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武藤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2025年2月21日(金曜日)
9時30分~9時42分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

大阪出張(大阪・関西万博夢洲会場視察)

初めに、私から4点申し上げます。 
1点目ですけれども、諸般の事情が許せば、明日、2月22日ですけれども、大阪府への出張を予定しています。明日で開幕まで50日となります大阪・関西万博の会場がある夢洲を視察し、会場建設の進捗及び開幕に向けた準備状況を確認いたします。 

CCS事業法に基づく特定区域の指定

二つ目でございますが、本日、CCS事業法に基づく特定区域の第一号として、北海道苫小牧市沖の一部区域を指定しました。これにより、当該区域について、CCS事業に向けた試掘の許可申請を行うことができるようになります。今後は、CCS事業への投資を促すための支援制度の検討を進め、2030年までのCCS事業の開始という目標の達成に向けて取り組むことになります。 
詳細につきましては、本日事務方よりブリーフィングを実施いたします。 

「100億宣言」開始

三つ目でございます。「100億宣言」というものを開始させていただきます。地域への波及力ある成長企業を生み出すため、売上高「100億宣言」の取組を、本日から開始いたします。売上高が100億円に達する企業は、直接輸出額、域内仕入高、賃金水準が、一般的な中小企業に比べて高く、地域のモデル事業として他の経営者に与える影響も大きいため、「売上高100億円」という水準に着目をしています。既に、「売上高100億円」を超える中小企業は4、500社程度、売上高10億円から100億円までの企業は約9万社いらっしゃいます。 
多くの経営者の皆様が、物価高などに直面しながらも懸命に賃上げや投資を進めていただいております。中には、技術を磨き、M&Aで拡大をし、「売上高100億円」を達成する企業もあります。こうした企業が各地に次々と生まれていくようにすることが、この取組の目的であります。 
宣言された企業向けには、多様な経営者によるネットワーク、また、「中小企業成長加速化補助金」などの支援メニューを整備いたします。より多くの経営者の皆様に、この取組に共感・参加いただきながら、全国規模の取組に繋げていきたいと考えております。こちらの方も、詳しくは事務方から御説明させていただきます。 

鉄鋼・アルミ、自動車業界との意見交換会

最後になりますけれども、鉄鋼・アルミ、自動車業界との意見交換会についてです。トランプ大統領から、御承知のとおり、鉄鋼・アルミや自動車の追加関税に関する発言がなされておられます。対応の検討に当たりましては、日本の産業界の声をよく聞くことが重要だと思っておりますので、こうした声を私が直接確認するべく、影響が想定される鉄鋼・アルミ業界と自動車業界との意見交換の機会を持つこととしました。日程についてはまだ調整中でありますので、来週の早いタイミングで開催したいなということを考えております。 
以上でございます。 

質疑応答

武藤大臣訪米の報道

Q:今、言及のございました米国の関税についてお伺いいたします。大臣が渡米して米国の関税に関して適用の除外を求めるなどの交渉をするやに報道が一部なされております。これについての事実関係と、また、その交渉に当たられる場合の考え方というところについて伺いたいと思います。よろしくお願いします。 

A:御指摘の報道は承知しているところです。ただ、現時点で、私の出張が予定、決まったという事実はございません。自分としては、なるべく早いタイミングで訪米をし、カウンターパートと意見交換をしなければと思っております。 
その上で、鉄鋼・アルミの追加関税については、現地時間の11日に日本政府から適用除外を申し入れたところであります。 
その上で、トランプ大統領が言及している自動車関税の件も含めて、15日に岩屋外務大臣からルビオ国務長官に対して問題提起を行っていただいていると承知しています。 
冒頭で申し上げましたとおり、米国の関税措置による影響について、まずは、日本の産業界の声をよく聞き、適切に対応したいということであります。 

公正取引委員会による長野県石油商業組合への立入検査

Q:長野県の方でガソリン価格に関しまして、石油商業連盟にカルテルの疑いで公取が立入検査をしましたが、これに対する受け止めと、あとエネ庁から、長野にとどまらず全国の石油商業組合だったりに、何か指示していることなど、もしあれば教えてください。 

