2022年7月12日(火曜日)
10時42分~10時52分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
特になし。質疑応答
安倍元首相襲撃事件
Q:私から2点お伺いいたします。
1点目は、安倍元首相の事件についてです。改めてこの事件について、どのように受け止めていらっしゃるかということと、あと安倍氏が特に経済政策、エネルギー政策で果たしてこられたこと、今回事件を受けてこういった政策に変化とか影響があるとお考えでいらっしゃるかをお伺いいたします。
A:今般の事案は民主主義の根幹である選挙中での卑劣極まりない蛮行であり、民主主義そのものに対する暴挙であり、最大の抗議をしたいと思います。
安倍元総理は地方議員だった私を国政に導いてくれた恩人であるとともに、長年様々な政策に共に取り組んでまいった同志でもあります。今までの御指導に感謝申し上げるとともに、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
安倍元総理はデフレからの脱却と持続的な経済成長を目指した経済政策や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組など、厳しい内外情勢に直面する我が国を導いてきました。これらの安倍元総理の残された様々な御功績の上に、新型コロナやロシアによるウクライナ侵略の影響を乗り越え、日本経済を再起動するための取組を一丸となって進めていかなければならないと決意を新たにしたところです。
今般の経済政策への影響について予断を持ってお答えすることは控えたいと思いますが、国の将来を憂える姿を傍らで見てきた一人として、微力でありますが遺志を継いでしっかり頑張りたいと思います。
ウクライナ情勢
Q:もう一点、サハリン2の大統領令についてお伺いいたします。
大臣、先週の会見で外交ルートを通じて説明を求めているということで、一方でロシアの外務省の担当者は、問合せは日本から受け取っていないという発言をしています。今、具体的にどういったコミュニケーションを取っておられるかということと、ロシア側の要求などについて判明している事実があれば教えてください。
A:サハリン2やサハリン1に関する御指摘の報道については承知していますが、個別の報道や説明についてコメントすることはまず差し控えたいと思います。
その上で、今回発表された大統領令については引き続き外交ルートによる照会を行っているところでありまして、先日私が報告したとおりでありますし、具体的なやり取りは行っております。ただ、その中身については控えさせていただきたいと思います。
我が国のエネルギー安全保障上、サハリンプロジェクトは引き続き重要だと考えておりまして、今後ともエネルギーの安定供給に万全を期しつつ、G7各国と連携しながら取組を進めてまいりたいと思います。
Q:先ほどの幹事社質問にも関連するんですけれども、ロシア産原油への支払に価格上限を設ける案というのが議論されているかと思います。岸田総理の参院選の街頭演説で半分程度の価格を上限とする仕組みをつくるといったような発言もされているかと思います。本日のイエレン財務長官と鈴木財務大臣の階段でもテーマの1つとなるとされています。一方、こうした動きに対しては、ロシア側もサハリン2などで牽制する動きを見せています。この価格上限を設けることの意義について御見解をお聞かせ願いたいのと、あと価格上限が導入された場合の国内の影響みたいなことで想定されることがもしあれば、教えていただけますか。
A:御指摘のロシアのメドベージェフ前首相の発言については報道は承知していますが、個別の政治家の発言についてコメントすることは差し控えたいと思います。
G7サミットにおいて、ロシア産石油に対する取引価格の上限を設定し、それを超える価格の取引には海外輸送を可能とする全てのサービスを包括的に禁止するという、いわゆるプライスキャップについて検討していくこと、同時に最も脆弱で影響を受ける国がエネルギー市場へのアクセスを確保するための緩和メカニズムについても検討することが合意されたと承知をしております。この仕組みは国際原油市場の安定化を図りながら、ロシアの原油収入を減らすことを目的としたものと承知していますが、具体的な制度の設計はこれからであり、この仕組みが我が国のエネルギー安定供給に与える影響については現時点ではコメントを差し控えたいと思います。
いずれにしましても、今後とも我が国としてはエネルギー安定供給に万全を期しつつ、G7各国と連携しながら取組を進めてまいりたいと思いますし、先ほどの御指摘、御質問と同様で、ロシア側からの発信というのは今、いろんな意味で牽制を含めた内容でありますから、それを日本の優秀なマスコミの皆さんは、まともにリリースするのはある意味ロシアを利することになるんじゃないかと思いますので、よく確認していただいたらよろしいかなと思います。
安倍元首相襲撃事件
Q:最初の質問と重複するんですが、改めて今日、最後のお別れの日ということで、改めて萩生田大臣の思いをお聞かせください。
A:本当に残念ですね。長く政治活動を共にしてきましたし、私にとっては先ほど申し上げたように、国政に導いていただいた恩人でもあります。政治家としても尊敬していましたから、師であり、そして志を同じくする同志でもありました。そして、プライベートでは本当に優しい兄貴だったなと思っていまして、私にとってはかけがえのない人でした。
もっといろんな話をしたかったし、ここのところゴルフを3回ぐらい誘われたのに断っちゃって、それをすごく後悔してて。私、経産大臣で忙しいんですよと言って、2人で大笑いして、そうだよね、立場が逆になっちゃったねって、そんな会話をしましたけど、もっといろんなことを教えていただきたかったなと思います。
ただ、今、経産大臣として外交上の様々なやり取りをしていますけれども、幸い長い間、一緒に外交に携わってきた、その場に歴史的にも私しかいなかった、そういう場面にも幾つも遭遇してきましたので、それは正に政治家、私としてのレガシーとして、安倍先生のレガシーとしても受け継いでいきたいと思いますし、それを国益にしっかりつなげていくことが今、国務大臣としての私の役目だと思っていますので、微力ではありますけれども、志をしっかり継いでまいりたいです。心から御冥福をお祈りしたいです。
オーストラリア出張
Q:オーストラリアの出張についてお伺いします。大臣、一日日程を遅らせましたが、安倍元総理の一件がやはり影響したのでしょうかというのが1点目と、あと、QUADはやはり安倍元総理が創設に尽力したという評価がありますけれども、改めてそういうことを踏まえまして、どういった成果を具体的に目指していくか、その2点をお願いいたします。
A:まず、一日日程を変えたのは、海外での一部業務の変更が生じたために、日程の変更をしました。もちろん、たまたまといいますか、昨日の通夜、今日の告別式は御家族が中心になるので、特別参加をする予定があったわけじゃないんですけれども、たまたま日程変更があったので、お見送りができれば有り難いなという気持ちは正直ございました。
ただ、それをもって変更したとなれば、QUADを作り上げた安倍元総理が聞けば、それは怒る話で、QUADに行けと逆におっしゃったと思いますから、そこは全く瑕疵はないです。他意はなくそういう対応をしました。
13日に開催されるQUADのエネルギー大臣会合は、脱炭素の加速化やクリーンエネルギー技術の社会実装の促進に向けて、日米豪印の4か国で議論する重要な会議と認識しています。水素や燃料アンモニアを始めとするクリーンエネルギー分野について、各国と直接知見を共有しつつ、インド太平洋地域のエネルギー分野の連携に向けて、協力の拡大に向けた議論を行い、我が国のエネルギー安全保障の強化にもつなげていきたいと思います。
また、ロシアのウクライナ侵攻によって厳しさを増すLNGの世界的な需給逼迫を受けて、米国や豪州など産ガス国に対しては、私自身、これまでも度々増産の働きかけを行ってまいりました。今回の出張の機会を活用して、世界有数のLNG生産国である米国や、日本へのLNGの最大供給国である豪州といった重要なパートナーに対して、再度LNGの増産と安定供給の要請をしっかり行っていきたいと思っています。
以上
最終更新日:2023年4月11日