組み(IPEF)の発足に向けて、日本を含む12か国と協議を始めることを発表しました。この13か国体制で協議をすることになると思いますが、こうした枠組みに参加することの期待に加えて、このIPEFの発足で地域の経済活動にどのような変化があると考えるか、まずお聞かせください。
A:昨日、米国主催のインド太平洋経済枠組み(IPEF)立ち上げに関する首脳級会合及びその直後に開催されたIPEF関係閣僚会合に出席をしました。
IPEFの立ち上げがASEAN7か国やインドを含む幅広い国の支持を得て発表されたことは、インド太平洋地域の共通の利益の実現に向けた大きな第一歩だと思います。米国のこの地域への関与を強化する動きとして歓迎したいと思います。
共同声明にあるとおり、まず将来の交渉に向けた議論を始めることとしており、このIPEFの取組を、インド太平洋における自由で公正な経済秩序の構築につなげていくため、関係国と知恵を出し合っていきたいと思います。
具体的には、貿易投資の円滑化、デジタル経済、サプライチェーン強靱化、脱炭素、クリーンエネルギーを含むインフラ開発の促進など、この地域の国々が具体的なメリットを実感できる取組としていきたいと思います。
よく報道で、具体的なメリットが、要するに、税制上の具体的なメリットがないということをコメントされているんですけれど、それはそれで、そういう性格のものですから、それはそれで私もそのとおりだと思いますけど、したがってそれの、いうなら関連するRCEPだとかCPTPPというのは存在しているわけですから、そこへいろんな話を持ち込む上でも、この13か国が枠の外で話ができるということは、私は逆にメリットだと思うんです。CPTPPやRCEPで直接どんとFTAの話をするんじゃなくて、外で少し違う角度から話ができるテーブルを持つというのは、私は逆に各国にとっても大きなメリットだと思いますし、私自身も、また岸田総理も昨日おっしゃっていましたけど、例えば経済的な税制の話になるんだったら、これはTPPへ戻るべきだということをアメリカに呼びかけているのもその一つでありますので、大きな進展じゃないかなと私は思っております。
経済版2+2
Q:ありがとうございました。
もう一問お願いします。
同じく日米首脳会談では、経済版の2+2を7月に開催することで合意いたしました。改めてこの枠組みの意義や成果目標、またどういったテーマで議論を進めたいのかということを教えてください。
あと加えて、開催場所なんかについても、現時点で分かっていることがあればお聞かせください。
A:公表された日米首脳共同声明では、閣僚級の日米経済政策協議委員会、いわゆる経済版の2+2を今年7月に開催するとの両首脳の意思が表明されました。サプライチェーン強靱化を含む経済安全保障の確保や、インド太平洋地域におけるルールに基づく経済秩序の強化などの分野で、首脳間で確認された方針を踏まえながら日米協力の強化に向け議論をしていきたいというふうに思っております。
開催場所等の詳細については、今後日米間で調整していきますが、非公式に私とレモンド長官の間ではハワイがいいよねという話をしています。
先端半導体
Q:よろしくお願いします。
同じく共同声明、昨日の首脳会談の関係で、共同声明の中に次世代半導体の共同開発のタスクフォース設立の合意をしたということで盛り込まれているんですけれども、半導体を担当されている大臣として、これをどのように進めていくかお考えでしょうか。
A:昨日公表された日米首脳共同声明では、次世代半導体開発に向けた共同タスクフォース設立や重要技術の輸出管理での協力など、経済安全保障の強化に向けた協力を追求していくことで一致をしました。日米経済政策協議委員会、いわゆる経済版2+2においては、こうした取組について戦略的観点から幅広い議論を行い、日米協力を深化させていきたいと思います。
