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武藤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年2月12日(水曜日)
9時26分~9時39分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

なし

質疑応答

日本製鉄によるUSスチール買収

Q:日本製鉄によるUSスチールの買収計画についてお伺いします。アメリカのトランプ大統領は日米の首脳会談の後に、買収ではなく多額の投資を行うことで合意したなどと発言されていますが、経産省としてこれについての受け止めであるとか、今後の期待についてありましたら、お考えをお聞かせください。 

A:首脳会談では、トランプ大統領との間で、日本企業による対米投資を含む日米経済関係の重要性が確認をされたと承知しているところです。日本製鉄とUSスチールの案件に関しては、今おっしゃったように、石破総理も言及されておられますように、単なる買収という一方的な関係ではなく、米国に投資を行い、日本の技術と資金を活用することで、米国や世界の求める優れた製品を共に生み出すとの認識をトランプ大統領との間で共有したものと理解しているところです。こうした認識共有を契機に、本件をめぐる議論が前進することを期待したいと思います。 

米国による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税

Q:米国の鉄鋼・アルミの関連について伺います。先般、トランプ大統領が鉄鋼・アルミについて追加の関税を課すというような発表がありました。また、他国の政府からはそうした措置に対して懸念や反発の声も出ておりますが、経産省としての受け止めをお聞かせください。 
また、日本に対するこの措置の例外的な関税割当や製品別の申請に基づく除外などもなくなるというふうに思います。日本として、こうした既存の関税割当などの例外措置の継続を求める立場なのか、それとも、あくまで自由貿易重視の立場から関税措置の完全撤廃を求める立場なのか、今後の方針をお聞かせください。 

A:御指摘の発表は承知しているところです。米国政府には、2月12日、米国時間で2月11日になりますけれども、措置対象から日本企業を除外するように申入れをしております。また、2月2日にJETROで立ち上げました、この前も御報告をしましたけれども、「米国関税措置等に伴う日本企業相談窓口」等を通じて、日本企業への情報提供や助言等を行っております。 
さらに、今の件で日本貿易保険、NEXIですね、今回の関税措置が日本から米国への輸出を対象とする場合は、保険金支払事由とすることを本日発表する予定であります。 
経産省としては、いずれにしても、日本企業への影響を十分に精査しながら、必要な対応をしっかりと取っていきたいと思っています。 

米国産LNGの輸入

Q:トランプ大統領が、日米首脳会談で天然ガスの輸入拡大について言及しました。また、アラスカでの日米共同事業についても触れました。トランプ大統領の意向に関わる受け止めと、政府としてどのような対応を検討しているかお聞かせください。 

A:今般の日米首脳会談では、相互に利益のある形で、日本へのLNGの輸出増加を含めて、両国間で協力していくことが確認をされました。これは、我が国のエネルギー安全保障の強化に資するものと認識しております。米国からは既に年間500万トンを超えるLNGを輸入しておりますけれども、更なる購入について、経済性や供給開始時期、供給量等を踏まえて官民で検討していくことを想定しております。 
アラスカのLNGのプロジェクトにつきましては、パイプラインの建設動向等、本プロジェクトの詳細について米国の関係者からよく状況を伺う必要があると思っています。日米相互の利益などの論点を、まずは日米の民間事業者間で議論する必要があると考えており、経済産業省として必要な環境整備を行っていきたいと思っています。 

日本製鉄によるUSスチール買収

Q:先ほどの日鉄の関連で伺わせてください。これまでアメリカについては日鉄の買収計画に反対してきたと思いますが、トランプ政権になって条件を交渉する姿勢になったことについて、日本側としてプラス、マイナスとしてどちらに捉えていらっしゃるのか、大臣の見解を聞かせてください。 

A:これまで反対というか、トランプさんが反対していたということですね。 

Q:バイデン政権下から。 

A:バイデンさんのときから。 

Q:ずっと反対の姿勢を示していた。 

A:今回のトランプさんと総理との会談の結果でこういうふうになってきているということですけれども、現段階で個別の企業の経営判断については政府の立場からコメントすることは控えたいと思います。 
その上で申し上げれば、日本製鉄は、本件を単なる買収と見ているのではなくて、大胆な投資を行うことで、米国や世界の求める優れた製品の生産を行い、日米がウィンウィンの関係になれるような、これまでとは全く異なる提案を検討しているものと承知していますので、そういう形で前向きに考えていきたい、捉えていきたいと思っています。 

米国による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税

Q: 2点ありまして、まず1点目がアメリカの鉄鋼・アルミ関税の確認で、大統領令を読むと、日本が2022年4月に交渉している関税割当と、あと製品別各社の申請による製品別の適用の除外、両方ともなくなるということで御認識はよろしいでしょうか。 

