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萩生田経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2022年7月5日(火曜日)
9時36分~9時52分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

GX実行会議

 おはようございます。初めに私から2点申し上げます。
 足元では電力需給逼迫やロシアによるウクライナ侵略による資源・エネルギー供給の緊迫化など、エネルギーをめぐる状況は予断を許さない状況が続いておりますが、エネルギーの安定供給確保に向け、引き続き全力を挙げる必要がございます。
 一方で、2050年のカーボンニュートラル、2030年度の46%温室効果ガスの削減などの野心的な目標に向け、日本全体をクリーンエネルギー中心の社会に転換させていく取組も併せて加速させ、これにより日本経済の成長と脱炭素の両者を実現させていくことも急務となっております。
 夏以降、官邸にGX実行会議を立ち上げ、政府全体でGX実現に向けた政策を具体化させていくことになりますが、省内の体制が新しくなったことを機に、本日、私を本部長とするGX実行対策本部を経済産業省に立ち上げ、検討を加速させてまいります。詳細はまた、後ほど事務方にお尋ねください。

オーストラリア出張

 2点目ですけども、7月11日から15日までQUAD(日米豪印)のエネルギー大臣会合及びシドニーエネルギーフォーラムへの出席のため、オーストラリアに出張いたします。QUADエネルギー大臣会合は、本年5月に東京で開催されたQUAD首脳会合を受けて初めて開催されるものです。水素、アンモニア、CCUS、カーボンリサイクルなどを始めとするクリーンエネルギー分野の協力などについて各国と直接知見を共有しつつ、協力の拡大に向けた議論を行うことは、脱炭素の加速化やクリーンエネルギー技術の社会実装促進に加え、我が国のエネルギー安全保障の向上にもつながる重要な意義がございます。加えて、豪州政府の主催により初めて開催されるシドニーエネルギーフォーラムにも出席し、バイ会談などの機会も活用し、エネルギー安全保障の強化と脱炭素に向けた我が国の取組などを発信していく予定です。
 また、豪州新政権のファレル貿易・観光大臣とのバイ会談についても、この機会を捉えて追求し、昨今の世界情勢を踏まえCPTPP、RCEPやIPEFなどの通商政策についても議論を行う予定です。
 本出張を通じ、米豪印を含む各国との関係性を一層強化しつつ、我が国の考え方を広く発信してまいりたいと思います。
 私からは以上です。

質疑応答

サハリン2

Q:よろしくお願いいたします。
 サハリン2の大統領令に関してお伺いいたします。
 これまでサハリンの権益については堅持するという姿勢だったと思いますが、この大きな方針に変わりはないのかということを確認させてください。その場合の日本政府としての対応と、あと出資している2社にどういう対応を求めているのか教えてください。
 もう一点、新会社の株式を取得する場合、新会社の設立から1か月以内に申請をするというふうになっていますが、その1か月の具体的な期限が何月何日と明記されているか、併せてお伺いいたします。

A:今回の大統領令によって直ちにサハリン2からのLNG輸入が止まるわけではございませんが、今後大統領令に基づき、求められる内容を事業者とともによく精査をし、慎重に対応策を考えたいと思っております。同書面によるサハリン2における日本企業の権益の扱いや、サハリン2からの日本へのLNG輸入への影響は現在精査中でありまして、今後の対応については予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。サハリン2は日本の電力やガス安定供給の観点からも重要なプロジェクトです。引き続きLNGの安定供給が守られるように官民で一体となって対応してまいりたいと思っております。
 ロシア政府が我が国企業に求める各種手続の期限や出資条件も含めて本件大統領令については現在ロシア側に対して外交ルートで説明を求めるなど、政府としても情報収集を行っているところでございます。それ以上の詳細については差し控えたいと思いますが、我が国の脆弱なエネルギー需給構造を踏まえつつ、エネルギーの安定供給を確保し、国民生活、経済活動をしっかりと守りながら、引き続き慎重に対応してまいりたいと思います。
 1か月以内云々という文言はありますけど、何を起点に1か月なのか、それもよく分からないので、これからしっかり精査していきたいなと思っています。

