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武藤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2024年11月22日(金曜日)
11時09分~11時21分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

おはようございます。初めに、私から2点申し上げたいと思います。

高レベル放射性廃棄物の最終処分

1点目ですが、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する文献調査についてです。本日、北海道の寿都町及び神恵内村に関する文献調査報告書が原子力発電環境整備機構により公表されました。
北海道知事及び両町村長に対しても手交されることになっており、報告書の縦覧等の法定プロセスも道内で開始をされます。
調査を受け入れていただいた両町村の皆様には、改めて心より感謝を申し上げます。
今後、道内外での説明会の開催や全国での広報活動を通じて、報告書の内容や北海道における議論の状況について、丁寧に情報発信してまいります。
地域の声及び国民の声に丁寧に向き合い、全国で議論が深まりますように、国が前面に立って取り組んでまいります。

2023年度のエネルギー需給実績(速報値)

そして2点目であります。この度、2023年度のエネルギー需給実績の速報値を取りまとめました。
主なポイントは、再エネの増加や、原子力の再稼働等により、脱炭素電源比率は31.4%まで上昇し、東日本大震災以降最高となりました。エネルギーの自給率は15.2%まで上昇し、東日本大震災以降これも最高であります。エネルギー起源のCO2排出量は9.2億トンまで減少し、2013年度以降で最小を更新となりました。
こうした結果も踏まえつつ、引き続き、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に向けて取組を進めてまいります。統計に関する詳細につきましては、事務方にお問合せいただければと思います。
以上であります。

質疑応答

次世代半導体支援

Q:一部報道でラピダスへの政府出資や税制優遇の案が取り上げられています。過去の半導体業界のその支援の経緯から、国が経営に関与することについては、懸念の声も上がっております。また、特定企業への追加の優遇策についても、是非は分かれそうですけれども、報道に対する事実の確認と、国の関与を強める必要性やその意義についてお聞かせください。

A:次世代半導体の量産等に向けて、ラピダスもそうですけれども、出融資の活用拡大ですとか所要の税制措置について検討を行っているのは事実であります。一方で、その詳細について、政府内でまだ検討を進めている途上でありまして、報道されているようなラピダス社に対する出資を決定した事実はありません。
今おっしゃられたように、我が国の半導体産業、これはかつて大きくシェアを落とした要因の一つとして、外国政府が大規模な設備投資支援を行う一方で、日本では、政府が大胆な投資支援に踏み切れず、半導体メーカーも思い切った投資ができなかったことが挙げられると分析をされているところであります。
現在の半導体政策について、こうした過去の失敗の反省・教訓も踏まえながら、大規模な財政支援を迅速に講じることとしているところです。こうした方針に転換をし、TSMCの新工場建設をはじめ、複数の大規模国内投資が実現してきているところだと思います。
次世代の半導体というのは、日本産業全体の競争力を左右するキーテクノロジーでありますし、巨額の投資が必要で、これは世界的に各国が今しのぎを削ってやっているところでもあります。今後とも、政府が一歩前に出た支援を行うことで、民間企業も大胆な投資に踏み切れるような環境を作っていくということが不可欠であると考えております。

嶋田元事務次官のラピダス特別参与就任

Q:今の質問に関連してなんですけれども、元経産省次官の嶋田隆さんがラピダスの参与に就任したとの報道があります。同社に対しては、経産省が深く支援に関わっているところでありますが、嶋田氏の参与就任の事実確認と、その就任の狙いや意図についてお聞かせいただければと思っております。

A:ラピダス社に確認をしましたところ、嶋田隆元事務次官がラピダス社の特別参与に就任をしたことは事実であるということを聞きました。ラピダス社において、経営戦略上必要となる人材として、個人としての経験や資質を踏まえて選任されたと聞いております。一応そのぐらいしか私どもも承知していませんけれども、私も嶋田さん、直接お会いしたこともないので、一応そのようなことで事実確認はさせていただいたところです。

