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西村経済産業大臣の記者会見の概要

2023年11月2日(木曜日)
12時36分~12時51分
於:本館10階記者会見室
西村経済産業大臣と自見国際博覧会担当大臣による共同記者会見のうち、西村経済産業大臣発言関連部分のみ掲載しています。

冒頭発言

大阪・関西万博

お疲れさまです。
大阪・関西万博の会場建設費の見直しについてです。
昨日、大阪府の吉村知事から博覧会協会の精査の結果を受け入れるとの連絡をいただきました。また、経済界からも博覧会協会の精査結果を受け入れるとの連絡をいただき、既に公表されていると聞いています。
政府としてもこの建設価格の状況などについて、国交省や建設設計事業者などの知見も借りながら、この物価上昇の計算の仕方が妥当かどうか、また、合理化努力の詳細の検証などを行いまして、様々な観点から精査を進めてきたところですが、会場建設費を2,350億円に見直すという博覧会協会の精査結果について、物価上昇等、諸々でありますので、これはやむを得ないとして受け入れることとしたいと思います。
今後、博覧会協会においては、再度の増額が発生することがないようにしてもらうことが大事だと思っています。予備費としても130億円の費用を見積もっておりますが、この費用についても安易に支出をすることがないよう、引き続きコストダウンにも取り組んでいただきながら、経産省としても予算執行の管理をしっかりとやっていきたいと考えています。
その上で、大阪・関西万博については、未来社会を描いていく新しい技術や社会のシステムについて国会でも議論がありましたけれども、空飛ぶクルマであったり、ロボット、アンドロイドであったり、多言語の翻訳システムであったり、再生医療、最先端医療であったり、未来の技術を日本がショーケースとして発信するすごくいい機会でありますし、世界中がこの機会に新しい社会を描いていこうとしていますので、老若男女問わず全ての人が未来に向かって希望が持てるような万博に是非していきたいと考えています。
自見大臣とも協力しながら、また関係省庁や地元自治体、経済界ともしっかりと連携して、着実に準備を進め、すばらしい万博になるように取り組んでいきたいと考えています。
私からは以上です。

質疑応答

大阪・関西万博

Q:両大臣にお伺いします。二度目の増額について各社の世論調査では批判の声も大きいんですが、どのように国民の理解を得るお考えでしょうか。

A:先ほど申し上げましたとおり、政府としても様々な観点からこの物価上昇についての見方がそれで正しいのか、あるいはコスト削減を更にできないのか、こういったことも含めて精査をしてまいりましたが、全体として、物価上昇や労務費の上昇は、この間も来ていますし、今後も想定されるという中で、やむを得ないということで受け入れることとしました。
他方、再度の増額がないよう、しっかりとコストダウンを引き続き継続していくということですし、予算の管理を執行も含めてしっかりと見ていきたいと思います。
予備費も手当てしているのですが、これが安易に支出されることのないようチェックもしていきたいと思いますし、これまで以上に管理をしっかりやっていくということで国民の皆さんにも御理解をいただけるように取り組んでいきたいと思います。何より、すばらしい万博にするというのが一番だと思います。前売券も今月末から発売されますし、多くの皆さんが行ってみたいな、そして、行ってみてよかったな、特に子供たちが将来に向かってこんなことに挑戦してみたいな、そんな思いを描けるような、未来を切り開いていく様々な新しい技術は、先ほど申し上げたもの以外にもエネルギーや環境関係も様々な展示がありますし、各国もこぞって競争しますから、多くの子供たち、若い人たちに世界や新しい技術を見てもらって、よかったなと言ってもらえるのが一番だと思います。そういう万博になるよう、しっかりとコストも管理しながらやっていきたいと思います。

Q:先ほど触れていただいた部分にはなるんですけれども、資材価格とか労務費の高騰というのは今後も予想されるところではあるかなと思うんですけれども、今後の増額の可能性というのをどのように捉えているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

