2024年11月29日(金曜日)
9時55分~10時08分
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
経済安全保障法に基づく半導体・先端電子部品の供給確保計画の認定
皆さん、おはようございます。初めに、私から3点申し上げます。
1点目ですけれども、本日、経済安全保障推進法に基づきまして、半導体と先端電子部品の安定供給確保に係る計画を8件認定いたしました。助成額の総額は、最大で約1,000億円となります。
今回認定した案件の中には、電気自動車の普及に伴い市場拡大が見込まれるSiCパワー半導体の計画が含まれていますが、生産拠点を集約することで、シェア上位の欧米企業並みの供給能力の確保を目指す内容となっております。
このほか、半導体部材料でありますとか、通信機器に不可欠な先端電子部品の生産能力増強を図る計画も認定をしています。
こうした支援を通じ、サプライチェーン強靱化を図ってまいります。
なお、詳細については、事務方によるブリーフィングでお尋ねをいただきたいと思います。
宇宙戦略基金の採択結果の公表
それから、二つ目であります。本日午後、JAXAより、「宇宙戦略基金」のうち「衛星コンステレーション」に関する事業の採択結果が公表されます。本事業は、経済産業省が予算措置やテーマ設定を行っているものでありまして、「衛星コンステレーション」は、多数の衛星を配備することで、衛星1機では実現できない高頻度な観測、あるいはリアルタイムな通信を可能とするものです。国民の生活や産業を支え、安全保障にも寄与する重要な基盤となり得ます。
今回の予算採択を通じて、意欲ある民間事業者の商業化を見据えた挑戦を、関係府省及びJAXAと連携をしながら後押ししてまいります。
詳細につきましては、JAXAにお尋ねいただきたいと思います。
「価格交渉促進月間」フォローアップ調査の結果公表
そして三つ目でございます。中小企業の価格転嫁に関して、直近9月の「価格交渉促進月間」の調査結果を本日公表いたします。ポイントを紹介させていただきたいと思います。
「発注側からの声掛けで価格交渉が行われた」企業が、前回の調査から2ポイント増加をし、全体の3割となるなど、交渉しやすい雰囲気は醸成されつつあります。価格転嫁率は49.7%と前回調査と比べて3ポイント増加をしました。
一方、「全く転嫁できなかった」企業も約2割程度ですけれども残るなど、二極化が明らかになってきています。また、サプライチェーンの中で取引段階が深くなるほど、転嫁割合が低くなっている傾向も見られたところです。
また、国や自治体による官公需では、「予算制約を理由に、交渉・転嫁してもらえない」等の声も寄せられたところであります。
この調査結果を踏まえて、中小企業の賃上げ原資の確保、サプライチェーン全体の強化のために、引き続き価格転嫁を後押ししてまいります。詳細は、これも事務方から説明させていただきます。
以上でございます。
質疑応答
賃上げ環境の整備
Q:少し前にまとめられた経済対策では、賃上げにつながる中小企業の成長や生産性向上などを重点戦略として打ち出しました。一方で、最低賃金1,500円の実現に対しては、中小の経営者から急速な引上げは経営に悪影響で廃業リスクもあるという懸念の声も聞かれています。まもなく経済対策の裏付けとなる補正予算案もまとまる見通しだとは思うんですけれども、支援策も含めて中小の経営力向上と賃上げを促す施策をどのように進めていくか、お考えをお聞かせください。
A:懸念の声は私も伺っているところです。2020年代に最低賃金を全国平均1,500円にするという高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けることが必要だということで考えており、中小企業が持続的に賃上げ原資を確保できる環境整備を行うため、今般の経済対策の中に入っているところでありまして、サプライチェーン全体での取引適正化を定着させるための公正取引委員会と連携をした下請法の改正の検討でありますとか執行強化、そして、ものづくり補助金、新事業進出補助金、IT導入補助金、省力化投資補助金などの生産性向上支援の拡充、また、売上高100億円を目指す中小企業への成長投資支援の新設などの支援も強力に実施をしてまいります。
こうした支援に加えて、先日の政労使での議論も踏まえて、経済産業省としましても、関係省庁と連携をしながら、引き続き努力をしてまいりたいと思います。
日本製鉄によるUSスチールの買収、トランプ次期大統領の政策