高レベル放射性廃棄物の最終処分

Q:冒頭御発言のあった放射性廃棄物についてお伺いいたします。
前大臣の発言で恐縮なんですけれども、8月8日、齋藤前大臣が地元市長から反対意見があった場合、プロセスから外れるとした上で、外れるのが一時的か恒久かについては仮定の質問なのでお答えできないという言及がありました。
という一方で、国の制度として設けているという中で、地元首長からすると、判断の持つ重みというのが、これ未来永劫縛るものなのかどうかというところで、一時的なのか恒久的なのかというのは結構大事な部分なのかなと思うんですが、このあたり、大臣の御認識と、一時的か恒久的か示せるのか示せないのかというところをお伺いしてもよろしいでしょうか。

A:高レベルの放射性廃棄物の最終処分については、本当に長い年月をかけて地域の皆様の理解を得られるような調査のステップを踏み、地域の声を聴きながら取り組んできているものと承知しています。
御質問の「選定プロセスから外れるのが一時的なのか恒久的なのか」という点につきましては、今後、知事と市町村長からどのような意見をいただくのか分からない中で、今、予断をもってお答えすることが適切ではないと思いますことと、知事と市町村長がその時々の民意を踏まえて判断をされるものと認識をしておりまして、国としてその判断というものを最大限尊重するというのが制度の考え方、立て付けであると思います。選定プロセスを再開するかどうかも含めて、今までのいろいろ答弁も見ましたけれども、その時々の地域の意向を確認したうえでのことであり、あらかじめ決めるということにはなじまないと思います。ただ、いずれにしましても、地域の意見に反して前に進めることはないということは申し上げたいと思います。

米国によるロシアへの金融制裁

Q:アメリカ財務省がガスプロムバンクなどの複数の金融機関を制裁対象に加えると発表いたしました。質問は二つです。
現時点で日本への影響はどのように把握していらっしゃいますでしょうか。
もう一つは、LNGの日本への輸入は、6月28日までは制裁対象外とされましたが、その後について見通し、それから対応についてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。

A:今般、米国が発表しましたガスプロムバンクを含む、ロシア銀行に対する制裁については承知をしております。
米国の発表によれば、サハリン2プロジェクトやサハリン・エナジー社に関する、ガスプロムバンク経由の取引は適用除外とされております。そのため、サハリン2プロジェクトに影響が生じるものではないと認識をしているところです。
サハリン2プロジェクトは、日本のエネルギー安全保障上重要なものでありまして、日本への供給量の安定的な確保に支障を来さないように、今後とも万全を期していきたいと思います。
そして、もう一つは。

Q:6月以降ですね、6月までは対象にならない。

A:失礼しました。
アメリカをはじめとしましてG7各国に対しまして、日本のエネルギー安全保障におけるサハリン2プロジェクトの重要性につきましては、これまでも丁寧に説明しながら日本の立場について御理解を得てきたところであります。
6月28日ということですけれども、引き続き丁寧な説明に努めながら、日本への供給量の安定的な確保に支障を来さないように万全を期していく、これに尽きると思っています。

高レベル放射性廃棄物の最終処分

Q:高レベル放射性廃棄物最終処分場の件で質問します。今日、文献調査報告書が首長に提出されて、第2段階の概要調査に向けては、今後、経産大臣が、知事とか町村長に意見を聞くことになっておりますが、その時期についてお考えをお聞かせください。

A:最終処分地の選定は国家的な課題で、文献調査を受け入れていただいた北海道寿都町、神恵内村の皆さんに感謝を申し上げていることは先ほど申し上げましたけれども、今は、今後予定されている道内外での説明会の開催等にしっかり取り組むことが重要であると思っています。
報告書の縦覧期間が終了した後のスケジュールだと思いますけれども、今後の話について現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。
また、概要調査に進もうとする場合には、法令に基づく手続に沿って、知事と市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重するとしているところであって、そのため、その意見に反して先へ進むことはないということです。先ほど申したとおりです。
いずれにしましても、国としては、地域の皆さんに御理解が得られるように最大限取り組んでまいりたいと思います。
ですから、今、知事さんといつからやりますという話ではなくて、こういう形で、とりあえず進めなきゃいけないということだろうと思います。

以上

最終更新日:2024年11月22日