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西村経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2023年1月27日(金曜日)
9時38分~9時50分
於:国会本館2階閣議室前

冒頭発言

対ロシア制裁

おはようございます。
私から冒頭1点申し上げます。
ロシア向け軍事能力等の強化に寄与し得る汎用品の輸出等の禁止につきまして、本日の閣議了解を踏まえまして、輸出貿易管理令の改正について閣議決定を行い本日付で公布、2月3日に施行いたします。これによって催涙ガス、ロボット、レーザー溶接機等につきまして、ロシア向け輸出が禁止されることとなります。詳細につきましては、事務方から説明いたします。
今後もウクライナをめぐる情勢を注視しつつ、G7を始めとする国際社会と連携し、厳しい制裁措置を講じてまいります。
私から以上です。

質疑応答

電力料金

Q:東京電力と北海道電力がそれぞれ規制料金の値上げ申請を行いましたが、審査開始時期と審査方針、いかがでしょうか。また、東京電力については柏崎刈羽原発6、7号機を再稼働することを前提とした金額となっていましたが、地元理解など再稼働に向けて政府としてどう取り組むお考えでしょうか。

A:東京電力と北海道電力の値上げ申請につきましては、来月以降審査が開始される予定であります。審査では燃料費の見込み、経営効率化、こうした企業努力が行われているかどうか厳格に審査を行います。
柏崎刈羽原発の再稼働につきましては、東京電力として料金算定上一定の仮定を置いておりますけれども、正に原子力規制委員会による追加検査中であります。再稼働の時期を見通せる状況ではないと認識しております。
私からも核物質防護体制の再構築や地域からの信頼回復に向けて、緊張感を持ってしっかりと対応するよう東京電力に繰り返し申し上げているところであります。その上で立地自治体など地元の理解が得られるよう、国も前面に立って地域の声をよく伺いながら丁寧な説明に粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。

賃上げ

Q:賃上げについてお伺いいたします。
大臣はかねてから中小企業の賃上げが重要だとおっしゃっていますが、一方で原資の確保を含めて難しい面もあると思います。政府としてどんな手を打っていかれるか、よろしくお願いいたします。

A:まず、長年のデフレからの脱却という大きな課題がありますし、足元の物価上昇圧力が高まっているということもあります。そうした中で経済を再び成長軌道に乗せていくというために未来への投資、変革への挑戦として、その大きな鍵を握る賃上げにつきましては、大胆な賃上げを期待しているところであります。
もちろん業種によって、企業によって収益の状況も違いますから難しい面もあると思うのですけれども、できれば5%プラスアルファ期待したいと、様々なやり方も含めて申し上げてきたところであります。
特に中小企業の皆さん、雇用の7割近くを占めます。この中小企業の皆さんがなかなか厳しい状況にあることも理解しております。その中小企業の皆さんが賃上げの原資を確保していく、そのために経済産業省としても一つには価格転嫁対策、これを引き続き徹底して行っていきたいと思いますし、併せて生産性向上、これへの支援を全力を挙げて行っていきたいと考えているところです。
価格転嫁対策につきましては、昨年末に公表しました9月の価格交渉促進月間の結果を踏まえまして、価格交渉への対応が芳しくなかった親事業者に対して今後指導、助言を行っていきたいと考えておりますし、加えて今月から下請Gメン300名体制と更に増強し、そして取引実態の把握を強化することで指導、助言、業種別の取組強化につなげていきたいと思います。
公正取引委員会も非常に厳しい姿勢で臨んでいただいておりますので、連携をして中小企業の様々な調達価格の上昇、賃上げ、こうしたものが価格に反映され、転嫁されていくようにしっかり取り組んでいきたいと思います。
併せてものづくり補助金、事業再構築補助金、これにおきまして給与支給総額を6%以上増加させるなど意欲的な賃上げに取り組む事業者に対しましては、補助上限とか補助率を上乗せする措置を講じてまいります。ものづくり補助金は今月の公募から、事業再構築補助金は年度内に行う次の公募からこの措置を講じていたきいと思います。いずれにしても価格転嫁をしっかりと行える環境を作り、そして更に生産性を上げていく支援を行うことで、中小企業の皆さんにも是非賃上げを行える環境を作っていきたいと思います。