Q:まず、一部報道で日本製鉄のUSスチールの買収計画に伴って、総理名でアメリカに書簡を送ったと、買収を認めるよう求める書簡を送ったという話が出ておりますけれども、これについての事実関係と、今回のこの買収計画にどのように政府として関わっていくか、どういうふうに見ていらっしゃるかという点について、まず1点お願いいたします。
もう一点が、アメリカのトランプ次期大統領が、カナダとアメリカに追加関税を、25%の関税を課すというふうに表明をしておりますけれども、これも実際実現するかどうかという不透明な部分はあると思うんですが、仮に実現された場合、カナダやアメリカというのは、日本の自動車メーカー中心に日本企業も進出しているところですので、日本企業への影響というものをどういうふうに見ていらっしゃるのか、この2点についてお願いいたします。
A:まず、日本製鉄のUSスチールの関係ですけれども、御指摘の報道は承知をしているところであります。ただ、これ前も申し上げましたと思いますけど、本件は米国の法律に基づき手続中の、いわゆる個別案件であります。日本政府としてコメントすることは差し控えていきたいと思っています。
その上で、日米間の経済関係の一層の強化は、互いにとり不可欠でありまして、平素から首脳間を含め幅広く議論を行ってきていることであります。個々の事案ごとに総合的に判断をしながら適切に対応しているものと理解をしておりまして、この内容についてコメントすることは、一つ一つは、ちょっと今回は差し控えさせていただきたいと思います。
それと、メキシコ、カナダの関税の問題でありますけれども、ここも米国次期政権の施策及びその影響について、現時点で予断を持ったコメントは差し控えたいと思います。
その上で、中国、カナダ、メキシコでは、御承知のとおりといいますか、今申し上げられたとおり、日系企業がサプライチェーンを構築しております。米国や各国の動向が我が国企業に及ぼす影響を注視していかなくてはいけないと思いますし、また、次期政権の陣容について発表がなされていることは承知をしておりますけれども、外国政府の人事についてコメントすることは差し控えたいと思います。
いずれにしましても、我が国の国益に資する形で日米の経済関係を進化・発展させていくことが重要でありまして、次期政権になられても緊密に意思疎通を図っていくことは、今後とも変わりはないと思います。
以上です。
読売株価指数「333」創設
Q:弊社の方で昨日、新しい株式指数「読売333」の創設について発表がありました。算出方法が、等ウェート方式を用いておりまして、株式市場の発展ですとかに期待する声も上がっているやに聞いているんですけれども、経済産業大臣としての受け止めを一言お願いいたします。
A:個別の株価指数の中身についてコメントはできないと思います。差し控えさせていただきます。
一般論として、新たな株価指数の開発によって多様な投資商品が提供されて、更なる株式市場の活性化につながることは大変望ましいと考えております。気になっております。
「価格交渉促進月間」フォローアップ調査の結果公表
Q:大臣が冒頭で御説明していただいた中小企業の価格転嫁強化月間についての結果なんですけど、政府が去年から指針を出したりして、かなり力を入れている中で、全く転嫁できていなかった企業が現状2割あるという、これについて、改めてこの結果に、1年間でかなり力を入れてきて進んでいるのか、それとも、やっぱりまだまだなのかという、改めてお伺いできればと。
A:価格転嫁につきましては、今回こういう形で結果が中間で出てきましたけれども、随時いろいろと今までも、これで数年間かな、ずっとやり続けてきております。数字的には、この数値がいいのか悪いのかというところもあると思いますけど、やっぱりたゆまぬ努力に向けて、こちらもたゆまぬ努力を続けながら、ずっと賃上げに対して各界と協力しながらやってきています。ですから、これを引き続き続けながら、今の経済対策も含めて賃上げに我々も努力していかなきゃいけない。もうしばらく時間はかかるし、なかなか難しい問題がまだまだありますので、下請法の改正等も含めて、これを続けていかなきゃいけないというのが今の状況だと思います。
経済安全保障法に基づく半導体・先端電子部品の供給確保計画の認定
Q:冒頭発表のありましたパワー半導体の計画についてお伺いしたいんですけども、具体的にどこの社の計画に対して、どのくらい政府として支援をされていくのか、そこの部分を教えていただけたらと。
A:先ほども最後に申しましたように、詳細は事務方にお問合せいただければと思います。よろしくお願いいたします。
最終更新日:2024年11月29日