A:今回の増額の中には、今後の物価上昇も十分見込んでおりますし、それから、予期せぬさらなる物価上昇などにも対応するために予備費を見込んでいますので、さらなる増額は想定をしていません。その中で、先ほど申し上げましたが、会場建設費は国民の負担になりますから、総額をできるだけ抑えていきたいと思いますので、厳格に予算の執行管理をしていきたいと考えています。
繰り返しになりますけれども、予備費を安易に使わないこと、今回増額になりますけれども、その執行に当たってもこれまで以上に厳しくチェックをしていきたいと考えています。

Q:西村大臣にお伺いします。先ほど自見大臣からコストダウンに努めることは当然の前提だというお話もありましたが、今回、協会とのやり取りの中で、コストカット、コストダウンを求めた、2,350億円からのコストダウンを求めるというやり取りはあったのでしょうか。

A:協会が自らコストダウンとして持ってきたものがありますので、それを一つ一つ説明を受けながら、また、国交省や設計会社などの知見も得て、見込みとして正しいのか、それから、削減できるところはほかにないのかといったようなことも含めて、相当やり取りをした結果、全体としてこれはやむを得ないと私どもは考え、これを受け入れることとしたわけです。
データもお持ちだと思いますが、協会側から示された見直しの変更などで157億の削減が出ておりますので、それについて細かく精査をしています。

Q:西村大臣に伺います。今回で2度目の増額となって、誘致時から2倍近い会場建設費に膨らんでいます。これまでの見通しの甘さがあったのではという指摘もありますけれども、大臣のお考えを伺えればと思います。

A:1回目の増額のときには、子供たちや乳幼児も含めて、ベビーシッター用のルームであるとか、トイレの数なども大きく増やしたと聞いておりますし、プロデューサーの意向もあって輪っかの上を歩けるようにするなど様々な工夫や、夏は暑いですから、暑さ対策に日陰を多くする、あるいはミストを手当するなどの工夫の結果、1回目の増額があります。今回の増額は、物価上昇と労務費の上昇ですから、私どもはやむを得ないと思っております。私どもとして責任を果たしていくのは、すばらしい万博にするということだと思いますので、各国のパビリオンの遅れなども指摘をされていますが、万博事務局(BIE)の事務局長の御発言のとおり、遅れているわけでもないし、早いわけでもないという評価を頂いております。私どもとして緊張感を持って、各パビリオンともマンツーマンで対応をしておりますので、各国のパビリオンもすばらしいものを造ってもらい、民間や私たちの用意する技術や、それぞれの省庁のアクションプランを含めて、これはもう行ってよかった、やってよかったと言ってもらえる万博にすることが私たちの責任だと思っていますから、しっかりとそうした万博にしていきたいと思いますし、繰り返しになりますが、コストは徹底的に管理していくということで臨んでいきたいと思います。
 

ALPS処理水

Q:西村大臣に万博とは関係のない質問で恐縮なんですが、お聞きしても構いませんでしょうか。

A:はい。

Q:福島第一原発の作業員が放射性物質を含む廃液を浴びた問題で、昨日、原子力規制委員会の山中委員長が、東京電力の実施計画に違反があったという見解を示されていますが、これについて大臣にとして、国としての対応方針について聞かせてください。 

A:昨日、原子力規制委員会の山中委員長が御発言された内容については承知しています。事案の発生後、私もこの場や国会の場で、何か法令や規程に違反しているわけではないと申し上げてきましたが、これは東京電力からそのように報告を受けていたという趣旨で申し上げました。私どもの職員からもそのような報告を受けておりましたので、そういう趣旨で申し上げました。その上で、規制上の解釈については今後、原子力規制委員会において検査が行われ、また審議がなされる予定と承知していますので、その議論をしっかり注視していきたいと思います。
 先般も申し上げましたが、作業に適した装備の徹底がなされていなかった面があり、改善できる点があるということを申し上げました。そうした対応すべき点があったということは聞いておりますので、引き続き経産省として再発防止を徹底し、安全確保に万全を期すよう、東京電力をしっかり指導していきたいと考えています。

 

以上

最終更新日:2023年11月6日