A:今、長野県のカルテル問題の話をいただきました。激変緩和事業によってガソリン等の小売価格の抑制を図っている中で、仮に今回のようなことが事実であれば、問題は大変大きいことだと思っております。 
一般論としてなんですが、独禁法違反に問われるような事案であれば、これは公正取引委員会において、厳正に対処されるものと認識をしています。仮に、経済産業省において独禁法違反と疑われるような情報に接した場合、公正取引委員会に提供し、厳正な対処を求めていくことになると思います。 
その上で、経済産業省としてですけれども、2月6日付けで、全国の石油組合などの関係者に対し、法令遵守体制の確認・強化を図ることを要請しました。これまでも実施している「小売価格モニタリング調査」も強化し、ガソリンスタンドに対して個別に注意喚起を実施しているところであります。さらに、各地で法令遵守に向けた働き掛けを公正取引委員会と連携して進めてまいりたいと思っています。 

CCS事業法に基づく特定区域の指定

Q:先ほどの特定区域について関連してお伺いします。これまで全国各地でCCSの実証事業というのは進められてきたかと思うんですけれども、この特定区域の第1号に苫小牧沖を指定された、その理由についてお聞かせください。 

A:これは、地質に関する有識者からなる検討会というものが開催されています。今回指定した苫小牧市沖の区域は、地下にCO2の貯留構造が存在しうるなど特定区域の要件を満たすとの評価をいただいたところであります。また、苫小牧市では、地域の関係者が参加する協議会等と連携し、そして、CCSの大規模実証試験が実施されているなど、CCS事業に対する地域の理解が進んでおられると承知しているところです。 
こうしたことを踏まえて、今般、特定区域に指定をさせていただきました。 

CCS事業の推進

Q:今のCCSに関連してなんですけれども、政府が18日に閣議決定したGXビジョンですとかエネルギー基本計画のところで、その重要性について明記されていたり、2030年の事業化に向けた方針も示されています。 
改めてなんですけれども、脱炭素化に向けたCCSに対する期待感と、一方で、コストなんかも指摘されていますけれども、その課題感についてお伺いさせてください。 

A:CCSは、電化や水素等を活用した非化石転換では脱炭素化が難しい分野において脱炭素化を実現できる、このため、2050年カーボンニュートラルでも不可欠な手段として謳われているところであります。 
冒頭、先ほど申し上げた区域、苫小牧ですけれども、指定と併せて、CO2の分離回収、また、輸送船舶の大規模化の技術開発などを通じたコスト低減や、輸送船舶の仕様共通化の検討を進めてまいります。その上で、2030年までの事業開始に向け、CCS事業への投資を促すための支援制度について検討してまいります。 
やはり、コストというものがどのぐらい抑えられていくのかというのが大きな課題でありますので、しっかりとそこも検討して前に進めていきたいと思っています。 

米国による追加関税措置

Q:先ほどの関税に関して改めて伺わせていただきたいんですが、トランプ政権第1期目でも鉄やアルミなどの関税が上乗せされましたが、報復関税などの措置は、前回の1期目では特に日本政府は行いませんでしたけれども、このような報復関税などの踏み込んだ措置について、経済産業省ひいては政府、可能性について改めて伺わせていただければと思います。 

A:ありがとうございます。 
現状の中で、報復関税等について、この場で発言するようなことは控えたいと思います。 
まず、状況がどういう形で、本当に日本に影響があるのか、これを正直、まずは精査していかなきゃいけないと思いますし、日本のメーカーさんのお考えも、さっき申し上げたとおり、できるだけ早いうちにお聞きしながら、その対応を含めて、むこうと折衝していかなきゃいけないということだろうと思います。 
この時点で報復関税がどうとかという形になると、また、これはそれなりに違った形で動き出すところもありますから、その辺は慎重に、やっぱり、しっかりとした形で国益を守れるような形でやっていきたいと思っています。 

以上

最終更新日:2025年2月21日