火力発電所火災

Q:火力発電所で火災が発生するなど、少し運転が停止したり予期せぬトラブルが発生している件についてお伺いさせていただきます。
 夏の節電の要請の期間を迎えている中、こうしたトラブルを全部未然に防ぐというのは難しいかと思うんですが、こうした予期せぬトラブルが発生することで電力需給の逼迫が一層厳しさを増すというような事態が起こり得ることが想定されます。事業者に対してこうした予期せぬトラブルを可能な限り減らせるような点検とかを充実させるとか、そういう予定だったりとか指示だったりとか、経産省として何か対応しているのかについて教えてください。

A:7月2日にJERAの千葉火力発電所、また翌日には東北電力の東新潟火力発電所において、それぞれ火災が発生しました。いずれの火災も直ちに運転を停止するとともに、発電所員による消火活動が行われ速やかに鎮火されたと報告を受けております。また、この火災により東京電力管内と東北電力管内の電力供給に大きな支障は生じていないものと承知しております。
 経産省としては先月にも夏季の電力需要期に向けて電気設備の保安管理を徹底するよう発電事業者に求めていたところでございます。今回の事案の発生を受け、本日改めて事業者に対し、事故防止に万全を期すよう注意喚起するとともに、原因の早期究明を求め、さらなる保安の徹底を図ってまいりたいと思います。御指摘のとおり、夏に向けてぎりぎりの体制で火力を回しておりますので、あらかじめしっかり管理、点検をしてくれということを改めて徹底していきたいと思っています。

KDDIが通信障害

Q:KDDIが通信障害で一部の企業の活動へ影響が出ました。中小企業ですとか電力業界とか産業界への影響について大臣の御認識をお願いします。

A:KDDI等の通信サービスについて、7月2日から障害が発生し、全国エリアで利用困難な状態となっていたことについては大変遺憾です。
 本通信障害によって通信を利用するサービスの提供事業者など、中小企業を含む様々な事業者に影響が生じたと聞いておりますし、そう考えられます。
 一方で、電力業界では専用の通信ネットワークを利用していることなどから特段安定供給への影響は生じなかったと聞いています。自動車についても緊急時のオペレーターへの連絡や遠隔での防犯機能など、いわゆる「つながる車」の機能の一部に障害が発生したと聞いておりますが、車両の走行自体への影響については報告を受けていないと聞いております。
 通信サービスは国民の日常生活や社会経済活動に必要な不可欠なインフラであり、今後はこのような通信障害が発生しないように関係者にはしっかりと原因究明と対策を実施していただきたいと思います。
 ちょうど土日だったので選挙も大変でした。

経済版2プラス2とIPEF

Q:経済版2プラス2とIPEFについてお伺いしたいんですけれども、それぞれいつどこで行われるか、決まっていることがあれば教えてください。また、それぞれ開催された場合に、何を議題にしていきたいか、何を成果としていきたいかを、大臣のお考えをお聞かせください。

A:経済版2プラス2においては、サプライチェーン強靱化を含む経済安全保障の確保や、インド太平洋地域におけるルールに基づく経済秩序の強化などの分野で、首脳間で確認された方針を踏まえながら、日米協力の強化に向けて議論していきたいと思っています。
 また、IPEFはインド太平洋地域における持続可能かつ包摂的な経済成長の達成を目指すものであり、地域の実態を踏まえた具体的なメリットを実現する枠組みとしていきたいと思います。できることから早期に成果を実現できるように、日本としても貢献していきたいと思います。
 なお、両会合とも今後の開催時期や場所、議題などについて、現在、調整を進めていると承知しておりますので、今の段階では決定をしておりません。

オーストラリア出張

Q:よろしくお願いします。
 QUAD出張についてお伺いさせてください。QUAD出張でエネルギー安保に関して、どういったことを日本として訴えていきたいかという点と、今回、アメリカ、オーストラリアといった天然ガスの産出国とも会談の場を持たれるという見通しですが、いかにそういった国々と連携していくかお伺いできればと思います。