A:はい、そうですね。そういうことになると思います。 

ホンダと日産自動車の経営統合

Q:分かりました。 
あと2点目、ちょっとまた別件なんですけれども、明日、ホンダと日産の決算の発表がありますが、経営統合について、両社とも統合の検討を打ち切ったというような状況で、今のこの動向への受け止めと、あと、特に日産の経営状況は厳しいですが、EVの対応だとかに向けて業界の再編が進むことの必要性についてはどういうふうに認識していらっしゃいますでしょうか。 

 A:報道は承知しておりますけれども、両社の協議の動向については注視をしているところであります。現時点において、両社から正式なコメントの公表はされていないと承知していますので、この場としては、コメントは差し控えたいと思います。 
いずれにしても、前回もお話ししていますけれども、自動車業界は大変な状況の中で、再編の受け止めというのは、まだ全く分からない状態ですので、私が前申し上げたのは、それぞれの業界で協業、様々な形で経団連の中でも委員会ができて、各社それぞれ検討されていた中で今回こういう話になってきていますので、世界の動向も日本としてもしっかりとした形で、日本の自動車産業として、これからも発展されることを望んでいきたいと思っています。 

倒産件数の増加

Q:ちょっとトランプさんから離れるんですけれども、一昨日、帝国データから発表があった、中小企業の倒産が33か月連続で前月を上回ると。去年は、2024年は1万件超えるんじゃないかというような状況です。あわせて、コンプライアンス違反による倒産というのも増えておりますというような、こういう状況があるわけですが、経産省としても、こういった中小企業の倒産に対しての現時点での対応であったりとか、指導状況ということについて伺いたいと思います。 

A:御指摘というか、今の御質問のとおり、民間の調査機関によれば、倒産件数が増加傾向にあるものと承知しています。主な原因としては、円安・物価高、また、人手不足を背景とする人件費の増額などが考えられているところです。おっしゃったように、コンプライアンス違反という中での倒産件数も増加したことも承知しています。 
コンプライアンスの違反につきましては厳正な対処が必要でありますし、市場経済には新陳代謝が伴いますけれども、倒産の過度な増加によって、日本の経済・社会を支える雇用の場、あるいは、貴重な技術が喪失することは避けなければならないと思っています。 
経済産業省としましては、倒産や廃業の原因となっている、まずは、物価・人件費等の高騰、そして、後継者不足といった課題に対応するため、エネルギーコスト支援や省力化支援、事業承継の円滑化、そして、事業再生支援等の施策に取り組んできているところであります。 
加えて、今国会に提出予定でありますけれども、事業者が倒産に至る前に早期での事業再生を図るための法案を提出することを検討しているところであります。 
今後とも、倒産の動向を注視しつつ、必要な対策を講じていかなくてはならないと思います。 

米国による自動車・半導体・医薬品への追加関税

Q:トランプさんの関税のことに戻るんですけれども、トランプさんは自動車とか半導体、医薬品のように、日本に対して影響の大きい品目に対しても関税措置を課す可能性を示唆しています。特に自動車は影響が大きいと思いますが、日本政府としてのこういった発言の受け止めと対応について何かお考えがあれば教えてください。 

A:自動車と今の…… 

Q:半導体と医薬品。 

A:半導体、医薬品。いろいろ報道は聞いておりますけど、まだ決まったということでは聞いておりませんので、今日の時点では、予断を持ったコメントは差し控えさせていただきたいと思います。 

米国による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税

Q:先ほどの鉄・アルミの232条関連なんですけれども、もともと、萩生田大臣のときに、関税割当のことでアメリカ側と合意した際に、あくまでそれは解決のための第一歩であって、最終的にはWTOルールに整合的な形での完全撤廃を求めるという、そういったお立場を強調されたかと思いますが、今回は、あくまで日本の適用除外を求めるということで、そうした完全撤廃みたいなことまでは求めないということなのか、その辺の立場みたいなのを伺えますでしょうか。 

A:これはWTOの関係ということで考えてよろしいですか。

Q:はい。 

A:今般の米国政府による広範な貿易制限措置は、WTOルールに基づく多角的貿易体制全体や世界経済に大きな影響を及ぼしかねない、これはもう今のいろいろな報道ベースでいうと、そのとおりだと思います。 
日本企業への影響を十分に精査しながら、我々として必要な対応をしっかり取っていかなきゃいけないということの中で、まずは、米国政府には、直ちに、措置対象から日本企業を除外するよう申し入れたところでもあります。そのような形で当面の対応をしていくということになると思います。 

以上

最終更新日:2025年2月12日