このほか首脳声明では、月面の有人探査などを目指すアルテミス計画における協力でも一致しており、これはたまたま私が署名した計画なんですね。当時、アメリカ政府は、火星までの一気通貫の計画をアルテミス計画と呼んで、これに日本に参加をしてくれと言われたんですが、さすがに火星まで今約束するのはどうかなと思ったんで、手前の月までを、まず合意をして署名をしました。図らずも、そういったことで進み始めましたんで、経産大臣になりましたけれども、経産省としてもこれ、関わりのあることなんで、政府としての取組にしっかり協力してまいりたいなと思っております。
特に昨日も、記者の皆さん見たかどうか、月面を走るローバーは、これ日本の技術で今、研究開発をしていまして、余計なことですけれども、私の地元のトヨタの研究所で今作っています。
ファースト・ムーバーズ・コアリション
Q:昨日の成果文書の方なんですけれども、そちらの方で世界の主要企業が脱炭素製品を大量調達を掲げて需要を創出するファースト・ムーバーズ・コアリション、こちらに日本が戦略パートナーシップとして参画するということが盛り込まれました。これについてなんですけど、日本政府としてどのような貢献を考えていらっしゃるのか。また、日本企業の参画というのをどのように後押しする考えか教えてください。
A:ファースト・ムーバーズ・コアリションは脱炭素化に必要な製品について、初期需要を早期に創出するべく、主要グローバル企業が購入をコミットする枠組みであります。
イノベーションの活性化や先端技術の社会実装の加速化の観点から重要な取組だと考えています。まずはこの取組が、枠組みが円滑に機能するように、対象技術に関する基準策定や、日本企業の先端的な製品の供給、日本企業による初期需要の創出を通じて、日本としても積極的に貢献してまいりたいと思います。
また、日本企業に対しては、グローバル企業の旺盛な需要を取り込んでいくことができるといったメリットや、初期需要創出による社会実装の加速化の意味も示しつつ参画を示して、参画を促してまいりたいと思います。
ここ、日本にとっては、得意分野だと思います。特に脱炭素に向けての技術的な様々な提案ですとか、あるいは製品化したもの、また、我が省で応援をして社会実装を今進めているもので、みんながあっと思うようなものはたくさんあると思いますので、ここは是非イニシアチブを取っていきたいなと思います。
エネルギー安全保障
Q:日米共同声明に関連してお伺いします。大臣も連休中、訪米されて、アメリカにLNGの増産などを求めていたエネルギー分野に対する日米間の協力について、共同声明で書き込まれました。盛り込まれた内容に対して、大臣として、直前に訪米までしていたので、受け止めについてちょっとお聞かせください。
A:日米首脳会談の結果、取りまとめられた共同声明では、今月、私とグランホルムエネルギー長官の間で合意した日米クリーンエネルギー・エネルギーセキュリティ・イニシアチブの設立を両首脳は歓迎するとともに、米国のLNGが果たす重要な役割を強調し、その増産に向けた米国産業界による投資を岸田総理が歓迎する旨が盛り込まれました。
世界がロシア産エネルギーへの依存度を低減させていく中で、米国との間でエネルギー安全保障の強化に向けた連携を更に強化するとともに、水素、アンモニア、CCUS、カーボンリサイクル、原子力、再エネといった幅広いクリーンエネルギー分野における協力を推進していく新たな枠組みの設立に合意できた意義は大変大きいと思います。
御指摘のように、先に米国を訪問して、グランホルム長官との間で合意したことが、そのまま首脳間の合意にランクアップされましたので、そういった意味では大きな成果があったんじゃないかなと思います。引き続き、LNGに関する協力も含め、エネルギー分野における米国との連携を一層強化してまいりたいと思います。
ごめんなさい、私、さっき税制と言いましたが、関税ですよね。関税のメリットの話を盛んにされていますけれども、具体的にそういうことを話し合う場ではないんですけれども、さっき申し上げたように、それが関連する会議につながるというふうに思っていますので、そういうメリットはあると思います。
以上
最終更新日:2023年4月11日