A:まず、脱炭素化に向けたクリーンエネルギーの一層な活用など、世界的な取組の重要性がますます高まる一方、ウクライナ情勢の緊迫化などによって、エネルギー安全保障についても懸念や関心が高まる中で、インド太平洋主要国のエネルギー担当閣僚との間で、エネルギー安全保障や気候変動問題の対応について議論を行うことは、非常に重要だと考えております。
 その成果については、これ、初めての会合なので、胸襟を開いてしっかり皆さんと議論して、その結果をまた報告したいなと思ってます。
 ガスについては、昨年の高騰が始まった段階から米国とは、皆さんにも報告しているように、度々増産の要請をしてまいりました。
 また、オーストラリアの担当大臣ともバイの会談などを通じて、特にロシアによるウクライナ侵略が始まった以降は、いろんなことを想定をしておかなくちゃいけなくて、全体的にはロシア依存度を下げようという大きな方向が示されておりますので、その代替を当然オーストラリアにも協力をお願いしたいということで、大臣間ではそういう話し合いを今までもしてきました。
 せっかく対面でお会いできますので、改めてその辺、しっかり確認をしてまいりたいなと思っています。

対ロシア制裁

Q:よろしくお願いします。
 対ロシア制裁について伺います。3日のNHK「日曜討論」で、岸田総理が制裁の効果について、今ロシア国内で物価が高騰している、また、金融インフラ企業の徹底が相次いでいる、制裁のメッセージはロシアに届いているという意味のことをおっしゃいました。
 ところが、事実は、ロシアのインフレ率は下がり続け、ルーブル金融危機の回避、エネルギー価格高騰で石油輸出収入は制裁前より増え、さらにロシアは実質GDPでG7を上回る新G8を提唱しています。
 政府は国際社会で足並みをそろえると言っていますが、G7サミットの裏で開かれたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムには、ボイコットの呼び掛けにもかかわらず、127か国が参加しています。政府の言う国際社会とは、米国と米国に追従する欧州と日本などの同盟国だけのことで、国連加盟国の3分の1程度です。サハリン2接収の大統領令でも明らかなように、3分の1程度の制裁は効果がないばかりか、対欧米の結束を高め、日本の国益をも侵害しています。
 日本は例えば中立を掲げて、インドのように、まずは国益を最優先し、エネルギーや食料を安定的に確保するため、効果のない対ロ制裁をやめるべきではないでしょうか。
 萩生田大臣のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

A:まず、プーチン大統領が日本企業も出資するサハリンエナジー社の全ての権利と義務を新たに設立するロシア法人に譲渡することなどを求める大統領令に署名したことは承知をしております。我が国に資源に係る権益が損なわれるようなことは、一般論としてはあってはならないと考えていますが、今回の大統領令によるサハリン2における日本企業の権益の扱いや、サハリン2からの日本へのLNG輸入への影響は現在精査中です。
 今、御指摘のように、制裁が効果を知らしめていないんではないかという、そういう意見もそれは世の中にはきっとあるんだと思いますけれども、他方、これ、プロパガンダもあると思います。どう考えても、これだけの先進国が足並みをそろえてこういう行動を取ってびくともしないというんだったら、これはすごいことでございまして、そうではなくて、足らざるところを供給する国があるということに大きな問題があるんじゃないかと思っていますので、我々としてはやっぱり価値観を同じくする同志国、有志国とやっぱり足並みをそろえていくというのは大切なことだと思います。
 他方、エネルギーの安全保障というのは、もうこの事件が始まったときから申し上げているように、各国事情が異なりますので、そういった意味では、どちらかといえば、アジアの皆さんと足並みをそろえているということになるんだと思います。
 引き続き、我が国としてはエネルギーの安定供給、これをしっかり守りながら、G7の各国とも連携しながら取組を進めてまいりたいと思いますし、アジアの中の日本ですから、そういう立ち位置というものを忘れずに、アジアの皆さん、言いたくても言えない国々がたくさんあるというのは、国際会議の現場で私も肌で感じております。ですから、本当は思っているんだけれども、なかなか行動が取れない国の代弁というものもアジアの代表としてやっていかなくちゃならない役割が日本にはあるんじゃないかと思っていますので、その辺はしっかりバランスを見ながら、外交ですから対応していきたいなと思います。

以上

最終更新日:2022年7月19日