電力会社不正閲覧

Q:複数の大手電力から発覚した新電力の不正閲覧問題について改めてお聞かせください。
電力・ガス取引監視等委員会が初めて関西電力の関連の子会社に立入検査に入っておりますが、改めてこの問題に対する大臣の受け止めと、また経済産業省として今後どう実態解明を進め、問題が発覚している各電力に対してはどのように対処されるお考えかを現時点の考えをお聞かせください。

A:まず、顧客情報の適切な管理は、これは法律上の義務であります。正に中立性、公正性の土台であります。今回の事案は公正な競争を揺るがしかねないものであります。極めて遺憾と感じております。
その上で一般送配電事業者による非公開情報の情報漏えいについて、電力・ガス取引監視等委員会が求めている緊急点検でありますけれども、その報告は本日を期限としておりますので、各社からの報告を踏まえて、まずは電力・ガス取引監視等委員会において対応を検討することとしたいと思います。その上で電力・ガス取引監視等委員会の検討を踏まえ必要な対応を講じていきたいと考えております。

電力需給

Q:私から電力需給の状況についてお伺いします。
7年ぶりの冬場の節電要請が行われている中で、今週は全国的に記録的な寒波に見舞われています。電力需給は安定的な状況を維持していますが、経済産業省として需給の現状をどのように評価しているかお聞かせください。

A:御指摘のように今週は非常に強烈な寒波の影響で、25日には北海道・東北・中部エリアで10年に一度の寒さを想定した電力需要を上回りました。一方で皆様の節電への御協力も頂いておりますし、休止電力を稼働させるなどの対策も講じてきておりますので、安定供給は確保できております。
本日も含め今後も寒くなる見込みでありますけれども、引き続き安定供給にしっかり対応していきたいと考えております。

トヨタ自動車

Q:昨日トヨタ自動車のトップの交代が発表されました。章男社長は産業界でも存在感のある方だと思うのですけれども、大臣の受け止めと期待されるところを教えてください。

A:まず、個社の人事でありますので、コメントは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば豊田社長はトヨタ自動車の社長という立場を超えて、自動車工業会の会長として自動車業界全体のかじ取り役を担っていただいた人でありますし、その功績にまず敬意を表したいと思います。また、経団連モビリティ委員会をはじめ自動車の枠を超えたモビリティ産業の未来を見据えて、官民の議論も豊田社長のリーダーシップでキックオフしたところであります。
引き続き自動車産業は正に日本の経済を牽引していく役割を担っていただいておりますし、自動車産業が更に広がり大きな可能性を持ってモビリティ産業として大きく更に成長していく、あるいは大きな可能性を広げていく段階に来ていると思いますので、そういう意味で是非自動車産業、そしてさらには日本経済全体の将来に向けた議論をリードしていただきたいと思いますし、やはり世界のトヨタであります。引き続き日本経済の将来の成長に向けた議論をリードしていただく役割を担っていただければと思っております。

先端半導体

Q:アメリカの先端半導体の輸出規制について、日本の政府との連携が示されておりますけれども、進捗状況について。

A:様々な議論を行ってきておりますし、私自身もレモンド長官とも意見交換を行ってきております。ただ、御案内のとおり輸出管理につきましてはこれまでも米国を含む関係国と議論を行い、そして国際輸出管理のレジームや、あるいは2国間を含む様々な形でのやり取りにつきましては、外交的なルールにのっとっておりますし、かねてより国際的な協調の下で外為法により実施してきております。今後もこの方針の下、米国を含む各国の動向、そして様々な議論を通じて適切に対応していきたいと考えております。

日産・ルノー

Q:日産自動車とルノーの出資の見直しについて、詰めの交渉を迎えていますが、改めて受け止めを頂ければと思います。

A:先般もお話ししましたけれども、フランス政府からお手紙を頂き、私からも返信をしたところであります。民間企業同士の取組でありますので、基本的にコメントは差し控えたいと思いますけれども、是非関係する当事者が納得する形で協業が進展をする、お互いにとってメリットがあって成長していく、進展していく、そうしたことが重要だと考えておりますので、そうした方向性を受けたやり取り、交渉が進んでいくことを期待しております。

以上

最終更新日:2023年4月11日